仮面ライダー響鬼のその後   作:Dr.mouse

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閲覧有難うございます。

あきらちゃん、頑張れ!


三之巻「二人の約束」

驚きのあまり大きく見開いた目をぱちくりさせるあきらを、立花姉妹は可愛いと思う。

 

何故だろう。胸がドキドキして、頬が熱くなる。

 

それを見て、日菜佳はニヤニヤが止まらない。

 

 

 

「こんにちは」

 

そのとき、店の戸がガラガラと開いた。

 

「いらっしゃいま・・・あら、明日夢くん!」

 

来客の正体に、あきらは飲んでいた緑茶を思わずこぼしてしまう。

 

どうも、と頭をぺこりと下げると、明日夢の目はあきらを捕らえた。

 

「よかった、ここにいるんじゃないって思ってたんだ」

 

明日夢は鞄から取り出したプリントを手渡した。

 

「ホームルームのすぐ後、先生が配るの忘れてたとかで持ってきたんだ。あきらさん、急いで帰っちゃったから、貰ってないでしょ?」

 

明日夢はそう言って微笑みかけるが、当のあきらは立花姉妹との会話を思い出し、頬を赤らめる。

 

「ちょうどよかった。あきら、明日夢くんを誘いなさい」

 

あきらの耳元で、香須実が囁いた。

 

「えぇっ、そんな・・・」

 

「そうですよ、自分から誘わなくてどうするんですかぁ」

 

日菜佳がガッツポーズでエールを送ってくれる。

 

 

「おーっと、魔化魍の資料の整理の途中だったんだ」

 

「あ、私も洗い物しなくちゃ・・・」

 

いかにもわざとらしく立花姉妹は席を離れ、テーブルには明日夢とあきらだけが取り残された。

 

店内では老人のグループが談笑しており、時折楽しそうな笑い声が聞こえてきた。

 

「いやー、それにしても、あきらさんって大変だよねぇ」

 

明日夢は学校の外では、あきらのことを下の名前にさん付けで呼ぶ。

 

「鬼の修行で勉強できなかった分を取り戻して、今習ってる単元もよくできてるじゃない?俺なんかとても・・・」

 

「あの」

 

明日夢の言葉を遮って、あきらは口を開いた。

 

「え、何?」

 

駄目だ、話し始めたはいいが、肝心な本題を切り出せない。顔が熱い。火が出そうだ。

 

そこへ、日菜佳が二人の前に吉備団子とお茶を持ってやって来た。

 

「はい。これは私から、若いお二人へのおごりですよ~」

 

「あれ、日菜佳さん、洗い物は・・・」

 

「明日夢くん、黙って食べましょうね?」

 

優しい口調とは真逆の視線に、明日夢はビクッとして、慌ててお茶を啜る。

 

立ち去るとき、日菜佳は口を「頑張って」と動かしながら、吉備団子を指差した。

 

あきらは一瞬不思議そうに首を傾げたが、明日夢と吉備団子とを見比べ、何かに気づくと、思わずプッと吹き出した。

 

「え、何、どうしたの?俺の顔に何か?」

 

不思議そうに尋ねる明日夢。

 

かつてヒビキはその頬をマシュマロのようだと言ったが、こうして見比べると、団子にも似ている。あきらは日菜佳の言いたいことを理解した気がした。

 

「あの、安達くん」

 

あきらは恥ずかしそうに少し俯いて話している・・・ように見えたが、実は、彼女の目はハッキリと、目の前の吉備団子を捕らえていた。

 

大丈夫、吉備団子相手なら、デートにも誘える。

 

「あの、その・・・。もしよかったら、明日、一緒に何処か、遊びに行きませんか?」

 

言えた!

 

「え!?」

 

明日夢は驚きのあまり、口に含んだお茶を少し吹き出してしまう。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

あきらが慌てて布巾でテーブルと明日夢の制服を拭く。

 

「ご、ごめん、有難う。でも、俺と?一体どこに・・・」

 

そのとき、明日夢の肩に香須実がポンと手を置いた。手には映画のチケットが2枚握られている。

 

「この映画、二人で見てきたら?イブキくんと行くつもりだったんだけど、彼も忙しいのよ」

 

香須実がくれたのは、学園もののラブコメ映画のチケットだった。

 

確かに、高校生の二人には相応しいとも言える。

 

「あの、どうですか、映画・・・?」

 

あきらが尋ねる。その目は、吉備団子ではなく、ハッキリと明日夢を捕らえていた。

 

「うん、俺でよければ、いいよ。病院のバイトもないし」

 

女の子から二人で出かけようと誘われたにも関わらず、明日夢はいつもと変わらぬ様子で頷いた。

 

「よかったぁ~」

 

ホッと胸を撫で下ろし、正していた姿勢をどっと崩してあきらは背もたれに寄りかかった。

 

「映画かぁ、入学前に持田と二人で行ったとき以来だなぁ。楽しみだね」

 

あきらの前でも、明日夢は平気でひとみの話をする。

 

きっと、安達くんは誰に対してもこんな感じなんだ。私も持田さんも、特別な存在なんかじゃない。

 

ふと横に目をやると、店の奥から「家政婦は見た」のポーズでこちらを覗き込んでいる立花姉妹が、ガッツポーズをしていた。




あきらが明日夢くんをデートに誘う回でした。

明日夢くんは師匠のヒビキさんに似て、恋愛に関しては鈍感なんじゃないかと思って書きました。出演者のインタビュー対談でも、明日夢くんは恋愛に鈍感だということが語られていたので。

さて、ここからの続き全然考えてないけど、どうしたものか・・・。

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