D・スペードの人生やり直し   作:甚三紅

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終わりはいつも通りあっさりと。
途中で三人称に変わり、またデイモン視点に戻ります。
戦闘描写?なにそれ美味しいの?ていうくらい酷い。おまけ程度に考えて下さい。


十八話

沢田家光は妻に気をとられている間にボスウォッチを壊されたらしい。わざわざ私が沢田奈々を守ったというのに門外顧問が情けない。

 

三日目の戦いは私が出る事なく終わる。今回の戦いでクローム髑髏が成長したようだ、ボンゴレの守護者が強くなる様子を見られるのは存外に嬉しい。

子供達の成長とは逆に、今度はリボーンの方が問題らしい。バミューダ、というアルコバレーノに何やら色々と聞いてきたようだ。

 

「スペード…いや、風。全部知ってたのか」

「私が知っていたのは極一部ですよ。ボンゴレの為ならばともかく、世界などというものの為に死ぬ気にはならない、それだけです」

「ブレねーな、お前は」

「ふふ、ありがとうございます」

 

わざわざ私の事を「風」と呼び、問いかけるリボーンに目を細める。この男でも不安になる事があるのか、と、驚きと少しの微笑ましさを感じた。

 

「リボーン」

「何だ」

「貴方は、貴方の教え子を信じればいい」

「……」

 

我ながら、らしくない言葉を吐いた。

凝視してくるリボーンに気まずさを感じて顔を逸らす。すると、相手の空気が緩み肩に乗ってきたのでそれを払っておいた。払われてもまったく堪えた様子はないので、いくらかは気分が上昇したらしい。

 

リボーンと別れ拠点にて寛いでいると、突然の来訪者に目を瞬かせる。随分と真剣な話があるようだ。

話を切り出される前に時計を外し、声を拾わないよう細工をして改めて来訪者に目を向ける。

 

「それで、こんな時間に何の用ですか、沢田綱吉」

 

彼から話を聞き、暫し考える。タルボの妖怪爺…ごほん、タルボが言うのならば、沢田綱吉の考えも実現出来る可能性が高い。私としてもリボーンには死んで欲しくないのだ、悪くはない。

 

「そうですね、協力してもいいですよ」

「!じゃあ…!」

「ただし、君がボンゴレ10代目として私に命令するなら、ですが」

「ーっ…」

 

言葉に詰まる沢田綱吉に視線を向け続け様子を見る。覚悟の決まった目をしてわざわざ私の元に訪れたのだ、直ぐに答えを出すだろう。

 

 

沢田家に集められた面々を見て、沢田綱吉の成長を実感すると共に期待が高まる。彼は正にジョットに迫ろうとしている、ボスとして足りない部分はこれから補っていけば良い。…まぁ、迫ろうとしているだけでまだまだ届きはしないが。

 

さて、話し合い…と言うには些か微妙であるが、それぞれの役割は決まった。私は私の役目を果たせば良い。

リボーンの事は沢田綱吉にでも任せておけば解決するだろう。彼らは何だかんだと言いつつ固い絆で結ばれた相棒だ、二人で話せば事は済む。

 

予想通りリボーンを引っ張り出した沢田綱吉に内心拍手を送り、マーモンチームの偽物達と共に岩場にて待機する。手慰みに幻術で出来たトランプを切ってみたが、流石にこの程度で何かしらのペナルティーをとられる事はなかった。

少し待つとお目当ての復讐者が現れる。戦いに参加していない私の事はひとまず捨て置くらしく、中々の勢いをつけてマーモンチームに攻撃を加る。手応えのなさと中に埋められた機械を見て偽物と分かると、直ぐに他のチームの場所へ向かおうとしたのでそれを引き止めた。鬱陶しそうに見られたので笑顔を返してやる。

 

「プレゼント、プリーズ」

「…そのまま大人しくしていれば良かったものを」

 

私が合い言葉を言った為に放置する訳にはいかなくなったようで、噛ませ犬のような台詞と共に二体の人形を復讐者が取り出す。はっきり言えばとるに足らない人形遊びに付き合う気はないので、さっさとトランプを通して異空間に送らせて貰った。その事に復讐者が驚いている間に時計を壊す。戦闘をして勝てというのならばともかく、脆い時計一つ壊す程度なら容易い。

これで沢田綱吉達の負担は幾分か軽減しただろう。合い言葉でタイマーを直ぐに止め、あとはリボーン達の居る公園へと向かうだけだ。

 

公園に到着すると、丁度リボーンが呪解したところだった。

彼はいい男には違いないのだが、あの挨拶ともみ上げはどうにかならないのだろうか?そして元の姿を見れば見る程、あのコスプレの数々を思い出して笑える。

私が笑ったのを見てどこぞの赤いおさげのチビが睨んできた上、なぜ笑うのかとキャンキャンと吠え始めた。弱い犬程、というやつにしか思えないし、未来での事を都合よく忘れている鳥頭、と言いたい。

まぁ相手をするだけ時間の無駄なので、彼女の事は無視をして時計の残り時間を確認する。

少しやり合うくらいならば充分な時間が残っていた。

 

 

- - - - -

 

 

今代の嵐のアルコバレーノ、『風』と名乗る彼女は怒っていた。

こんな緊迫した状況で笑う神経が理解出来ない。最終的にツナが勝つとはいえ、笑う場面ではない筈だ。と、わざわざ教えてあげているのに、デイモンが完全に無視をするからだ。

風が更に言い募ろうとしたところでデイモンが何やら呟くと、バミューダと一気に距離を詰める。一瞬消えたように見えたそれは、ショートワープなどではなく鍛錬により身につけた歩法によるもの。

風と呼ばれる女にはいったい何が起きたのか理解出来なかった。

対してリボーン、バミューダは直ぐに反応する。デイモンが拳や蹴りで攻撃をし、それをバミューダがショートワープで避ける。だがその先にはリボーンが待ち構えており徒手にて更に攻撃を加える。銃を使わないのは何か考えがあるのだろう。

バミューダがなんとか連携の合間に腕や脚だけをワープさせ死角から攻撃しようとしても二人により尽く打ち落とされ、防がれる。互いが互いの死角を補っているのだ。

ならばと相討ちを狙っても攻撃の勢いをそのまま移動に使われ…例えばリボーンをデイモンが踏み台にしたりと…更に鋭い攻撃を受ける羽目になる。

 

今は全て避けているが、このままではいずれこちらが攻撃をまともに食らう。

 

バミューダは目に見えて焦り始めていた。

 

「圧倒的…」

 

誰かが呟いた言葉をマーモンの耳が拾い、フードの下で眉を上げた後にゆるりと口の端を上げて笑う。知らない、あるいは忘れている者達が呆然としているのが愉快だった。

 

「あの二人がそろったんだ、負ける訳ないじゃないか」

 

 

- - - - -

 

 

リボーンの元の姿による久し振りの連携の時間は直ぐに終わりを迎える。

 

「いっぺん死んでこい」

 

この台詞を最後に私達の出番は終わった。タイマーも残り時間はゼロなので丁度いい。

 

その後は沢田綱吉がバミューダを倒し、チェッカーフェイスの昔話を聞く。

二回目のこの世界でジョットから聞いた話がようやく繋がった。当時、詳しい理由は頑なに教えてくれなかったが…なる程、確かにジョットならばリングを受け取るだろう。

それにしても、そんな大事なリングをあの未来の沢田綱吉は砕いたのか。未来が荒れたのは彼にも責任があったのでは?

 

話が終わりタルボの持ってきた器に全員でありったけの炎を注ぐ。これだけでどうにかなるのならば、安いものだ。

果たして、沢田綱吉の目論見は成功しアルコバレーノのという人柱は必要なくなった。外見は小さいままだが呪いはしっかり解かれたようだ。

 

ふと、この身が全く老いないのは呪いの一部を受けていたのではないかと考える。まぁ、あと数年も経てば答えは分かるだろう。

今回の事で沢田綱吉らが成長したのならば、何よりだ。

 




※おじいちゃんと一緒

綱吉「そういえば、D・スペードって幻術使いですよね。霧だし。あんな武闘派になったのはやっぱり…」
ジョット「デイモンは元々意外と武闘派だ」
綱吉「え…」
ジョット「戦場であんな鎌を軽々振り回すんだぞ、力も結構ある」
綱吉「魔レンズは…」
ジョット「あれは補助だな。鎌もちゃんと重さがあるし、結構重い。おまけにデイモンはオレ達と同じ下町出身で警察やらとやり合っていた」
綱吉「すっごいやんちゃしてた!!」
ジョット「何を言う、あれは正当防衛だ」
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