とある転生者の奮闘   作:白花 頼羅

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或編最終話です。
超次元サッカーの最終決戦は途中からログアウトして、魔法最終決戦がログインします。

そして意外な結末へ…(?)


第7話 私は私。あなたはあなた。

「はああああっ!」

「ていやっ!」

零奈と或は、結界を張った中で魔法の撃ち合いをしていた。

「シューター、ファイア!」

或の作り出した無数の弾丸が零奈に襲いかかる。

「ザンバーセット!」

『Strike zanber.』

「せいっ!」

襲いかかるシューターを目にも止まらぬ速さでさばききる零奈。

「まだ、まだたりないっっ!

 決定的な威力が・・・!」

「私もスピードと射程が微妙に足りないかもー。」

ルシフェルのデバイスを用いないプラズマブレイカーを見て、

危機感を覚えた二人。

しかし、二人にはルシフェルに対抗する力がなかった。

「何か方法は・・・!

 いやな予感しかしないのに・・・!」

「同感だよ。デバイスも出してなくてあの実力じゃ手も足も出ないよ・ ・・!」

二人は忌々しげに呟いた。

『マスター。手段はあるんです。』

チンクエディアは提案する。

『チンクエディア?!あなた、まさか・・・!』

『仕方ないでしょう。ガラドヴォルグ。

 マスターたちがさらなる力を求めてるんですから。』

「・・・手段とはなんです。二人とも。」

『それは・・・。』

 

さかのぼること30年前。

炉蘭は悩んでいた。

「うーん、どーすっかなー。」

『マスター、やはり危険です!“リミットオーバーシステム”は

 デバイスだけでなく、使うほうへの負担が大きすぎます!』

「でも、いつかあいつらが成長して、通常の性能で満足できない日が来たら?

 ・・・特に三人組。」

三人組とは、零奈、東雲、或のことだ。

『確かに彼女たちは人工生命体で、並みの人間より遥かに丈夫ですが・ ・・。

 それでもあなたより強くなることは・・・!』

「いや、ある。

 だって最近、本気出さねえと一瞬で撃墜されそうになるし。

 このままいくと、今のオレぐらいの年で、得意分野Sランク相当の力 をつけるんじゃねーの?」

『はぁ。やはり人というものはわかりませんね。』

「インテリジェンスデバイスがなに言ってんだか。」

炉蘭は苦笑した。

 

「「リミットオーバーシステム・・・。」」

『私とガラドヴォルグ、メイデンウィッシュに入っていた最終手段です。』

『略してLOS。デバイスはもちろん、マスターにも負担が大きすぎます。

 今のマスターたちの身体では下手すると死にます。』

「「・・・(ごくり)。」」

零奈と或は生唾を飲み込んだ。

『お願いなので、ここぞというとき以外は使わないでくださいね。

 マスター自身が持たないので。』

((炉蘭さん・・・。ありがとう。))

二人は、かつての恩師に感謝した。

 

そして、ついにきた最終決戦の時。

イナズマキャラバン一同を待ち受けていたのは、

ジェネシスと、

今回の黒幕、吉良 星二郎だった。

「父さん!もうバカなことは止めて!」

「バカなことだって?!瞳子、お前は兄を理不尽に奪われて憎くないのか?!」

「確かに、憎いとは思うわ!

 でも、それ以上に、子供たちを巻き込むのは止めて!」

瞳子監督は必死に訴えた。

しかし、

「姉さん。甘いよ。

 それぐらいじゃオレ達や父さんは揺らがない。」

グランが吐き捨てる。

「さぁ、最終決戦といこうか?」

キックオフ。

 

多少マシになったとはいえ、

やはり、ジリ貧だ。

(ああ、僕はどうしたら・・・。)

士郎はまだ迷いを捨てきれない。

(みんな頑張ってるのに、僕だけここに取り残されてる・・・。)

士郎はアツヤの遺品のマフラーを握りしめる。

 

『アニキ!なにウジウジしてんだよ!』

 

(アツヤ?!)

 

『或がボロボロになりながらがんばってんのに、いつまで座ってんだよ !』

アツヤは怒っているようだ。

(でも、いまの僕が行っても・・・。)

『今の、だろ?だったら、今からオレたちなりの完璧になればいい!』

(そんなことしたらアツヤが・・・!)

不安になる士郎。

察したのだ。アツヤが消えようとしていることを。

(だめだアツヤ!消えちゃだめだっ・・・!)

『大丈夫だよ。アニキはもう。』

(え?)

『今は或だけじゃない。みんな、アニキが必要なんだ。

 アニキはもう、一人じゃない!』

アツヤはにっと笑った。

『そうだ!吹雪!お前にはオレ達がついてる!』

(キャプテン?!)

守も心の中に現れた。

『早く、戻ってこい吹雪。』

豪炎寺も現れる。

(そっか。父さんと母さんが言ってた“完璧”は・・・、

 一人でじゃ意味ない、

 誰かと一緒に目指すものなんだ!)

士郎は吹っ切れた。

目に生気が戻る。

「監督!僕を出してください!」

「・・・わかったわ。」

「しろ兄!」

「「吹雪!」」

「もう大丈夫。」

士郎はマフラーをとり、投げ捨てる。

「僕はもう、迷わない!」

目つきが頼もしいのは、アツヤの名残だろう。

或と交代でピッチに入った士郎であった。

 

「・・・。グラン、リミッターを解除しなさい。」

星二郎はグランに指図する。

「でもそんなことしたらみんなが・・・!」

グランは青ざめていた。

「もういい!お前はキャプテン降格だ。

 ウルビダ!お前がキャプテンだ!」

「はい。お父様。

 リミッター解除!」

青い髪に白のメッシュが入った少女が言うと、

次々にリミッターが解除される。

その後は猛攻だった。

しかし、

「「「“スペースペンギン”!!」」」

「“ムゲン・ザ・ハンド”G5っ!」

なんとか防いだ。

「皆さんお願いします!」

「「おうっ!」」

「零奈!」

「通さん!」

「“雷神演舞!”」

零奈は新技で突破する。

「吹雪くん!」

「いっけぇ!しろ兄!」

「うん!」

(みんなの想い、まとめてぶつけるんだ!)

「うおおおおおっ!」

士郎は吼えた。

「“ウルフレジェンド”!」

その技は、兄弟で考えて、何度も練習していたものだ。

「“時空の壁”!」

「「いっけぇ!」」

「止めろ!」

「く、うああああっ!」

ついに点をもぎ取った。

そして、

試合終了のホイッスルが鳴り響く。

「「やったぁ!」」

「まけ、た?」

「「・・・。」」

呆然とするジェネシスメンバー。

(そっか。もうオレ、)

「必要無いんだね。父さん。」

悲しげな目で、星二郎がいるはずの場所を見上げたグラン・・・もとい

ヒロト。

しかし。

「いない?」

周りを探すと、

こちらに駆け寄ってくる星二郎が見つかった。

近くにくると、彼はヒロトとウルビダを抱きしめた。

「父さん・・・?」

「すまなかった。私が全て間違っていた。

 エイリア石に取り付かれていたみたいだ。」

「父さん。ちが・・・」

そのとき、爆発音が響く。

燃える鉄骨が三人の上に落ちてくる。

「「!」」

星二郎はヒロトとウルビダを突き飛ばした。

「父さんっ!」

「ごめんな、ヒロト。ちゃんとお前を認めてやれなくて。

 玲奈も、みんなも、罪をきせてしまって・・・」

鉄骨が星二郎を押しつぶす。

「みんな!避難するぞ!」

古株がキャラバンで乗り込んできた。

全員、無事避難した。

「父さんっ・・・!」

ただ一人を除いて。

 

「く、ふはははっ!」

「これでいいんだよね?」

「ええ。十分ですルシフェル。

 これで、エイリア石は私だけのものだ!」

「・・・研崎は変だよ。」

「後は、こいつらを使ってあいつらを絶望の底に突き落とすだけだ!」

不気味な男、研崎は、不敵に笑う。

彼の後ろには、

「「・・・。」」

目から光が消えた、離脱していったメンバーたちがいた。

その胸には、エイリア石が禍々しく輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほぼ1ヶ月ぶりに雷門中に帰ってきた一同。

いまだに残る瓦礫が痛々しい。

そして、感傷に浸っている暇はなかった。

 

「風丸、どうしたんだよ。変なカッコして・・・。

 驚かせようとしてるのか?」

守が引きつった笑みを浮かべて一郎太に尋ねる。

それはないということは、心のどこかでは思っていた。

「驚かせる?

 ま、そんなところさ。

 オレ達はエイリア石で、強くなったんだ。」

そう言う一郎太の胸元には、エイリア石が禍々しく輝いていた。

「サッカーやろうぜ?

 なぁ、円堂?」

一郎太はどこぞの悪者も凍えそうな冷たい笑みを浮かべた。

「・・・!

 絶対目を覚まさせてやる!

 それが友情だ!」

「・・・無理だと思うけどなぁ。」

(彼らに渡してあるのは、シオンのコアほどじゃないけど、かなりの

 純度を誇るエイリア石・・・だっけ?

 本当の名前は“ルフシア”・・・。魔力を持たない人々が疑似リンカーコアとして作り出したロストロギアだしね・・・。)

冷めた目で自分の周りを見渡すルシフェル。

(ま、勝とうが負けようが、私は殺戮人形になって消えるのがオチだしね。)

悲しい少女の思惑など知られることもなく、キックオフ。

 

「なんでそんな危険物に手を出したのですかイチっ!」

零奈は叫ぶ。

「決まってるだろう?!

 強くなるためだ!」

「・・・いくら力があったって、前のイチの方が私より、誰よりも

 強かったです。

 今のあなたは、クズすら見下す資格もない

 ただの外道ですっ!」

「な・・・!」

零奈は言いたいことを言い切った。

「ふざけるな!」

「くっ。」

思いっきりタックルされ、倒れる零奈。

「「「ダークフェニックス!」」」

黒い不死鳥のオーラをまとったボールが守に襲いかかる。

「“ゴッドハンド”!」

かなり押されるものの、なんとか止めきる守。

「・・・!なぜ究極技を使わない?!」

キレる一郎太。

「オレは、みんなの気持ちを弾くんじゃなくて、受け止めたいんだ!」

(せめて、追い詰めてしまったことを、償いたいんだ・・・!)

「・・・。」

一瞬だけ申し訳無さそうな顔をする一郎太。

それを見逃さなかった研崎。

「風丸くん。下がりなさい。」

「な・・・!オレはまだやれます!」

「迷いがある者がいては話になりません。」

その言葉にダークエンペラーズの面々は動揺する。

「・・・はぁ。もうあなた達に用はありません。

 ルシフェル。」

「はーい。」

「始めからサッカーなどどうでも良かった。

 世界に復讐できれば手段は選ばない!

 ルシフェル、あなたの力で全てを壊し尽くしなさい!」

「うん。りょーかい♪シオン、セットアップ!」

ルシフェルはバリアジャケットを装着し、その手にはチンクエディアの

色違いにしか見えない杖が握られていた。

「さ、始めちゃうよ!ルーの全壊殲滅バイオレンスショー!」

その後、詠唱無しで無数の紫色のシューターが降ってきたことで、

真の最終決戦の幕が切られた。

 

「なんてでたらめな!」

「とにかく防がないと!」

『『Protection.』』

零奈と或は最大出力でシールドを展開する。

「え?・・・え?」

混乱する守たち。

「兄さんたち早く逃げてくださいっ!」

「ぶっちゃけ、二人がかりでもみんなを守りながら戦う余裕はないよ!」

「でもお前らを置いてけない!」

「死にたいんですか?!」

どんなに怒っていても声を荒げる事がほとんどない零奈が

叫ぶ。

「・・・。ちゃんと、戻ってこいよ!」

「はい!」

守たちは去っていく。

「自分を犠牲にしてまで助けるの?

 それってただの・・・」

「“自己満足”とでもいいたいんですか?

 そうかもしれません。

 でも、」

零奈はバリアジャケットをまとう。

手にはナイフフォルムのチンクエディア。

その切っ先を空のルシフェルに向ける。

「そうするだけの理由が、

 仲間を守るためという、理由があるんです!」

「ストライクザンバー」

『Extend.』

チンクエディアの刀身が魔力刃によって伸びる。

「行きます!」

零奈は一気にルシフェルとの距離を詰める。

「たああああああっ!」

連続で切りかかる零奈。

速すぎて残像が見える。

「それぐらい、わかるからね?」

それでもルシフェルはさばききり、その場を離脱する。

ルシフェルが居たところを、赤紫の砲撃が通り抜ける。

「“薙風零奈”としての記憶はルーにもある!」

「くっ?!」

バインドで拘束される零奈。

「バイバイ、もう一人のルー。」

『Plasma breaker. 』

ゼロ距離でブレイカーを喰らう零奈。

悪あがきでシールドを4重に重ねて張る。

「・・・っ!」

それでも、地面に打ちつけられ、体のあちこちに火傷を負う。

その上、全身からボキボキと嫌な音が響く。

「へぇ。生きてるのは意外かもー。でも、しばらくそのままね。」

(殺傷設定か・・・。喰らったら終わりだね・・・。)

「次は君の番だ!」

(奥の手その1、いきますか。)

『Rifle form.』

或の手には白い銃身にピンクの宝石が光るライフルが握られる。

「ルーにとって精密射撃は無意味だよ!」

ルシフェルは或が精密射撃で自分を狙いに来たと思った。

しかし、

「マゼンタダガー!」

『Extend.』

その予想は外れた。

「せえええええいっ!」

ライフルの銃口から生えた赤紫の刃でルシフェルの突撃をさばく。

「うそ?!」

意表を突かれて怯むルシフェル。

「とらえた!」

バインドでルシフェルを拘束する或。

「マゼンタ・・・」

『Breaker.』

ゼロ距離でルシフェルに砲撃を喰らわせる或。

「ああああああっ!」

地面に墜ちるルシフェル。

「・・・やった?」

『手応えはありました。』

或の問いに答えるガラドヴォルグ。

「・・・。」

(仲間、かぁ。

 ルーにはいないや・・・。)

ルシフェルは動きもせずにぼんやりと思う。

(ルーは・・・。)

「一人か・・・。」

そう呟いた瞬間、とてつもない寒気がして、

目から涙が溢れた。

「・・・やだよ・・・。一人、やだよぅ・・・。」

「そうですね。寂しいですよね。」

「え?」

驚くルシフェル。

何せ、

「なんで動けるの・・・。」

さっき自分が撃ち落とした零奈が自分のそばにいたからだ。

「30秒ももらえれば、完治とはいきませんが、動けるようにはなりますよ。」

まだ全身痛いです。と笑いながら言う零奈。

「ははは・・・。いつの間にそんな回復力身につけたのやら・・・。

 さすが本体。」

「本物も偽物も関係ないです。

 私は円堂 零奈で、あなたはルシフェル。

 全くの別人です。」

零奈の、すごくふつうの言葉を聞いて。

(そう。この言葉を聞きたかったんだ。)

さらに多くの涙を溢れさせる。

「そんな優しいこと言ってもらうの、初めてだ・・・。」

ルシフェルは、とても嬉しかった。

自分は誰かの偽物だと言われ、“自分”は認められなかった。

だから、

“自分は自分でしかない”という言葉を心の底から望んだ。

望みは叶えられた。

他ならぬ、自分がそうあらなければなかった少女によって。

しかし、

「戯れるなルシフェル!

 誰のおかげで生きていると思っている?!」

研崎が怒り狂う。

そう。

ルシフェルを作り出したのは他ならぬ彼である。

「やはり、お前に感情を与えたのが間違いだった!」

研崎は“禁断の呪文”を口にした。

「シオン、バーサーカーモード。」

『Yes,Sir.』

シオンはルシフェルの武器であっても、デバイスではない。

マスターは、研崎である。

「あああああああああっ!」

「ルシフェル?!」

苦しみ出すルシフェル。

彼女は暗い紫の魔力に蝕まれる。

「だめ・・・にげてっ・・・」

「うあっ!」

魔力に弾き飛ばされる零奈。

「はははははっ!

 見よ!私の最高傑作を!

 これがプロジェクト・Rの最終形態だ!」

少女は人ではなくなった。

狂った者の陰謀で。

ルシフェルは、ただの殺戮人形になり果てた。

 

「・・・。」

ルシフェルはうつろな瞳で周りを見回す。

「全部、壊す。」

『Plasma impact.』

ルシフェルを中心に紫色の雷が辺りを焼き尽くす。

「うわ・・・。」

「とんでもなさすぎだね。」

とっさに飛び上がって回避した零奈と或。

「しかも結界張ってるし・・・。」

『マスター、結界ではなく、AMFです。』

「うそおおお?!」

チンクエディアの分析結果に驚く零奈。

「・・・やるしか、ないのかな。」

『マスター危険です!』

「大丈夫だよ。短期決戦で終わらせる。」

或の目は揺るがない覚悟を物語っていた。

『・・・。死なないでくださいね、マスター。』

「一丁、派手に行きます?」

「せーのでいくよ!

 ・・・せーのっ!」

「「リミットオーバーシステム!ドライブイグニッション!」」

 

空に、赤紫と水色の太陽が一瞬現れた。

 

「これは・・・。」

零奈の手には、身長の3倍位はあると思える巨大な水色の剣があった。

排気口からは翼のように魔力が吹き出ている。

足首あたりにも羽根のエフェクトがついている。

「より迅く、鋭く切りかかれそうですね。

 ・・・魔力浪費もなかなかですが。」

かなりつらそうな零奈。

「集束が速くできそう・・・。」

(まぁ、コントロールは難しそうだけどね。)

或も同様につらそうだ。

「ま、一撃で終わらせますけど。」

「うん!頑張る!」

二人の方に特大のシューター・・・

もはやブレイザーの規模だが・・・

それが大量に飛んでくる。

「北の彼方より吹き込む絶対零度の吹雪。

 地の底から来たれ太古の灼熱。」

(なんだろこの呪文・・・。勝手にすらすら唱えれる・・・。)

「天の怒りを体現せし神の雷。」

ここまで唱えたとき、或の足元にベルカ式の巨大な魔法陣が現れる。

そう。

或が唱えていたのは、

「ロストマジック・・・!」

「フラガラッハ!ファランクスシフトぉっ!」

天からは雷をまとう巨大な氷塊が、

地面からは数えるのを放棄したくなる量の火柱が、

ルシフェルに襲いかかる。

「壊す壊す壊す壊す壊す・・・!」

ルシフェルの背から生える漆黒の翼が巨大化し、

翼は主を守らんとルシフェルを包み込む。

そのため、AMFが消える。

「今だよ!」

「了解!

 邪悪に染められし者を切り裂けっ!」

『Zero breaker. slush shift.』

ただえさえ巨大な刀身がさらに伸びる。

「はああああああああああっ!」

水色の光が辺りを、

ルシフェルを飲み込んだ。

 

「ありがと」

 

意識が消え去る前に、ルシフェルは我に返り、呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ううん?」

気絶していた零奈は目を覚ます。

しかし、体に違和感があり、

記憶も曖昧・・・というより、

「ここ、どこですか?」

消えていた。

『マスター、お目覚めですか?』

「チンクエディア!」

『私の事は覚えてたんですね。』

「ここはどこなんです?!何で私はここで倒れてたんですか?!」

『・・・まず、マスター、いま何年の何月何日ですか?』

「え、それは・・・。」

零奈は30年前、闇の書と最初に戦った日付を答えた。

『今のマスターの姿と答えた日付からして・・・

 トリップしてしまっているようですね。』

そう。今の零奈は、

金髪、紫の瞳、きしゃで少し小柄な12歳の少女、

“薙風 零奈”になっていた。

 

「・・・ふにゅ?」

同じように気絶していた或も目を覚ます。

『お目覚めのようですねマスター。』

「おはよーガラドヴォルグ。

 ・・・?あれ?」

或は自分の目線が低くなっていることに気づいた。

「・・・記憶が確かなら、さっきまでルシフェルと戦ってて、

 フラガラッハ唱えて・・・?

 それまでは14歳の体だったはず・・・。」

自分の胸をみて、

「もうちょっと大きかったような・・・?」

『マスター、縮んでるというか・・・』

「髪もはねてないし・・・。」

『30年前の姿ですよ。』

 

「「ええええええええっ?!」」

二人の声が重なった。

 

「・・・つまり、どういうこと?」

戻ってきた守たちにデバイス2体と或が事情説明する。

「何でかわかんないけど前世で死ぬ前の姿になっちゃて、

 零奈ちゃんについては今世での記憶が消えちゃってるの。」

「「えええええっ?!」」

「れ、零奈、本当に思い出せないのか・・・?」

一郎太が恐る恐る聞く。

「すみません・・・。チンクエディアに一通り聞いたんですけど、

 ぴんとこなくて・・・。」

「そっか・・・。」

寂しそうな笑みを浮かべる一郎太。

「で、でも、元に戻る方法、あるんじゃないか?」

守がフォローを入れる。

「・・・あるにはあるよ。」

いつの間にやら近くにいたルシフェルが口を開く。

警戒する一同。

「大丈夫だよ。研崎も逮捕されてるし、本人も改心してるし。

 それで、方法って?」

或が聞く。

「・・・或と零奈は三橋 拓也のこと覚えてる?」

「うん!覚えてるよ。」

「拓也くんがどうかしたんですか?」

「彼、神童 瑪瑙と結婚して、子供いるんだけど・・・。」

「あ、フラグそんまんまなんですね。」

「・・・?メノウってだれ?」

「その子供が今代のワールドアーカイブの保持者らしい。」

「「ワールドアーカイブ?」」

零奈とルシフェル以外の面々がキョトンとする。

「・・・全ての知識を持っているって思えばいいと思うよ。

 つまり、その子供と接触できれば方法はわかる。」

「・・・でも、問題ありますよね。」

「そこまで考えること、できるんだ。」

「だって、神童家にはおっかない番人がいるじゃないですか・・・。」

「「おっかない番人?」」

「・・・霧野家。別名、桃色夜叉。」

「・・・おっけー把握。」

或は霧野という名前で全てを察した。

「・・・ちなみに、二人の先生、霧野 炉蘭は闇の書を破壊した時に死んでて、本家は炉蘭の従兄弟の家に移った。」

「そうだったんですか・・・。」

「炉蘭さん・・・。」

「これは裏のツテで聞いたんだけど、今代の霧野家の護衛役は双子の姉弟で、姉が攻撃特化で弟が工作担当なんだとか・・・。」

「・・・。」

「・・・あくまで予測なんだけど、双子の姉は炉蘭が転生してると思うよ。」

「つまり、交渉の余地あり・・・と。」

「一難去ってまた一難だね・・・。」

 

「でも、まずはエイリア学園打倒ってことでめでたしめでたし、

 だね!」

こうして、後に“星の使徒事件”と呼ばれる事件は幕を閉じた。

新たな火種を残して・・・。

 

とある転生者の奮闘 或編 END




ごめんなさい。尺の関係上ジェネシス戦はけっこう削りました。
しかも本来なら生きている原作キャラ(準黒幕だったとはいえ)殺しちゃってます。



そして、中途半端な終わり方をしたのは、次に繋げやすくするためです。
FFI編では、GOのキャラ(もちろん幼少期)が大暴れ(主に魔法サイドで)するからです。



原作(リリカルなのは)を見る限り、キャラの強さは

女性>>子供>男性

という傾向が強く見受けられます。
まあ、何が言いたいかというと…

うちの小説ではショタロリ…特にロリが最強なんです(`・ω・´)
かわいい=強いなんですよ!!

次回からはそんな感じの雰囲気です。
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