とある転生者の奮闘   作:白花 頼羅

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小学校の入学式から風丸さんが零奈さんへの恋心に気づいていろいろやるまでの話。
健全…というか半分ぐらいギャグです。
だがしかし、零奈さんの料理スキルが惨劇(笑)を呼ぶ…!


第2話 気づいてしまったからには、手を尽くすしかない。

小学校の入学式。

校庭の桜並木の花は満開。

良くある風景だが、子供たちにとっては違った。

(訓練施設にはこういうのありませんでしたし。

 というか、本物の桜を見たのは初めてですね。)

零奈は冷静に見えて内心、初めて見る桜を楽しんでいた。

そのとき、強い風が吹いて、

桜の花びらが空に舞い上がる。

「「「わああ・・・。」」」

子供たちは歓声をあげる。

「きれいだなぁ。」

守が無邪気な目を輝かせて言う。

「あぁ、そうだな。」

実は昨日退院したばかりの一郎太も同じ学校に入るのだ。

一郎太は守に賛成した。

「本当ですね。」

零奈も微笑む。

しかし、花吹雪にいくつか桜の花が混じっているのを見て、

零奈は思い出してしまった。

かつての友人、仲間のことを。

(さみしいですね。)

「え、ちょ、零奈?!」

「何で泣いてるんだよ!」

「いえ、何でもありませんよ?」

零奈は無意識の内に涙を流していた。

「ただ、桜の花が散っちゃうのが悲しくて・・・。」

零奈は切なげな表情で桜を見上げる。

「うっ・・・。」

零奈は静かに泣いた。

「え?え?」

完全にうろたえている守。

「零奈・・・。」

(オレは何もしてやれないのかな・・・?)

考える一郎太。

(うーん?・・・。そうだ!)

「零奈!」

一郎太は零奈に駆け寄ってぎゅっと抱きしめた。

「えぐ・・・。イチ・・・。」

「桜は散っちゃうけど、また来年も咲くんだよ。

 なくなるわけじゃないんだ。」

一郎太は零奈の頭をなでる。

「だから、またみよう?みんなで。ね?」

「また・・・?」

「そう。また。」

(そうだ。ここではまたがあるんだった。)

「すみません。カッコ悪いとこ見せちゃいました。」

零奈は泣き止む。

「これじゃ風丸が零奈の兄ちゃんだよなー。」

「えぇ・・・?そうか?」

うれしいような、そうじゃないような。

(なんか違う・・・。)

複雑な一郎太。

「みんなー、時間よー。」

円堂母が呼ぶ。

「「「はーい!」」」

三人は大人たちの方にかけてゆく。

桜吹雪の舞う中を。

(ここではどんな出会いがあるのでしょう。)

零奈は新しい出会いに期待をふくらませた。

 

 

 

 

 

小学4年生になったある日。

仲良し三人組に試練が訪れる。

日本の義務教育を受けていれば誰もが学ぶこと。

「ああ、ついに純粋な二人がいなくなってしまうのですね・・・。」

零奈は嘆いた。

そう。

今日の体育は保険で、いわゆる“性”についての授業だ。

男女わかれて授業を行う。

「3時間目マジ消えろ。」

零奈から丁寧語が消えたことで、クラスメイトたち(守と一郎太は隣のクラス。)が戦慄した。

そして、3時間目はすぐやってきた。

 

 

 

 

 

3時間目が終了した休み時間。

零奈は隣のクラスに突撃した。

「兄さん!イチ!」

「「れ、零奈?!」」

さすがに驚く二人。

「良かった。あんまかわってないや。」

ほっとする零奈。

「あ、零奈。」

「何です兄さん?」

「今日から別々で風呂入ろう。」

守は赤くなってそっぽを向いた。

「のあああああああああっ!兄さんがあああああああ!」

荒ぶる零奈。

「うわあああああああああああん!イチいいいいいいいいっ!」

一郎太に泣きつく零奈。

「れ、零奈・・・。」

少し女らしくなった零奈の体の柔らかさにドキドキする一郎太。

顔を赤らめる。

「ヒューヒュー!ラブラブだなっ!」

デリカシーの欠ける男子がはやしたてる。

「うぅ・・・。」

ますます赤くなる一郎太。

「イチ・・・?」

一郎太を見上げる零奈。

「零奈!離れて。」

「・・・え?」

「いいから、離れてくれっ!」

「・・・。はい。すみません。取り乱してしまいました。」

いつものポーカーフェイスに戻り、一郎太から離れる零奈。

「円堂さん。そろそろ戻って。」

零奈のクラスメイトが呼びに来る。

「今行きます。」

零奈は自分のクラスに戻っていった。

とても悲しげな目をして。

「ごめん。零奈・・・。」

一郎太は気づいた。

(オレが零奈を傷つけたんだ・・・。)

チャイムが鳴って授業が始まった。

 

 

 

 

放課後。

「おーい、零奈はいるかー?」

いつもどおり守と一郎太が零奈を迎えにくるが、

「円堂さんならもう帰ったよ?」

「「え・・・?」」

「でも、やばいよ。今、不審者情報出てるし。一人じゃ危ないよ・・・ 。」

「そうだった!って、風丸?!」

守が横を見ると、一郎太がこつ然といなくなっていた。

 

(零奈っ・・・!)

一郎太は駆け抜ける。

(オレのせいで零奈がっ!)

一人の少女を想いながら。

夕日は静かに彼を照らした。

 

 

 

(イチに怒られてしまいました・・・。)

どんよりした空気を漂わせて、零奈は歩いていた。

(嫌われて、しまったのでしょうか・・・。)

そう思うと余計胸が苦しくなる。

(何故でしょう。とても、胸がくるしい・・・。)

「明日からどうしましょう・・・。」

「ねえ、そこのお嬢さん。」

「はい?」

「ぼく、道に迷っちゃったんだけどさ、助けてくれない?」

見るからに怪しい男が零奈に話しかけた。

(わぁ、テンプレな不審者・・・。)

「いえ、お断りします。」

「本当ーに困ってるんだ、」

男は零奈の手を取る。

(うっわ、気持ち悪い・・・。)

零奈は青ざめる。

「ねえ、頼むよ。」

(うわ、顔近づけんなよキモ男が。つか)

「さわんn・・・「彼女の手を離せええええっ!」え?」

「へぶっ!」

何者かに蹴っ飛ばされる男。

何者かとは・・・。

「イチ・・・。」

「零奈、無事で良かった。」

一郎太は零奈を抱きしめようとした。

「だ、ダメです・・・。」

「・・・え?」

拒絶された。

「イチは私のこと嫌いになっちゃったんでしょう?」

震える声で言う零奈。

「嫌いな人を抱きしめちゃダメです。」

「嫌いになるわけないだろ?!」

「・・・え?」

「昼間はごめん。オレ、カッコ悪いよ。からかわれるのが嫌だったから 、零奈を突き放しちゃったんだ。」

「いえ、そんな、私こそ・・・。」

「ホントにごめん。許してくれるか?」

「はい。もちろん。

 イチは、誰よりもやさしいですね。」

零奈は微笑んだ。

「っ!」

一郎太は一瞬で真っ赤になった。

(今のは反則だ・・・!)

一郎太は確信した。

(オレ、零奈に恋してるんだ・・・。)

「もう真っ暗ですね。急いで帰りましょう。」

「あ、あぁ。」

のぼったばかりの月が白い光で二人を照らした。

 

 

 

 

 

6年生になった。

そして、家庭科の調理実習。

円堂兄妹の様子がおかしい。

「どうしたんだ二人とも。今週入ってからソワソワして。」

「いや、今日、零奈とお前のクラスで家庭科あるじゃん?」

「そうだな。」

今年は一郎太と零奈が同じクラスで、守が隣のクラスである。

「しかも、私が作ったクッキーをイチにあげる約束じゃないですか?」

「ああ。楽しみにしてるぞ。」

「ほんとにそれ、取り消せませんか?」

「だってそういう条件だもんな。」

「・・・後悔、しないでくださいね?」

「死ぬなよ、風丸!」

「あ、ああ。」

(いったいなにがあるんだ?)

もうすぐ授業が始まるので、三人は自分の席に戻った。

 

 

 

 

 

ことの発端は1ヶ月前に行われた模擬試験。

「零奈、勝負だ!」

「・・・?え、いきなりなにを言い出すのですか?」

一郎太の突然の宣戦布告にポカンとする零奈。

「もちろんタダとは言わないさ。今回の模試で勝った方の言うことを負けた方が聞く。どうだ?」

「・・・勝てるんですか、私に?」

ちなみに、成績は、零奈が学年主席(通知表オール5パーフェクト)。一郎太は中の上ぐらい。

テストの結果は言うまでもない。

「ああ!勝ってみせるさ!」

「・・・いいですよ。受けて立ちます。」

(零奈を守るには零奈より強くないと!)

その日から一週間、一郎太は誰よりも勉強した。

一方零奈は、

「いいですか兄さん?ここは・・・。」

「零奈のオニ。」

兄の勉強を見ていた。

ちなみに、守の成績は、中の下。

「本当に雷門中行く気あるんですか? 中学にスポーツ推薦はありませんよ?!」

「うわあああああん!」

零奈が鬼と化した。

 

 

 

 

 

 

そして、結果発表の日。

「オレは400人中127位タイかぁ。」

「え、うそ・・・。」

「どうした零奈・・・おぉっ?!」

目線はトップ10の部分。

2位には「円堂 零奈 497点」。

1位は、

「オレの勝ちだな零奈。」

・・・「風丸 一郎太 498点」。

「ウソだろ・・・。」

「円堂さんが負けた・・・?」

周りがざわめく。

「・・・。」

「じゃあ、約束は守ってくれよ?」

「うぅ・・・。私にできる範囲なら。」

「うーん、そうだなぁ。

 ・・・。そうだ!今度の家庭科の調理実習で作ったもの、オレにくれる?」

・・・これが全ての原因である。

 

 

 

 

そして、5時間目。

家庭科の時間だ。

みんなが作り終わって、試食の時間になった。

すると、

「なんだこれ。」

「・・・さぁ?」

色々なクッキーがある中で、それは異様に目立っていた。

「誰だよこれ作ったの・・・。」

何かドロドロしていて、動いている気がする茶色の物体。

クッキーじゃない。

「・・・私です。」

((えええええええええええっ?!))

クラス全員と担任は心の中で絶叫した。

そのダークマターを作り出したのは、

学年のエリート、円堂 零奈その人である。

「零奈、冗談だろ・・・?」

「本気ですよ!イチ、責任持って食べてくださいね!」

そっぽを向く零奈。

「いや、これ食べ物どころか地球上の物質なのか・・・?」

「や・く・そ・くですよ?」

零奈はダークマターをつかみ、

「ほら、イチ、あーん、です。」

好きな子に「あーん」してもらうことは、誰もが憧れるシュチュエーションである。

しかし、今の一郎太にとっては、拷問でしかない。

(・・・円堂、お前の注意聞いとけばよかったよ・・・。)

一郎太は覚悟をきめた。

「あー」

一郎太は口を開けた。

そこに零奈はダークマターを放り込む。

(うわ・・・。触感が・・・。でも・・・。)

「おいしい・・・?」

「「えええええええええええっ!」」

「味は保証しますよ。見た目と触感がアレですが。」

「じゃあ、僕ももらおうかな・・・。」

「私もー。」

零奈のダークマターにしか見えないけどおいしいクッキーは大好評でした。

 

放課後。

「風丸、大丈夫だったのか?!」

「ああ。言ってたことがよくわかったよ。」

「そうか・・・。でも零奈。あの見た目はどうにかならないのか?」

「・・・努力はしてます・・・。」

遠い目をする零奈。

「良かったらオレが教えるけど?」

一郎太が提案する。

「そういえば、イチは上手にクッキー作れてましたね・・・。」

「料理、得意なんだ。」

「・・・お願いします。」

「頼んだぜ!風丸!」

「・・・ああっ!」

好きな子に頼られて嬉しい一郎太であった。

 




オリ設定
・円堂さんは小学校まではそこそこ勉強できる子だった。(中学入ってからはやばかった。)
・風丸さんは料理上手。

アル「零奈ちゃんの料理ベタは他に類を見ないタイプだよね!」
零奈「中学上がる頃には初めて作る料理じゃない限りスライムさん(仮)を生産したりしなくなりました…。イチのおかげです…。」

零奈さんの料理ベタ()は小学生のうちにどうにかできました。
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