少女は揺らがない。
揺らぐのはいつも世界だ。
「っ…んん?」
朝日が目に入る。
おかしい、いつもは私の布団に日が差し込むのは昼間だけだったんだか…
のそりと起き上がりああ、と納得する。
そっか、いま私神社に泊まってるのか。
ぺたぺたと廊下を歩きながら昨日を思い出す。
えーっと、昨日はー家潰れてーなんか二人組にボコられてーそしたらなんかちっこい子にバカにされてー仲間になってーバカにされてーとりあえず寝ろって言われてー…
「…訳が分からんな…」
自分でも苦笑いしたい。
「あ、おはようございます」
「おはよう輝、よく眠れた?」
「ああ、おはよう霊夢…と奈々」
部屋に付くとちゃぶ台に霊夢と奈々が向かい合わせに座っている。奈々は黙々と白米だけを食べ霊夢は他の副菜などと一緒に食べている。
とりあえず座っていただきます、と手を合わせて茶碗に飯をよそう。
「……所で傷は大丈夫ですか」
「へ?あ、ああ」
黙々と食べていた奈々がこちらを向き聞いてくる。
正直話しかけられるとは思わなかった、いやだってこいつ性格悪いし性格悪いし私の事嫌いそうだし。
「もし傷が残れば私の責任にされそうですし、あと貴女の事は嫌いで合ってますよ」
「…はっきり言うんだな」
「はっきり言いますよ、事実ですし」
「話してる暇があるんなら黙って食べなさい、後から話があるんだから」
バチバチと火花が散りそうな雰囲気を霊夢の一言で吹き飛ばされる。
まぁたしかに喧嘩してる場合じゃないよな。うん。
…てかこいつ心が読めるのか…??
「貴方は思ったことを顔に出しやすいんですよ」
うわぁ!!?
カチャカチャと音を鳴らして洗い物をおわらせる。
しかし、神社に帰るのもさしぶりだなぁあの頃は大変だったよなぁ…いや、うん。
「輝ー!ちょっと来て」
「どうした」
手を拭いて霊夢の居る(きっと奈々も居る)縁側へ向かう、半開きの襖を開けると短い銀の髪が揺れているのが見えた。
「妖夢、久しぶり」
「あっ、輝さん!!大丈夫ですか!?」
ん?大丈夫…ああ、傷かな?そんなに深くないから大丈夫だと思うよてかなんで知ってるんだろ。
「大丈夫だが…」
「そうですか…よかったぁ…」
答えるとほっと息を吐く妖夢。
んー心配されるのは良いなぁさっきも同じこと聞かれたけど全然高感度が違…はっ!!
ゆっくりと霊夢の隣を見ると奈々がジトリと見てくる。視線で「アホかこいつ」と言われる、様だ。
「しかし妖夢、どうしたんだ?」
「えっ、いや今日輝さんの家に行ったんですけど潰れてて慌てて霊夢さんの所に来たんです、そしたら昨日の異変にやっぱり関わってるって言うじゃないですかすごい心配になってそれで私っ…輝さん!これから危なくなったらすぐ呼んでください!地底だろうが天界だろうがすぐ飛んでいきます!飛んで貴方の邪魔になる者を切り刻んであげます!!」
「お、おう」
妖夢が熱くなってるな…そんなに心配してくれたのか…なんか目にハイライト入ってないけど光の加減だろう。
「これは…末期…ではないですね、まだまだセーフですかね」
「…自分で蒔いた種ね」
ん?なんか霊夢と奈々の視線が…
その後少し妖夢と話をしてこれからの事を聞かれていると
「その話をしに来たのよ」
「わぁっ!!?」
「紫、話って?」
妖夢は結構ビビったらしいが正直私にとったら日常茶飯事なのでそこまで驚かない。凄い紫は不服そうだけど。いや話を進めようよゆかりん。
「その異変、輝に解決してもらうわ」
うん。話が進みすぎたね…って、はぁぁぁぁあぁぁぁ!!!?????
「それは適切ですね、狙いは彼女ですし」
「でもそれ危なくない?」
「いざとなれば助けが来ますよ、ですよね妖夢さん?」
「えっあ、はい!!」
霊夢と奈々が話をしている。
いや、えっ、えーーーーーーーーーー…
「立花さん」
奈々がこちらを見る
「ご愁傷様、です」
「…仕方ないな。」
頭を抱えて答える。
ほんと、仕方ないなぁ…嫌だなぁ…
少女録を楽しみにして下さってる方々へ、いつも更新が遅れて申し訳ございません。