とある転生者の奮闘   作:白花 頼羅

34 / 35
最終決戦です!


そして、零奈さんの出生の秘密が明らかに…?


第11話 すべての因縁に終止符を。

「皆さん!決勝の相手が決まったようです!」

目金が走ってきた。

「次はイタリア代表オルフェウスだよな?」

「前は引き分けだったから次こそは・・・。」

「それが違うんです!」

目金が否定した。

「と、とにかくこれ見てください!」

目金は一同にタブレット端末を見せる。

画面にはFFI公式ホームページが表示されていた。

「「ええええええええっ?」」

その内容に驚く一同。

「あのオルフェウスが8対0で惨敗したって?!」

「コトアール代表リトルギガントか・・・。」

「しかも相手は必殺技を使ってない・・・だと?!」

「しかも、チームオペレーターって・・・。」

守がある画像を指差す。

「夏未だよな・・・?」

「そうですね・・・。ちょっとばかり日焼けしてますがどうみても生徒会長ですね。」

守に同意する零奈。

「な、なんで?!」

イナズマジャパン一同は真相を確かめるためにコトアールエリアに向かった。

「いいのか?これではまるで裏切り者だが?」

コトアールエリアの練習場にて、

Mr.アラヤこと円堂 大介が1人の少女に向かって言う。

「・・・あなたを見つけて、私が円堂くんのために出来ることはもう終わったと思いました。」

少女・・・夏未は言う。

「でも、あなたがあえて円堂くんのために、大きな壁になろうとしているところを見て、考えが変わったんです。」

夏未は微笑んだ。

「そうか・・・。」

ニヤリと笑う大介。

その時だった。

突然、爆発音が聞こえた。それも、同時に数ヶ所。

「きゃあああっ?!」

「危ない!」

夏未の方に木が倒れてくる。

それを阻止したのは、リトルギガントのGK、ロココだった。

「くっ・・・。」

ロココは顔をしかめる。

どこかを痛めてしまったのだろう。

その時、

「“熱血パンチ”!」

守たちがコトアールエリアにたどり着いたのは。

守はロココの支えていた倒木を弾き飛ばす。

「大丈夫か?!」

「円堂くん!」

夏未の表情が明るくなる。

「夏未!もう、なにがどうなってんだ?!」

困惑気味の守。

「それは・・・。」

「話は後じゃ。」

大介は後ろを振り返る。

そこには・・・

「お前は逮捕されたはずじゃ!ガルシルド!」

「な、ガルシルド?!」

ガルシルドとその一味がいた。

「ふん。あんなちゃちな警備で私が逃げ出せないとでも?

・・・それよりも、今まで散々邪魔してくれたなMr.アラヤ。

いや、円堂 大介。」

ガルシルドは衝撃的事実を口にした。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

「Mr.アラヤが、私たちのお祖父さま?」

円堂兄妹がポカンとする。

「・・・なに、お前の悪事の証拠を集めていただけじゃガルシルド。」

大介もほんの少しだけ動揺している。

「でも、なんで死んだフリなんて・・・。」

秋が疑問を口にする。

「・・・お祖父様の行動を聞いての予測ですが・・・。

きっかけは40年前に影山が仕組んだ雷門を襲った事故。 その黒幕がガルシルドだということに気づいたお祖父様は、 命を狙われた。 そして家族を守るために姿を消し、40年間ずっとガルシルドの悪事について調査してきた。

・・・こんな所でしょう。」

「さすが零奈さん。その通りよ。」

零奈の推測を事実だと肯定する夏未。

「そうだったのか、じいちゃん・・・。」

「ああ。・・・すまなかったな守。」

守の肩に手をおく大介。

感動的なシーンだが・・・。

「ふん。家族の感動的再会だと?くだらん。

・・・そうだ。1つ面白いことを教えてやろう。 円堂 零奈。・・・いや、被験体E-406と呼ぶべきか?」

「なぜ一々被験体の型番を覚えてるんです?

ねぇ?計画責任者さん?」

口調とは裏腹に、チンクエディアをナイフフォルムにして二刀流で構える零奈。その表情は、憎悪で歪んでいた。

「・・・お前は人造魔導士ではなく、普通に産まれた子供だったからな。 その母は・・・観月セレネッタ。」

「な・・・。そんなハズは・・・!」

驚愕しすぎて顔が青白くなる零奈。

「うそだ、私は、シノちゃんと同じ日に生み出されたはずで・・・!」

「誰に赤子の時の記憶がある?データなどいくらでも改ざんできるわ。」

「でも並外れた身体能力の説明が・・・!あと、髪の色も・・・!」

「それは、お前の父親の遺伝だろう。 まぁ、どこの馬の骨ともしれんが、名前は確か・・・アルフレッド・テスタロッサだったかな? やつには妻も娘もいたな・・・。 妻がソフィア、娘がプレシアだったような・・・。」

ガルシルドは続ける。

「まぁ、部下が殺したがな。それも、40年前に。」

「・・・この、ゲスが。」

ふるえ声で罵倒する零奈。

「ふん、なんとでも言うがいい。 私がお前の父親だと言っても・・・。

セレンの夫だと言っても同じことをいえるならな。」

「!!」

「それに、セレンにはもう1人娘がいた。 ・・・心当たりあるよなぁ?円堂 大介。」

「・・・!」

顔をしかめる大介。

「じいちゃん?」

心配そうに大介を見上げる守。

「円堂 日向。それが娘の名前だ。」

ガルシルドは告げる。

「え?誰って?」

「・・・貴様、日向をどうした?」

大介は怒りに震えている。

「殺したよ。夫ともども12年前にな。

お前が妻の元に日向を置いていったあと、探すのに苦労したよ。

まぁ、その時にはすでに娘が生まれていた。

円堂 零奈、今のお前だ。」

「・・・。」

目が死人のように虚ろになっている零奈。

「つまり、円堂 守とそこの人形は実の兄妹じゃない。 いとこだ。」

「・・・ふざけんな。」

守は呟いた。

「なにがあったとしたって、零奈はお前の人形なんかじゃない! オレの大事な妹だ!」

守は叫んだ。

「ふん、ほざいてろ。 ・・・まぁ、余興はこれぐらいにして、忌々しい円堂 大介と、そのサッカーを受け継ぐものたちを叩きのめすか。我々の完璧なサッカーで。」

「望むところだ!」

「な!やめるんじゃ!おまえたちには関係ない・・・」

「いえ、関係大ありですよ、大介さん。」

鬼道が口を挟む。

「まあ、いろいろあるけど一番は・・・。」

「・・・兄さんやイチ、皆が大好きなサッカーを守るための戦いです。」

なんとか立ち直った零奈は守の言葉に続く。

(ふん、サッカーどころかふつうの生活すら出来ないほどに叩きのめしてやる。)

キックオフ。

 

「ふっ。」

「な?!」

「速すぎる!」

「“ガンショット”」

「うあああああっ!」

試合開始から1分もたっていないにも関わらず、1点決められてしまった。

「なんだよ・・・人間離れしすぎだよ・・・。」

木暮が言う。

「まさか?!」

「気づいたか。」

「まあいい。教えてあげましょう! 私たちは後遺症の出ない強化人間プログラム・・・。

RHプログラムを受けています!」

「なんだって?!」

「よって、貴様等のような未完成のざこどもじゃ私のチーム、 チームガルシルドにはかなわない!」

高笑いするガルシルド。

ソレを見て、夏未と大介はため息をついた。

「勝負は見えました。」

「そうだな。」

「そんな・・・。」

ショックを受ける秋。

「何を言っているの木野さん?

私はイナズマジャパンが勝つと言ったのよ?」

「何だと?!」

驚愕するガルシルド。

「“ガンショット”」

(まただ!

でも、今のままじゃあの貫通力、防げない。

・・・だったら、今よりもっと、強くなれば!)

「・・・うおおおおおおおおおっ!」

守の背後に魔神が・・・否、それよりもっと強大なモノのオーラが現れる。

「くぅ!」

なんとかはじく。

「おどかしやがって。」

「未完成の技なんぞ出しよって悪あがきを・・・。」

「悪足掻きじゃないわ。成長してるのよ。」

夏未はガルシルドの言葉を否定する。

「確かにお前らは強い。

・・・だからこそ、オレたちに強くなるチャンスがある!」

「何?!」

「つまり、強敵がオレ達を強くするんだ!」

守が断言した。

「完成されたあなたたちにはわからないでしょうね。

未完成の強さが!」

「なにを?!」

守の言葉通りの展開になった。

「“風神の舞・改”!」

「「“キラーフィールズ・V2”!」」

「「“タイガーストーム・V2”!」」

「“真空魔・V2”!」

「「「“グランドファイア・G2”!!」

怒涛の進化の連鎖で逆転するイナズマジャパン。

「これが、未完成の強さか!」

その時、試合終了のホイッスルが鳴り響く。

「そんな、ばかな!」

「お遊びが過ぎたな、ガルシルド。」

ガルシルドに手錠がかけられる。

手錠をかけたのは・・・

「鬼瓦刑事!無事だったんですね!」

鬼瓦刑事、その人だった。

「まだだ、まだ私の計画は!」

「寝言は寝てから言うんだな!」

鬼瓦刑事の言葉はスルーされる。

「終わっていない!ラボック!プランBだ!」

「了解です!」

小太りの男・・・ラボックが言い、

「傀儡兵、召喚!」

「「召喚!」」

チームガルシルドの全員が召喚魔法を使用する。

「これぐらいは想定しているに決まっているだろう?

残念だったな!おまえたちが無駄なあがきをしたがために犠牲が余計に増えるんだ!」

「「なんだって?!」」

イナズマジャパン一同がそういうと同時に、 あちこちに様々な魔物が現れた。

そして、ガルシルドはシューター一発で手錠を焼き切る。

「私がこの世界の、そして、全ての次元世界の王となるのだ!」

ガルシルドは禍々しい魔力光に包まれ、変身した。

「ロストロギア、“深淵”(カオス)の力、思い知るがいい!」

ガルシルドのいでたちは、 RPGのラスボス最終形態の要素を凝縮した鎧を着ているような状態だ。

「ふんっ」

腕を振り上げただけでもう、数えることを一瞬で放棄せざるを得ないシューターの大群が現れる。

「燃やし尽くせ。」

禍々しい色の魔力弾が練習場どころか、コトアールエリア全体に降り注ぐ。

あちこちから、人々の泣き叫ぶ声が聞こえる。

「「プロテクション最大出力っ!」」

ダメ元で零奈と藍がバリアを張る。

しかし、ぜんぜん足りない。

規模も、出力も。

「くうううっ・・・。」

「でも、何とかするしか・・・!」

「オレに任せとけ!」

空から声がした。

ピンクの髪に、金の柄をもつ二本の大剣。

「「スオウ(さん)?!」」

「いっくぜーっ!」

『Protection.Over flow. 』

とてつもなく巨大な魔法陣が、光の雨を全て受け止める。

「いってぇな・・・。手首捻ったわ。」

のんきに右手首をプラプラさせているスオウ。

「さーて、ガルシルド・ベイハン。 今回は逃がさねーぜ?」

「ふん。かかってこい虫けらめ。 塵も残さず消し去ってやる。」

ライオコット島にて、最終決戦が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライオコット島のあちこちに常識はずれな数の魔物が大量に出現した。

パニックになっているのは言うまでもない。

 

幸か不幸か、中央の一番大きな島にしか魔物が出現していないことが

救いだった。

「索敵完了。全部で魔物は5000。

うち大型300、機械兵1200。あとは小型です!」

コトアールエリアにスオウのあとにやってきた拓人が索敵結果を味方に

報告する。

「北側、空野姉妹、機械兵が集中してます。周りに被害が及ぶ前に

殲滅お願いします!」

「りょーかい!」

「わかりました!」

「合点承知じゃ。」

「東側、久遠だ!大型が集中している!増援頼む!」

画面が切り替わり、若葉(大人ver.)が切羽詰まった顔で言う。

「若葉、なのか?」

画面に映ったなぜか成長している我が娘に驚く久遠監督。

「な、父さん!?なんでコトアールエリアにいるのさ!

一番危ないのに!」

直後、通信越しに破壊音がする。

煙が濃くて、なにが起こったのかわからない。

「若葉!」

「・・・けほっけほっ。だいじょーぶ問題ないさ!

スオウさんのブレイカーの雨に比べればどうってことない!

とにかく増援頼む!」

「神童、了解。

一番近いのは・・・」

「こちら京介!オレが行く!」

「キョウ?!」

今度は藍が驚いた。

「京介くん!助かるよ!」

「えへへ・・・。

じゃ、待ってろよ、すぐに向かうから!」

京介は通信を切る。

「え、なんで・・・。

ってことはユウも・・・。

こうしちゃ居られない!フランベルジュっ!」

『ふわぁぁ・・・。おはようございますマスター。

忘れられてるのかと思いましたよ。』

機械のくせしてのんきにあくびをするフランベルジュ。

「あくびしてる場合じゃないです!緊急事態です!」

『索敵・・・するまでもなく敵さん大量発生ですねぇ・・・。』

「久々に全開でいくよ!」

『Yes,Sir.』

「私も行きます!チンクエディア!」

『Yes,Sir.』

「「セーット、アーップ!」」

水色と青色の光の奔流が発生し、2人を包み込む。

『Device form.』

チンクエディアは魔力刀が伸びた槍のような杖になる。

「助かります!」

『Thank you.』

拓人とマエストロが言う。

「零奈さんは東側、藍さんはここ(南側)に残って召喚士を撃破してください!」

「君は、戦わないの?」

「・・・戦闘向きじゃないそうなので・・・。」

むすっとする拓人。

「じゃぁ、行きます!」

「零奈、無事に帰って来いよ。」

一郎太が真剣な眼差しを向ける。

「大丈夫です。まだ、やりたいこといっぱいありますし。

少なくとも、死ぬようなことはありませんよ。」

微笑む零奈。

『マスター、いちゃついてる場合じゃありません。』

「そ、そんなつもりは・・・!」

赤くなってチンクエディアに反論する零奈。

そんな孫娘を見て、大介はニマニマしている。

「青春じゃのう・・・。」

「?」

きょとんとする守。

「虎丸くん。」

「なに藍さ・・・ん?!」

藍は突然、虎丸の頬にキスをした。

「あああああああ、藍さんんんんんん?!」

ぼふんという音を立てて赤くなり、うろたえる虎丸。

「あ、ぅ、その・・・・・・願掛け?かな?

なんかそうしなきゃいけない気がして・・・。」

もじもじしている藍。

同じく顔が赤い。

「・・・帰ったら、話したいこと、あるから、その・・・。

ぶじでいてくださいね?」

上目遣い気味に虎丸を見る藍。

「あ、うん・・・。藍さんも気をつけて・・・。」

「い、いってきます・・・!」

(なにこれ。なんかお花畑が見える。)

「藍がかわいい、だと・・・?おっと。」

「よそ見とはずいぶん余裕だな霧野 スオウ!」

思わずスオウが振り返った。

その隙に攻撃されてしまったため、危ないところだった。

「スオウ!よそ見しちゃだめだ!」

青ざめる拓人。いまにも泣き出しそうだ。

「悪ぃ悪ぃ。ふだんツンツンな藍がデレたからつい・・・。」

「・・・スオウさんがバカだから厳しくしてただけです。」

「さ、行きましょう。

・・・死なないでくださいよ?教官?」

「おう!あったりめぇよ!オレを誰だと思ってやがる!」

零奈と藍はにやりとして、

「「紅蓮の狂戦士、霧野 炉蘭!」」

同時にそう言った。

「それはそうなんだが・・・いまは

“紅蓮の英雄、霧野 スオウ”のほうがあってるな・・・。」

「「英雄とかありえないから。」」

「厳しーなおい!じゃ、

シャドウウィング前衛部隊、突撃!」

「「ラジャーっ!」」

3人は同時に行くべき場所に向かった。

北側、イギリスエリア。

ナイツオブクイーンの選手たちが避難誘導を行っていた。

たまーにやってくる魔物に必殺技を浴びせて追い払ってはいるが、

「きりがないな・・・。」

エドガー・パルナチスは顔をしかめる。

必殺技では決定打を与えられないのだ。

そもそも、必殺技は魔物を攻撃する手段ではない。

あくまでも、サッカーの技術である。

「エドガー!後ろ!」

チームメイトの声に気づき、振り返るエドガー。

そこには、

「Oh,my got・・・!」

巨大な機械兵が自分をつかもうとアームを伸ばしていた!

万事休すかと思ったその時、

「サンダー・・・。」

『Buster.』

天の霆が降り注いだ。

「イギリス代表のお兄さん大丈夫ー?」

空には、遥が浮いていた。

「天使が舞い降りたのか・・・?」

「いや、違いますけど。なに痛いこと言ってるんですかあんた。」

ドン引きする遥。

「とにかく、助けてくれてありがとう。天使のような小さなレディ。」

「・・・早く避難したらどうですか?もう一般客は避難し終わったみたいですし。」

「君はどうするんだい?」

「私は戦うためにここにいるの。

だから、」

後ろに機械兵が迫る。

「逃げるなんて選択肢は、」

遥はオーケアノスを後ろに構える。

「ない!」

『Shoot.』

青いシューターが機械兵のコアを一撃で貫く。

機械兵は爆発した。

「・・・。」

唖然とするエドガー。

「さ、早く逃げてくださいね?

私はコントロールできますけど、妹たちはそんな器用なまねできなせんから。ね?」

「・・・わかった。

・・・君たちも無茶はしないように。

みんな、私たちも避難するぞ!」

イギリス代表も去っていった。

「・・・樹理香、殲滅お願い。」

「了解!」

遥の念話を聞いた樹理香は上を向いて、ある合図を出す。

「鋼鉄の、結界!」

瞬時に街自体に硬度強化の結界を張る。

街の上空では、

「魔力チャージ完了!合図も確認!」

水色の巨大な光球が、ベール型の魔法陣によって維持されていた。

それを行っているのは・・・葵である。

「一撃殲滅!ヘブンライト・・・ブレイカーっ!!」

『Bust.』

イギリスエリアは水色の光に包まれた。

ーーーー

イギリスエリアの機械兵・魔物は全滅。

街も少々焦げ目が付いただけという奇跡に近い被害状況。

「こちら北側、空野姉妹。ミッションコンプリート。」

遥の報告により、北側の作戦は終了。

東側。

「千花一閃!」

「でやあああああっ!」

若葉と京介の2人でなんとか戦っていたが、

「うあっ!」

ドラゴンの尾に弾き飛ばされる若葉。

「若葉!このっ!

うあああっ!」

鉤爪で引っかかれる京介。

「鎧部分がなかったら死んでた・・・。」

『アーマー、胸部全損。修復不可。』

「まじかよ・・・。」

ドラゴンがまた京介に襲いかかる。

「うあああああああああっ!」

「京介くううううううんっ!」

復帰したばかりの若葉が叫び、

京介はへたり込む。

しかし、恐れていた事態は回避できた。

「ストライク、」

『Slusher.』

ドラゴンは水色の刃で首を斬られ、動きを止めた。

「だいじょうぶですか2人とも?」

零奈がたどり着いた。

チンクエディアはツインナイフフォルムのようだが、両方とも魔力刀が

伸びて、二本の長剣のようになっている。

「全く・・・経験不足とはいえ、同じポジション(前衛)を偏らせたら

今みたいにジリ貧になるに決まってるでしょうに・・・。」

「「ごめんなさい・・・。」」

「まぁ、安心してください。

・・・私はオールレンジで戦えます。」

ニヤリと笑う零奈。

「さて、作戦があるのですが、よろしいですか?」

零奈は2人に耳打ちする。

2人は即答で

「「やります!」」

と答えた。

・・・作戦開始。

「ほらほらこっちです!」

「ギャアアアアアアアア!」

零奈はある一点に魔物を密集させるために高速飛行を続けている。

「まだだ、まだ・・・。」

「シールドを維持。シールドを維持・・・。」

上空には、運んでもらったちびっ子2人が、いて、

合図を待っている。

・・・なお、この二人は飛べないので、

京介がシールド(足場)を維持し、

若葉は身体強化魔法を解いて、もとの姿に戻り、BJを纏っただけの状態で、“一撃”に魔力を全て集中させている。

だいぶ魔物が一カ所に集中してきた。

「トラップチェーン起動!」

水色の鎖があちこちから出てきて、魔物の集団の端にいる魔物たちを絡め取り、生きた壁にして、魔物たちが身動きとれないようにする。

これが合図だ。

「全てを飲み込み、大華となれっ!

最終奥義!兆華洪水、華川弾!」

噛みそうな呪文をミスなく唱えると、魔物の集団の中心部に小さな光の球が発生する。

『Explosion.』

桔梗がそう言った瞬間、

光の花びらが炸裂した。

魔物たちを大量の青白い焔の花びらが瞬時に焼き尽くす。

「これにて終幕・・・。」

『Mode release.』

「若葉!」

魔力を使い果たした若葉は気絶し、倒れ、足場から落ちる。

BJが解除されたため、このままだと

「・・・そんなのだめだっ!」

京介は迷わず飛び降りた。

「若葉ああああああっ!」

風が冷たい。身を切られそうだ。

そんなことはどうでもよかった。

「捕まえた!」

京介は若葉をぎゅっと抱きしめ、自分が下になるように向きを変えた。

「ランスロット!」

『Yes,Sir.Holding net.』

2人の下に、紫色のネットが広がり、

2人を柔らかく受け止める。

そして、ゆっくり地面に下ろす。

「よかっ・・・た。」

『Mode release.』

京介も魔力を使い切り、気を失った。

京介と若葉は、仲良く眠っているように見えた。

「こちら東側。殲滅完了。」

東側の戦闘も終了した。

西側。

優一、蘭丸と・・・

「かっとべー!」

ピンクのハンマーを振り回す少女・・・東雲が戦っていた。

西側は小型の魔物たちしかいないが、

「数、多すぎない?(ざくっ)」

「とか言ってるけど余裕ですよね優一さん・・・。(ガスっ)」

「時間がもったいないから派手にやっちゃっていいよねー?」

「「同感。」」

3人はそれぞれ自分の最強魔法を発動する。

「"Madness."」

蘭丸は狂騎士モードになって無双を始め、

「黄泉の剣の雨、現世に来たれ。我が呼びかけの元に!」

『Deth drop.』

優一は闇の炎の剣を大量に降らせ、

「全力前回!ゼロ・・・。」

『Breaker.』

東雲がゼロブレイカーで一掃する。

・・・あっさり殲滅完了。

「こちら西側チーム。殲滅完了したよ。」

これで残りは南側だけとなった。

「があああああああっ!」

狂騎士モードになって戦うスオウ。

しかし、

「ふん。かゆみすら感じんわ。」

ガルシルドはそう言って、スオウの鳩尾に拳を突き出す。

「があっ!」

バキボキと骨の砕ける音がした。

恐らく、あばら骨がやられたのだろう。

『“Madness."Mode release.』

狂化が解かれ、小さな体に戻るスオウ。

「スオウ!」

なんとか吹っ飛ばされたスオウを受け止める拓人。

「・・・ぅあ。」

やられたのはあばら骨どころじゃなかった。

「あ・・・あ・・・。」

腹に穴があいていて、・・・詳しい描写は避けるが、内臓がえぐられていた。

「スオウ、しっかりしてよ!

ねぇ、スオウ!」

「・・・坊ちゃん・・・。ぐああああっ!」

「動いちゃだめだ!待ってて!蘭丸を呼び戻すから!」

「むり、だ。間に合わない!」

『マスター、動かないで下さい。リジェネーションをかけてますから!』

「くそ・・・。」

弱々しく呟くスオウ。

「もうおわりか虫けら?ずいぶん早かったな。

まぁいい。二人仲良くあの世に送ってやろう!」

ガルシルドは再び大量のシューターをセットする。

「にげ、ろ。ぼっちゃ、ん!」

「嫌だ!スオウを見捨てるなんて!」

「バカ、やろ、はや、く・・・!」

「絶対逃げない!

僕が・・・。オレがスオウを守る!」

拓人の一人称が“僕”から“オレ”に変わった。

「できるよな?!マエストロ!」

『Yes,Sir!Archer form.』

マエストロはタクトから、弓に変化する。

「調和の音色・・・。」

『Harmonics.』

「貫く音色・・・。」

『Fortissimo.』

弓に黄緑の光が収束する。

「絶対音響!ハーモニクスブレイカーっ!!」

『Bust.』

威力に似つかわしくない美しい音色を伴って、

黄緑の光条が不気味な色の空を切り裂く。

「なに?」

シューターを全て撃破する。

「どう、だ。オレだって・・・!」

倒れる拓人。

「坊ちゃん!」

起き上がることすらできないスオウは、叫ぶしかない。

「驚いたが、まぁ、しょせん雑魚には変わりない。」

拓人の頭を踏みつけるガルシルド。

「このやろ・・・!」

「誰にも私と“カオス”は止められんのだ!

フハハハハハハハハっ!」

その時だった。

ガルシルドの両脇を、黄緑の光条がすり抜けたのは。

「誰だ?」

「僕の子供の頭から足をどけやがれクソヤロー。」

BJを纏い、マエストロそっくりのデバイス・・・ソリストを

構えた拓也が、ガルシルドの背後で恐ろしい笑みを浮かべていた。

「神童 拓也か。お前のような支援特化しか能のない雑魚に何ができる?」

鼻で笑うガルシルド。

「・・・あれ?僕のスキル、ご存知ないかんじですか?」

首を傾げる拓也。

「はっはっは!何をバカなことを言っている?お前のスキルは“魔力強化”だろう?

そんなもの何の役にも・・・」

「ばーか。コイツのスキルはそんなちゃちなもんじゃねーぞ!

だから上層部に報告しなかったんだ!」

「そうです。炉蘭さん・・・スオウの言うとおり。

僕のスキルは・・・」

『Skill,unlock.Target,1.』

「な?!体が?!」

「この世に存在する“すべて”を意のままに操ることができる

“オールマイティーマエストロ”だ!」

「何・・・だと?!」

「じゃ、まずは・・・。」

「な、な・・・!」

ガルシルドの魔力でシューターを作り出す。

「いっぺん死にかけとけ。」

「ぎゃああああああああっ!」

そりゃあもういい笑顔でシューターをぶつける神童 拓也という

魔王がいた。

「あー、もう、どうにでもなれ・・・。」

(こうならないようにするためのプロジェクト・クロノスだったんだけどな・・・)

最後にロストロギア“カオス”を回収して、

全ての因縁に決着が着いた。

運命の歯車の回転は、ようやく正常に戻ったのだ。

 

 

ガルシルドの暴走は後に“G・B事件”と呼ばれ、

第97管理外世界「地球」では迷宮入りの事件、

時空管理局ではロストロギア違法使用による中規模テロとして

扱われた。

主犯ガルシルドは地球の国際警察が逮捕した後、

拓也の“力”で様々な問題をクリアし、管理局に身柄を引き渡した。

 




零奈さんの出生についての補足
<転生前>セレンさんとアルフレッド・テスタロッサ(後述。妻子がいたが、“一夜のあやまち”というやつだ。)の間に生まれる。→ガルシルドによって違法研究施設に放り込まれ、死んだことにされる。それと同時に、テスタロッサ夫婦を殺害した。(そのため、セレンは玲奈のことをかわいそうな人造魔導師の子供だと思っていた。)→闇の書の闇との戦闘で死亡
<転生後>セレンさんと大介さんの間に生まれた娘、日向(後述)とその夫の間に生まれた。(円堂母は腹違いの妹だが、結婚前に日向が生まれたので浮気ではない。)→1ヶ月後、交通事故に遭い、両親死亡。→妹夫婦の養子になり、円堂と“双子”ということにされた。(実際の誕生日は零奈のほうが10日ほど後。)

設定
・セレンさんはガルシルドと(無理やり)結婚して(させられて)いた。

アルフレッド・テスタロッサ
金髪、赤の瞳の美青年。
妻子がいたが、セレネッタとのあいだに零奈を作ってしまい、ガルシルドの手に
かけられ死亡。
管理局で“黄金の獅子”という二つ名をつけられるほど、高速機動に優れた魔導士だった。責任感が強い。しかし、押しに弱い。
“リリカルなのは”のテスタロッサ姉妹の祖父にあたり、プレシアの父親。

ソフィー・テスタロッサ
アルフレッドの妻。黒髪に、黒い瞳。
アルフレッドがセレンとのあいだに隠し子(零奈)を作ったことを知っていた。
それでも嘆いたり怒ったりしない。
アルフレッドが「近々子供を連れてくる」と言ったときは、娘のプレシアに
「良かったわねプレシア。妹ができるわよ。」
「なぜ知っている?!」
とアルフレッドを驚かせる女傑。
“リリカルなのは”のテスタロッサ姉妹の祖母にあたり、プレシアの母親。

プレシア・テスタロッサ
“リリカルなのは”原作キャラ。
過去の時点で10歳。(年齢ズレはよくあることです。)←
黒の髪に、赤の切れ長な瞳。(原作は黒だったって?まぁ、キニスルナ(遠い目)。)
妹ができると聞いて喜んでいたが…。本編中で述べたように大惨事にあう。
全てを奪われる原因を作った零奈を憎んでいる。

円堂 日向 (えんどう ひなた)
円堂 守の母、円堂 温子の腹違いの姉。
髪の毛の感じが父と甥っ子そっくり。
瞳はすみれ色と赤紫のオッドアイ。
ちょっとシスコンこじらせてた。
零奈(とある転生者の奮闘シリーズ時点)を生んでから
夫共々交通事故(犯人:ガルシルドの手下)により死亡。



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。