今回は前回からの続きです
それではどうぞー!
「まぁ妖怪だろうと侵入者であるのはかわりないので…殺すわよ」
「っ!」
その瞬間、突風が上条達を襲ってきた
「うわっ!」
「きゃあ!」
「おや、飛ばされないで耐えましたか」
(まずい…反応できなかった)
「次は本気でいきますよ」
文は手にもった扇のようなものを振るってきた。攻撃を視認することはできないが上条はできるだけ横に、紫はスキマの中に逃げ込んだ
「あっぶねぇ…あんなのまともにくらってたら御陀仏だぞ…」
後ろを見てみると先程放った風は木々を斬り倒していた。恐らく風を刃のようにして飛ばしたのだろう、上条はそれが自分に直撃していたらと考えぞっとする
(いつのまにか紫はどっか行っちまったし…)
「一人逃がしましたか…でも貴方の首を上に持っていけばなんとでも言い訳がつくでしょう、さぁ観念してください」
「そんな言い訳に使われていいほど上条さんの首は安くありませんのことよ?」
「では力ずくで」
再び文が扇を振るってきたので上条はそれを幻想殺しで打ち消す
「な…私の風が!」
「すきあり!」
上条は思い切り地面を蹴り文に接近する
(このまま殴って気絶させる!)
「甘いですね」
「!?」
いつのまにか文は上条の後ろをとっていた。そしてそのまま上条は文の回し蹴りを横腹にくらい地面に叩きつけらた。その衝撃で内臓をやられたのか上条は血を吐いた
「がはっ!げほごほ!」
「遅すぎますね、そんなんじゃあ私を攻撃することすらできないですよ?」
「く…そ…」
(何か、何かないのか!?この状況をひっくり返す手段は!)
能力は守る対象がいないので使う事ができない、それに加え長く眠っていたからか知らないが竜の力にも制限が掛かっていた。先程は文の元へジャンプで突撃したが実際は竜の翼を生やして飛び上がろうと思っていた、だがなぜか翼が出てこなかった。というより全体的に力が入らない感じがするので他にもあちこち制限がかかっているかもしれない
(今のところ竜の力で使えるのは一部の竜化と青い炎だけ…)
永琳達と暮らしていた頃なら完全変化でそれなりの大きさの竜になることもできたが今では到底無理だろう
(まてよ、確か永琳があの時言ってたよな…)
『なぁ永琳、妖怪にも色々種類があるけど小中大の妖怪の分け方ってどういう基準なんだ?』
『そうね、一言で済ませるのなら妖力の違いね。妖力が大きければ大きい程強い妖怪になり、一定以上の力を持った妖怪が大妖怪と呼ばれるわ』
『小妖怪って体が小さい奴も多いだろ?てことは大妖怪は体が大きいのか?』
『うーん、基本的には妖力の大きさ=体の大きさってなってるけど例外もいるわよ。人形の妖怪だったり人に化けられる妖怪だったり…ね』
『へぇー、教えてくれてありがとうな』
『どういたしまして』
(そんなことがあったっけ…)
「よそ見している暇があるんですか?」
「ぐぁ!」
油断したせいで突風に煽られて木に叩きつけられてしまった、その衝撃でまた血を吐く
「うぅ…」
「諦めましたか?」
「諦めちゃ…いねぇよ…」
上条はフラフラしながらなんとか立ち上がる
「だけど限界が近いんだ、さっさと終わらせてもらうぞ!」
「負け惜しみを…そんなに死に急ぎたいのならお望み通りに殺してあげますよ!」
上条は文が攻撃してくる前に素早く足に炎を纏い、小規模な爆発を引き起こす事で一気に加速し文の後ろの木に足をつけてもう一度加速する
右手の拳にありったけの妖力を集中させる、青い炎が明るく輝きだす
「もらった!」
「早い!?だけどそう簡単にはやらせませんよ!」
文は目にも止まらぬスピードで上条の後ろを取るが上条はそれを待っていたかのようにニヤリと笑った
「この距離では貴方の拳は届きませんよ、私の勝ちです!」
「人様を、嘗めてんじゃ…」
妖力を集中させ、右肩から先が巨大な竜の腕に変化する
「ねぇぞ!!」
上条はそのまま腕を横に振り回す、遠心力と竜の力が加わった一撃は文の意識を刈り取るぐらい容易なことであった
「がっ!?」
文は木々をなぎ倒しながら吹っ飛んでいき、一本の太い木にぶつかってようやく止まった。上条はもう襲ってこないことを確認して文を抱き抱えた
「さて、こいつが攻撃してきたから正当防衛ということで攻撃したけど流石にやり過ぎたな…」
治療をしたくても近くにはろくな道具がないので持っていたハンカチで頭の流血を抑える。もっとも彼女も妖怪なので心配はいらないだろうが場所が場所だけに放っておけなかったのだ
「お探しの物はこちらかしら?」
「…」
ここぞとばかりにスキマが開き、治療道具と一緒に紫が出てきた。流石にムカついたので一発おでこにデコピンをかましておく
「痛っ!なにするのよ!」
「うるさい!お前のせいで何もかもおじゃんになった上にどさくさに紛れて逃げやがって!」
「そ、それよりもいいのかしら?彼女、怪我してるんでしょう?」アセアセ
「くっ、後で覚えてろよ…」
上条は紫にもらった道具で文を治療していく
「ところでこの道具どっから持ってきた?」
「えーと、それは…」
「…紫さん?怒らないから正直に言ってみなさい」
「実は、ちょっと人里から拝借s「コラァ!何やってくれてんの!」ちょっ!怒らないって言ったじゃない!」
「問答無用!鉄拳制裁!」
「嫌ぁぁぁぁぁぁ!」
「うう、少しくらい手加減してくれてもいいじゃない…」ヒリヒリ
さっきと全く同じ所をデコピンされて若干涙目の紫がブツブツ文句を言っているが悪いことは悪いことだ
「今は必要だったからこれ以上は言わないけど後でちゃんと返してこいよ?」
「わかったわよ…それよりこの子どうするの?」
治療が終わり、穏やかな寝息で眠る文を横目で見る
「どうって、どっか安全なところに運んでやらないと危ないだろ?」
「じゃあその子を連れて上に行くわよ、あともう少しで頂上だし」
「…あのー、俺が運ぶのでしょうか?」
「当たり前よ、私が運べると思うのかしら?」フンスッ
「威張って言うことじゃねぇ!」
「ともかく宜しくね~」スタスタ
「あ、おい!待てよ!」
「止まれ!ここから先は天狗の…文さん!?」
「彼女を解放してほしければ天狗の頭領を連れてきなさい」
「ぐっ卑怯者め…」
「さて、どうするのかしら?」ニヤリ
「…わかった、掛け合ってみよう」
そう言って一人(匹?)の白狼天狗は飛び去っていった
「ふぅ、当麻?大丈夫かしら?」
「ゼェゼェ…し、死ぬ」
文自体は重くなかったのだが(というより凄い軽かった)頂上に近づくにつれて山が急になってきて滅茶苦茶しんどかった
「これっきりにしてくれよ…」
「さぁ、どうかしら?」
「おい!そこの二人!」
「ようやく来たわね」
「天魔様がお待ちだ、ついてこい」
(ん?天魔って)
「まさか…」
「貴方達ですか、私達の山を…って上条さん!?」
予想通りそこにいたのは昔、一緒に修行した天道美華だった
「やっぱり…ともかく久しぶり、美華」
「え、ええ、お久しぶりです。ってそうじゃなくて!生きていらっしゃったんですか!?」
「じゃなかったらここにいねぇよ」
「そ、それもそうですね。ところでこちらの方は?」
「私は八雲紫と申す者です、以後お見知りおきを」
あまりの胡散臭さに思わず
「胡散臭ぇ…」
と呟いてしまった
「う、うるさいわね!」
「まぁまぁ、ご丁寧にありがとうございます。私は天狗を纏めております、天魔の天道美華と申します」
「あ、それよりこの文って子を休ませる所無いか?」
「あら?どうしたんですか?」
「いや、天狗総出で襲ってくるもんだから反撃したらこの子だけ思ったより傷が深く入っちゃってな、白狼天狗?は山の麓辺りで寝かせてあるけど」
「というか白狼天狗と若いとはいえこの山で5本の指に入る実力を持った文さんを倒すとは、流石は上条さんといったところでしょうか…」
「誉められてもあまり嬉しくねぇよ…こちとら死にかけたんだから」
「あはは…まぁ立ち話もなんですから私のお屋敷に行きましょう」
「天魔様!?こいつらは仲間をたくさん傷付けたんですよ!」
「それは正当防衛という正当な理由です、それにこの方は私の古い友人です。これ以上の追及は許しませんよ?」
流石は天魔といったところか、威圧感を出して騒ぐ天狗を黙らせた
「はっ!差し出がましい事を申しました」
「頭を上げてください、あと今後この方たちは襲わないように皆に言っておいてください」
「わかりました」
「それでは上条さん八雲さん、ついてきてください」
今回はここまでです
次回は日常編(予定)のつもりです
それではまた次回!