少し長くなったや、あとやっぱ輝の出番の振れ幅が激しい。
「「さっいしょはグー!じゃんっけんぽん!」」
薄暗い魔法の森に無邪気な声が響く。
「「…あいこっしょ!!」」
次の声が響いて三秒間の沈黙のあと、二つの対照的な声が聞こえた。
「あー!あー!絶対ズルしたって!でないと三回勝負ストレート勝ちなんで出来ないじゃんお前!」
バタバタと足を動かしながら右手はチョキのまま目の前の少年を指さす。
「やーめーろーよー言い掛かりやろーてか出来ないって…俺そんな運無さそうか?」
はぁ…と溜息を吐きながらもクリーム色の硬質的な右手はグーの形を保ったまま目の前の少女を眺める。
「うん」
「ひっど…」
もう一つ大きく溜息を吐くと座っていた切り株から腰を上げ、空を仰ぐ。
ある部分だけまるでガラスを割ったように空が欠けており、その欠けている部分からは真っ黒な空間が覗いている。
「…いやー凄いな、こっから見ると」
「そうだねープロテインだねー」
「話聞いてないやろ」
そんなことを言いながらぐぐっと伸びをする少年、それを真似るようにんー…と言いながら少女も体を伸ばす。
「さてっと…そこの魔法使い、出て来いよ」
少年がそう言い後ろを振り向くと木の陰から魔理沙が出てきた。
「へへっ…バレてたか」
「アホかそんな目立つ帽子被ってたら直ぐにバレるっちゅーの」
「え?でもお前ああゆうタイプ好きじゃないの?」
「だぼ、それだったらロングの聖母のようなナイスバデーなお姉さん呼んで来い」
「そんなのいないよ」
「うるせェ夢見させろ」
「…おーい」
まるで漫才のようなやり取りに毒気を抜かれながらも注意は怠らず、目の前の二人を睨む。
そんな魔理沙を見て気を取り直し、対峙する少年。
「…ゴホンッ、取り敢えずあの空を元に戻すには俺たちを叩けばいいと言う訳で来たんだな」
「ああ、そうだろ?」
「んーまぁ違いじゃねぇが…まっいっか」
少し悩んだ様にしたがすぐに辞め、右手を後ろに回す、
「それじゃぁ、死に物狂いで除けろよ?普通の魔法使い?」
そう言うと同時に後ろに回していた手を魔理沙へ向ける、
「!?」
驚き、慌てて上空に避難しその発射された物を訝しく見る。
少年の手に構えられた物は厳つい、実用性重視の外装のマシンガンだったのだが、外より技術が劣っている幻想郷で育った魔理沙にはその手に構えたものが分からなかった。
「さぁ、まだまだ撃つぞ、しっかり除けろよ?」
「っ…!まっ、何なんだよそれ!?」
弾幕とは違う、銃弾の嵐をそれこそ死に物狂いで除けながら問い掛ける。
その問には答えず、ただまるでハンティングの様に銃を撃つ少年。
しかし30秒経った頃に。
「…飽きたな、すまんね」
「―――っう゛ぁ!!?」
飽きた。と告げた途端に箒に跨っていた魔理沙の足に深く銃弾が掠る。
その痛みに思わず墜落する魔理沙。
ヤバイと感じてとっさに目を固くつぶる。
…だが、いつまで待っても地面に叩き付けられる感覚はない、ゆっくりと目を開くと―――
「魔理沙大丈夫!?」
「霊夢っ!?」
魔理沙はその場に駆け付けてきた霊夢に抱えられていた事に驚いていると…
「っ〜〜〜〜〜!!!ねぇ!!」
「なんや」
「二人目!来た!順番!!」
「んー…良し、アイツじゃないのが心残りだがまっいっか」
「やった!おーい!」
何故か興奮している少女を見ながらマシンガンを仕舞う少年。
その目には同情が滲んでいた。
「足大丈夫なの?」
「あ、ああ、結構痛いけど…、!霊夢!」
「分かってるわよ」
魔理沙を適当な木に凭れさせると、駆け寄ってきたのか、少し息を荒くしながら30m程離れた場所に立つ少女を見る。
「…私の相手はアンタってわけ?」
「うん!…まずは挨拶からだね?」
そう言うとニコニコとしたまままるで礼をするかのように首を傾ける。
「こんにちは、死ね!!」
言うが早いか動くが速いか、一瞬のうちに30mもの距離を詰め、何時の間にか構えていたサバイバルナイフで霊夢の首を刈り取ろうとしていた。
「っ!!」
ギリギリ回避するが、少し体勢を崩してしまう。
しかしその立て直す隙さえ与えぬ程素早く次の攻撃を繰り出してくる。
「…ちっ!」
舌打ちをしながら地面を転がるように少女から距離をとろうとする。
「霊…!」
「
動こうとした魔理沙の眉間に少年がトカレフを突きつける
「お願いだから動くなよ、俺だって年端のいかぬ女の子を撃ちたくないんだ」
しかしその銃口と目には無慈悲な色が滲んでいる。
「…しっかし、残念だ。アイツが執着している『立花輝』とやらに会ってみたかったんだが」
「輝…!?輝に何か…」
「んーまぁ出て来ないのは仕方ねぇし、奈々に見つかったら怒られるし…」
そう呟くと、トカレフの銃口を眉間から魔理沙の口に捻り込む。
「口封じでもすっかな…大丈夫だ、手と口以外は潰さねぇよ」
「ふっ…!」
その時、遠くから声が響いた。
「ねーえー!」
「ったく、なんだー!」
「ところでさー!」
その時少女の目の前には、服の端などを切り裂かれた霊夢を庇うように。
「
「……あ゛?」
立花輝、張本人がそこに居た。
主人公は遅れてやってくる(白目)