今回のメインは関西編です。
イナズマキャラバンは京都の漫遊寺中で
DFの木暮 夕弥を仲間に加えた。
彼は、親に捨てられたという悲しい過去を持ち、
そのせいか、少々ひねくれた性格をしている。
ある日の夕食では、
「辛いッス?!って、タバスコ?!」
「ウッシッシ。成功ー。」
壁山がタバスコの被害に遭って、
「もうっ!だめでしょ木暮くん!」
「へいへい、すいませんでしたっと!」
木暮はどこからともなく蛙のオモチャを取り出し、
春奈に投げつける。
「きゃーっ?!」
「ウッシッシ。ざまーみろー!」
「木暮くん!」
キレた春奈が木暮を追いかけ回す。
なんというか、ムードメーカーが増えた。
しかし、いなくなった者もいる。
「染岡くん・・・。」
そう、染岡が負傷によってチームから離脱してしまったのだ。
漫遊寺中でイプシロンと戦った際、士郎との連携技、“ワイバーンブリザード”を完成させたものの、負担が大きすぎて負傷してしまったのだ。
しかも、試合に負けてしまった。
「僕のせいだよね・・・。」
それ以来、士郎は思い詰めていた。
自分がストライカーとして完璧にならなきゃ、と。
そんな中、
エイリア学園のアジトがあるという、大阪、ナニワランドにやってきた。
「あの・・・、君、そろそろ一ノ瀬を放してくれないか・・・?」
守がおそるおそる声をかける。
「オレからも頼むからそろそろ放してくれ・・・。」
当事者の一ノ瀬も困り果てている。
「嫌や!ダーリンはここでウチとお好み焼き屋をするんや!」
水色の髪に、浅黒い肌の、いわゆるガングロギャルの少女が一ノ瀬を放さない。
「エイリア学園と戦うには一ノ瀬の力が必要なんだ!」
「エイリア学園?!あのあちこちの学校を壊して回っとる奴らか?!」
少女が悩み始める。
「うー。しゃーない。ここは取引といこかー。」
「「取引・・・?」」
「そや!ウチらのチーム、大阪ギャルズCCCとサッカーしてもらうで!
勝った方がダーリンを連れていける・・・。
どうや?ええ考えやろ?」
少女はどや顔で提案した。
「ウチら、強いで?」
「・・・いいでしょう。受けてたつわ。」
瞳子監督が返事をする。
「監督?!」
「これ以上メンバーを減らす訳にはいかないもの。」
「よし!みんなやるぞ!」
「「おおーっ!」」
キックオフ。
試合は五分五分。
その中で、一郎太が女子にドギマギしたり、
華麗なシュートに翻弄されたりしたが、
ギリギリ勝利したイナズマキャラバン。
「うぅ。負けてもうた・・・。」
「お前らすげー強いんだな。ひやひやしたぜ・・・。」
「約束は約束やからダーリンは返すわ・・・。」
落ち込む少女、浦部 リカ。
「どんな特訓したらそんなに強くなれるんだ?」
「それはやな、ナニワランドの地下に訓練施設があるねん・・・。」
「そこでウチらいっつも特訓しとるんよ。」
リカのチームメイトが答える。
一同は地下の訓練施設に向かった。
訓練施設には最新の設備が揃っていた。
「おぉ!いい特訓ができそうだな!」
守が感激している。
「うん、たしかにええ特訓になるでー。」
立ち直ったリカ。
「よーし!特訓開始だ!」
守のかけ声で特訓が始まった。
3日後。
だいぶ慣れてきて、軽々と特訓をこなせるようになったとき、
「お前たち、我々の訓練施設で何をしている?」
イプシロンがやって来た。
「何って、特訓に決まっとるやないか。
開いてたんやから別にええやろ?!」
強気なリカ。
「・・・まぁいいだろう。
強くなったお前たちを見せてみろ!」
VSイプシロン戦、キックオフ。
(完璧にならなきゃ。)
士郎は必死に攻め上がる。
そして、“もう一つの自分”と入れ替わる。
「“エターナルブリザード”!」
パワーは上がっている。
しかし、
「“ワームホール”。」
あっさり止められる。
しかし、
ボールが落ちたのはゴールラインギリギリ。
「ふ・・・燃えるな。」
「今度は決めてやる!」
またもやチャンスがめぐってくる。
「“エターナルブリザード”っ!」
「“ワームホール”。」
「「いっけぇ!」」
エターナルブリザードのパワーが上がる。
「むっ・・・。」
ワームホールを抜けてゴールにボールが入った。
「よっし!いいぞ吹雪ー!」
(なんとか入れられた・・・。)
ほっとする士郎。
しかし、
「ふ・・・ふふふ。」
「で、デザームさま・・・?」
「面白い!やはり勝負はこうでなくてはな!」
この後、デザームがFWに変わる。
「“グングニル”!」
デザームの必殺技が放たれる。
(貯める時間が・・・!こうなったら!)
エネルギーが守の拳に集まる。
「“マジン・ザ・ハンド”!」
「なにぃっ!」
“マジン・ザ・ハンド”の発動時間を短縮する事に成功した。
「で、できた!いくぞ!」
再び攻め上がるイナズマキャラバン一同。
「私も負けないよ!“マゼンタブリザード”!」
赤紫の吹雪をまとったシュートがゴールを貫く。
「スピードが上がっている?」
「うん。がんばったよ!」
鬼道の質問にガッツポーズをつけて答える或。
「・・・そうだ、これが私の求めていたものだ!」
(まだ全力じゃないっぽい・・・。)
或は気づいた。
まさにその通りだった。
デザームが再びGKに戻る。
「“エターナルブリザード”っ!」
「これが私の本気だ!」
デザームの手に巨大なドリルが現れる。
「“ドリルスマッシャー”っ!」
しばらく拮抗していたものの、
エターナルブリザードが競り負けて止められる。
「くっ・・・。」
「その程度か。
お前はもう、必要ない。」
「・・・!」
士郎は、怒っているような、悲しいような、複雑な顔をする。
イプシロンが攻めあがる。
「“アイスグランド”っ!」
「えいっ!」
かわされてしまう。
「いっくよー!」
「「「“ガイアブレイク”!」」」
「うわあああっ!」
ゴールを決められてしまう。
「あ・・・あぁ・・・!」
(FWとしても、DFとしても役に立たない・・・?
僕はどうしたらいい?
どうしたらいいどうしたらいいどうしたらいいどうしたらいいどうしたらいいどうしたらいいどうしたらいいどうしたらいいどうしたらいいどうしたらいいっ!)
「うああああああああああああああああっっっ!」
士郎は叫んで、膝から崩れ落ちた。
「吹雪?!」
「しろ兄っ!」
そこで試合終了のホイッスルが鳴る。
「くっ負けか・・・。」
「くやしい!」
「でも、よい試合だった。」
「なにがいい試合だ?」
イプシロン、ましてやイナズマキャラバンの誰かでもない声が聞こえる。
その直後、まばゆい光が辺りを包む。
光の中からは、水色をベースとしたユニフォームをまとった集団が現れた。
「イプシロン、お前たちは用済みだ。
よって、追放する。」
「・・・。」
キャプテンらしき白髪の少年が蹴ったボールからまばゆい光が放たれて、
イプシロンを包み込む。
光が消えた時、イプシロンは消え去っていた。
「我らはエイリア学園マスターランクチーム、ダイヤモンドダスト。
私はキャプテン、ガゼル。」
「まだあるのか・・・。」
「一体いくつあるんだ・・・?」
さすがにくじけそうになる初期からいるメンバー。
「そのうち君たちをつぶしに行く。
せいぜい首を洗って待つがいい。」
ダイヤモンドダストは一瞬で去っていった。
その夜。
(しろ兄、ついにガタが来ちゃった・・・。
それに、新しい敵。)
或は見回りに出ていた。
(このままだとしろ兄がしろ兄でなくなっちゃう。
でもどうした・・・!)
或は気配を感じた。
(味方の誰かじゃない。一般人ってわけでもないかな・・・魔力反応あるし。)
『マスター、相手からはエイリア学園の連中と同じ魔力反応があります。』
ガラドヴォルグは警告する。
「・・・誰?いるのはわかってるよ。出てきて。」
すると、
「あれ?おかしいな?気配も消してたのに。」
赤い髪の少年が出てきた。
「なかなか鋭いね。さすが転生者。」
「っ!」
「何で知ってるのかって顔だね。大丈夫。エイリア学園の中でもごく一部の大人しか知らないし。
オレはたまたま聞いちゃっただけ。だれにも言ってない。」
「・・・そう。ならいい。」
「でも、オレは君と同じ。・・・前世の方だよ?
オレは誰かの偽物。」
「・・・?!」
(まさかまだ続いてたの?!
あのおぞましい研究が?)
「オレの名前は基山 ヒロト。エイリア学園ではグランって名乗っているよ。」
「・・・なぜ本名を教えたの?」
少年・・・ヒロトは首をかしげて考える。
「・・・オレにもわからない。」
悲しげな笑みを浮かべて答えた。
「じゃ、そろそろ行くね。」
「あ、ちょっと!」
「ガゼルたちは強いから頑張ってね?
それじゃ、また。」
ヒロトは去っていった。
「ヒロトくん・・・。」
或の脳裏には、ヒロトの悲しげな笑みが焼き付いていた。
「私に何かできないかな・・・?
ちがう。考えるより何かしなきゃ!」
或はバスに戻って行った。
強い決意を持って。
…或さんのヒロトフラグ建設回でした。
実は染岡さんフラグも建てていたのにすっかり忘れて回収しそびれたことに今更気づきました\(^o^)/
ハーメルンで書き下ろし番外編でもやろうかなぁと思います。
(そんな余裕があるとも思えませんが…。)
これは私用ですが、あと一週間ちょいで学年末考査があるので2週間ほど更新をストップします。
気長に待つか、Pixivで「ライラック08」でユーザー検索して続きを先に読んじゃってください。(話の区切り方が違ったりする(特に零奈編)のでご注意ください。)
次回もお楽しみに!