D・スペードの人生やり直し   作:甚三紅

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深夜テンションでぽちっとな。

若干シリアスからの甘々。甘い。とにかく甘い。いちゃつくデイモンとリボーンが書きたくてやった。後悔も反省もしていない。
かっこいいリボーンはいません。


二十一話

程度の軽い雲と霧は衝撃にて元に戻らないか、とOHANASHIしてみたのだが大した成果は得られなかった。寧ろクローム髑髏が霧に見切りをつけそうな勢いなのが笑える。

一応馬鹿2と馬鹿3にも同じ事をしたがこちらは全く変化はなかった。

と言うか「ナツキに構われないから嫉妬か」と口を揃えて言われた事にイラついた。

そしてクローム髑髏に懐かれたのが解せない、会うと(用事や仕事がない限り)ヒヨコのようについてくる。リボーンや沢田綱吉に懐くのは理解出来るのだが…。

 

「スペード様はツンデレだと思う。言葉とか態度は素っ気ないのにやる事は凄く優しくて、沢山助けて貰った」

「うんうん、それ分かるよ。僕もデイモンさんにはずっとお世話になってるんだ」

 

ある日、沢田綱吉の様子を見に来た古里炎真とクローム髑髏がどう見ても女子会としか思えないような雰囲気で話し合っていた。内容は耳が聞く事を拒否したので覚えていない。

 

それはさておき、ボスが守護者達が元に戻る事を望んでいるので何とかしなければいけない。個人的には守護者の入れ替えをしてもいい気がしてきているが。

 

「という事なので、何か良い知恵はありませんか?」

「恭弥がなぁ…。先生にも出来ない事があるんだな」

「チッ、腑抜けてんな。ボスさんにゃ聞かせられねぇ」

 

キャバッローネの屋敷にてディーノとS・スクアーロに意見を求める。二人には事前に頼み時間を作って貰ったのだ。

何故キャバッローネの屋敷なのか?ボンゴレ本部には妖女(※誤字に非ず)が居るので二人を合わせたくないし、ヴァリアーの屋敷で穏やかな話し合いが出来るとは思わないからだ。

 

「他ならぬ先生の頼みだ、恭弥の事は任せてくれよ」

「山本なら引き受けてやってもいい、根性叩き直してやる」

「助かります」

 

快く引き受けてくれた二人に自然と笑みが浮かぶ。以前ならば何かあっても誰かを頼りはしなかったろうが、今生にて他人の手を借りる事に抵抗はない。

馬鹿2と雲が正気に戻ればそれぞれ馬鹿3と霧にぶつける事で多少は改善されるだろう。

 

「では報酬の話を。あくまでも個人的な頼みなので、私が出来る範囲…」

「ボスさんに仕事させてくれぇ。あんたの言う事なら割りと聞くからよ…」

 

報酬の話に移ると物凄く切実な顔と声でS・スクアーロが台詞を被せてきた。苦労人な雰囲気が半端なく、一気に重くなった空気にディーノも若干口元を引きつらせている。

 

「く、苦労してんだな…まぁXANXUSだから仕方ねーのか…?あー…オレは美味い飯とかがいいな。先生が一緒なら、どこ行こうが万が一も有り得ねぇしさ」

「両方とも許容範囲内ですので構いません。交渉成立という事で、それぞれお願いしますよ」

 

空気の重さを払拭するようにあえて明るい声を出すディーノ。それに乗るように直ぐに頷く、彼を見ていると泣けてくるので視線はディーノに固定した。

 

結果から言えば山本武と雲雀恭弥は正気に戻った。相当に苛烈な扱きを受けたようだが自業自得と言える。

S・スクアーロは言わずもがなであるが、温厚なディーノがあそこまでやるとは珍しい。あまりにも珍しいので思わず理由を尋ねてみると

 

「スペードの事貶されて我慢出来なかった。ぶち切れるとか何気に初体験かもしれねー…」

 

とバツの悪そうな顔をして言われた。

思っていた以上に彼に慕われていたらしい事に更に驚いた、いつそんな要素が?

 

自分の驚きは置いておき、とにかく結果を出してくれた彼らには報酬を払わなければならない。そこをケチるような真似をするなどボンゴレの名に誓って出来ない、きっちり支払った。

美味しい食事にディーノは満足したし、XANXUSには出来る仕事は可能な限りやらせた。口出し出来ない案件については流石にS・スクアーロも何も言う事はなかった。

思い切り文句を言われ壁が軽く吹き飛ぶ程度に手も出されたが、最後にはちゃんと仕事をしたXANXUSを見て涙ぐんでいた姿は見なかった事にしてやるのが情けというものだろうか。

 

妖女に近づける事をしなかったので、最後の最後に二人が落ちる、などというオチがつく事なく今回の件は綺麗に終わった。

一度正気に戻った沢田綱吉も変わらないし、元々変わる事のなかったリボーン、笹川了平、ランボもそのままだ。

どうやら元に戻った者が再び落ちる事はないようだ、ならば山本武と雲雀恭弥はもう大丈夫だろう。加えて元々変わらない者も落ちる事はないらしい。

このまま全員正気に戻るのならば、最悪の手段はとらずに済む。その事に僅かばかり安堵を覚えた。

 

問答無用で邪魔者を排除に出ない辺り、随分と丸くなったものだと自分を笑う。ジョットに続き沢田綱吉の甘さでもうつったのだろうか。

改心したつもりはないが、やたら他人に懐かれていくのが甘くなっていると言われているようでたまに落ち着かなくなる。

もっとも、そんな時は決まってリボーンがちょっかいをかけてくるので深く考える事はないのだが。

今回もそうだ、自室にて休んでいた所に不意にリボーンが訪ねてきてやけに構ってくる。そしてそれに安らぎを覚えている事に何とも言えない気持ちになった。

 

 

「自分が慕われてる事に納得いってねーのか」

 

自室の広く大きなソファにて、リボーンに後ろから抱き締められている状態で尋ねられる。いつの間にかここまで近い場所を彼に許すようになっていた事に今更ながら気がつく。…まぁ、リボーン相手ならば悪くはない。

もっとも、リボーンの方が身長があるので私の方が前だというのは非常に…非常に!不本意だ。ジョット相手ならば逆だったというのに。

 

「…そうですね、甘さ故に慕われているようで、どうにも落ち着かない」

 

長年の付き合いになるリボーン相手に隠すのは不可能と悟りあっさり心情をバラす。そもそも声色が問うものではない、これは理解していて聞いている。

 

「お前の中で優先順位が変わりつつあるんじゃねーのか?悪くない変化だと思うぞ」

「ー…この私が…ですか…?そんな馬鹿な事…」

 

リボーンの言葉に愕然とする。今の自分にとってボンゴレ以上に大切な事などない筈だ、それはリボーン相手でも変わらない。そうでなければならない。でなければ私はいったい何の為に…。

 

「スペード!」

「っ!……、…すみません…」

 

リボーンの声と強まった腕にハッとして息を飲む。今回の妖女の件も相まって大分情緒不安定になってきているようだ。だからこそのスキンシップか、と納得する。

今ここにジョットとGが居てくれれば、などと詮無い事を考える時点で危ない。暫く休暇でもとるべきだろうか。しかし、今ボンゴレを離れる訳には…。

 

「…明日出かける、暫く付き合え」

 

考え込み始めた私にそんな言葉が不意に降ってきた。スマートさのないこの男らしからぬ台詞に目を瞬かせる。と同時に何となく相手の気持ちを悟り段々と笑いが込み上げてきた。

 

「ふ…ふふ、あははっ!貴方らしくない誘い文句ですね、余裕の欠片もない!」

「うるせー…お前相手に余裕なんかあるか」

 

遠慮なくリボーンにもたれかかり笑い声を上げ視線を顔に向ける。ほんのりと色づく目尻にまた笑ってしまうと仕返しとばかりに耳を噛まれた。それを擽ったい、と笑って済ませる程に自分はリボーンを気に入っているらしい。

 

「フフ、ありがとうございます。明日はデートですね」

「ああ。明日はオレが独り占めだ」

 

笑い過ぎて私の目に滲んだ涙を拭う彼の手を感じようやく落ち着く。リボーンのおかげで暗い気持ちなど吹き飛んでしまった。

体をリボーンに預けたまま目を閉じる。感じる温もりが、酷く心地よかった。

 




ジョット「デイモンに呼ばれた!」
G「ああ、そんな気がするぜ」
アラウディ「気のせいじゃないの?」
ジョット「いいや、絶対に呼ばれた。オレの勘がそう言っている」
雨月「ジョット達は相変わらずでござるなぁ。実に和む」
ナックル「和むのは良いが、今出たら修羅場になるのではないか?」
ランポウ「オレ様もそんな気がする…」
アラウディ「……。いい雰囲気ならぶち壊さないと」
G「ちょっと待て、段々残念なイケメンになってきてるぞ」
アラウディ「君達に言われたくないね、幼なじみ馬鹿二人」
ジョット「幼なじみ馬鹿など誉め言葉だ!」
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