仮面ライダー響鬼のその後   作:Dr.mouse

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デートの日の朝って、緊張しますよね(汗)


四之巻「デートの朝」

快晴の空から射し込む陽射しに目を覚ました少女・天美あきらは、ハンドバッグの中身の点検をしていた。もうこれで三度目になる。

 

 

昨日の夕方、明日夢とのデートを取り付けた後、あきらは香須実に連れられて繁華街へと買い物に繰り出した。

 

そういえばと、香須実があきらの私服について考えたのである。思い返せば、香須実の記憶の中にあるあきらの私服といえば、修行の際に着るようなものばかりだったからだ。

 

鬼の弟子を辞めてから、休日をまるまる運動に使うこともなくなったので、多少はオシャレをするようにはなっていたが、あまり気合いを入れたおめかしはしていなかった。

 

まさか、修行のときと同じ服装でデートするつもりなのかと、半ば強引に香須実に連れ出されたのだった。

 

香須実は繁華街をまるで自分の庭であるかのように熟知しており、スタイリッシュな服の店や可愛らしい服の店、高級ブランド店からリーズナブルな庶民派の店まで、いくつもの店を梯子した。

 

思えばあきらはイブキの元に引き取られてから、買い物を楽しんだ経験がなかった。いつも一人か、もしくはイブキと一緒に、安い店で安い服を適当に選んで買うだけ。

 

だって着る場所が山や川なんだもん、オシャレしたって仕方ない。そう思っていた。

 

 

だから今、あきらはウキウキした気分でパジャマを脱ぎ、昨日香須実に買ってもらったチェック柄のワンピースに着替えた。

 

ワンピースを着るなんて何年ぶりだろう。少なくとも、両親を失ってからは着たことがなかった。チェックの柄も自分には新鮮に感じられて気に入っている。

 

同じく昨日香須実に買ってもらった靴を履き、玄関の扉を開いた。

 

暗かったあきらの部屋に、光がどっと射し込んだ。

 

 

「あれ、あきら?」

 

マンションを出てすぐのところで、あきらはイブキに出会った。

 

何故か目を丸くするイブキにあきらは首を傾げるが、すぐに自分の服装のせいだと気づく。

 

「へー、流石は香須実さんのコーディネートだ。うん、すっごく似合ってるよ」

 

思えば、誰かから外見を褒められるのも久々だった。

 

それが純粋に嬉しいことだということを、あきらは思い出す。

 

「フフッ、有難うございます。イブキさんも、相変わらずすっごくカッコいいですよ」

 

ジャージをスタイリッシュに着こなし、汗をかいているところを見ると、朝のジョギングの帰りといったところか。

 

「ハハッ、実はこのジャージも香須実さんに選んでもらったんだ。・・・それより、今日は大事な日なんだろ?」

 

イブキは両手をポンとあきらの肩に置き、ニッと笑ってみせた。

 

恐らく、香須実か日菜佳から事情は聞いているのだろう。

 

「緊張するかもしれないけど、笑顔が大切だよ?」

 

何故だろう。イブキには、人を落ち着かせる力がある。勇気が湧いてくる気がする。

 

「・・・ハイ!」

 

あきらはイブキの真似をしてニッと笑うと、ぺこりと一礼してから再び歩き始めた。

 

 

 

「もぉ、なんで起こしてくれないんだよ!?」

 

大切な日に限って、男は朝寝坊をする。特に、明日夢はその典型的な例だった。

 

「だから、起こしたわよ。アンタがベッドから出てこなかったんでしょ?」

 

明日夢の母・郁子が珈琲を啜りながら答える。安達家では定番の会話だ。

 

「もぉ~!」

 

明日夢は衣装ケースからパーカーを2枚引っ張り出し、郁子の前で合わせてみた。

 

「どっちが女の子ウケいいかな?」

 

「う~ん、右ね」

 

「じゃあ、このズボンは?」

 

「断然左ね」

 

明日夢のコーディネートを見届けた郁子は再び珈琲の入ったマグカップに口をつけ、テレビに目をやった。

 

しかし、すぐに目を丸くして明日夢を見る。

 

「アンタ、服装なんて気にしてどうしたの!?」

 

「別に、どうもしないけど・・・」

 

「何処行くの?」

 

「映画」

 

「誰と?」

 

「友達と」

 

「女の子ウケがどうとか言ってたわね。その友達、女の子でしょ。それも、ひとみちゃんじゃない」

 

ぎくり、あきらと出かけることがばれてもなんら問題はないはずだが、なんだか気恥ずかしい気分だ。

 

「うん、そうだけど・・・」

 

明日夢は小さく頷いた。

 

「アンタ、いつの間にそんなモテるようになったのよ?」

 

郁子は目をキラキラ輝かせながら詰め寄ってくる。

 

「モテるのはいいけど、ひとみちゃんにはちゃんと断ったの?」

 

「いや、別に持田とはそんなんじゃ・・・」

 

「一人の人間として言わせてもらうけどね、浮気は最低よ!?」

 

「だから、そんなんじゃないって!」

 

不機嫌そうに行ってきますと言うと、明日夢は急いで出ていった。

 

「ふーん、あの子がねぇ。流石、私が惚れた男の息子だわ」

 

 

 

待ち合わせ場所の駅。

 

あきらは不安そうな表情で腕時計を見ていた。

 

待ち合わせの時刻を過ぎて15分。

 

遅いなぁ、安達くん。

 

連絡を試みたが、電話には出ないし、メールも返信がない。

 

何かトラブルに巻き込まれていなければいいけれど。

 

不安になって、ふと空を仰いだ。




はい、明日夢くんはやっぱり大事な日に寝坊します。ヒビキさんと 出会ってもそこは変わってないのなぁ。

ここから先、本当にアイディアがないんですけど、どうしましょう・・・?

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