こーりん難しいや。
森の道を通って香霖堂と書かれた店にたどり着く。
少し深呼吸をする、どうやらがらでもなく緊張してるらしい。
十分に落ち着いてから扉に手をかけ―――
「霖之助、あったか」
「…お生憎まだだよ。」
「…ちぇっ」
なんかいつもの挨拶と化したやりとりを交わして近くの椅子に座る。
「やることないんだから早くしろよ」
「…君は口を閉じていれば…いや開けても寄って来るか」
「何が言いたい」
「いや何でもない」
そう言いながら霖之助は棚の中からガサガサと色んなものを取り出す。
いま噂の自撮り棒やベイブレード、ファービーなんかもある
「どれから説明すればいい」
「そうだな…それじゃあ」
さて、どうして私がここにいるかというと―――
「輝ーお前ってさ外の事に詳しいんだよな」
「…一応外で暮らしてたからな」
人里に暮らし始めて1ヶ月半がたった頃、魔理沙が家に訪ねてきてこんなやりとりをしたのを覚えている。
「それじゃあ連れて行きたい場所があるんだ!」
嬉々としながら連れてきたのがこの店だった。
「……珍しい客だな」
店に座ってたのは白髪の若いメガネをかけた男性。
……しかし店にあるのは前の世界で見たものばっかり、なんでだろう
「此処には外の道具があるんだぜ!」
ドヤ顔の魔理沙、呆れる店主、どうすればいいか分からない私。そんな昼前だった気がする
―――って事があったのさ!
それからちょくちょくここに来てるんだが、懐かしいものもあるんだよなぁ、「モルスァ」と謎の声を出すフクロウみたいな玩具で遊びながら道具の説明をしていく。
「なる程、しかし大概のものはここでは使えないんだな」
「まぁそうなるな」
少し物足りなそうにポケベルをいじる霖之助。
この道具マニアめっ!お前魔理沙から好かれてんのわかってないのか!
一回その事を伝えてみたら「何言ってんのこいつ」みたいな顔された、解せぬ。
「ああ、そうだこれ」
むむむっと考えているとアイツからずいっと何かを渡され―――
「…スマホ?」
「使えないんだったらいらないし、こうゆうのが欲しかったんだろ」
確かに私は以前「何か遠くからでもやりとり出来るもの」を求めてたけど…まさかスマホとは…
「まぁ貰っておく」
「そうしてもらえるとありがたい」
未だに鳴き続けるフクロウをおいてポケットにスマホを入れる。
おおぅ、懐かしい重さが…安心する…
「それじゃあ帰るよ」
「気を付けて」
「お前も盗人には気をつけろよ」
そう言って外に出ると綺麗な夕日だった。
こうゆうの中々外の世界じゃ見れないんだよなー。
さて、帰ろうか。
因みに双方に恋愛感情は無いです。
仲のいい兄弟みたいな感じです。