D・スペードの人生やり直し   作:甚三紅

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ちょっとグロい。
そしてデイモンが外道。どこの悪役ですか?
ボンゴレの残虐性を出したつもりです。

後書きはいつもと違いシリアス。シリアスな初代達を見たくない方は回避を。



二十三話

「ナツキがディアマンテに浚われました。詳細は…」

 

書類仕事をしている最中、部下から上がってきた報告に手に力が入り万年筆がバキリと音を立てて折れた。一瞬目の前の人間はビクついたが、努めて冷静であろうとしている。

ディアマンテとは最近勢力を伸ばし始めた弱小グループだ。自分達はディアマンテ…ダイヤモンドに匹敵すると?実に笑える。その笑えるグループは薬や臓器密売などに手を出しており、今日馬鹿3が制圧に赴いた筈なのだが…。

 

「ナツキの護衛はどうしたのです」

「それがナツキ子飼いの影に始末されたようで…。その影も今日の戦闘により怪我を負い、嵐の守護者と共にこちらに運ばれております」

「……ご苦労。下がりなさい」

「はっ。失礼します」

 

部下が部屋から出ていくのを見送り深い溜め息を吐く。呆れて物も言えないとはこの事だろうか。

大方あの馬鹿娘は馬鹿3を一人で危険な目に合わせない!とでも思い屋敷を抜け出してついていったのだろう。そして中身は大人なんだから、などとふざけた考えの元調子に乗って人質にでもなったに違いない。更に最悪な事に自分の事は捨て置けと暴れた結果悪い方に事態は転がり、馬鹿3とその影とやらが大怪我をして帰ってきた、といったところか。

 

「本当に余計な事ばかりしてくれる…」

 

舌打ちをしたい気持ちになりながらインクで汚れた手や机を拭き、書類を始末して沢田綱吉へ報告する為に椅子から立ち上がった。

 

 

「私は彼女を見捨てますが構いませんね?外見はどうあれ中身は大人だ、相応の報いを受けるのは当然でしょう」

「けれどナツキは…」

 

沢田綱吉の執務室での遣り取り。

他に適任者が居らず私がディアマンテの殲滅に向かう事になった。ゴミは早く掃除しなければ他の所まで汚れてしまう。任務自体に否はない、ただ一つだけ条件をつけると予想通り沢田綱吉は渋った顔を見せる。

 

「君はもう『理解している筈』だ」

「ー…っ…」

 

だがそれを一刀両断すれば苦い顔をしつつも反論をしない。彼女のいったい何が悪いのか、しっかり理解しているようで何よりだ。

 

「可能な限り、でいい。ナツキを…」

「そうですね、『可能な限り』ならば引き受けましょう」

 

もはや表立って助けてくれとは言えない状況に、苦しげに告げられた言葉。その曖昧さ故に頷いて執務室を出る。

まずは影とやらを片付けてからだ。

 

手負いという事もあり影の方はあっさりと終わる。鎮痛剤がよく効いて眠っており、その間に蘇生が不可能な程度にバラしてこの影が始末した馬鹿娘の護衛だった者の友人に後始末を頼んだ。

友人を殺した張本人という事で、突然の事であったが彼らは快く引き受けてくれた。

今回の事には箝口令を敷かなかった為、それなりの早さで話は広まっている。このままならば仮に無傷であの馬鹿娘が帰ってきても、居場所などなくなるだろう。

ボンゴレは裏切り者を決して許さないのだから。

 

ボンゴレ本部を出る前の事。どこから話を聞きつけたのか…いや、リボーンならば当然とも言える早さで情報を掴み、着いてくると言ったのを断った。

戦力過多により、馬鹿娘がどうこうなる前に事が終わってしまっては困る。

珍しく渋った為かリボーンは着いてはこなかったが、終始心配そうにしていたのは擽ったかった。

 

ディアマンテの殲滅自体は楽に終わる。所詮は『グループ』という程度の規模、楽に終わらない方がおかしい。

最後の最後に残した者も、狙い通り馬鹿娘に怪我を負わせてくれた。放っておけば死に至るという素晴らしい具合だ。

 

「さて、君は何故自分がこんな目に?と思っているのでしょうね」

 

ディアマンテの本拠地である家の地下室にて。薄暗い部屋の中、うつ伏せで倒れている馬鹿娘を見下ろしながら薄く笑みを浮かべる。

彼女の太股は銃弾によって出来た傷があり、床にじわじわと血が広がり始めていた。

その後方には男の死体が一つ。彼はいい仕事をしてくれたので、苦しむ事のないよう逝かせてやった。そのおかげか死に顔は酷く安らかだ。

 

「たす、け…きた、じゃ…ない…の…?」

 

痛みから顔を歪め、息も絶え絶えといった様子で私を見上げる妖女。

私は笑みを浮かべたままでそれには答えない。答える必要性を感じない。

 

「ボンゴレは裏切り者を許さない。…と言っても、君には何の事か理解出来ないでしょうね。ですから説明して差し上げましょう」

 

まず彼女の事はドン・ボンゴレの血縁者ではないと沢田綱吉から正式に発表されている。扱いは客分だ。アルコバレーノという規格外の存在もあった為、外見と中身の差を理解し屋敷の者は彼女を成人女性としてもてなしていた。

もっとも、見た目幼児だしある程度は許されるだろう、などという浅はかな考えの元起こした数々の行動により、屋敷の者の気遣いは見事にぶち壊されたが。

まぁ、妖女の事は沢田綱吉が大事にしていたのでそこについての不満は皆、飲み込んだ。

それよりも拙かったのが彼女の影だった。彼は馬鹿娘こそが至上の主だと言ってはばからず、やれ彼女に色目を使った、やれ彼女が受けるに相応しくないもてなしだ、と使用人に喧嘩を売り暴力までふるった。おまけに沢田綱吉まで無能な父親だ、などと見当違いな言葉で罵ってくれた。

その彼を彼女はどうしたのか。

影が自分の所有物(もの)と認めた上で、強く咎める事も止める事もなかった。使用人が殴られてから軽く止めるような事を言うだけで、仕方ないなと笑うだけだった。

 

「君はせめて彼を目に見える形で罰するべきだった。使用人にも沢田綱吉にも謝罪すべきだった。ただの客分の僕風情が理不尽に暴力をふるったのだから」

「か、れは…僕じゃ…ない…!」

 

強く手を握りこちらを睨みつける妖女を嗤う。

僕でないのならば何故主と呼ばせたままでいたのか。一々訂正するでもなく、主と呼ばれそう扱われる事を受け入れていたというのに。それはつまり、彼は所有物であると認めているという事だ。

 

「決定打は彼が君の護衛…私達のファミリーを殺した事です。もはや君も彼もボンゴレの敵だ、厚意と恩を仇で返した裏切り者だと認識されています」

「え…」

「知らないなどと言わせませんよ。君が屋敷を抜け出す時に護衛の目が邪魔だと彼に言ったでしょう?護衛を殺すという方法をとりどうにかしたんですよ、彼は」

 

血が抜けている事以上に顔を青くする妖女。

彼女が本当に何も知らないのは分かりきっている。だがそれがどうした。本物の幼女ではなくいい大人なのだ、下の者のやった事は上の者が責任をとる、常識だろう。

もっとも、彼女は本当に責任をとらされるとは思っていなかったようだが。

自分は精神年齢○○歳だと言い続けていた割りに、本人こそが一番幼女の外見に甘えていたらしい。

 

「そういう訳ですから、仮にボンゴレに戻ったとしても結末は変わりませんよ」

「……」

「おや、そろそろ時間のようです。最期に理由が分かって良かったですね」

 

段々と反応が無くなってきた妖女に軽く眉を上げる。何か隠し玉でもあるかと少しばかり警戒してみたが、何もなかったようだ。

念のため完全に事切れるのを待ってから地下室を出ていき、残りの処理は部下に任せた。

 

ボンゴレ本部に戻り、沢田綱吉に彼女が死んだ事を伝える。納得いっていないのがありありと伝わってきたが、この結末について何も言わない程度には理解しているらしい。

後日、正気に戻った筈の馬鹿3が殴りかかってきたので軽く三倍返しにしてやったところ、色々とぶちまけられるも全て頭から抜けていってしまった。

操られていたかもしれないが想いは本物だった、などと私にとってはどうでもいい。物理的に尻を蹴り飛ばして仕事に戻らせた。

 

本当に、次から次へとよく来るものだ。そろそろ落ち着いてくれないかと、切に願う。

 




ジョット「Ⅹ世や晴れのアルコバレーノは何をやっている!デイモン一人にあんな…!!」
G「落ち着け!オレ達が言っても仕方ねぇだろ!」
ジョット「しかし!!」
雨月「ジョット、Gの言う通りでござる。口惜しいのは皆同じ、まずは落ち着かれよ」
ジョット「くっ…」
アラウディ「中身が大人なだけいくらかマシ、と思えばいい」
ナックル「そうだな…本当の幼子よりは、まだ救われる」
ランポウ「とは言え、デイモン一人にやらせたⅩ世達をオレ様許せないけどね」
ジョット「デイモン…くそっ、今すぐに抱き締めたいのに、何故オレの手は届かない…!」
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