業火剣乱の狂奏曲《コンチェルト》   作:ムササ

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明日からテストなので次は週末になるかな、テスト前に何やってんだって感じですが。


#21 襲撃

 

「それでは、第一回戦。かい……」

 

師匠がそう言った瞬間、突然凄まじい爆発音が第一訓練室に響き渡る。

 

「何だ⁉︎」

「敵襲⁉︎」

「そんな馬鹿な!」

 

突如として起こった爆発にミーディア学園は一時騒然とする。

 

「多賀!放送室へ行って現状の確認!!ミリアは俺と一緒に爆発現場へ!!他の先生は生徒の点呼!」

 

師匠のそんな言葉が飛び交う。そんな中、俺は妙な圧迫感を抱いていた。そう、それはまるで、何度も何度も経験してきた、決して慣れる事は無いであろう感覚。ーー殺気である。

 

「鋼夜…」

「大丈夫だ美月。何せ此処には師匠が居るからな」

 

確かに此処にはイージス最強、天剣十三将序列1位の『天将』と呼ばれた師匠が居る。しかし此処に今フェルリア先生が居ないのは正直言って戦力不足である。

他の先生はミリアと多賀先生を除けば普通のイージス職員である。勿論第三世代以上ではあるのだが、正直俺よりも弱い。だが、俺は表立って戦う訳にはいかない。だから相手がもし創生龍で、物量で攻めてきたら……

 

『緊急放送!今ミーディア学園は創生龍の攻撃を受けています!!点呼の終了した先生方はフリーダムナイツに換装後、至急職員室まで!!』

 

普段とは打って変わった多賀先生の切羽詰まった声が聞こえる。やはり創生龍か……狙いは何だ?イグナイトか?

進化前のイグナイトはブレスレットを奪う事で所有者の変更が出来るのだ。それならば経験値がたまりだしたこの頃に奪うのは確かにつじつまが合うのだが……何か納得がいかない。それならばみんなが寝静まった夜に仕掛ければ良いものを。

 

『目標を確認!四方からミーディアへと接近中!その数およそ……80!!』

「なっ!」

 

80だと⁉︎ほぼ一個大隊規模じゃないか!そこまでゼノギアの量産は進んでいたのか!

まずい、これは本気で此処(ミーディア)を落としにきてるのか?それともこれ程の数を斥候として使えるだけの戦力が整っていると言うのか⁉︎

 

『こちら、滝沢!東は俺たちに任せろ!点呼が終わった先生方は北へ!すまんが、戦える二年生と三年生はそれぞれ南と西へ!一年は第一訓練室に全員立て籠もってろ!!誰か一人先生の護衛を付ける!!絶対出てくんなよ!馬鹿餓鬼!!』

 

……最後のは俺に言ったのか。確かに(イリーガル・ブルー)が此処にいるとバレるのはまずい。これを凌いでもすぐにまた追撃が来るだろう。ああ、分かったよ師匠。俺は此処から出ないよ、だけどみんなに危険が迫ったら使わせて貰うからな。

二年生と三年生の先輩方がどんどんフリーダムナイツに換装して出て行く。それと入れ替わりに他のクラスの一年生が入ってきた。

一年生の不安な顔を見たのだろう、一人の先輩が優しく微笑んでくれた。

 

「大丈夫だ、此処にいれば安全だからな。創生龍は俺たちがやっつけて来てやる、だから安心して待ってろ」

 

そう言う先輩の手は……震えていた。

無理もない。これは訓練ではなく本物の戦闘なのだ。

 

「では此処には私が護衛として残ります。大丈夫です。ミーディア学園には滝沢校長が居るのですから、何も心配する事はありません…ちょっと校舎が傷付くだけです」

 

この人は確か……三組の担任の先生だったな。

不安がらせない様に必死になってくれている。こういう時に何も出来ないのは……歯痒い。

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

戦闘開始から十分。多賀先生も戦闘へ向かったらしく、あれから放送は無い。時折爆発音が第一訓練室に響く。

その度他の生徒達は小さく震え、何人かの女子達は泣いてしまっていた。

普通に振舞っている者が5割、心が折れかけているのが3割、まだ平気なのが2割か。

 

「大丈夫だよね……鋼夜君……」

「大丈夫だ、きっと師匠が何とかしてくれる」

「そうだぞポーラ、滝沢校長は凄い人なんだからな!」

「うん……」

 

そうは言うものの、正直師匠と先生の所は良いとしても、先輩方の方は厳しい戦いを強いられるだろう。物量では勝っていても、相手は恐らく人を殺すのに躊躇が無い。対する先輩方は無理だろうな。

 

「さあみなさん!俯かないで!!大丈夫です!此処に居れば安全ですから!!」

 

三組の担任の先生がそう言うと少し生徒の顔が晴れやかになる。此処の訓練室はフリーダムナイツでの戦闘を行う為他の教室に比べて強度が高い。だからそう簡単に破られる事はないだろう。

 

「きっと校長達が…………え?」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

先生の背後にいきなり黒い影が現れたかと思うと、次の瞬間そいつは先生の腹を手に持った剣で突き刺した。

 

「く……そ……生徒……に……は……」

「黙れ、命令の邪魔だ」

 

血まみれになりながらもその歩みを止めようと足を掴んだ先生の首を全くの迷いも無くそいつは切り落とした。

そしてそいつが手を挙げたかと思うと、次の瞬間には5機のゼノギアに乗った創生龍が現れた。

くそっ、瞬間移動の固有能力か!!何故気付かなかった!このままじゃ……

黒いあれは……フリーダムナイツか?てことはあいつ、中々の実力者って事か!

 

「我が名は創生龍第二席、朧火白夜のパートナー。雛岸蛍(ひなげしほたる)。朧火鋼夜、並びに十聖剣の一振り、レーヴァテイン。貰い受ける」

「なっ……んだと……」

 

白夜………あいつが関わっているのか、それにレーヴァテインだと!?何故その事を知っている!その事は俺たちしか知らないはず……まさか学園内に内通者がいるのか⁉︎

 

「鋼夜君を連れ去ってどうするつもりなの?」

 

ポーラが静かにそう言い放つ。その隙にミーシャが俺をさりげなく背後へと匿ってくれた。

 

「その命令に答える義務はない」

「じゃあもういい……鋼夜君は渡さない!!おいでフォーチュン・ドリーム!!」

「ほう、この時期にもう第二世代へと進化しているのか…貴様も中々才能があると見える……しかし第二世代如きで私に抗うとは……舐められたものだな。貴様の相手はこいつらだ。いけ」

 

ゼノギアに乗った創生龍がポーラの前に立ちふさがる。

 

「私も加勢しようポーラ!来い雪時雨!!」

 

今一年生で……即ちこの場で第二世代以上なのはこの2人だけだ。せめてフェルリア先生クラスがいないと厳しい……か。しょうがない。

俺は訓練室から一気に飛び出した。

 

「あれが朧火鋼夜……逃がさん!」

 

よし、予想通りあいつが追ってきた……手近な教室に入ってっと。ここならバレないだろう。さあ、俺も参戦しようか。

 

「行くぞ蒼火桜」

 

さて、廊下からはあいつが追ってくるから迂回してっと。

 

「《鋼鉄の刃よ、我が身を纏いて翼となれ》」

 

俺は蒼天皇の剣翼を展開し、窓を蹴破って訓練室の壁に天羽々斬を振った。

正直十聖剣の前に壁とか……しかも天羽々斬の前に障害物とか無いに等しいからな。

驚いているみんなには悪いけど、時間掛けられないしとっとと始めますか。

 

 

 

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