輝ちゃんマジギレでござるの巻
暗がりの森の中、三日月の光だけが照らす先には―――
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」
声を上げながら褐色の妖怪は鋭い爪を相手に突き刺さんとしている。
「っ…!」
もう一方の凛とした顔の少女は出来るだけ静かに妖怪の攻撃を避ける。
月が真上に上がった頃だった。
あああああああああああっっっ!!!!!!
無理!あんなほとんど音速を超えてるようなもんを避けるだけで凄いよね!?それをさっきからずっとやってんのよ!筋肉がヤバたん!
基礎筋力を上げて必死でやってるのよ!あちらは気にしてないけどね!
こんな脳内だけど頭の中心らへんは冷静にどうするかを考えて、そして、行動する。
―――しかしこいつさっきから動きが単調だな。
ただその爪で私の首か心臓を狙ってくるだけ。
―――反撃、出来るな。
伸ばしてくる腕を一気に掴み投げる。
「!、!!!??」
ドサっと大きな音を立て地面に倒れ込む。
うわとてもテンパってる。
そのまま、腕の関節を逆に曲げる。
「グァァアァァ!!!」
おおっ、効いた…のか?
思わず力を抜くとブンっと腕を振り私を振り払う。
慌てて受身を取るがあっちはその隙を見逃さず私に飛びかかる。
「ばっ…!」
そのままマウントポジション(?)を取られる。
その拍子に肺の息を全て吐き出してしまいクラリとする。
月の光が逆光になり異様な雰囲気を醸し出す。
―――さぁどうするか。
しかし何かこの状況…て言うかコイツどう考えてもあいつの差し金だよな…あっヤバイイラついてきた。
「―――」
「ああっ?」
「クソがっつたんだよばーか。」
何とか右手を自由にしてあいつに向かって精一杯力を込め―――ぶん殴った。
「っでぇ!」
顔が少し抉れたけど気にせず私を睨みつける。
―――まあいっか。
爪が私の頭めがけて振り降りてき………
「きゅっとして…」
「ドカーン!」
妖怪の体が弾け散る。
パラパラと妖怪だったものが落ちる先に、
「輝!」
――――――やばい皆が来ただけなのになんか感極まってきた。なんか涙も出てきた。
「輝大丈夫…って輝!?」
てか服血だらけだ、いま黒のTシャツだけだから比較的目立たないけどあの上着着てたらアウトだったな…
「輝!頭から血出てるわよ!」
んー血って綺麗にできたっけ?まぁいっか、今はそんな事はどうでもいっか、今は―――
近くの木を全身全霊で殴る。
メキメキと音を立てて木が倒れる、けっこう大きい木だったんだな。
まぁいい。今は―――
妖怪の山とやらの何処か(多分てっぺん)に余裕かましてる
休みのうちに…出来るだけ…!