今回は珍しい組み合わせのお話です
それではどうぞー!
あの戦いから1週間たった、加えてこの1週間は大変だった。
あの後、永琳達から強制的にお仕置きされ(一方通行はマッハで逃げていった)周りからやたら英雄視され、千夜と美華の所に今回の事を話に行ったら千夜に決闘を申し込まれ、戦いも終わり、用もないのにスサノオに喧嘩吹っ掛けられたりと中々の不幸ライフを味わっていた。
そんな俺達にも休暇というものがある。今日、俺達二人は1日休みでゆっくりしていてもいいんだが…
「何故家から追い出された?」
「俺が知るかァ…」
何故か家から追い出された。いつもなら永琳がどれだけ危険な実験をしていても出ていけと言われたことは無かったのに今日は追い出された
「まぁ、大事な実験なんだろ、きっと」
「…じゃあ晩飯まで自由行動な」
それだけ言って一方通行はどこかに行ってしまった
「うーん、俺はどうするかな……とりあえず町中にでも行ってみるか」
「町中に来たはいいけどなにもすることが無いんだよな~」
上条はあてもなく町をブラブラと歩いていた
「あれ、上条さん?」
「ん?」
急に声を掛けられて振り返ってみると豊姫がいた
「偶然ですね、お買い物ですか?」
「いや、永琳に追い出されちゃったからさ、適当にブラブラしてただけだよ」
「あの、でしたら私のお買い物に付き合ってくれませんか?少し聞きたいこともあるので」
(聞きたいこと?)
「俺なんかでいいなら…」
「じゃあ早速いきましょう!」
「ちょっ、引っ張るなって!」
「豊姫は何を買いに来たんだ?」
「えっと、食材とかですね」
「おつかいか?」
「いえ、あの、その…」
「?」
「先生にはたくさんお世話になっていので料理を作ってあげたいな、と思って…」
「そっか、きっとあいつも喜ぶよ。素直な感想は言ってくれないかもしれないけどな」
「フフフッ、そうかもしれませんね」
「無愛想でその上短気だけど根は優しい奴だから、仲良くしてやってくれよ」
「もちろん、言われなくても」
他愛もない世間話を少しして
「先生の好きなものとか、ありますか?」
「あいつの好きな食べ物か…肉とかコーヒー?」
「そういえば、先生ってかなりのコーヒー好きですよね」
「そうだな、やたらメーカーにも詳しいし。喫茶店でも開けるんじゃないかな?あいつ、料理もできるし」
「え?先生って料理できたんですか?」
「まぁな、人前では余り作らないんだけどな。何でもその料理が一番旨くなる黄金比があるらしいんだけど、それがわかるって言ってたな」
「な、なんで…あ、まさか」
「そのまさかだな、あいつはあの演算能力を駆使して黄金比を割り出してるんだ」
(それって結構無駄なことに演算能力回してますよね…)
「じゃあそろそろ肉売り場に行くか」
「はい」
「えーと、あれとそれとこれと…」
豊姫は次々と買い物籠に食材を入れていく
(何を作る気なんだ?)
「結構買ったな、お金大丈夫なのか?」
「全然大丈夫ですよ?」
「…」
(肉は確実にAランクはあると思われる、付け合わせの野菜も最高級、なのにまだ余裕だと…これが貧富の差か!)
「どうしたんですか?」
「い、いや何でもないよ」
「じゃあ帰りましょうか」
「そうだな」
(何で俺の周りは一方通行といい依姫といい豊姫といい、ブルジョアしかいないんだ…?)
少し前の時間、上条と別れた直後の一方通行
「チッ、何もすることがねェときたもンだ。適当に喫茶店でも入ってコーヒーでも飲むか…」
一方通行は目についた喫茶店に入っていき、空いてる席に案内される。座った所で一息つき、コーヒーを注文した
「はァ…ったく、せっかくの休みだっていうのに何で追い出されなきゃいけねェンだ?俺ァ昼寝してェンだけどなァ…」
そう言って一方通行は大きな欠伸を一つする
「お待たせしました」
「ン」
愚痴を言っていたらウェイトレスがコーヒーを持ってきた
「ほォ、中々旨そうじゃねェか」
一口飲んでみると中々に美味しかった
(ここのコーヒーは旨ェな、今度からはここに通うとするか…)
「きゃあ!」ガタン!
「!?」
そう思っていたら誰かが一方通行の椅子の脚に引っ掛かって転びかけた奴がいた。俺の座っている椅子は通路側、なら誰かが引っ掛かってもおかしくはない。実際引っ掛かっても俺の座っている椅子がバランスを崩して倒れるなんてことはない。
しかし問題はそこではない、問題なのはその誰かが引っ掛かったせいで俺のコーヒーが溢れたことだ。幸い服には掛からなかったが(万が一掛かっても反射で防げる)
「………」
「あ、えと、ご、ごめんなさい」
「どォやら余程死にたいみてェだな…」
「うぅ…」
どう相手を半殺しにしてやろうか考えながら振り返ってみると依姫が涙目で俯いていた
「…ンだよオマエだったのか」
「ほ、本当にごめんなさい…」ウルウル
「あァー、もう怒ってねェから安心しろ」
「…本当ですか?」
「いいから座れ、詫びに何か奢ってやるから」
「は、はい」
依姫は席に着き、ケーキと紅茶を注文して一方通行に話しかけた
「あの、一方通行さん」
「あァ?」
「う、そ、その…」
「一々ビクビクすンな、怒ってねェっつてるだろ」
「えーと、何でこんなところにいるんですか?てっきり、今日はお休みなので家で寝ているかと思ったんですけど」
「俺も始めはそうしようとしたンだがな、永琳に追い出されたンだよ」
「珍しいですね、余程危ない実験なんでしょうか」
「さァな、晩飯までには帰るつもりだが…」
依姫がこちらをジッと見てくる
「…何か用か?」
「えと、このあとお時間ありますか?」
「有り余ってるなァ」
「なら、食材の買い出しに付き合ってくれませんか?」
「あァ?料理でもするのか?」
「はい、師匠にはお世話になったので少しでも恩返しができればと思って」
「その『恩返し』って考えはやめろ」
「え?」
「アイツは礼や報酬を求めて戦っている訳じゃない、自分の想いを貫き通し、心の底から誰かを守ってやりたいと思っている。だからそういう考え方はやめろ」
「じゃあ、どうやって受け取って貰ったらいいんですか?」
「そォだな、素直に料理を食べて貰いたいって言えばアイツも断らねェだろうよ」
「なるほど…わかりました」
「ンじゃあそろそろ行くか」
「師匠は何が好きなんでしょうか」
「そォいや、アイツの好きな物って何だろォな。わりと何でも食べるからなァ」
「うーん、困りましたね…」
「…ン?」
一方通行の視界に入ったのは壁に張られたチラシ、そこには『今日の夜は肉じゃが!家族との晩御飯にぜひ!』と書かれていた
「肉じゃがなンてどうだ?」
「え?」
「前まではアイツ一人暮らしだったからなァ、そういった誰かに作ってもらう家庭料理ってのはかなりポイント高いと思うぞ」
(アイツの場合だったら涙流しながら食うかもな)
「じゃあ今晩は肉じゃがにしましょう!そうと決まったら早速材料を揃えないと」
二組が帰路について、永琳の家の前に着いたら
「あれ、一方通行?」
「ァ?オマエも今帰りか」
「まぁな、豊姫がお前nムガググ!?」
(言っちゃ駄目ですよ!)
(一方通行さん、喋っちゃ駄目ですよ?)
(わかってる)
「まァいい、とっとと家に入るぞ」
家に入ったら早々に二人が「今日の晩御飯は私達が作るので待っててください!」と言われたので大人しく一方通行と待っていた
「今日何してたの?」
「オマエには関係ねェ」
「さいですか…永琳は何やってんのかな?」
「さァな、実験室の電気が点いてたから多分まだ何かしてるンだろうけどなァ」
(すげー嫌な予感がするのは俺だけか…?)
「「できましたよー!」」
「お、できたのか。楽しみだな」
「ン」
食卓に行ってみるとそこには美味しそうな料理が並んでいた
「この肉じゃがは依姫が作って、この唐揚げは私が作ったんですよ」
「是非とも師匠や一方通行さんに食べて貰いたくて」
「そっか、ありがとうな、依姫」
「い、いえ!それほどでも…」ゴニョゴニョ
「先生、食べてみてください」
「あァ」
一方通行が唐揚げに箸を伸ばした所で豊姫が一方通行の口の前に唐揚げを差し出した
「はい先生、あーん♪」
「…俺がンな事すると思ってンのかァ?」
「お願いします、一回だけでいいのであーんしてください!」
豊姫は顔を真っ赤にして唐揚げを近づける
「はァ…わかったよ」パクッ
「あ…」///
「ン、旨ェなこの唐揚げ」モッシャモッシャ
「…」ニヤニヤ
「///」
「見せ物じゃねェぞォ!!」
「はいはい、じゃあ俺は肉じゃがを食べてみるかな」
「あ、あの、師匠」
「ん?」
「あ、あああ、あーんしてください…」
豊姫よりも顔を真っ赤にした依姫が肉じゃがを上条の口の前に差し出した
「え、俺もやらなきゃダメ?」
「駄目です…」///
「じ、じゃあ、あーん」パクッ
「ど、どうですか?」
「うん、凄く美味しいよありがとうな」
そう言って上条は依姫の頭を撫でる
「わっわわわ…」
「肉じゃが貰い」ヒョイ
「あっ、てめぇそれは依姫が俺に作ってくれた肉じゃがだぞ!」
「知るか」モッシャモッシャ
「隙あり!」
上条は一方通行の皿から唐揚げを一つかっさらった
「おい、ふざけンな上条!」
「バカめ、仕返しだ!」
「どうやら壁のシミになりてェみたいだなァ…」
「やるってのか?今日の上条さんはちょっとばかしバイオレンスですよ?」
「覚悟しろ三下がァァァ!」
「このもやしがぁぁぁぁ!」
「ま、まだたくさんありますから喧嘩しないでくださいよ~」
「あら、いいにおいね」
今朝から顔を見せなかった永琳が実験室から出てきた
「あぁ、永琳」
「は、な、せェェェェェ!!!」
「…何してるの?」
「アスパラレータ退治」ギリギリ
上条は綺麗なコブラツイストを決めながら答えた
「ぐ、お、お、お…」
ゴキッ
「あ、やべっ」
「」
「白目剥いてますよ!?」
「先生、しっかりしてください!」
「これを試すときが来たみたいね」スッ
「…なにそれ」
永琳が取り出したのは紫に黒を足したような色をした液体が入った注射器だった
「これを体内に取り込めばたちまち元気になるわよ」
「断言できるのか?」
「…多分」
「おい」
「何事にもレッツチャレンジ」ブスリ
「あ」
でも効果はあったようだ、注射を打った瞬間に呼吸と脈拍が安定した
「朝から作ってたのってそれか?」
「いいえ、作ってたのはこっちよ?」
永琳の手には得体のしれない物体が皿に乗っていた
「なにその未元物質」
「失礼ね、ローストビーフよ」
「嘘だ、絶対嘘だ!だって焦がしたとしてもあんなに真っ黒にならない!何だよあれ!墨で塗りつぶしたように真っ黒じゃん!」
「はい、あーん♪」ガシッ
「もご!?」
永琳は上条の顔をがっしり掴んで無理やりローストビーフ(?)を口の中に押し込んだ
「ど、どう?」ドキドキ
「…」
「…」ドキドキ
「お…」
「?」
「オ、オイシイ…デスヨ」プルプル
「そう、よかった~」ホッ
(だ、大丈夫ですか師匠?)ヒソヒソ
(無理…)プルプル
その後、上条はトイレに直行したらしい…
いかがだったでしょうか?
次回は時間が飛んで月に行く時のお話にする予定です
それではまた次回!