D・スペードの人生やり直し   作:甚三紅

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途中痛い描写有り。
後半は甘々。
いつもながら捏造満載です。

雲雀と会うちょっと前くらい。


六話

「そろそろ痛い目をみせてもいいのではありませんか?」

「落ち着け」

 

貰った部屋で紅茶を飲みながら呟くとリボーンに手を軽く叩かれる。

連日爆発物の隠蔽、他の組織の者の始末、あの苛つく女、流石にイライラが募る。特に夢野みいるは「風さん風さん」とうるさい。リボーンの面白コスプレで笑っている分まだマシか。

 

「いっその事正真正銘、嵐のアルコバレーノを呼んであげてはいかがですか?貴方達アルコバレーノのアイドルでしょう」

「オレはちげーからな」

「分かっていますよ、でなければこうしていません。…はぁ、まさか貴方に癒される日がくるとは…」

 

カップを置いてリボーンの頬を両手で包み赤ん坊の柔らかさを堪能しつつ愚痴を漏らす。自分で思っていた以上に溜まっていたようで随分と刺々しい口調になっていたのが自覚出来た。同時に赤ん坊とはいえリボーンで癒された自分に溜め息が出る、リボーンが抵抗せずされるがままな事もありつい触りまくってしまった。

ようやく落ち着いて深く息を吐き出すとリボーンとアイコンタクトをとり部屋を出る。

まだ一般人の域を出ない夢野みいるに手は出せないが、こちらに喧嘩を売ってきた者ならば話は別だろう。

 

 

 

「ふー…しっかし、何で今の並盛に風が居るんだろ。アルコバレーノになってないのもおかしいし」

 

極々普通の家の一室、何台ものパソコンに囲まれた少女が一人。私が侵入している事に全く気づかず独り言を漏らす少女に近づき一瞬で意識を刈り取り身柄を拘束する。

彼女は黒猫という名前で活動している情報屋だ。

遠くから沢田綱吉達を眺めているだけならば放っておいてやったのだが、自宅に盗聴器を仕掛けるのはいただけない。おまけに私やリボーンの事も探っている。

いや、「確認している」と言った方が正しいのか。

とにかく裏の世界にどっぷり浸かっている人間だ、いつどのような目にあいどう始末されようとも覚悟の上だろう。

 

「こんばんは」

「え…風…?ちょっ、何これ!?」

 

拠点の一つに黒猫を運び込み椅子に拘束する。わざわざ裸足にするのは手間だったが仕方がない。

目を覚ました黒猫に笑顔で挨拶をすると不思議そうな顔をした後拘束されている事に驚き暴れ出した。…ように見せかけ幻術を使って抜け出そうとしたので足の爪を二枚程飛ばして衝撃を与える。

 

「あああぁぁっ!!」

「あまり舐めた真似をしないように。最近イライラしているので加減を間違えてしまいますから」

「なっ、んで…」

「おや、質問を許可した覚えはありませんよ」

「いたああぁぁっ!!」

 

涙をぼろぼろ流しこちらを睨みつけてくる黒猫の爪を更に二枚飛ばす。たかだか爪四枚で幻術を使えなくなり顔が崩れる程に泣き出した。

世界最高峰と言われる情報屋をしているくせに痛みへの耐性が全くないようだ。先ほどの感じからして今までは幻術で無傷で切り抜けてきたのだろう。

 

「邪魔になれば消される、それを理解してこの世界に入ったのでしょう?掃除をするのは手間なので素直に吐いて下さいね」

 

青ざめ顔から出るありとあらゆる体液を出しながら震える黒猫に、私は笑顔のまま告げ早速質問を口にした。

 

聞いた話によると彼女も転生者だったそうだ。

神様とやらにこの世界に送って貰う際に特典を貰ったとか。その特典により幻術が使え、それを利用して情報屋になったと言っていた。

沢田綱吉達を傍観していたのは巻き込まれずに原作を楽しむため。沢田家に盗聴器を仕掛けたのもそんな理由だ。今が原作のどの部分なのか把握するためだと。

自分は傍観者だと言っていたが、雲雀恭弥とはしっかり繋がっており同盟のようなものを組んでいた。黒猫は傍観者ではなく傍観者きどり、だったらしい。

 

聞きたい事は全て聞きだし後始末もきっちり済ませシャワーを浴びる。もうこの世界のどこにも黒猫という情報屋とあの少女は物理的も社会的にも存在しない事になった。

黒猫もだが、彼女達は皆「死亡フラグ満載、死と隣り合わせ」などと言っていたのにまるで実感などしていなかったように見える。自分だけは大丈夫だとでも思っているようだった。

 

ああ、胸くそ悪い。

 

拠点の寝室にて、ベッドに座りながら血の臭いを消すために度数の高いアルコールをあおる。半ばやけ酒でもあるので瓶の中身はあっという間に減っていく。

そして、瓶の中身の最後の一滴をグラスに落としたところで瓶を取り上げられた。

 

「もう止めとけ」

「おや、沢田綱吉を一人にしていいんですか?」

「ビアンキがいるからな。あれで腕のいい殺し屋だ、少しくらい問題はない」

 

瓶を取り上げた正体を「見上げ」ながら笑うとグラスを持ち中身を空にする。今更呆れた視線など気にする筈もなく、表情を崩さずにサイドテーブルにグラスを置いた。

 

「彼女達はなぜやってくるのでしょうね…潰しても潰してもキリがない気がします」

 

肩を押されたので目の前の男を巻き込みベッドに背中を預ける。起き上がる事はせずに、男の、今は無粋でしかない帽子を取り上げて適当に投げると見た目よりも柔らかな髪を撫でるように頭部に触れて目を細めた。

 

「ったく、この酔っ払いが」

「ふふ、私にされるがままの貴方がいけないんですよ」

 

この男は例え愛人でも頭部を触らせないくせに自分にはあっさりと許すから、つい触れたくなる。そしてそれを知っていて好きにさせるからタチが悪い。

その特権ともいえる行為を存分に堪能して手を落とすと頬を指先で撫でられたがその指を払う気にはならなかった。

かなり酒が回ってきたらしい。黒の死神の、自分に向ける優しげな視線に擽ったさを感じながら睡魔に誘われるまま目を閉じた。




このままこのカップリングでいきます。ええ、これでいきます。
ツンドラ(ただし一人にだけデレデレ)と女王様みたくなってきた。

女子供でも敵に情け容赦はなし。なぜならそれで痛い目にあうのは自分やその周りだからです。
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