とある転生者の奮闘   作:白花 頼羅

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ようやく原作キャラ(大人。しかもめちゃくちゃ若い)がまともにでてきます。
それと、闇の書の主が発覚。
途中ギャグが入りますが、基本シリアスです。

そして、前世編完結です。


第5話 最初の終わり

正規隊員となって初めての任務。

憧れの舞台に立てたというのに、私の胸にあるのは、

喪失感という虚しさ。

「任務の内容は、ロストロギアの回収、または破壊ですね。」

拓也くんは感情のない声で言う。

まだ、心の整理がついていないのだろう。

なんというか、危うい。

気が弱いけれど、人の痛みを理解して分かち合うことができる優しい子だったのに。

あの卒業試験が優しい彼を殺してしまったのか。

そう思うととても心が痛む。

私は無意識の内に自分の胸ぐらを掴んでいた。

「早く次の出没地点の特定をしましょう。話はそれからです。」

「大丈夫です。もう少しで特定できます。」

私の得意な探索魔法をフル活用している。

騎士たちは魔力の高い者の所に出るはずだ。

「・・・!見つけた!」

この反応は、

「魔力量Sランク相当!」

他は見当たらない。確定だろう。

「どこですか?」

「ちょっと都内に行かなきゃダメですね。」

飛べばすぐだが、目立ってしまう。

「出張申請出してきます。」

行き先は、稲妻町。

この時は思いもしなかった。

そこで運命が終わりを迎えるなんて。

 

 

 

 

茜町。とあるマンション。

「みんなー、ご飯だよー。」

セレネッタが部屋の主だ。

彼女は今、一人暮らしをしているはずなのだが、

「じゃ、みんなでいただきます。」

「「「いただきます。」」」

さらに同居人がいた。

それは、

「・・・うわ、なんだこの味噌汁・・・。甘いんだけど。

 ぜってーシャマルが作ったな。」

見かけは完全に子供な鉄槌の騎士、ヴィータ。

「・・・うむ。これはない。」

ピンクの髪の烈火の将、シグナム。

「ひどいわふたりともー。」

落ち込む湖の騎士、シャマル。

「・・・」

足下で食事にがっついている大きな犬というか狼、守護獣のザフィーラ。

ヴォルケンリッターの四人だ。

「シャマルはもう少し料理がんばらないといけないわね。」

クスクス笑うセレネッタ。

「主までー。」

セレネッタが闇の書の主のようだ。

「シャマルを見てるとあの子たちを思い出すわ~。」

セレネッタは零奈と東雲のことを思い出した。

 

 

 

 

 

4年前。二人を預かって二日目。

少しでも仲良くなろうと、三人でクッキーを作った。

その出来は。

「どうしてこうなった。」

そう言うしかない。

零奈が作ったクッキーはおいしいけど見た目がもはや食べ物じゃない。

ダークマターだ。

東雲はその逆。

見た目は綺麗だけど味がアルマゲドン起こしてる。死ぬかと思った・・・。

「ほんと仲良いのね・・・」

あきれかえってそれしか言えなかった。

 

「あの二週間は楽しかったなぁ。賑やかで。」

彼女の願いは、楽しい日々を取り戻すこと。

そのためならば、他人の不幸も喜びになる。

寂しさを知った女は狂ってしまった。

「勝負は三日後だよ。みんな、よろしくね。」

「「「「主の仰せのままに。」」」」

歯車は加速する。

 

 

 

 

 

 

出発して一日半。

ようやく稲妻町についた。

「お昼ですし、どこかで食事を取りましょう。」

「・・・。」

拓也くんは黙ってうなずいた。

商店街にいい感じのラーメン屋さんがあったのでそこで食事を取ることにした。

店の名前は“雷々軒”というらしい。

新しい感じの店だ。

 

 

 

 

「いらっしゃい。」

中に入ると、いかつい感じの男性が私たちを出迎えた。

若いのだろうが、顔のせいで実年齢がわかりずらい。

他に客はいないようだ。

とりあえずカウンター席に座った。

メニューは、まぁ、よくあるものだ。

実は私、数ある食べ物の中でもラーメンが一番好きだったりする。

「どれにしましょう・・・。」

迷うなぁ。

「僕は味噌ラーメンにしますね。」

拓也くんは決まったようだ。

・・・よし決めた。

「私は豚骨ラーメンにします。」

前線で切り込むポジションだからカロリー消費がきついんですよね。

おかげで胸が・・・いえ、なんでもないです。

まわりに巨乳の人が多かったし同級生も胸大きかったし、零奈の零は

胸がゼロの零とか言われるし。

失礼な!ゼロじゃないです!私が平均ですよ!まわりの胸面偏差値がおかしいんですよ!

「嬢ちゃん、女は胸じゃねえだろう。どれだけ心が広いかだろう。」

口にでていたようだ。

てかこの人、

「見かけによらずいい人ですね!」

「ケンカ売ってんのか、嬢ちゃん。」

「あ、味噌ラーメンと豚骨ラーメン一つずつお願いします!」

「・・・。はいよ。」

めっちゃあきれてましたね。

しばらくして、

「味噌ラーメンと豚骨ラーメンおまちどうさん。」

注文したものができあがったようだ。

「「いただきます。」」

その味は今までに食べたラーメンの中で一番おいしかった。

 

食事を終えて雷々軒をあとにした。

またこよう♪

「零奈さん。魔力反応は?」

そう言いつつも、嬉しそうな顔をしている拓也くん。

おいしいものを食べると人は幸せな気分になる。

セレンさんに教わった通りだ。

「うん。すぐ近く。」

この商店街をちょっとはずれたあたりだろう。

「準備しといてね。」

「はい。ソリスト」

『Yes,Sir.』

「チンクエディアも。」

『stand by ready.』

あと200メートルぐらいというところで屋敷が見えた。

真っ白な洋館。

女の子は割と憧れたことがあるはずだ。

「あの屋敷の方から反応があります。」

「・・・突入しますか?」

「いえ、今は昼。人目の少ない夜中にしましょう。」

一応念話を使って話していた。

しかし、

「おー、お前らなにしてるんだー?」

我が耳を疑った。

この声は、

「教官!」

「炉蘭さん!」

「零奈、拓也、久しぶりだな!」

案の定、霧野 炉蘭その人だった。

 

 

 

 

 

 

私たちは炉蘭さんに連れられて屋敷の中に入った。

目的地につく前にシャドウウィングをやめた理由、炉蘭さんの家のことを聞いた。

「・・・とまぁ、よくある主従関係ってやつだ。

 ちょうどよくご主人様の部屋の前だ。」

炉蘭さんはドアをノックする。

「どうぞ。」

女の子の声がする。

ちょっと驚いた。

あのチートの元教官をこき使うことができるひとだから、もっと年を取ってる人だと思った。

「零奈、お前、今のはひでぇよ。」

声に出てた。

「ま、チートなのは認めるけど。

 さ、早く入れ。」

認めるんだ!

「ようこそ。はじめまして。この屋敷の主、神童 瑪瑙(しんどう めのう)です。」

パールグレイのウェーブのかかった長い髪。

夜空色の大きな瞳。

人形のように整った顔立ち。

きしゃな体。

賢者というか、お姫さまみたいだ。

隣を見ると、拓也くんが見とれている。

これはもしや・・・。

「恋だな。」

今のは言ってない!

「心を読まないでくださいよ!」

念話で言った。

「いや、あれは一目瞭然だろ。」

念話で返してきた。

「こ、恋?!」

拓也くんは赤くなって慌てる。

「まぁ、そうなんですか?」

瑪瑙さんも頬をそめ、照れてる。

「違います!たぶん!」

「そんな赤い顔じゃ説得力ねーぞー。」

「あぅぅ・・・。わかんないんですよぉ。」

そりゃそうだ。私だって恋したことないし。

物語ぐらいしかみたことないです。

「・・・とまぁ、茶番はこれぐらいにして、本題入るぜ。」

炉蘭さんは真面目な顔になった。

 

 

 

 

 

 

「闇の書、もとい夜天の書には呪いがかかってます。」

「その呪いは世界を滅ぼす。」

ロストロギア、恐るべし。

「だから、呪いを解いて全部助けてハッピーエンドを目指さないといけないんです。」

「でも大きな問題が二つある。」

「一つは戦力不足。」

「二つ目は、呪いを解くための修復プログラムが完成していないんです。」

それって、

「危機的状況ですね?」

「だからたのむっ!協力してくr・・・」

私はため息をついた。

「野暮なこと聞かないでください。」

「協力するに決まってるじゃないですか。」

拓也くんも同じ気持ちだったようだ。

「・・・。ありがとな。」

私たち二人はまとめて抱き締められた。

「本当に、ありがとう。」

炉蘭さんの声は震えている。

嬉しすぎて泣いてしまったのだろう。

 

「さて、夜天の書の一味は今夜来ると予想されています。」

炉蘭さんが落ち着いてから、作戦会議が始まった。

「ずいぶんと急ですね。」

「夜天の書の呪いはその主の命を削るから、早く完成させなければって

 焦っちまうしな。

 今までやられてきた奴らの魔力量を考えると次の狙いは瑪瑙だってこ とは一目瞭然だ。」

確かに。白川姉弟やアイさんもランクAAA+相当ですから。

「殺してるのは管理局にきずかせないようにするためだろう。

 うまいことオレらみたいな裏方や犯罪者、人体実験の被験者を狙って るもんだから、上も表の奴らも手を焼いてるんだ。」

うわ、たち悪いな・・・。

「まぁ、逸話はおいといて、話を戻す。」

「やらなきゃいけないのは、夜天の書にプログラムを打ち込んで呪いを 解くこと。そして、ヴォルケンリッターの足止め。」

「夜天の書にプログラムを打ち込むには零奈、お前のハッキングスキル と、瑪瑙のワールドアーカイブが必要だ。」

ワールドアーカイブ。神童家の人間の固有魔法。

すべての次元世界の知識、情報を閲覧でき、情報を書き換えることもできる魔法。まぁさしずめ“人間スーパーコンピューター”といったところだ。

そして、失われた魔法(ロストマジック)でもある。

「プログラミング中は二人とも動けないから、オレと拓也でヴォルケンリッターの足止めだ。」

「「わかりました。」」

「よし!じゃぁ、世界を救うためにがんばるぞ!」

「「「おーっ。」」」

四人の拳を上に突き出してガッツポーズをした。

 

 

 

 

 

 

 

そして、迎えた夜。

私はエリアサーチを発動している。

何か引っかかったらすぐ連絡する手筈になっている。

・・・ん?今の感じは・・・。

探索魔法?ミッド式ではないようだ。

私が使う近代ベルカとも似ているけど少し違う。

ということは。

「エンシェントベルカ!」

そう言った瞬間、二人の騎士と一匹の守護獣、そして、

「ウソでしょう・・・?」

「どうした零奈、知り合いか?」

炉蘭さんに聞かれた。

「知り合いもなにも、私とシノちゃんの親みたいな人ですよ・・・。」

みたいというか、言い切ってもいいあの人は、

「久しぶりね、零奈。三年とすこしぶりかな?」

セレンさんは、私たちの、私の、お母さんだって。

それがなんで、

「なんで夜天の書を持ってるんですかっ!」

私の叫びは森に吸い込まれて消える。

「それは、簡単よ。」

セレンさんは、にっこり笑った。

「私が夜天の書の主だからよ。」

それを聞いたとき私は、

「うわあああああああああああああああっ!」

『variable volt.』

「おいっ!このバカ!」

わけもわからず突っ込んでいった。

頬に涙が伝っているのもきずかずに。

 

 

 

 

 

「うあああああああああああああああああっ!」

「主!」

『exprojon.』

レヴァンテインに火がまとわりつく。」

「紫電一閃!」

ごぉっと音を立てて凪払う。

飲み込まれると思ったが、

何かに引っ張られた。

「ふぅ・・・。あっぶねぇ。」

炉蘭さんのバインドが零奈を引っ張り戻した。

「はっ!すいませんっ!」

私は正気に戻った。

「もぉ、シグナム!零奈は攻撃しちゃだめよ!」

「す、すみません。」

「やだ。悪い子は・・・」

セレンさんは自分のデバイス、グラディウスをセットアップする。

「あ、主?」

戸惑うシグナムさん。

「こうするわ。」

セレンさんはシグナムさんを突き刺した。

何か光ものが見える。

「う・・・ぁ」

「リンカーコア蒐集。」

夜天の書のページに字が増えていく。

そして、シグナムさんは消えてしまった。

「・・・あ、あんたなにしてんだよ?!」

赤い子がドン引きしてる。

「なぁんだ。こうすればもう完成するじゃない♪」

セレンさんは狂った笑みを浮かべる。

そして何かをつぶやく。

すると、

金髪の女性が魔法陣から現れた。

「みんな、バイバイ♪リンカーコア蒐集。」

二人と一匹が光になって消える。

夜天の書は禍々しい光を発し、あたりにはすさまじい風が吹き荒れる。

「さぁ、夜天の書。私に幸せをちょうだい」

禍々しい光がセレンさんを包み込んだ。

 

光がやんだとき、そこにいたのは、

銀の髪。深紅の瞳。六枚の漆黒の羽根をもつ女性だった。

「全て、破壊する。主の願い。」

「うわ、ヤバそう。」

「とにかくプラン通りに!」

炉蘭さんの指示が飛ぶ。

「いきますよ零奈さん!」

「いつでもどうぞ!」

「俺が斬り込む!拓也は援護を!」

「はい!ソリスト!」

『Shooter Set.』

無数の黄緑色の弾丸が宙を舞う。

「クレイモア!ライト、ザンバー!」

『Yes,Sir. Zanber Form light.』

炉蘭さんの右手の小手が剣の柄になり、深紅の刃が伸びる。

「うおおおっ!」

思いっきり振り下ろす。

しかし、

「固い!」

バリアが固すぎる。

「ふん。」

「うあああっ!」

吹っ飛ばされる。

が、空中で持ちこたえる。

「ファイア!」

拓也くんがシューターを撃ち込む。

「く、」

さすがに数が多いと防ぐのが精一杯のようだ。

そのすきに炉蘭さんはブラスターのチャージを終わらせる。

「焼き尽くせ!クリムゾン・・・」

『Blaster.』

極太の赤の魔力砲が四条放たれる。

シールドごと地面にめり込む女性。

「・・・!ワールドアーカイブ!」

『Set up.』

瑪瑙さんがワールドアーカイブを詠唱し終わった。

「零奈さん!」

「はい!」

私の仕事が始まる。

そのときだった。

女性に異変が起きたのは。

「破壊。破壊破壊破壊!

 xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx!」

何とも言い難い叫びに応えるように無数の触手が現れ、女性を包み込む。

「うわぁ・・・」

ラスボス第二形態といったところか。

なんか化け物になっちゃったんですが。

まだ本番はこれからのようだ。

 

 

 

「クレイモア!」

『Zanber form left.』

炉蘭さんの左手の小手が剣になる。これで二刀流だ。

「太古の剣よ、我が手の中に!一閃必倒!」

『Crimson Zanber.』

どっごおおおおおおおおっ!

なんかすごい音と爆風がきた!

「零奈さん、あとどれぐらいですか?!」

「あと5分もらえれば!」

「うわ、冗談きついぜ!ま、何とかするけどな!」

「ブーストいきます!」

『Boost up. Conclusion&Power.』

クレイモアに黄緑色の光が灯る。

「サンキュ!よっしゃー!派手にいくぜっ!」

『Yes,Sir!』

炉蘭さんは一気に化け物の上に飛ぶ。

「必殺殲滅!」

『Crimson striker,Fullbust.』

うわぁ・・・。人間じゃねえよあの人。

赤いブレイカーの雨が化け物に降り注ぐ。

模擬戦であんなんくらったら非殺傷設定でも死ぬ気がする。

化け物が抉られてグロいことになってる。

あ、でもアクセスが楽になった。

・・・。あれ?

なんかおなかが熱いです。

みんなは私の方を見て青ざめている。

下を見ると、

お腹どころか胴体を触手が貫いていた。

「がはっ」

すみません。わたしは・・・ここ、ま・・・。

 

意識が消えた。

 

「零奈ぁああああああっ!」

そんな、あと少しだったのに。

零奈さんまでいなくなってしまった。

「瑪瑙!もう無理だ!破壊する!」

「・・・わかりました。」

瑪瑙は呆然としていた。

「拓也!もう一度ブースト!」

そんなことしたら、炉蘭さんまで!

さっきの魔法でもう体は限界を越えているのに!

「いいんだ。最後ぐらい見栄を張らせてくれよ。

 今までずっと影で生きてきたんだ。ちょっとぐらいヒロイン気分になったっていいだろ?」

炉蘭さんはいつもの強気の笑みだ。

「なんで・・・!なんでみんな僕をおいていくんですか?!

 結局、あなたも他の人と同じなんですね。」

いつもそうだ。親だって親戚だって友達だって、誰もがみんな僕をひとりにする。

炉蘭さんはそんな僕を助けてくれた。

見捨てないってはじめて僕にいってくれた。

人の温もりを教えてくれた。

「ひとりにしないでよっ!」

頬に涙が伝う。

「はぁ・・・。わかってねぇなぁ。」

なんでそこで呆れるんですか?!

「お前はもうひとりじゃない。隣みろ。

 まだ一人残ってるぞ。」

瑪瑙のこと?でも彼女は今日会ったばかりで・・・。

「会ったばかりでもなんでも、知り合いをほっといて逃げるほどお前は

 冷たい人間じゃないだろ?

 ひとりになりたくないなら、守りきってみせろよ。

 男の子だろ?」

くしゃっと頭をなでられる。

「オレはもうだめだしな。

 守れるものを守りきれる男になれ。」

 

・・・。

僕は袖で乱暴に涙を拭った。

「わかりました。・・・ソリスト!」

『Bust up.Conclusion&power fullcharge.』

クレイモアに眩い光が灯る。

「じゃぁ、元気でな。 

 いくぜっ!必殺殲滅!」

『Crimson strike. over lode.』

さっきよりも強い光の雨が化け物を飲み込んで、炉蘭さんも巻き込んで、消えた。

後に残るのは、焼けて、抉られた森だけだ。

そして僕は、意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの惨劇からもう26年。

僕もすっかりおじさんだ。

ちなみに僕は神童家に籍を入れた。

つまり、瑪瑙の夫だ。

今は病院にいる。

なぜかって?

それは、

僕たち夫婦の子供が産まれるからだ。

分娩室の外で正直、落ち着かない。

瑪瑙と赤ちゃんが心配だ。

二人が無事なら、僕たちは、僕は、やっと幸せを手にできる。

その幸せは絶対守りきって見せる。

それがあの人の願い。

助けてくれたことに対する恩返しだ。

 

瑪瑙が分娩室に入って3時間後、産声が聞こえた。

分娩室の扉が開いて、

「お父さん!元気な男の子ですよ!」

看護婦さんが笑顔でそういった。

僕は、部屋にはいる。

疲れきった瑪瑙が、小さな赤ん坊を抱いて微笑む。

こんなに小さいのか。

僕もそうだったのだろうか?

まあ、親が死んでたから聞くことはできなかったが。

まずは、

「瑪瑙、ありがとう。

 お前も生まれてきてくれてありがとうな。」

「うふふ、どういたしまして。

 ほら、お父さんですよー。」

「うー」

おおっ!しゃべった!

なに言ってるかはわからないけど。

でも、僕たちの子供だ。

これから様々な試練が彼を待ち受けているだろう。

大きな力は大抵不幸を招いてしまう。

それを乗り越えれる、強い子になってほしい。

自分の力で道を切り拓く者。

「拓人、なんてどうかな?」

「あら、素敵な名前ですね。良かったね拓人、いい名前をもらえて。」

「あうー」

にこっと笑う拓人。

どうか彼に幸せな人生を与えてください。

信じもしなかったかった神様に祈った。

それが、僕の望み。

でも僕は知らなかった。

まだ運命の日々は終わっていないことを。

僕たちの出番はこれで終わりだけど、若い世代に期待しよう。

 

~DAYS OF DESTINY END.~




設定
茜町…稲妻町の隣町。
神童 瑪瑙 女 8歳
賢者の末裔、神童家の現代当主。
パールグレイの髪。青の瞳。
後の神童拓人の母。(オリ設定)
両親や親戚はいない。(正確には、ものすっっっっっごく遠縁の親戚はいる。)
レアスキル:ワールドアーカイブ
次元世界全ての知識を閲覧する事ができる先天性の魔法。
情報によってはかなり魔力負担が大きくなる。

瑪瑙のデバイス:黒瑪瑙(ブラックオニキス)
黒い宝石でできた出自不明のデバイス。
古代ベルカ式に対応している。
インテリジェンスタイプ。


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