D・スペードの人生やり直し   作:甚三紅

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リボーンと再会。
リボーンが相当デイモンの事を気に入ってる風になりました。


四話

無事アルコバレーノにならず運命の日を乗り越えた。

軽く調べてみるとやはり代理の嵐が現れたようだ。しかも突然に。

もっとも、もう関係はないのだ、このまま中国の山奥にこもって生活でもしようか。いや、ボンゴレがどうなったのかは大いに気になる、見に行ってもいい。決して鍛えるのに夢中になって忘れていた訳ではない。

もはや見慣れた山奥の景色を家の中から眺めつつ考えていると、家の扉が二度軽く叩かれた。

 

「はい、どな…っが!」

 

扉の外に感じるのは人の気配。こんな山奥に人とは珍しい、と思いながら扉を開けると顎に強い衝撃。脳が揺さぶられ立っていられず尻餅をつくと、低くなった目線故に衝撃の正体が判明した。

 

「やっと見つけたぞ」

 

きっちり着込まれた黒いスーツに黒いボルサリーノ、ボルサリーノの上にはカメレオンが乗っており大きな目はじっと私を見ている。

表情からは分かり難いが大層お怒りのようだ。

痛む顎をさすりながら困惑したような顔を作る。

 

「えぇと、初対面の方に「ばっくれんなよ、こっちはとっくに全部思い出してんだ」…ですよねぇ…」

 

台詞を被せられた上に銃まで抜かれ、観念して肩をすくめ息を吐き出す。いつかはバレると思っていたがこんなに早いとは予想外だ。

 

 

 

「お茶ですがどうぞ」

 

コトリと音を立ててテーブルに茶碗を置き、自分の分も置いてから向かい合わせに椅子に座りリボーンの様子を伺う。椅子に立ち精一杯茶碗に手を伸ばす姿は微笑ましく感じるが中身を知っていると笑えてくる。とはいえ、別に意地悪をした訳ではないので睨まないで欲しいのだが。

 

「私は引き際を間違えなかった。眠りと記憶は私なりの優しさです。術者である事は身を持って体験したでしょう?そういう事です」

 

相手が口を開く前に答えを先に告げると不満げな雰囲気を感じた。表情は一切変わっていない筈なのに分かり易いのは彼が気を許しているからだろうか。

 

「…お前の後釜にきた女は?」

「残念ながら詳しくは知りません。強いて言うなら世界の意志により引っ張ってこられた人間、ですかね」

「あんな体験しなけりゃ頭イカレてんのか、て言いてーな」

 

問う口調はあまり好意的なものには感じられず意外に思う。リボーンの事は、常に何人もの愛人を囲う程度には女好きだと思っていた。考えをしっかりと読まれたようでリボーンは舌打ちをして茶碗に口をつける。貴族のように跡継ぎが必要な訳でもあるまいし、女好きでなければ何人もの愛人など作らないと思うのだが。

さて、彼が意味もなく訪ねてくるとは思えないので本題を切り出す事にした。先程の答えに対する質問程度では用事にはなり得ないだろうから。

お茶で口を湿らせ今度はこちらから問いかける。

 

「それで、何か用事があって訪ねてきたのでしょう?まさか殴りにきただけではないでしょうし」

「……」

「…殴りにきただけなんですね」

「うるせー…」

 

問いに返されたのは沈黙。しかも投げやりな返事まで貰ってしまった。

決して無意味な訪問だとは言わないが、彼がたいした目的もなく訪れる程に気に入られているのだと知ると擽ったさに笑みが浮かぶ。今は亡き彼らを思い出して懐かしさに目を細めた。

 

 

「リボーン、私はイタリアに行こうと思っています。一緒にいかがですか?」

 

誘ったのは極々軽い気持ちだった。一人よりは二人の方がいい、その程度のものだ。

だがリボーンにとっては意外だったらしく大きな目を見開いて一瞬ではあるが固まる。すると彼はボルサリーノのつばで顔の上半分を隠してしまった。

 

「どういう意味なのか聞きてーな」

「一緒に移動を、という意味だったのですが…フフ、そうですね。また組んでみますか?暫くは暇なんです」

 

こちらの言葉を深読みをしたリボーンの台詞に目を瞬かせたが、折角なので更に誘ってみる。

長い沈黙の後、つばの下から覗く瞳に肯定の意を感じ口元を緩めた。

 

「私の事はスペード、とでも呼んで下さい。風の名は今は彼女のものですから」

「由来はその右目か?」

「まぁ、そんなところです」

 

 

 

リボーンとのやり取りの後、私達はイタリアへと飛び様々な依頼を受けたり時にはゆったりとした時間を過ごしたりした。目的であったボンゴレとも接触でき、私としては満足である。キャバッローネの次期ボスの家庭教師を手伝ったのもいい思い出だ。

ボンゴレと関わるようになり知ったのだが、私が知っているボンゴレよりも力を重視していたのは嬉しい誤算だった。

力がなければ何も守れない。

それをジョットが分かってくれたのが純粋に嬉しかった。私があの時、あの場所で死んだのには意味があったのだ、そう思える程に。

そういえば、風と名乗る女性が何度かリボーンを訪ねてきていたがリボーンに会わせて貰えないまま過ごしている。玄関先でいつも追い返していたし(勿論邪険になどしない)、帰る姿も邪魔されて見る事は叶わなかった。

折角なので見てみたかったのに残念だ。

 

 

そして月日は流れ、リボーンに一つの依頼がくる。

日本にいる10代目候補の家庭教師をして欲しい、というものだ。

 

「スペード、おめーも一緒にくるか?」

 

そう問いかける彼に私は…。

 




このままこのカップリングで突っ走る!
番外編でも作って二人をいちゃつかせたくなってきた。
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