一夏side
月曜日の放課後。つまりセシリアと無月との対決の日。第三アリーナ・Aピットで俺と箒はあるものを待っていた。
ルームメイトの箒とは名前を呼び合う仲に戻った。うん。それはいいんだ。いいんだが...
「なあ、箒。気のせいかもしれないんだが」
「そうか。気のせいだろう」
「本当に気のせいならいいんだがな...ISのことを教えてくれる話はどうなったんだ?」
「......」
「おい、目を逸らすな」
この一週間、箒は剣道の稽古をみっちり付けてくれた。そう
「し、仕方が無いだろう。お前のISもなかったのだから」
「まあ、そうだけ――じゃない!知識とか基本的なこととか、あっただろ!」
「......」
「目・を・逸・ら・す・なっ」
おれ俺の専用機は何やらごたついていたらしく、結局来てない。
なぜかヒュウ、と風の音が聞こえた。おかしいな。風は吹いてないのに。
そういや。無月はどこ行ったんだ?今日はフードを深々と被って首元やけに隠していたが...
「お、織斑くんっ!き、来ましたよ〜!」
声の主はおなじみ副担の山田先生だ。
こちらにか駆け足で近寄って――こけた。俺の前でズシャァァ...と
それはもう壮大に。
「う、うぅ...痛いです...」
いや今の音、絶対に痛いじゃ済まないだろ...
本当に大丈夫なのか?いろんな意味で。
「えっと...大丈夫ですか?山田先生」
「す、すみませんっ!...そ、それでですね!来ました!織斑くんの専用IS!」
「へ?」
「この程度の障害、男子たるもの軽く超えてみせろ。一夏」
「は?」
「織斑、直ぐに準備をしろ。アリーナを使用できる時間は限られているからな。ぶっつけ本番でものにしろ」
『(`・д・´)ガンバレ!!』
「え、千冬姉と無月?いつの」
「「「早く!」」」
いつの間にきたんだ?と言おうとしたが山田先生、千冬姉、箒の声が重なった。
俺の周りにはこういう異性しか...無月、お兄ちゃん頑張るよ...
ごごんっ、とピット搬入口が重い駆動音を響かせながらゆっくりと開く。
――そこに、【白】が、いた。
「これが...」
「はい!これが、織斑くんの専用IS【白式】です!」
「体を動かせ。直ぐに装着しろ。時間がないからフォーマットとフィッティングは実戦でやれ。できなければ負けるだけだ。わかったな」
千冬姉にせかされ、俺は純白のISに触れる。
「あれ...?」
しけん試験の時に、初めてISに触れた時の電撃のような感覚がない。ただ、馴染む。理解できる。これが何なのか。何のためにあるか。――分かる。
「背中を預けるように、ああそうだ。座る感じていい。後はシステムが最適化をする」
かしゅっ、かしゅっ、という空気を抜く音が響き、そして、融和するように、適合するように、白式が【繋がる】
解像度を一気に上げたかのようなクリアーな感覚が視界を中心に広がって、全身に行き渡る。
「あ」
――戦闘待機状態のISを感知。操縦者セシリア・オルコット。ISネーム【ブルー・ティアーズ】。戦闘タイプ中距離射撃型。特殊装備有り――
「ISのハイパーセンサーは問題なく動いているな。一夏、気分は悪くないか?」
「大丈夫、千冬姉。いける」
「そうか」
ほっとしたような声。けれどそれは、ISのハイパーセンサーがなければおそらくわからないほどのブレだった。――ああ、心配してくれているんだな。まあ、でも俺のこと名前て呼んだし、やっぱわかるかな?
それとなく、箒の方に意識を向ける。目を向ける必要はない。なにせ、自分の周り360度全方位が【見えている】から。
「箒」
「な、なんだ?」
「行ってくる」
「あ...ああ、勝ってこい」
無月にい意識を――あいつ首輪?なんてしていたか?
取り敢えず無視してぐっ、と親指を立ててきたので頷き返し、俺はピット・ゲートに進んだ。
△▽△▽△▽△▽△
一夏おにぃとセシリア・オルコットさんの試合が終わりました。一夏おにぃの負けです。
お姉ちゃんは呆れた顔で一夏おにぃを迎えた。
「よくもまあ、持ち上げてくれたものだ。それでこの結果か、大馬鹿者」
「うぐっ...」
「武器の特性を考えずに使うからああなるのだ。身をもってわかっただろう。明日からは訓練に励め。暇があればISをき起動しろ。いいな」
「...はい」
なんで落ち込んでいるかわからないけど、お姉ちゃんが持ち上げたって言ってたから...あれかな...えっと、
『俺は最高の姉さんを持ったよ。俺も、俺の家族を守る。とりあえずは、千冬姉の名前を守るさ!というか、逆に笑われるだろ...だっけ?』
「......」
「どこへ行く一夏。一夏?一夏!いちかぁぁぁぁ!!!」
あれ?一夏おにぃが走ってどっか行っちゃった...篠ノ之さんまで。
「......」
「......」
先生の二人は一夏おにぃが出ていった方向に目を向け沈黙。
『あ、オルコットさんが用意できたみたいなんで行きますね。』
「まて、織斑弟。お前のISは...」
『僕、専用機ありますけど?』
「「は?」」
フードを取り、首輪...孤月に手を添え展開する。
【孤月】。目元をバイザーで覆われた灰色のIS。それを取り囲むように頭ほどの大きさで灰色のV形ファンネル【天月】を展開していた。
『ふう。では、逝ってきます!』
どこからか、字が違うと聞こえたような気がした。
「待っていましたわ」
アリーナの中心に青と灰色が対峙する。
『まずは日本を侮辱する言葉の数々をお詫びを申しますわ』
プライベート・チャンネルというものを使ってこちらに話しかけるオルコットさん。
僕も文字を送ることで会話を成立させる。
【なぜ?】
『わたくし、一夏さんのおかげで色々と気づきましたの』
【一夏おにぃにでも惚れたの?】
『なっ!?そ、それは...ああもう!始めますわよ!』
【あ、話そらした。】
『〜〜〜!!!』
その言葉にオルコットさんは顔を真っ赤にしていた。
△▽△▽△▽△▽△
『それでは、セシリア・オルコットと織斑無月との試合を始める』
そして鳴り響く開始のブザー。
セシリアは出し惜しみなくといったように【スターライト】とBT兵器【ブルー・ティアーズ】を展開する。
「出し惜しみはしません!全力でいきますわよっ!ブルー・ティアーズッ!!」
「...ん」
無月はセシリアの攻撃を僅かに当たりながらも近づく。
後10mというところまで詰め寄った時、セシリアが微笑んだ。
「来ましたわね!ブルー・ティアーズは、後2機ありましてよっ!」
「...ッッ...」
セシリアの腰部のアーマーの突起が外れた。一試合前の一夏の時の【ミサイル】だ。
無月は旋回し避けようとするが間に合わず爆発する。そして射撃を雨のように爆発の中心に目掛けて撃つ。
セシリアは勝利を確信し、笑みを浮かべる。
しかし、その黒煙からと突然レーザーが飛び出し、セシリアを襲う。
「なっ!?」
危なげに避けたセシリア。
黒煙が晴れ、そこには無傷の無月。その周りに不規則に動く灰色のファンネル。
「...やっと...
無月がボソボソ、と呟くが、セシリアには聞こえなかったようだ。
「ビットっ!?」
「......」
セシリアのビット【ブルー・ティアーズ】が6機に対し無月のファンネル【天月】は10機。
その内3つがセシリアを狙撃しながら縦横無尽に動き回る。
残りの7機の【天月】は無月の周りを不規則に周り続けている。
「クッ...やりずらいですわ...そこっ!」
セシリアも負けじと無月に向けて【スターライト】で攻撃をする。
「...ん」
無月は周りを回る【天月】5つを四角錐状に膜を展開し防ぐ。
そして、全ての【天月】をセシリアに向かわせ、8砲身ガトリング式回転式キャノン砲【崩月】を展開。
この時点でセシリアのシールドエネルギーは215。無月は344。大体が【天月】にエネルギーを持っていかれた。
「......孤月...許してね...」
そうボソッ、と呟き【崩月】をセシリアに向け放つ。
セシリアの近くの【天月】も一緒に実弾の嵐で爆発。
その爆発もセシリアにダメージを与え、そして――
『試合終了。勝者――織斑無月』
試合終了を告げる声とブザーが響く。
その音を耳に入れながらアリーナの地面に横たわっていたセシリアは起きあがる。
「(ああ、わたくしは負けたのですね)」
すると近くからおなじみの音、ピコンッ、と音が鳴った。
『お疲れ様でした。』
「ええ、お疲れ様ですわ。ところで貴方は本当に初心者なのですか?」
『はい。僕は正真正銘の素人です。ちょっと懐くのに時間がかかりましたけど。それでもやはり代表候補者。強いですね。』
「...皮肉にしか聞こえないのですが」
『┐(´∀`)┌ヤレヤレ』
ジト目をしてくるセシリアに無月はそう言うと、そそくさと自分のピットへ戻った。
セシリアは苦笑して額に血管が少し浮き上がっていた。
うーむ。今回は駄文かなぁ...なんか不安です。
それに、だめだ。戦闘描写が難しすぎるっ...
まだまだですね。がんばります!
さて、どうだったでしょうか?
読んでいただきありがとうございます!
では、またお会いしましょう。
※4月13日、セシリアとの試合を書き換えました!それでもまだ少し不安です。ファンネルはガンダムのフィン・ファンネルを想像して下さい。フィン・ファンネル・シールドもですね。(汗