天才とFクラスと召喚獣   作:あ、ども。初めまして

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1章 ~試召戦争、解禁~
第5話 ~僕と宣戦布告と姫路さんのお弁当~


 明久 side

 

 雄「――その天才の名は、《吉井明久》だ」

 

 そう名前を告げたのだが、

 

 「雄二、僕?」

 雄「あぁ、そうだ」

 

 し、知らなかった。僕がそんなに頭が良かったなんて――

 

 『そんな訳あるか!!』

 『本人が知らないのにそんな事信用出来るか!!』

 『第一こいつ学園唯一の観察処分者だぞ!!』

 

 次々と湧き上がる批判の嵐。僕も知らなかったけどそこまで否定しなくてもいいじゃないか……。

 

 雄「明久が観察処分者になったのは昔、ある問題を起こしたからであって勉強が出来ないわけじゃない。まぁ、勉強に臨む姿勢は悪いがな」

 

 雄二が苦笑いをする。

 

 『だとしても信じられない』

 『確かに証拠も無いのにそんな事言われてもなぁ……』

 

 まぁ、皆の言うことは尤もだ。……本人の僕が知らなかったくらいなんだから。

 

 雄「だ、そうだ。明久、証拠を出せ」

 「え!?いや、それはちょっと……」

 

 成績やテストは知りたくなかったから中身を見ずに海外にいる母さんの所に送っちゃったしなぁ……。これと言った物が無い気がする

 

 雄「まさか、中身も見ずに海外にいる母親に成績表やテストを送ったとか言わないだろうな」

 「待つんだ、雄二。どうやってもそこまで的確なツッコミは浮かばないと思うんだ」

 

 雄二はやたらとこういった勘に優れている。ここまでいくと占い師とかになれそうなレベルだけど……。

 と、二人でう~ん、う~んと唸っていると、

 

 姫「さ、坂本君の言う通りです!わ、私、成績で上位に入った時に上位者のリストが書かれた紙を渡されたんですけど、いつも吉井君の名前が入ってました!」

 

 姫路さんがそう断言した。そういえばテストの度に解答用紙と一緒に変な紙を貰ってたっけ?先生に「これを見て、もっと努力するように」って言われてたから悪すぎて言われてたんじゃなくて本当は逆の意味だったんだ……。

 

 雄「姫路のおかげで材料が揃ったな。つまり吉井明久は点数は学年主席を越し、尚且つ観察処分者で物に触れることの出来る召喚獣を操る事が出来、召喚獣の扱いに慣れている。タイマンで明久に勝てる奴はそうそういないだろう」

 

 雄二がそう断言すると一斉に、

 

 『もしかしたら本当にいけるんじゃないか……!?』

 『確かにこの面子ならいける気がしてきたぜ……!!』

 

 と、皆が喜びを露わにする。

 

 雄「皆よく聞け!!この状況は大いに不満だろう!!?」

 『『『当然だ!!』』』

 雄「ならば総員ペンを執れ!!出陣の準備だ!!」

 『『『おぉーーっ!!』』』

 雄「俺たちに相応しいのは卓袱台ではない!!!Aクラスのシステムデスクだ!!!」

 『『『うおおぉぉぉーーーっ!!!』』』

 姫「お、おーっ……」

 

 クラスの雰囲気に気圧されたのか、姫路さんも胸の前で拳を握っていた。その仕草は妙に可愛らしい。

 

 雄「まずは手始めにDクラスを落としてみたいと思う。明久、宣戦布告の使者になってくれ」

 

 雄二にそう言われ慌てて拒否しようとする。

 

 「……下位勢力の宣戦布告の使者って大抵酷い目に遭うよね?」

 雄「大丈夫だ、そんなの映画やテレビの話だ。奴らがお前に危害を加えることは無い」

 

 雄二がそう断言する。

 

 「本当に?」

 

 僕が疑いの目をしてそう聞くと、

 

 雄「俺を信じろ。騙されたと思って行ってみな」

 

 雄二が真剣な眼差しで僕を見つめ返した。……やれやれ、こいつはなんだかずるいなぁ。

 

 「仕方無いなぁ。行ってくるよ」

 「あぁ、頼んだぞ」

 

 雄二のいつもとは違う優しい目つきとクラスメイトの拍手に見送られ僕はDクラスに向かった。

 

 

                ☆

 

 

 「騙されたぁぁーーーっ!!」

 

 Dクラスに宣戦布告布告をした瞬間、Dクラスの男子連中が物凄い勢いで掴みかかってきたぞ!!雄二の言葉もあったから完全に油断してた僕はいきなり顔面に強烈なハイキックをお見舞いされ鳩尾を数回殴られた。その後、襲いかかってくるDクラスの男子連中を必死に殴り倒し廊下を全力で駆けてきてなんとか教室に転がり込んだのだ。

 そんな僕の事を上から見下ろして――、

 

 雄「やはりそうきたか」

 

 と、一言。殺すぞ。

 

 「やはりってなんだよ!?予想してたんじゃないか!!」

 雄「いや、すまないな。明久」

 

 あれ?意外にすんなり謝ってきた。なんだ、雄二にだって悪気の一つや二つくらい――、

 

 雄「クラスの為なら明久の一人や二人くらいならボコボコにされても構わないと思ったんだ」

 

 こいつに少しでも期待した僕が馬鹿だった。

 

 「少しは謝礼の意を持てよ!!そこは手違いだったとかこれからはもうしないとかそういうことを言うべきところだろ!!」

 雄「仕方ないだろ」

 

 雄二はそう言うと溜め息を吐き、

 

 雄「いくらFクラスと言えど、この程度の嘘に騙される奴なんて明久ぐらいしかいないと思ったんだ」

 「てめぇ、表出やがれ!!」

 (((あ、危なかった……!)))

 「雄二、いる!!騙されてる奴いっぱいいるから!!」

 

 心の声がクラスの殆どから聞こえた気がした。

 

 姫「大丈夫ですか?吉井君?」

 

 姫路さんが駆け寄ってくれる。あぁ、顔を見るだけで心の傷が癒えていく。

 

 「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」

 島「吉井、本当に大丈夫?」

 

 島田さんも心配してくれてるみたいだ。うん、やはり持つべき物は友達だね。

 

 「うん、平気だよ」

 

 幸い(?)あまり大した傷は負わなかったからね。

 

 島「良かった、ウチが殴る余地はまだあるんだ……」

 「ねぇ、島田さん。そこは普通に友達の無事を喜ぶべきだと思うんだ」

 

 この子も雄二と同様によく分からない部分が多い。

 

 雄「そんな事はどうでもいい。それより屋上に移動してブリーフィングを始めるぞ」

 「僕のことをそんな事にどうでもいいだと!?雄二、貴様後で覚えてろよ!!」

 

 たくっ……。僕が少し喧嘩に慣れてたから良かったけどさ……。

 

 姫「あの、痛かったら言って下さいね」

 秀「災難じゃったの」

 

 二人の美少女、姫路さんと秀吉―秀「そこでわしの名が出てくるのはおかしいと思うのじゃが……」―が声をかけてくれる。優しいなぁ。

 

 ム「………(サスサス)」

 

 自分の頬をさすりながらムッツリー二が続く。

 

 「ムッツリー二、畳の跡ならもう消えてるよ」

 ム「………!!(ブンブン)」

 「今更否定してもムッツリー二がHなのはもう知ってるよ」

 ム「………!!(ブンブン)」

 「ここまでばれてるのに否定するなんて、ムッツリー二は凄いね」

 

 まぁ、それがムッツリー二らしいんけど。

 

 ム「………!!(ブンブン)」

 「何色だっ―ム「水色」―即答か……」

 

 ムッツリー二はホント、エロの事に関しては誰にも負けない。

 

 「やっぱりムッツリー二は凄いよ」

 ム「………!!(ブンブン)」

 

 そうやってのんびり会話をしていると、

 

 島「ほら、吉井。あんたも行くわよ」

 

 不意に島田さんに腕を掴まれた。

 

 「へーい、じゃあムッツリー二も行こうか」

 ム「………(コクコク)」

 

 階段を上がって屋上にたどり着くと皆はもう集まっていて、雄二の方に視線を集めていた。

 

 雄「明久、開戦は何時を予告してきた?」

 「午後からって予告してきたけど」

 島「それじゃ先にお昼ってこと?」

 雄「そうなるな。明久、今日ぐらいまともな物を食べろよ」

 

 雄二の気遣いに思わず溜め息が出る。

 

 「そう思うのなら購買のパンくらい奢ってよ……」

 姫「えっ?吉井君ってお昼食べない人なんですか?」

 

 まぁ、姫路さんみたいに規則的な生活をしてる人が聞いたら驚くかもしれないね……。

 

 「一応食べてるよ」

 雄「明久、お前が主食としてる水と塩は食べるとは言わないぞ」

 

 雄二が横槍を入れてくる。むっ、雄二の奴め……。雄二の言ってることは間違っている。

 

 「失礼な、ちゃんとエネルギーになる砂糖だって食べてるさ」

 

 こいつはほんとに馬鹿だなぁ。僕が水と塩だけで生きてると思ってたなんてそれは大いなる間違いだ。そんな事思ってたら、

 

 雄「俺が言いたいのはそういうことじゃない……」

 

 と、呆れた様に返事をされた。え、何?なんで皆そんな優しい目つきをしているの?僕が言ってた事は間違ってなんかいないはずなのに。

 

 島「吉井の事少し見直したのにやっぱり馬鹿ね……」

 

 本人に聞こえる様な声の音量でそんな事言わないで欲しい。

 

 雄「ま、メシ代までゲームみ注ぎ込むお前が悪いよな」

 「し、仕送りが少ないだけさ!」

 

 さっきも、ちらっと言ったけど家族は全員海外に行ってて僕は今、一人暮らしをしている。確かにそれ相応の仕送りは貰っていて少ない訳じゃないけど……その殆どがゲームや漫画、CD等に消えている。趣味ってお金がかかるよね……。

 

 姫「あの、それならなんですけど、私がお弁当を作りましょうか?」

 

 ゑ?

 

 

 

 

 

 

 えぇぇぇーーーーーーーーっ!?!?!?!?!?

 

 

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