とある転生者の奮闘   作:白花 頼羅

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シリアス展開突入!
リリカルなのはで騎士といえばあの方々!

「駆る」と「狩る」をかけてみました。←しょーもない
それと、冒頭より後から書き方が3人称に変わります。

時間がだいぶ飛んでます。
まさにこれが「キングクリムゾン」っ!


第4話 影を駆る騎士

訓練施設に入ってもう3年が経とうとしている。

私とシノちゃんは12歳になった。

小6どころか義務教育の範囲はマスターした。

白河兄弟は2年前に正規隊員になって卒業。

アイさんはここ1年ほど見かけない。任務が忙しいのだろう。

拓也くんは8歳になって、だいぶ背が伸びた。しかも私たちと同じ範囲をマスターしている。天才としか言い様がない。

アルは私たちと同じだ。

教官は17歳。性格は相変わらずだが、とてもきれいになった。

そして、2週間後には私たちの卒業試験がある。

夢が叶うとき。

もうすぐセレンさんたちと同じ場所に立てる。

 

そんな時だった。

運命の歯車が狂いだしたのは。

 

 

 

 

とある場所。

「ふ~。今回もらくだったねぇ~。」

「まぁ、僕たち姉弟はいまやエースだからね。」

「むぐぐ…」

白川姉弟(二人共14歳)が捕らえた凶悪犯を見張りつつのんびり話していた。

「むぐ…」

「あ、やめたほうがいいよ?」

「!!」

凶悪犯を縛るバインドから電撃が走る。

凶悪犯は激痛に顔をしかめた。

「魔力を結合させようとするとビリビリってなるように組んだからね。」

「さすが竜臣!」

凶悪犯は双子の恐ろしさに身震いした。

「さて、そろそろ戻ろうか。」

「うん。…姉さん後ろ!」

「え…」

奇羽羅の後ろには、剣をもった、桃色の髪の女がいた。

「っく、アテナっ!」

『shield.』

奇羽羅はシールドを張り、女の一撃を防いだ。

しかし、

「うあっ!」

シールドごと吹っ飛ばされる。

「姉さん!このっ!」

『chain bind』

緑の鎖が女を捕らえようとする。

「…ぬるい。」

剣で全て切り落とされる。

「まだまだっ!“数多の剣よ我が声の下に、我が前の敵を切り伏せよ”!」

『summons blades.』

40本ほどのブロードソードが一瞬にして奇羽羅の周りに現れた。

「いっけぇ!」

すべての剣は女に向かって飛んでいく。

「…レヴァンテイン。」

『explosion.』

女の剣…レヴァンテインが炎をまとう。

「紫電…一閃!」

女は剣を振るう。

凄まじい熱気をまとった斬撃。

「「うわあああっ」」

「むぐ~?!」

凶悪犯(魔導師)も巻き込まれた。

「…シャマル。」

「OK。」

いつの間にか金髪の女も増えていた。その手には、

「魔導書…?」

「!!あれ、教官が言ってたロストロギアじゃん?!」

「教官が…?…ああっ!闇の書!」

金髪の女…シャマルが持っていたのは、第一級危険物に指定されている遺失物(ロストロギア)、闇の書だった。

「旅の鏡。」

シャマルの手に緑の鏡のようなものが現れた。

シャマルがそれに手をつっこむと、

「うああっ?!」

「竜臣ぃぃっ!」

緑の手が竜臣の胸から生え、何か光るものを掴んでいた。

手がなくなると、竜臣は崩れ落ちる。

「竜臣!」

奇羽羅は竜臣を受け止める。

彼の顔は真っ青で、目は何も映さない。何より、

「脈が、ない…?うそだ。そんなはず…。」

奇羽羅は認めざるをえなかった。

彼女の弟、竜臣は、

「しんじゃった…の?」

死んでしまったことを。

「たつみ、しんじゃったの?なんで、なんで?

 私のたったひとりの家族で、いいこなのに。どうして?

 …。」

奇羽羅の瞳から光が消えた。

「そっかぁ、」

そのつぶやきは、まさに狂気。

「「っ?!」」

二人の女は反射的に構えた。

「たつみをころしたやつらを、」

『master?』

アテナは戸惑う。自分のマスターの豹変ぶりに。

そして、しようとしていることに。

『ここでそんなことをしたらマスターも…。』

「“集え、聖なる天の守り手の刃。我が祈りに応え、我が敵を殲滅せよ!”」

『ダメですマスター!』

「“ヘブンスインパクト”!」

奇羽羅の足元に大きな正三角形の、緑の魔法陣。

辺り一帯に降り注ぐ、剣を模した巨大な光。

廃墟がさらに壊される。

「あは、あはははっ!みんな、みいいいんなきえちゃえ!」

『ます、た、』

アテナにヒビが入り、粉々になった。

「…」

「はぁ…。そうよね。早く楽にしてあげないとね。」

シャマルは鏡に手をつっこんだ。

奇羽羅の胸から手が生える。

「あは、あははははは!」

もはや、ヒトじゃない奇羽羅だったモノ。

手がなくなると崩れ落ちた。

制御をなくした光のひとつは、元・主に向かって落ちて、その体を焼き尽くした。

「ひ、ひいいっ!」

術者の死によって自由になった凶悪犯は、逃げようとしたものの、

「「……」」

二人の騎士のただならぬ威圧感に腰を抜かした。

「逃がさんぞ…。」

凶悪犯の胸から手が生える。

「ぎゃあああああっ!」

凶悪犯の断末魔が響く。

「どうだシャマル?どれぐらい埋まった?」

「32ページってところかしら。シグナムは大丈夫?」

「どうってことはない。そんなことより主を助けることを考えなければ。」

「…。そうね。」

シャマルと女剣士、シグナムはその場を去って行った。

 

白川姉弟の死は、その次の日に知れ渡った。

…もちろん、闇の書についても。

 

 

 

 

「ロストロギア…。」

霧野教官は険しい顔をしていた。

「教官、どうしたんですか?」

私は聞いた。するといつもの笑顔に戻り、

「いや、なんでもねえよ。でも、あの二人が死んじまったのはオレの教導不足かなって思うとな、どうしても暗い顔になっちまうんだよ。」

それもあるだろうけど、それだけじゃない気がする。

「教官、何か隠してませんか?」

すると教官は真剣な顔になる。

図星だったのだろうか。

「なぁ、零奈。」

「何ですか。らしくない。」

「もし、オレがお前らの敵になったらどうする?」

いきなり

「何を言い出すんですか。」

思わず気が抜けてしまった。

「いいから、答えてくれ。」

教官の声は震えている。

うつむいているから表情はわからない。

「そうですね…。理由によっては協力します。

 でも、間違っていると思ったら」

私は殺気をにじませた。

「チンクエディアで八つ裂きです。」

『容赦しませんよマイスター。』

教官は優しく微笑んだ。

「うん。たのもしいな。ま、俺もまだまだ落ちねーけどな。」

教官は私の頭を優しくなでた。

何度も、何度も。

 

その一週間後、教官はシャドウウィングをやめてどこかに行ってしまった。

 

 

 

 

 

とある次元世界。

アイはとある研究施設の殲滅任務についていた。

「静かすぎる・・・。」

もう全体の7割ほど破壊した。

警備の一人も出てこないのはおかしい。

「しかもこの壁・・・。」

最後の部屋の壁が固すぎる。

「この固さは・・・ランクAAぐらいの結界魔導師が結界を張ったときに相当する・・・。」

この部屋が一番重要なのだろうか。

「斬り伏せるのはむりそうだね。フランベルジュ。」

『わかりました主。』

アイは構えた。

「すべてを0に!」

『Zero Breaker.』

紺色の魔力の奔流が壁にぶつかる。

「はああああああっ!」

壁にひびが入り、やがて大穴が開いた。

「まあ、こんなものでしょう。」

アイは部屋に入った。

 

 

 

部屋の中にはいくつもの生体ポッドがあった。

見て回っているうちに、とある二つのポッドに

目が釘付けになった。

「なんで・・・。」

体のふるえが止まらない。

「どうして・・・。」

ポッドの中にいたのは。

「ユウとキョウがここに?!」

自分の弟たちだった。

アイの声に答えるように二人は目を覚まし、

ポッドを破った。

「ユウ!キョウ!」

アイは二人に駆け寄る。

しかし気づかなかった。

「?!」

二人の手に武器があることに。

足をきりつけられる。

『『侵入者を排除します。』』

二人の武器、おそらくデバイスがしゃべる。

「姉さん逃げて!」

かろうじて自我の残っていたのであろうユウが叫んだ。

キョウは完全に瞳孔が開ききっている。

「大丈夫。絶対助けるから。」

二人の弟たちと姉の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

同時刻。

とある屋敷の書斎。

そこに炉蘭はいた。

なにやらプログラムを組んでいるようだ。

「むぅ・・・。うまくいかねぇ。」

炉蘭はうなる。

「炉蘭さん。」

そこに一人の少女がやってきた。

「よう、瑪瑙。」

少女の名は神童 瑪瑙。

屋敷の幼き主にして、

かの有名な遺失世界、“アルハザード”のとある大賢者の子孫である。

パールグレイのウェーブがかかった髪は先祖代々受け継がれてきたらしい。

「闇の書・・・いえ、夜天の書の修復プログラムの具合はどうですか?」

「いやぁ、あと4割ぐらい。

エンシェントベルカだから勝手が違うんだよ。」

本来、リスクの高いボランティアをするほど炉蘭はお人好しではない。

ちゃんと理由がある。

それは彼女の家、霧野家が関わっている。

 

神堂家の先祖の大賢者には側近がいた。

ピンクの髪、アイスブルーの瞳をもつ騎士だった。

彼が霧野家の先祖である。

彼の遺言は大賢者の子孫を代々守り続けること。

それがずっと続いて今にいたる。

つまり、瑪瑙が主人で炉蘭が従者というわけだ。

まぁ、8歳の女の子に従う17歳の少女というのはシュールな光景だ。

でも代々続いてきたものだ。

「あと主が優しくてかわいいし。」

これが炉蘭の言い分である。

 

 

 

 

 

その頃訓練施設では、卒業試験の内容の発表が行われていた。

 

それは、衝撃的過ぎた。

 

「「ペアで殺し合い・・・。」」

零奈たちや他の訓練生は青ざめた。

「酷すぎるよ・・・。」

アレックスはもう泣いている。

「許せない・・・。」

拓也は憤慨した。

「でも、夢のためだもんね。」

「シノちゃん・・・?」

一番怒りそうな東雲が無表情だ。

「負けないよ。たとえ零奈ちゃんでも。」

「シノ・・・ちゃん?」

零奈は戸惑う。幼なじみの豹変ぶりに。

東雲は去っていった。

 

 

 

 

 

「う・・・げほっげほ・・・。」

東雲は激しくせきこむ。

「ちょうど、良かったのかも。」

東雲は弱々しい微笑みを浮かべる。

「もう、私はもたないだろうから。」

東雲の手には彼女自身の血がべっとりついていた。

幼い頃の人体実験のダメージが一気に彼女の体を蝕んでいた。

「最期までよろしくね、メイデン。」

『Yes,Sir.』

狂った歯車は回り続ける。

 

 

 

 

 

「アクアシューター。」

『Set.』

アイはフランベルジュを構え、

「シュート!」

シューターを放つ。

『『Protection.』』

あっさり防がれる。

しかしそこで生じたスキをつく。

「アクアバインド!」

水の鎖がユウとキョウを捕縛しようとする。

『『回避。』』

飛び交うバインドをすいすいとかわされてしまう。

「・・・カードリッジロード。」

『exprojon.』

キョウの剣型デバイスから黒い炎が吹き出る。

「・・・唸れ、死の魔剣。」

『Death sword.』

グオオオオっと音を響かせ迫るキョウとデバイス。

後ろでは、

「・・・冥府に堕ちた黒の騎士・・・。」

呪文を詠唱するユウ。

「大丈夫。このパターンは・・・。

 凪払えっ!」

『Aqua Zander.』フランベルジュに水がまつわりつき、剣が長くなる。

「てええええっい!」

『『protection.』』

盾がでたが、

それごと凪払う。

ユウとキョウは壁に激突した。その時、二人のデバイスは粉々になり、

二人は動かなくなった。

「ユウ、キョウ!」

アイは駆け寄ろうとした。

しかし。

それは叶わなかった。

三人の胸から手が生えた。

「?!」

「リンカーコア、蒐集。」

「うあああっ!」

「「っ!」」

三人は苦しむ。

アイは視界の端に、弟たちにむかう赤い影を確認した。

「だめえええええっ!」

アイは手を伸ばす。

いつも通りにシューターを打とうとしたが、

「なんで?!」

『主、魔力が感じられません!』

打てなかった。

この程度の戦闘、魔力が尽きるはずがないのだ。

驚くのも無理はない。

「そうか!闇の書!」

気がついたがもうおそい。

自分の腹から血のべっとりついた剣が生えた。

「がはっ・・・。」

「すまない。こうしなければならないのだ。」

ピンクの女剣士の呟きを最後に、

(弱いお姉ちゃんでごめんね・・・。)

アイの意識は消え失せた。

ほどなくユウとキョウもとどめを刺され、一つの姉弟が消えた。

 

 

 

 

 

「なぁ、シグナム。」

「なんだ、ヴィータ?」

赤い少女、ヴィータは疑問を持った。

「いくら主の指示でもやり過ぎじゃねーの?」

「・・・確かに。殺すのはやりすぎだと思うが・・・。」

「やっぱいわない方が良かったんだよ!

 まさかあんなゲスだと思わなかったよ!」

「人の不幸が最高、か。」

烈火の将と鉄槌の騎士は夜空を見上げた。

月の冷たい光が世界を照らしていた。

 

 

 

 

 

 

卒業試験の当日。

ついにこの日がきた。

きてしまった。

これまで夢を叶えるためにがんばってきた。

間違っても、親友と殺し合うためじゃない。

憧れの舞台に立つためだ。

「薙風、日照ペア、第2訓練室へ。」

「「はい。」」

ああ、また同級生が一人減ってしまったようだ。

どこか遠い気持ちで思った。

そして部屋へ入って行った。

 

「制限時間はなし。設定は殺傷設定限定。

 では・・・始め!」

非情なホイッスルが響いた。

「行くよ。零奈ちゃん。」

『Heavy Strike.』

巨大なハンマーが私を容赦なく潰そうとしてくる。

『Protection.』

盾でうまくいなし、

「シノちゃんごめん!」

私はスキルを発動させる。

どうせ殺さなければならないというのならば、できるだけ綺麗に死なせてあげたい。

それが私の覚悟だ。

『Variable Thunder.』

チンクエディアに電気がながれ、刃が水色に光る。

「うあああああっ!」

私は喚きながら切りかかった。

『Protection.』

防がれてしまう。

「くうう・・・!

 げほっげほ・・・。」

「シノちゃん?!」

シノちゃんはいきなりせきこんで、血を吐いた。

「え?えっ?!」

戸惑うしかない私。

「あはは・・・。もうダメかな。」

「ダメってなにが?」

なにがなんてわかってるはずなのに。

認めたくない私がいる。

「ねえ、零奈ちゃん。お願い聞いてくれる?」

私はうなずいた。

「ブレイカーで一騎打ちしてくれる?」

「そんなことしたら体残んないよ?!」

「うん。わかってる。でもお願い。」

どっちにしろシノちゃんは死んでしまうだろう。

最期ぐらい全力でぶつかり合いたいと願う彼女の願いに、

全力で向かうことが私のすべきことなのだろう。

「チンクエディア。」

『Device form.』

チンクエディアは杖になった。

「うん。ありがとう。」

3日ぶりに見たシノちゃんの笑顔。

お互いに魔力の集束に入る。

「全力全開・・・。」

「疾風迅雷・・・。」

足下にはベルカ式の、それぞれピンクと水色の大きな魔法陣。

『『Zero Breaker.』』

二色の光がぶつかった。

 

別の訓練室では、

「シュート!」

赤紫の弾丸が飛び交う。操っているのはアレックス。

「うう・・・。」

ボロボロになる拓也。

まだ覚悟はできてない。

「これで終わり!マゼンタ・・・。」

『Magenta Blast.』

巨大なシューターが無数に浮かぶ。

「・・・!うあああああっ!」

そこから先は拓也は覚えていない。

ただ、気がついたらアレックスだったと思われるモノが転がっていた。

「・・・・・・。」

冷めた目でそれを見つめた。

もう、考えたくなかった。

頬に涙が伝っていた。

 

ところ戻って零奈サイド。

決着は、最初から決まっていた。

「シノちゃん・・・。」

勝者は零奈。

敗者、東雲は死んだ。体も残っていない。

「う、うう・・・。」

静かになく零奈。

その心ではもう未来を見ている。

『マスター。大丈夫ですか?』

「大丈夫です。でも、

 もう少しこのままでいさせてください。」

その涙は、零奈を強くする糧となった。

 

歯車は回り続ける。




まずはヴォルケンリッターの所業の言い訳をさせてください。
原作でヴォルケンリッターが魔力蒐集のターゲットを殺さなかったのは、「はやての未来が汚れるのはいやだから」という理由があって、今はそれがないどころか、彼女たちの今の主が、ターゲットを始末して証拠を残さないように命令しています。しかもこの主、ちょっと精神的にイっちゃってます。
そのため、犠牲者が続出した、というわけです。

設定
・深海 ユウと深海 キョウは、後の剣城兄弟です。
本編であんなことになってますが、私は剣城兄弟大好きです。年の割には落ち着いている理由を作るためにというのと、アイさんの転生フラグが必要だったため、兄弟そろってあんなことになりました。(剣城兄弟ファンのみなさんほんとうにすみませんでした…。)
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