D・スペードの人生やり直し   作:甚三紅

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舞台はイタリアから並盛に。
キャバッローネの家庭教師は終わってます、二人でやりました。

デイモンはスーツ着用、もしくは一般人と同じ格好してます。デイモン的に流石に日本で常にカンフー服はないな、と。


五話

私はリボーンの誘いに乗る事にした。あわよくば10代目候補の教育に口も手も出そうと思い一緒に日本へ渡る。沢田綱吉はまだ子供なのだ、じっくり教育すればいい。

ところでリボーン、チラシをポストにって…沢田奈々といったか…彼女にしか通用しない手なのでは…?普通に沢田家光からの紹介では…ああ、駄目なんですね。そうですか。

 

初対面の沢田綱吉は…こう、言葉に言い表せない程の駄目っぷりだった。調査で知っていたとはいえ、若干ジョットに似ているだけに残念さが半端ない。リボーンが最初から力で躾たのも頷ける。私ならばもっと手酷くしてしまいそうなので黙って見ている事にした。

 

「いってー!あーもう何なんだよ!それにその後ろの人は!?」

「こいつはスペード、主に運動面で教師をして貰う。体術のスペシャリストだ」

「はじめまして」

 

話をふられたので笑顔で挨拶をしてみる。あからさまにホッとした沢田綱吉に更に笑みを深め、まずは基礎からたたき込もうと考える。理想はジョットのような動きが出来る事だ。もっとも、今の沢田綱吉では遙か遠い理想になるが長期戦は覚悟の上。少しずつ学ばせるつもりだ。

それに、リボーンが家庭教師の一人として私を数えているのならば遠慮は不要だろう。

軽い挨拶のあとリボーンと一緒に食事をご馳走になる。ああ、これは確かに美味い。

沢田家に厄介になる事を申し訳なく…思う筈もなく素直に厚意を受け取る事にした。まぁ、私はリボーンと違い成人男性の体なので食費くらいは出そうかと思っている。

 

 

 

「復活!!!死ぬ気でミールちゃんに告白する!!」

「イッツ死ぬ気タイム」

 

死ぬ気弾の効果で脱皮し走り出した沢田綱吉に言葉を失う。この体になってからくだらない事で笑うようになったがこれは笑えない。

ジョットに似ている容姿でパンツ一枚で暴走…目頭が熱くなってきて手で押さえる。あまりにもショックな光景に崩れ落ちそうだ。そもそもミールとは誰だ、好きなのは笹川京子ではないのか。また転生者なのだろうか。

 

「スペード、ツナを追いかけるぞ」

 

リボーンに促され、ひとまず嘆くのは止めて沢田綱吉を二人で追いかける。楽々と追いつき行動を眺めていると妙な違和感を感じて自然と難しい顔になった。

体が全く出来ていない事を差し引いても死ぬ気でこの程度とは…どうにもおかしい。血が薄れているとはいえ直系なのだ、初めてでももっと死ぬ気の炎は体になじむ筈。超直感も感じられない。ジョットのように未来でも見えているのか、と言いたくなる程ではなくともバイク程度避けられなければおかしい。

沢田綱吉の何かがせき止められているような、そんな違和感がある。

そんなもやもやを感じている間に目当ての人物を見つけたらしい。

茶色がかった髪に目、よく言えばかわいい系、悪く言えば特徴のあまりない平凡な少女の前に沢田綱吉が立つ。

 

「夢野みいる!」

「ほえ?」

「オレと付き合って下さい!!」

「いいよ、どこに行く?」

 

沢田綱吉の言葉に笑顔で頷く少女。

 

この少女、××○○以上に生理的に受け付けない人種だ。

 

今のやりとりでそんな言葉がぱっと頭に浮かぶ。

よほど嫌そうな空気を発していたのか踵を返す私にリボーンは何も言わなかった。

 

 

 

夢野みいる、あだ名はミール。

沢田綱吉の幼なじみで彼の想い人。

笹川京子以上に鈍感で天然、並盛中のマスコットキャラ。

口癖は「平凡な人生をまっとうするんだから!」「私は平凡なの!」。

好きなもの、平凡。

嫌いなもの、平凡を脅かすもの。美形。

一般人を装っているが、沢田綱吉がマフィアの直系である事を知っている可能性有り。

 

夢野みいるの調査書が燃えて消えていくのを眺めながら溜め息を吐く。

この私が調査不足とはとんだ失態だ。あの場を離れて直ぐに調べたとはいえ完全に後手に回るなど…。

過ぎてしまった事は仕方がない、これからどうするか、だ。

 

翌日、沢田綱吉を叩き起こし朝の運動を始める。初日なので体力測定程度に抑えたのだが予想以上に動けない事が分かった。…長期戦は覚悟の上だが勉強よりは早く何とかなると信じたい。

他の組織の者がいないか見回りを兼ねて散歩をしていると夢野みいるの姿を見つけてしまい嫌そうな顔になったのが自分でも分かった。コースを変えようとしたところで知った声が聞こえ足が止まる。

 

「気に入ったぞ、オレの」

「リボーン」

 

台詞の先が予想出来て息を吐く。外見はともかく中身はいい大人が中学生に手を出す気とは、今更犯罪者などとは言わないが少し引く。そして少々面白くない。

気持ちのまま名を呼びながら姿を現すと、リボーンはともかく夢野みいるまでハッとして体を揺らした。

 

「そんな…風がなんでこんな時期に並盛に…?」

 

呟かれた言葉に一気に警戒レベルが上がる。この体の名を知るのは私とリボーンのみ、この少女はやはり…。

リボーンも無言になり私の肩に乗る。払いのけようとした手を止められたので渋々そのままその場を離れた。

 

「同じか」

「おそらく」

「じゃあ調べても意味ねーな」

 

短いやりとりの後リボーンと別れ拠点の一つに向かう。

今の所本人の主張通り平凡な少女だ、不幸な事故にあう事もないだろう。ただし、邪魔になった時は遠くに転校して貰う事になるのは確実だ。その為の根回しをしておかなければ。

 

 

 

さて、邪魔になればと言った舌の根も乾かぬ内に、となるが邪魔だ。物凄く邪魔だ。

「獄寺隼人」「山本武」「ランボ」と、後の守護者とのやり取り中の爆発やら何やらと危険な場所になぜわざわざ関わってくるのか。

別にリボーンが巻き込んでいる訳ではない。何故か危険な場所にのこのこ現れるのだ。おまけに何らかの強制力が働いているのか転校させられない。いっそ始末してやろうかと思うがそれは最終手段だ。

まぁ、ジョットもだが「誰かを守る」時が一番力を発揮する、と考えると悪い事ばかりではない。

私は夢野みいるの事が受け付けられないが、自分の気持ちは別として使えるものは使えばいい。

 

「だから!私は平凡が好きなの!私の平凡を返せーっ!!」

 

…やはり苛つくので始末したい。

 

 

おまけの会話文

 

リボーン「さっき邪魔したのは嫉妬か?可愛いとこあるじゃねーか」

デイモン「自意識過剰もここまでくるといっそ清々しいですね」

リボーン「最近のおめーは読み易いからな、誤魔化されてはやらねーぞ」

デイモン「…ところで、いつまで肩に乗っているつもりですか」

リボーン「(いきなり話題を変える程度には恥ずかしかったか)いいじゃねーか、いたいけな赤ん坊のやる事だ」

デイモン「何がいたいけですか。私は元の姿も中身も知っているんですよ、気色悪い」

リボーン「その割りには払おうとしたのは最初の一回だけだな」

デイモン「…他人の目がありますからね、仕方なくです」

リボーン「素直じゃねーな」

 




ディーノ「なー…、リボーンってすげースパルタだけどスペードも凄いよな…オレもうボロボロなんだけど」
リボーン「その割りには元気そうじゃねーか」
ディーノ「その辺絶妙なんだよなぁ…教え方上手いし。言葉きついけど」
リボーン「あれはツンデレだ、言葉の裏まで読め。あれで可愛いやつだぞ」
ディーノ「え、なに、リボーンってスペードに本気…」
リボーン「黙って課題やれ」
ディーノ「ちょっ、銃つきつけんな!!」
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