三人称ムズい。
蝉の声が聞こえ日差しが私を殺さんと突き刺してくる。
カーンカーンカーンと金槌を振るい屋根の補強をしながらも汗が滴ってくるのが分かってしまう。
あっつい…!なんだよもう…!!私暑いの苦手って言わなかったけ?
ふと遠くを見るとこっちに鳥が飛んでくるのが見える。
いやー夏だなぁ…、…?こっちに飛んでくる?
慌ててもう一回見るともう結構近く―――
「うわぁ!?」
「どうし…!?」
あれ?なんか落ちて―――る?
「輝!!!」
「輝大丈夫!?」
人里のとある家に少女…霊夢が飛び込んできた。
霊夢の飛び込んだ家には四人の少女の姿があった。
「霊夢さん速いですね」
玄関に座っていた早苗が少し驚いたような声を出す。
「まぁ私が伝えたら慌てて飛び出していきましたからね」
「いやそれにしても速いでしょ…」
「…流石だな」
その奥の部屋には文、鈴仙、慧音が一人の少女を取り囲むように座っていた。
少女は頭に包帯を巻いて布団で眠っていた。
「どうやら鳥が飛び込んできた時にバランスを崩し屋根から落ちたらしい」
「鳥って…」
「ちょ!私の方見ないでくださいよ!」
部屋に入ってきた霊夢は慧音の説明を聞きながら無意識に文の方を見ていたらしく慌てて反論し出した。
「私だったらもっと上手く連れ去りますよ!」
「ツッコミ所そこですか!?」
「まぁそんなことしてもすぐ連れ戻すけどね」
「うわっ!」
どこかおかしい文の反論に早苗が突っ込んでいるとその隣の空間から紫が出てきた。
「紫…居たの?」
「輝が落ちたって聞いてね…具合は大丈夫なの?」
「ふぇ!?え、ええ命に別条はないけど…」
不審そうにする霊夢の視線を避けるように鈴仙に怪我の具合を聞く紫、もしかしたらまた何かほっぽいて来たのかも知れない、と霊夢が思ってると。
「っんんっ…」
「っ!輝!」
声を上げて起き上がる少女に部屋の視線が集まる、そして少女は―――
「……?此処は?貴女達は…どなたですか?」
波乱の幕開けのベルを鳴らした。
「えっと…あなたの名前は?」
「立花…輝…だと思います」
「…私達の事は?」
「……すみません覚えてません、ごめんなさい」
ペコリと頭を下げる少女…輝を見ながら質問をした鈴仙はゆっくりと後ろを振り返った。
「…記憶喪失…って奴かしら」
「そうみたいだな…」
少し悩むようにする霊夢と慧音。
「これも記事になるかもですねー」
「輝さん大丈夫ですかー?」
「は…はい」
気にしてない(ふり)をする文と早苗。
「―――」
珍しく真剣な顔の紫。
一人一人の顔を見て輝は意を決して発言をした。
「あっあの…!」
「私って…皆さんとどんな関係だったんですか?」
その瞬間輝以外の全員の目が光る。
「えっと…私は貴女の…姉よ!」
「はぁ!?」
わけのわからない事を抜かし始めた鈴仙に霊夢が噛み付いた。
「ちょあんた何言ってんの!??」
「これを期に距離を近づけようと!」
「それでなんで姉なの!?」
「そうですよ鈴仙さん!」
「おお!早苗もっといtt」
「輝さんは私の弟子です!」
「早苗ーー!?」
変な事を言い出した早苗の肩を霊夢が掴む。
「あんたまで何言ってるの!?」
「霊夢さん!これはチャンスなんですよ!あの輝さんに奉仕(意味深)して貰えるチャンスなんですよ!?」
「知らんわよ!」
「あやや…大変ですね霊夢さん。良いですか輝さん、私は貴女の…先輩記者です。」
「貴様もかーー!!」
意味不明な事をほざき始めた文をまたも霊夢が突っ込む。
「先輩記者って、まず輝は人間でしょう!?」
「分かりませんか!?あの輝さんに「文先輩…実は私…!」ってゆうイベントが起こるかもしれないんですよ!」
「大丈夫!半世紀経ってもそんなイベント起こらないから!」
「酷い!」
「わっ私は…ただの友人だ。」
「っー!…危ない、さっきの勢いでツッコミそうだった…」
少し寂しそうな顔をした慧音に霊夢が一寸の光を見ていると―――
「…あのー紫さん?」
「?どうしたの輝」
「貴女とはどんな関係だったんですか?」
「そうね…記憶の無い貴女に言うのもなんだけど…」
「ちょ紫何Itt」
「実は貴女と私は恋人だったのよ?」
「へ?」
「紫ーーーーー!!!!」
堂々と嘘を並べる紫に霊夢がとうとう叫んだ。
「あんたねぇ嘘にもほどが――」
「えっと…私が…紫さんと?」
「ええ」
「えっ…でも…女性同士ですよね…?」
その言葉が出ると同時に一瞬空気が固まったが輝は気付かなかったようだ。
「…そうね、それでも私の事を受け入れてくれたのは貴女なのよ?」
「そ…そうだったんですか…」
「ちょっと落ち着いて輝、紫は――」
「輝、貴女にその覚悟があるのなら今すぐにでも私を受け入れてくれるかしら?」
「ふぇ!?えっ、ええっと……分k「チェストーー!!」ぎゃん!」
思わず紫に誑し込まれそうだった輝の頭をお払い棒でぶっ叩いてしまう霊夢。
そのまま、布団に倒れ込み10秒ほど経つと―――
「…?皆どうした?」
「……輝、私の名前は?」
「?霊夢」
「私は?」
「鈴仙」
「わっ私は?」
「慧音」
「私は!」
「文」
「じっ…」
「…早苗」
「で、紫だろ?」
しんっとなる部屋、暫くすると、
「ひっ輝さんだーー!」
「がふっ!」
「お帰り…お帰り輝…!」
「待った…早苗苦し…!ちょ…皆助け…!」
ぷるぷると死にかける輝に全員で何故か拍手を送る少女たち。その光景はとても奇妙だった…。
―――ちなみに輝は記憶喪失の時のことを覚えてないそうな。
私は紫をどうしたいんだ。
リクエストまだまだ受け付けてます。