「生徒は全員第一訓練室に避難、動ける教師はなるべく固まって訓練室の護衛に当たれ!生徒の命が最優先、機器は二の次、総員ガキどもの命を守る事だけを考えろ、死なせたら給料無しだと思え!!!永久にだ!!」
「「「はいっ!!!」」」
「よしっ!散れ!!」
師匠の怒号が飛ぶ。
「ねえ、鋼夜君。あの……白夜…さんの言葉って信用出来るの?」
「ああ、あいつは一度言った事は絶対に曲げねえからな……胸糞悪いけど子供の頃から一回も嘘を言った事だけはねえ」
そう、白夜は恐らく生涯で一度も嘘をついた事の無い奴だ。それはなんでも出来るという自身の表れでもあり、白夜はそれを一度も破った事はない。それすなわち、白夜の言葉は全て真実という事であり、白夜が殺すと言ったら躊躇無くあいつはミーディア学園の生徒を皆殺しにするだろう。
「大丈夫……なんだよね?」
「ああ、大丈夫だ。前もどうにかなった。今回だってきっと……」
「でも……師匠さんが、フリーダムナイツを使えないんだよね?」
「それならもっと大丈夫だ。何せ師匠は……」
「ああ、俺なら大丈夫だぞ?とゆーかあんな
ニカっと笑う師匠を見てポーラ達も幾分か安心したらしい。
「そうだ、フェルリア先生だっているし、それにイリーガル・ブルーが此処にはいる、心配する事などないさ、何せ私の婿になる予定の男がこんな所で負けるわけがない」
「そうだね、ミーシャちゃん。うん!大丈夫だよ!」
「ああ……そうだな。今回だって、きっとイリーガル・ブルーがどうにかしてくれるさ……絶対に1人も殺させてたまるか……」
最後の呟きが聞こえたのか、ティナとセルディが顔をしかめるのを俺は見た。
「鋼夜……無茶しないでよね……」
「ああ、分かってる。絶対に死なないさ」
「鋼夜様……今回は貴方の因縁の相手がいるとしても、貴方には帰りを待っている仲間がいる事をお忘れなきよう」
「はい、分かりましたよ。先輩」
俺がおどけて言うとセルディが微笑む。
絶対に死にませんよ、俺は約束を破ったりしません。
自分ルールその一、約束は何があっても守るべし。
絶対に死んでたまるか。
「すまんがフェルリア。お前は雛岸とか言う奴を頼む。実力的にお前くらいしか頼める奴がいない」
「良いですが…恐らく朧火白夜が突入して来ますよね?そいつはどうするんですか?」
「決まってるだろ?イージスのジョーカーを切るんだよ。とゆーか、イリーガル・ブルーをぶつけないとイリーガル・ブルー自身にミーディアが落とされそうだからな」
「……確かに」
師匠はこちらをチラッと見てからそう言った。
「でだ。すまんがバリトレオとアルキオス。お前らは生徒の警護の増援に当たってくれ。今は一人でも多く人手が欲しい。頼めるか?」
「「はいっ!!!」」
ポーラとミーシャが勢いよく頷く。
「ティナ、セルディ。お前らは入ってきた雑魚どもの始末を頼む……特にセルディ。頼んだぞ?」
「『天将』の仰せのままに」
ティナとセルディも頷く。
「それと、鋼夜とお嬢ちゃんはそれぞれ別々の部屋で待機だ。多賀、ミリア。お前らが警護に付け」
「なんでですか!私も戦います!」
「ダメだ。お前らはあいつらの最優先目的事項だ、お前らを取られたら最悪ミーディアに核爆弾でも落とされるかも知れん。わかってくれ」
「…………わかり……ました……」
そう言って、美月が多賀先生に連れられて恐らく戦場から一番遠い場所へと連れて行かれた。俺にはミリアだ。
「鋼夜……着いたら瞬間的に戻って来い。正直お前抜きだと、キツイ」
「了解です」
俺は小走りになって、動かないミリアを引きずりながら小部屋へと急いだ。
〜〜〜〜〜〜〜
「さあーて。時間だ、おいでになるぞ?お前ら、歓迎の準備だ!!」
白夜の放送からきっかり10分後。第一訓練室の天井が崩壊し、ゼノギアの大群が押し寄せてきた。
その数、およそ百。前の実に2倍である。
対するミーディアの戦力は前から数的にはおよそ百分の一である。しかし戦力が百分の一になったかと言うとそうでもない。前とは違い、『業炎』フェルリア・ヴォーネバイスと、ティナ、それに……
「お嬢様。フリーダムナイツ使用の許可を」
「ええ、勿論よセルディ。頼りにしてるわ」
「では、行きます。来なさい、ストーム・テンペスター」
セルディの体を光が包む。そしてセルディが纏っていたのは緑色のフリーダムナイツである。
「ストーム・テンペスター。その力、とくと味わうがいい!!〈疾風よ、天を纏い、地を撫で、大いなる旋風となれ〉イノーマス・ハリケーン!!」
〈固有能力、イノーマス・ハリケーン起動。貴女の意思に神のご加護があらん事を〉
セルディの周りに周囲の風が集まりだす。
そしてセルディが爆発的に加速し、ゼノギア二機を一気に屠る。
元天剣十二将序列第六位、『疾風』セルディ・ルナセリア。ミーディア学園に存在する、四人目の天剣である。
「やるなセルディ、流石は私のライバル。では私も行くとしよう。出番だ、イフリート」
フェルリアの体を光が包み、赤いフリーダムナイツがフェルリアの体を纏う。
「〈太陽よ、我が身に炎を授けたまえ、地獄の業火を我が身に灯せ〉インフェルノ!!」
〈固有能力、インフェルノ起動。貴女の意思に神のご加護があらん事を〉
フェルリアの固有武装、バースト・ランスの周りに紅の炎が集まりだす。フェルリアがそれを一薙すると、炎が小型の槍となり、ゼノギアに突き刺さる。
「凄い……」
「只者では無いと思ってはいたが……あれは『疾風』のセディか。まさかあれがセルディさんだったとは……」
セルディとフェルリアの踏ん張りもあり、未だポーラとミーシャの場所にはゼノギアはまだ一機も来ていない。
そこに水色のフリーダムナイツが現れる。ティナだ。
「それが、ティナのフリーダムナイツ……」
「ええ、グロリアス・エンジェル。ちょっと固有能力使いたいから、護衛を頼みたいの。お願い出来る?」
「ああ、勿論だ」
「じゃあ、いくわよ。〈民衆よ、空の子供達よ、天空の歌を聴け〉ストラトス・ディーヴァ!!」
〈固有能力、ストラトス・ディーヴァ起動。貴女の意思に神のご加護があらん事を〉
ティナの周りに周囲からの光が集まりだす。
「じゃあ、3分間くらい頼んだわよ?それが終わったら凄いの見せてあげるから!」
ティナが綺麗にウインクを決める。その横顔は同性から見ても見惚れる程の美しさであった。
〜〜〜〜〜〜〜
「イリー……行くの……?」
「ああ……行くよ……因縁を果たしに。幸いまだ出てきて無いみたいだけど、いつ出てくるか分からない。なるべく早く行かないと」
「……私も……行く……?」
「ううん、大丈夫。安心して寝てなよ」
「……心外……だよ?……私も………戦える……」
いつもは表情の変わらないミリアが珍しく頬を膨らませる。
「私の誓約印………使う……?」
「大丈夫だよ、ミリア。それは大事なひとが出来た時までとっておきな」
「………やっぱり……朴念仁……」
「ぼくねん?何それ?」
「………知らない」
「まあ、いいや。じゃあ、行ってくるよ」
「うん………行ってらっしゃい。絶対帰って来てね……」
「ああ、俺は死なないさ。約束する」
「魔女との約束は………破ると、命が無くなるよ?」
「ははっ、分かったよミリア。約束する」
「……頑張って。イリー」
「おう、任せとけ!」
「行くぞ、蒼火桜。ミーディアを救いに……白夜を殺しに……」
少年は戦場へと赴く。
果たして少年の胸の中での願いの大きさはミーディアの仲間を守る方が多いのか、仇を殺す方が多いのか。
その答えは少年すらも知らない。
運命の歯車は加速する。
ミリアさんのヒロイン度が凄すぎる………
これは……ヒロインに加えるべきか……?