今回は戦闘シーン(?)があります
それではどうぞー!
「嘗めるなよ、こう見えて我は太子殿の付き人なのだ」
「ガキが吠えてンじゃねェよ、そんなに犬になりてェのか?」
「こ、この…!」
「布都、気をつけて下さい。この男からは危険な感じがします」
白と青の服を着た少女は布都というらしい、この程度の挑発に乗るとはまだまだ子供である。見た目はそうでもないが
「だから少し見に来ただけだっつの」
「ふん!貴様のような曲者の言うことなど信用できるか」
「オーケー、ミンチにしてやるから表出ろ」ピキピキ
一方通行は部屋にある窓の近くまで歩いて行くと何の躊躇もなく飛び降りた
「な!?」
「ここ三階ですよ!?」
慌てて二人が下を覗いてみると無傷の一方通行が立っていた
「とっとと掛かってこいよクソガキ」ニヤッ
「な、なにおう!」
「いけません布都!貴方は人間でしょう!?」
が、太子の言うことも聞かずに飛び降りたので
ビターン!!
「うぎゅ~…」
(コイツは馬鹿か?)
「曲者め、やるな…」
「なンっっっっにもしてねェからな?」
「う、うるさい!さっさと始めるぞ!」
回りには何事かと思って来た野次馬が集まってきていて何かの祭りと言っても過言ではないぐらいの熱気に包まれていた
「おいおい、ここで負けちまったらオマエの立場が無くなっちまうンじゃねェか?」
「ほざけ、太子殿の名を汚すような真似はしない」
「ンじゃ行くぞ」
一方通行が足踏みをするとそこから影が広がり何かの陣の『ような』ものを作り上げ、数十の影でできた触手が飛び出してきた。なぜそんな面倒な事をしたのかというと、一応建前上は陰陽師ということなのでそれっぽいものを使わないと怪しまれると思ったのだ
「な、なんだその面妖な術は?そんな術、今まで見たこと無いぞ」
「そりゃそうだ、今考えたからなァ」
影が布都を捕獲しようと飛び交うが、布都も必死なのかギリギリで捕まらない
「おらァ!愉快に尻振って逃げやがって、誘ってンのかァ!?」
「ぶ、無礼者!女性に対してそのようなことを言うとは…貴様はやはり太子殿に近づける訳にはいかぬ!」
(逆効果だったみてェだな)
『当たり前でしょう…』
『同感…』
「そこだ!」
「っらァ!」
一方通行が地面に触れると大地が捲れ上がって布都が飛ばしてきた弾幕を防いだ
「くそっ!」
「今度はこっちから行かせてもらうぜェ!」
さらに影の触手を増やし、布都を捕縛しようとするが布都は逃げずにまっすぐ此方に向かって来ていた
「この距離なら!」
布都は水でできた弾幕を至近距離で放ってきたが、一方通行は腰の二本の刀を抜き弾幕全てを切り払った
「水を切った…?」
「水を切るなンぞ造作もねェ事だ」
一方通行の[増幅させる程度の能力]ならば切れ味を増幅させることも容易いのだが、加減を間違えると水だけでなく空間も切ってしまうので非常に危険な能力なのだ
「余所見していると危ねェぞ?」
「しまった!」
布都が僅かに油断した隙に拘束して吊し上げた
「ちょっ!逆さ釣りはやめてくれ!」
「あァ?」
「そ、その…下着が…」ゴニョゴニョ
(何て言ったンだァ?)
「口答えするたァいい度胸じゃねェか、敗者は黙ってろ」
「うぅ~…」///
「ちょっと待って下さい!」
「屠自古!」パァァァ
野次馬の中からさっきぶつかってきた少女が飛び出してきた
「オマエ、さっきのガキか」
「『こんなの』でも『一応』私と同じで太子様に仕えているのです、その辺で見逃してくれませんか?」
「」
布都と同じぐらいの屠自古と呼ばれた少女はさっきとは違い、真っ直ぐな瞳で一方通行に頼み込んだ
「ほれ、屠自古もこう言ってるのだからさっさと降ろせ!」グスン
「なンか言ったか?」
「ぎぇぇぇ!体が真っ二つになる!」ギリギリギリ
「あの…」オロオロ
「…チッ、ほらよ」
「ぐえっ!」ベシャッ
いきなり放したせいで頭から落ちた布都は変な声を上げて地面に叩きつけられた
「おのれぇ…嘗めおって!喰らえ!」
布都が解放されたと同時に攻撃してきたが先程放ってきた水のせいで地面がぬかるんでいたので
ズシャァァ!
「うぎゃっ!」
転んだ、それも派手に
「…なァ、コイツって」
「はい、残念ながら…」
(確定した、コイツは馬鹿だ)
「な、なんだ!その可哀想な物を見るような目は!そんな目で我を見るなぁ!!」
「…なるほど、つまり貴方は本当に私の事を見に来ただけだと」
「さっきからそう言ってるンですけどねェ」
なんとか話を聞いてもらうことができたので説明したら納得してくれた。物分かりはいい方らしい
「では自己紹介ですね、私は豊聡耳神子と申します。巷では聖徳太子とも言われています」
「一方通行だ」
「それでは私達も、蘇我屠自古と申します」
「…物部布都」ツーン
「布都、いくら負けたからといってそのような態度は…」
「…ふん!」
「すみません、私の家臣でありながら…」
「構わねェ、こっちにも落ち度はあったからなァ」
「…一方通行さん、不躾なのは承知しているのですが一つお願いがあります」
「オマエの頼みなンざ聞く必要ねェ、断る」
「そこをどうか、話だけでも…」
神子が話を始めようとしたその時
「っ!!」
パァァァァァン!!
「きゃあ!」
「「太子様(殿)!?」」
開けてあった窓から突然矢が飛んできた。幸い一方通行が気づくことができたので矢を防ぐ事ができたが、もし判断が遅れていたら神子は死んでいたかもしれない
「窓閉めろ!」
「は、はい!」
「太子殿、無事ですか!?」
「なんとか…」
「オイ、頼みってのはまさか…」
「はい、私は何者かに命を狙われているのです…貴方の力で私の事を護衛しては頂けないでしょうか?」
(…狙われてるンならそれなりの理由はあるンだろうな、聖徳太子を襲う必要がある奴はコイツと敵対している何らかの勢力、もしくはコイツが気に食わないと思ってるただの馬鹿か、という判断が妥当なンだろうが妙だな…今の攻撃には殺意を感じなかった。殺す気が無いくせにご丁寧に『毒』まで塗って矢を放ってくるわけねェ)
「気が変わった、その頼み引き受けてやる」
「本当ですか!?」
「その代わり衣食住は提供してくれ、今から宿探すの面倒くせェからな」
「わかりました」
「太子殿!そのような輩をこの屋敷に置くというのですか!?」
「黙りなさい布都、これは私の決定です。今までのいざこざは無しにしてください」
「布都、ひょっとしたら太子様が殺されてしまうかもしれないんだぞ?今は一方通行様が守ってくれたから助かったけど次はどうなるか…」
「……承知した」
「そうと決まれば…『ユキ』、『クロ』」
雪音と黒狼をユキとクロに変化させると周りの3人はいきなりの事で驚いた
「「はい」」
「さっきの奴の後を追え、見つけたら捕まえてこい」
「わかりました」
「は~い」
そう言って2人は窓から飛びさっていった
「あ、あの…」
「き、貴様!なんだあれは!」
「あァ?あー…式神だ、普段は刀に変化させてる」
「えーと…」
「そんなこともできるんですね」
「まァな」
「一方通行さん、そろそろ離れてくれませんか?」
「…?」
先程飛んできた矢から神子を守るために抱き寄せた事をすっかり忘れていた、神子も恥ずかしくなってきたのか顔を赤くして俯いていた
「オイ、顔赤いぞ」
「はい!?大丈夫ですよ!?」/// ワタワタ
(さっきの矢じりの破片でも掠ったか?当たらないように演算はしたつもりだったが…)
「熱でもあンのか?」ピトッ
一方通行は神子のおでこに手を当てて熱を測ったが、体温に変化はみられない事に少し安心したと同時になぜ神子の顔が赤くなって慌てているのか不思議だった
「兄ちゃん、見つからなかったよ」
「ごめんなさい…」
「見つからなかったもンは見つからなかっただ、気にすンな」
「所で兄ちゃん、何してんの?」
「…はっ!そうだった、貴様!早く太子殿から離れろ!」
「チッ、うるせェなァ…」
「えーと、ではこれからよろしくお願いしますね」
「よろしくお願いします」
「…」
「わかってるっつーの、引き受けたからには守ってやる」
「あ、ありがとうございます…」///
「ついに太子様にも春が来たみたいですね」ヒソヒソ
「おのれ~…賊の分際で~…」ギリギリ
「2人とも、そんなんじゃないです!」///
また神子の顔が赤くなってきたが、それが何を意味するのか一方通行には理解できない
「何でアイツの顔が赤くなってるンだ?」
「それがわからないのはお兄様だけだと思いますよ」
「確かに」
「チッ、面倒くせェ職場だな…」
今回はここまでです
次回は今回の続きからです
それではまた次回!