side.一夏
キーンコーンカーンコーン...
「し、しんどい...」
駄目だ。マズイ。ギブです。難しすぎるぞ、IS。さっぱりだ。
まあ、いい。とりあえず無月のところ行っていろいろ聞かないとな!
俺が無月の席に行こうとすると、教室から出ていこうとしていた千冬姉に呼ばれた。
「織斑兄弟は、私について来い。話がある」
「は、はいっ」
「......」
俺は戸惑いながらも返事をして教室の外へと向かった。無月も俺の後ろからついて来ていた。
△▽△▽△▽△▽△
千冬姉、無月、俺は人気のないところまで来た時、千冬姉が振り向き俺たちを見た。
「で、何ですか?織斑先生」
「ああ、今は畏まらなくていい。...無月、お前のことについてだ」
「っ!そうだった!無月、お前今までどこ行ってたんだよ!俺も千冬姉も心配していたんだぞ!」
俺が振り向き無月に問いかけると、無月はいつの間にか持っていた...え?なにそれ?お絵かき帳?美術の授業とかで使う大きなスケッチブックに何やら書いていた。
書き終わったようで、こちらに見せてきた。
『束さんのところ』
へぇー束さんのところかー
「...無月、なんでスケッチブックを使って会話してんだ?」
『束さんに「むっくん、無口だし...あ!コレ使えば会話もできるし面白くなるね!学校で早速使ってみて!...あ、でも束さんと話すときは使わないでほしいな〜?」って言ってた。』
「束さん...」
なに提案してんだよ。束さん。
ふと千冬姉をみ見るとすごい形相で電話をかけていた。
あ、繋がらないみたい。舌打ちしてるし。
そしてまた、無月がスケッチブックを見せてきた。
『束さんから伝言預かっているんだった。「むっくん、今記憶喪失なんだよ。束さんが思うに精神が壊れないように、むっくんがそうしてるんだと思うんだ。そう考えるなら、むっくんの記憶は戻る筈なんだ。だからってすぐに記憶を取り戻そうとするとかえって危険になるから、ゆっくりと取り戻してあげてくれないかな?そして、一緒に支えてあげてね」以上。』
「お前記憶喪失なのか!?い、いつからだよ!無月!」
「...やめておけ一夏」
「千冬姉...でも」
「束もゆっくりと言っているだろう?なら私たちができることは、いつものように接してやるだけだ」
「......」
そうするしかないのか?
『あ、呼び方って「お姉ちゃん」と「一夏おにぃ」でいい?束さんに聞いたら昔僕がそう呼んでいたようだし!』
「ああ、私は構わないぞ」
「俺も...ってなんか無表情の割にすっごいしゃべ...いや、書いてるよな!?すっげぇ不自然だぞ!お喋りか!?心の中ではお喋りなのか!?」
「『?』」
「いや、そこで首を傾げないでくれよ!それに、千冬姉もなんで傾げるんだよ!俺か!?俺がおかしいのか!?」
うがー!と俺は唸った。ぜってぇおかしいって!お願いしたらやめてくれんのか?
そう思って無月を見ると、
『い・や・だ』
「心読めんのか!?」
「うるさいぞ一夏。後の詳細は私から束に聞いておく。一夏は普通に兄弟として無月に接してやれ。分かったな?」
「いや、でも」
「分かったな?」
「...はい」
「ん。では二人とも教室に戻れ。次の授業に遅れるな」
『(`・ω・´)ゝ』
「はい...ってどこで覚えたそれ!?」
『束さんに教えてもらった(`・ω・´)キリッ』
「束さん...」
こうして納得のいかないまま、俺たちは教室に戻った。
△▽△▽△▽△▽
「なあ、無月?」
『?』
今は休み時間。十分ほど休憩を挟むみたいです。一夏おにぃが僕のところまで来てお話しているんだ。
さっきの授業は副担任の山田真耶先生がスラスラとわかり易く教科書にそって進行していたけど、一夏おにぃが全てわからないって言って授業が少し止まったんだ。そして、お姉ちゃんに叩かれていた。
「お前さ、授業にちゃんと付いていってるのか?」
『一夏おにぃに言われたくないよ...』
「う、うるせっ」
『えっと、僕は束さんに一から教えてもらったから一応付いていけてるよ。』
「あ、そう言っていたな。そう言えばあの人、どんな生活送ってんだ?」
『うーん...意外と色々やってた。家事は当番制で僕も手伝っていたよ。』
「へぇー...ってか、やっぱり無口で無表情なのによくそんなに書けるな。無月ってコミュ障なのか?」
『こみゅしょう?...なにか知らないけど、束さんが「なんにも思わなくてもそれなりの言葉を並べておけば会話になるよ〜♪」って言っていたよ?』
「......」
一旦お話しが途切れた時に篠ノ之さんがお話してきた。
「...ちょっといいか」
「え?...箒?」
「...ああ、一夏だけでいい」
睨んでくる篠ノ之さんに僕はコテンッと首を傾けた。僕の顔になにかついているのかな?
「廊下でいいか?」
「いきなりどうしたんだ?ほう――」
「早くしろ」
「お、おう...また後でな」
と、一夏おにぃは篠ノ之さんに連れていかれた。
...何をしようか。次の授業の準備中しようかな。
えーと...コレと、コレと――
「ちょっと、よろしくて?」
いきなり聞こえてきたその声に僕はコテンッと首を傾げた。
そこには、長くきれい綺麗な金色の髪をした女の子が僕の隣に立っていた。
えーと...なんか高貴なお嬢さまのような人だね...
「訊いています?お返事は?」
『あ、ごめんなさい。失礼かも知れないけど、まずお名前を教えて欲しいな。自己紹介の時、居なかったから分からなくて...あ、僕から名乗るのがレイギっていうんでしたね。僕は織斑無月です。』
「それは失礼しましたわ。わたくしはセシリア・オルコットです。ひとつお聞きしてもよろしくて?」
僕はまたコテンッと首を傾げた。
「貴方、声に出して返事はできませんの?これも失礼ではなくて?」
『あ、ごめんなさい。僕、数年前に記憶を無くしちゃったみたいなんだ。そのせいなのか分からないけど、話す言葉が少ないらしくて、記憶を無くした後に出会ったある人に、少しでも相手と会話が出来るようにって、このスケッチブックを貰ったんだ。』
『安心してほしいな。ちゃんとそれなりの言葉を選んで書いているから。だから喋るの苦手...なのかな?なのでこれは我慢して欲しいな...』
''嘘''がどんなことか良く知らないから、とも言いたかったけどやめていおた。何げに聞き耳を立てていたようで、周りにいた女の子たちがへぇーと納得行ったような顔をしていた。
「そうなのですか...これは失礼しましたわ」
『ううん。いいんだよ。気にしないで。』
「そうですか。では本題と移りましょうか。あなたISをの稼働時間はどの位ですの?」
『えっと...2...いや、30時間ぐらいだったかな?』
「...まあ、少しは理解はしている様ですわね。ISのことでわからないことがあれば、まあ...泣いて頼まれたら教えて差し上げても――」
キーンコーンカーンコーン...
『あ、チャイムだ。話している途中なんだけど、ごめんね?オルコットさん。席についた方がいいと思うよ?』
「ま、また後で来ますわ!逃げないことね!よろしくって!?」
『分かりました。』
良く分からないけど、なんかこういう何気ない会話が''楽しい''...フフッ''楽しい''な。それに''楽しいは''嬉しい''な♪やっと...やっとね。
「それではこの時間は実践で使用する各種武器の特性について説明する」
三時間目は、お姉ちゃんが授業を教えるみたい。皆、真剣に取り組もうとしてる。僕もノートを出そう。そうしてると
「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな」
クラスタイコウセン?ダイヒョウシャ?
「クラス代表者とは――」
お姉ちゃんのは話をまとめると、クラス代表者は各クラスの長...前に本で見た...『学級委員長』...?みたいな位置らしいね。ただ、一度決まると変更はないらしいけどね。
クラス対抗戦は、各クラスの実力を測るためにするみたい。
「推薦したい者がいれば言ってくれ。別に自薦でも構わんぞ」
「はいっ!織斑一夏君を推薦します!」「私も!」「私は無月君を!」「私は一夏君かな」「私もかな」「無月君!」「無月君を!」
「ふむ。では推薦者は織斑兄弟だな。他にはいないか?」
「ちょ、ちょっと待っ――」
「待ってください!納得がいきませんわ!」
一夏おにぃが立ち上がって何か言おうとしたら、バンッと机を叩きながら立ち上がったオルコットさん。
「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表なんていい恥さらしですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を1年間味わえとおっしゃるのですか!?」
そう言えば束さん、言っていたね。今は女尊男卑だからそういう輩には気おつけてねって。
「物珍しいからと言う理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!いいですか!?クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれは私ですわ!それに大体、ふ文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で――」
「イギリスだって大してお国自慢できないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」
「な...!?あっ、あなたねえ!わたくしの祖国を侮辱しますの!?もう怒りました、決闘ですわ!」
けっとう?...けっとう...けっとう......闘いをするんだっけ?
「おう。いいぜ。四の五の言うよりわかりやすい」
「言っておきますけど、わざと負けたりしたらわたくしの小間使い――いえ、奴隷にしますわよ」
「侮るなよ。真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいない」
「そう?何にせよちょうどいいですわ。イギリス代表候補生のこのわたくし、セシリア・オルコットの実力を示すまたとないきかいですわね!」
「ハンデはどのくらいつける?」
「あら、早速お願いかしら?」
「いや、俺がどのくらいハンデつけたらいいのかなーと」
そこでクラスの女の子全員が本気で笑っている。...いいなあ。まだ僕には分からないんだ。羨ましいなぁ。
「お、織斑くん、それ本気で言っているの?」「男が女より強かったのって、大昔の話だよ?」「織斑くんは、それは確かにISを使えるかもしれないけど、それは言い過ぎよ」
そう言えば、ISって宇宙進出を叶えようとした束さんの夢の結晶って束さんから聞いたな。それが兵器として使われている...なんか悲しいよね。
「...じゃあ、ハンデはいい」
「ええ、そうでしょうそうでしょう。むしろ、わたくしが――」
地球からみた夜空があんなに綺麗なら、宇宙から見たらどんなに綺麗だろう...数え切れないほどの星の数々。一度でもいいから、束さんと...うん。束さんと一緒に見てみたいな。これが僕の...僕の大切な人との夢。どんなことがあっても...誰にも譲れない僕の初めての目標。いつか、恩返しをしよう。
「さて、話はまとまったな。それでは勝負は一週間後の月曜。放課後、第三アリーナで行う。織斑兄弟どオルコットはそれぞれ準備をしておくように。それでは授業を始める」
あれ?いつのまに...?
あれ?シリアスは...?
取り敢えずここで切っておきます。駄文?しりません。
無月君が無言で無表情でスケッチブックをペラッ、ペラッとめくりながら会話を成立させるという横暴...(;¬_¬)
あまり気にしないでください。そ、それと異論はやめて欲しいですね...
それにしても、無月君がスケッチブックにあんなに書くのは束さんの影響なのかな?(笑)
さて、次は部屋のお話を(多分)短く書きます!
無月君のルームメイト誰にしようかな...
では、またお会いしましょう。