全部で四本。
獄寺が嫌いな訳じゃないんだよ!ホントだよ!
安定のアンチもの。
あまりデイモンの出番はありません。
・実はこんな事もありました
「これ以上私を不快にさせたら…分かってる?(暗黒微笑)」
「「すみませんでしたー!!」」
ある日の昼休み、騒がしい教室にて何やら黒いオーラをまとう女子生徒にジャンピング土下座を披露する男子生徒達をツナ達は眺めていた。
「うーん、あんなに怯えるくらい怖いのかな…彼女」
「一般人にとっては怖いんじゃないですか」
「あー…まぁ、そうかもなぁ」
一般人であるクラスメイト達も彼女の雰囲気に飲まれ、顔を青くして震えている。
ツナはそれが不思議で仕方なかった。と同時に、既に一般人から離れている自分にちょっぴり落ち込んだ。
「沢田、あんた達もよ!いつもいつも騒がしくして!」
「へぇー…」
急に名指しで注意され驚いたが、内容に気の抜けた返事をするツナ。予想した反応と違い女子生徒は目を瞬かせた。
「と、とにかく、私の平穏を乱したら秘密暴露してやるんだから(ニヤリ)」
「ふーん…」
女子生徒が気を取り直していつもと同じように言ってみてもツナの反応は変わらない。
おかしい、ツナなら「ひいっ!ごめんなさい~!」とかなる筈なのに…。
「なぁ、その顔止めた方がいいぜ。女子なんだしよ」
「バカッ!そういうのは思っても言わないもんなんだよ!」
山本と獄寺の言葉に女子生徒は口をぱくぱくさせたかと思うと顔を真っ赤にして去っていった。
何て失礼な!絶対許さない!
と怒りで頭を一杯にしながら。
その日放課後、ツナ達はクラスメイトに捕まり尊敬の眼差しを向けられていた。例の彼女はいない。
「すげーな沢田!あいつには先輩も従ってるのに!」
「そうそう、弱味握られて言いなりになってるんだってよ」
ばしばしと背中を叩かれ苦笑いをするツナを見て、獄寺は不機嫌そうになるが吠えないのはコヨーテに鍛えられたからか…。
ちなみに、山本は野球部に入り部活に勤しんでいる。
「あはは、本当に怖い笑顔ってあんなのじゃないから」
そう、本当に怖いのはあんな暗黒微笑(笑)ではない。
ツナはスペードの事を思い出して若干顔色が悪くなる。
彼は穏やかに笑んでいるだけだった、妙なオーラなんてものも発さない。ただ、どうしようもなく自分が悪いと思っている時に的確に微笑みを向けられるのだ。
雷が落ちればまだマシなのに、穏やかに微笑まれるから逆に半端なく恐ろしい。
高校受験前に怠けていた時のあれは本当に怖かった。自分が悪いと思っていただけに余計に。
息抜きに一日中遊ぼうが怒られた事はないが、怠けるのだけは許されなかった。優秀過ぎる家庭教師二人によるスパルタ学習は本当に凄かった、おかげで今では成績上位者だが。
思考がずれ始めたところでツナは軽く頭を振り意識を戻す。これ以上考えてしまったら自分の精神上よろしくない、との判断だ。
「つーかさ、あいつにあんな態度とって大丈夫なのか?なんか弱味握られんじゃね?」
「あー…それは大丈夫だと思う」
「お、そうなのか?」
クラスメイトに心配され、それを擽ったく感じながら頬を掻くツナ。
「オレには優秀過ぎるガードが居るから」
むしろ、深く探ろうとしたらひっそり消されるんじゃないかな。スペードに。
ツナの内心など読めない獄寺は自分の事だと思い目を輝かせ、それを見たツナは更に苦笑いをもらした。
・実はこんな事もありました2
ある日の休み時間、ツナ達が廊下を歩いていると反対側から歩いてきた少女にいきなり指を指される。その先は山本へと向いていた。
「しつこい!僕は野球なんかやらないよ!」
急に訳の分からない事を言われて目を瞬かせる三人。その様子に少女はイラついた顔をして足音も荒く廊下を走っていった。
「どういう事?」
ツナの問いかけに真剣な顔をして考える山本。あまりにも真剣だったので、流石の獄寺も茶化す事はしない。
「もしかしたらあん時かも。チビ達と一緒に遊んでた時ボールが飛んでっちまってさ、たまたま通りがかったあいつが投げてくれたんだ。それがズバーッ!感じのスゲーいい球で、一緒に野球やろうぜ、て誘ったのな」
「それが何であんな風になんだよ」
山本の説明を聞き、何故あんな風に敵意剥き出しで怒鳴られるのか分からず獄寺は問いかける。
当の山本はからりと笑い
「分かんねー!」
と一言で済ませた。
その日からやたらと少女と会うようになり、更に山本が絡まれまくるので気味が悪くなったツナはある日スペードに尋ねた。リボーンも知っていそうだが、最近は態度が軟化してきているスペードの方が尋ね易い。
「ああ、彼女ですか。どうやら『自分は文化部なのに山本武に野球部にしつこく勧誘されて迷惑している』と思い込んでいるようですよ。それにしても、個人の自由とはいえ女性が高校生にもなって一人称が『僕』とは…恥ずかしくないのでしょうか」
スペードにより原因があっさり分かり、ツナは山本にもそれを伝えた。あまりにも飛んだ思考回路に山本すら驚く。
後日、誤解を解こうと説明してみても少女は頑なに信じず話は平行線となる。その内面倒になったツナ達は完全にスルーする事に決め、関わるのを止めてからは次第に騒がれなくなっていった。
・実はこんな事もありました3
獄寺は最近イライラしていた。尊敬する10代目に当たりはしないが、山本には当たるくらいにイライラしていた。
スペードの手によりコヨーテのところに放り込まれ、少しは感情のコントロールが出来るようになった筈なのにとある事のせいで台無しである。
そのある事、とは…
「何だ、ダメツナの腰巾着か」
女だというのに男子生徒の制服を着て、何かと突っかかってくる人物が居るのだ。トイレに行った帰りにばったりと会い、その瞬間息をするように吐かれた暴言に顔を歪める。
女が男の制服を着ているのは別にいい。性の問題はデリケートだ、いくらイライラしようがそこに何か言う気はない。問題は会う度に暴言を吐き見下してくるこいつの態度だ。暴言を吐かないと喋れないのか、口がもげろ。
獄寺は本当にイライラしていた。
とはいえ、以前のように反射的に言い返す事はしない。相手にしないのが一番だと今までのやり取りで理解しているからだ。まぁ、理解しているからといって腹が立たない訳ではないのだが…。
「なんだ、一言も言い返さないのかよ。腰抜け」
「10代目の素晴らしさを理解できねぇ奴と話す意味はねーからな」
カチンときて怒鳴りつけそうになる自分を必死で抑え、怒りから震える声で返すと足音も荒く獄寺は教室へと帰っていった。
「あー…、また彼女に絡まれたんだ」
「10代目に迷惑かけるような事はしてません!」
「大丈夫、分かってるよ」
鬼のような凄い形相で帰ってきた獄寺にツナは苦笑いを浮かべ、当の獄寺は右腕として相応しくない態度はとっていないと主張する。
ツナは大抵「彼」と呼ばれる男装女子を何かしらの確信を持った様子で「彼女」と呼んでいる。それにつられ獄寺も無意識の内にある程度女性として扱っているので、男装女子に関して酷い事になった事はなかった。
それを理解しているが故にツナは軽く獄寺の言葉に返す。そして獄寺はツナの言葉に10代目に信頼されている!とますますツナへの忠誠を深めるのであった。
ちなみに、男装女子はツナが獄寺をコントロールするための教材として扱われ、最終的には存在を完全に無視される事になる。ツナとしても獄寺の手綱はしっかりと握っておきたかったので否やはなかった。
最後の方では実は獄寺が好きで気を引きたかった、素直になれなかった、などと言っていたが、散々馬鹿にし暴言を吐くような相手に欠片でも好意などある筈がなく
「お前だけは絶対ねーよ、今後一切近づくな」
と獄寺本人にばっさりと切り捨てられた。
・実はこんな事もありました4
※リボーンは小学生くらいの大きさまで成長してます※
「さて、今日は食事のマナーについて学びますよ。会食ごときでなめられる訳にはいきませんからね」
「スペードってそういうの詳しいの?」
「スペードは貴族並に完璧なマナーを身につけてるぞ、しっかり学べ」
という事で、沢田家(居候含む)は一流と呼ばれるレストランに来ていた。
奈々をスペードが、ビアンキをリボーンがエスコートする。ツナは練習としてイーピンをエスコートしていた。
初めての事で、しかもランボもいる為に絶対に滅茶苦茶になるとの予想からレストランにはあらかじめ事情を話し個室をとってある。奈々やビアンキもそれは承知の上でエスコートの見本として付き合ってくれている。
結果は予想通り滅茶苦茶に終わった。
初心者用に比較的食べ易いメニューを頼んだのだが、ツナは途中で手がつる、という事までやらかしてくれた。
スペードは溜め息をつきたくなったが、初めてなのだから仕方ないとある意味諦める。イーピンがいい子だったのがせめてもの救いだろうか。
男性陣と女性陣に分かれた帰りの車の中、スペードを運転手として助手席にリボーン、後部座席にはツナとランボが乗っていた。
「うぅ…料理の味なんか分からなかった…」
「ああいう場には慣れて貰うからな」
「分かってるよ!はぁ…スペードなんて何か優雅ですらあったし、本当はどっかの貴族なんじゃ…」
「生憎と貴族とは程遠い生活でしたよ」
ぐったりとしているツナの言葉は真実であったが、とりあえずスペードは否定しておく。今回の生に限り嘘は言っていない。
「それより私としてはリボーンが微笑ましかったですね、花嫁をエスコートする子供のようで」
そしてそのまま笑顔でスペードが爆弾を落とす。車内の気温が一気に下がった。
「…確かに見た目子供なのは事実だけどな。ただ外見の事でお前に何か言われたくねーぞ、何年経とうが一切変わらねーとか妖怪か」
「不思議と老いないんですよね、鍛錬の賜物でしょうか」
好意を寄せる相手に思い切り子供扱いされ、気持ち口元を引きつらせながらリボーンが返す。遊ばれているのは理解していたが、何も返さない訳にはいかなかった。
一方スペードは至極楽しそうな雰囲気を隠そうともしない。嬉々としてリボーンをいじり、無事で居られるのは精神的にも肉体的にも彼のみであろう。
昔よりも空気が読めるようになり、黙って震えるランボを抱っこしながらツナはこう思う。
このリア充ども、爆発しろ!!
ジョット「で、実際どうなんだ?どこかの貴族のご落胤とか…」
デイモン「仮にそうだとしても、教育を受けなければ身につきませんよ?」
ジョット「だから不思議なんだろう。幼なじみとしてずっと一緒に居るが、いつ勉強した」
デイモン「四六時中一緒な訳ではないでしょう。情報は本など、ですかね」
ジョット「…嘘は言ってないが全部ではないな」
デイモン「さて、どうでしょう」
G「まぁこいつがいつ何処で勉強しようがいいじゃねぇか、それを惜しみなくオレ達に分けてくれるんだしよ」
ジョット「それはそうだが…。…分かった、もう詮索はしない。その代わりこの書類は見逃」
デイモン「駄目です」
ジョット「チッ…この作戦でもダメか」
ナックル「あいつらは何をやっておるのだ?」
アラウディ「ジョットが書類から逃げるための小芝居かな」