今回は新しいキャラがちょびっとだけ出ます!
それではどうぞー!
「うーん…」
「…今度はなにやってンだ?」
朝起きてみたら神子が机に突っ伏して唸っていた
「ふぇっ!?」
「具合でも悪いのか?」
「いえいえ!まったくもって全然大丈夫ですよ!?」
そうは言うがどことなく顔が赤いので念のため一方通行は首筋とおでこに手を当てて、熱と脈を確認した
(心拍数は以上無し、呼吸が荒く、やや熱が高いなァ)
「あの…」プシュー
「熱があるが大丈夫なのか?」
「だ、大丈夫です!」
「…ならいい」
どことなくいつもとは違う雰囲気の神子はやたら大きな声で大丈夫と言った
「アイツらはどうした?」
「二人ともまだ寝てますよ、疲れているのでしょうね」
今日ぐらいは休ませてあげませんとね、と呟いて神子は窓の外を見た
「一方通行さん、今日は私と外に出掛けませんか?」
「はァ…」
「なんですか、その面倒くさそうなため息は」
「面倒くせェに決まってンだろ、ほンっとに懲りねェな」
「今回は私的な事なんですけど…」
「面倒くせェ…」
「やはりご迷惑でしたか…?」
目に涙を浮かべて俯いてしまった、これでは一方通行も嫌とは言えない
「あァーわかったわかった、さっさと支度してこい」
「はい!」
神子は奥の部屋に走っていった
『素直じゃ無いんだから~』
「それ以上言うとへし折るぞ」
『ごめんなさい』ガタガタ
『お兄様、警戒は怠らないようにしてくださいね?』
「心配すンな、もう二度とアイツをあンな目にはあわせねェ」
「今更だけどよォ、オマエ外に出て大丈夫なのか?」
「問題ありません、しっかり顔は隠してありますので」
(大問題だと思うンだけどなァ…)
顔は隠してあると言っても笠を被って布を口元まで寄せてあるだけなので勘のいい人ならすぐに気づいてしまうほどのなんともお粗末な変装であった
「で?何しに来たんだ?」
「壺を買いに来ました」
「壺だァ?」
「気にしないでください、ただ生花に使おうと考えているだけなので」
「あァそォですか…」
(コイツの考えてることはいまいちよくわかンねェ…)
そうこうしているうちに店についたようだ
「すみませーん」
「はいよー、何をお探しだい?」
店主と思わしき色の黒い筋肉質な男が店の奥から出てきた
「どんなものでもいいので頑丈そうな壺を2ついただけますか?」
「んー、それじゃあこんなのはどうだい?」
店主は一旦店の奥に引っ込むとすぐに戻ってきて神子の目の前に茶色い壺を置いた
「これにします」
「まいどー、お代は…」チラッ
「はァ…ほらよ」チャリン
「ありがとうごぜぇましたー」
「一方通行さんが払わなくてもよかったんですが…」
「別に構わねェ、金なら掃いて捨てる程ある」
「む、お金を粗末に扱っては駄目ですよ?そういった人間は将来ろくなことになりません」
「チッ、うるせェなァ…」
「所で少し疲れたので休憩にしましょう」コロッ
「オマエ…」ゲッソリ
神子が疲れたとほざき出したので近くにあった茶屋で休憩することにした
「ふぅ、お茶が美味しいですね」
「ババァかよ」ズズッ
「失礼ですね!私はまだお婆ちゃんなんかじゃありませんよ!」
「…」⬅ガン無視
「ちょっと…聞いて…るんですか?」ゼェゼェ
「…?」
「ゴホッゴホゴホッ!ゲホッ!」
ドサッ
「オイ!」
突然、神子が激しい咳をして倒れてしまった
(チッ!なにが起きてやがる!?)
一方通行が神子のおでこを触ってみると、今朝はあまり感じられなかった熱が高温になっていた
「ゲホッ!ガハッ!」ヒューヒュー
(喉を掻きむしり、過呼吸にもなってやがる?病気…いや、遅延性の毒か!)
そこで一方通行は気づいた、朝の神子が机に突っ伏していたことと誤魔化しの意味が
「バカ野郎が…!」ギリッ
神子は一方通行に心配を掛けまいと我慢していたのだ。心優しい神子だからこそ、一方通行に嘘をついたのだ
「とにかく一旦屋敷に戻らねェとな…」
「取り敢えず落ち着きましたが、油断はできない状態ですね」
「そォか…」
あの後すぐに一方通行は屋敷に戻って起きてきていた屠自古に治療をさせた、なんとか一命はとりとめたがもう長くは持たないらしい
「貴様がついていながら…!我が負傷していなければ今ここでお前を八つ裂きにしているところだぞ!」
「布都!」
「…」
(だが、いつ毒なんて飲む事があった?この屋敷には毒を盛る奴はいねェはず…部外者が入り込ンで料理に仕込ンだとしてもアイツらがいいだけ毒味という名のつまみ食いをしていたから料理というわけではない…)
「おい、アイツが毒を飲みそうな時ってあったか?」
「我らが毒味をしている、そんなことは…」
「あ…でも食事が終わったあとに部屋に戻られるのですが、その時に見たこともない丸薬を飲んでいました」
「丸薬?」
「あぁ、あの綺麗な赤色のやつか?」
(この時代の丸薬…赤色…まさか!)
「その丸薬を持ってこい!」
「は、はい!」ダダダ
少しすると屠自古は古めかしい瓢箪を持ってきた
「これです」
一方通行は瓢箪を受け取り、手のひらに出してみると確かに赤色の丸薬のように見えるが…
「こいつは薬なンかじゃねェ、丹砂だ…」
「丹砂とは?」
「硫化水銀、つまりは猛毒だ」
「なっ!?」
「猛毒…」
古代においては、丹砂などの水銀化合物は、その特性や外見から不死の薬として珍重されてきた。特に中国の皇帝に愛用されており、不老不死の薬、「仙丹」の原料と信じられていた。しかし現代から見ればまさに毒を飲んでいるに等しく、始皇帝を始め多くの権力者が中毒で命を落としたといわれている
(…問いただす必要がありそうだな)
「なンで丹砂を飲ンだ?」
先程目を覚ました神子を問い詰める
「…」
「答えろ」
「…私が道教を信仰し始めて、敵対する仏教などの人々から襲われて少しした時、とある仙人からいただいたのです」
「仙人?」
「はい…不老不死になれるという丸薬を…」
「…バカ野郎が」
長い沈黙の中、一方通行が話を再会しようとした時
「あら、もう体が駄目になってしまいましたか」
「!?」バッ
「青蛾ですか…」
「ごきげんよう、太子様」
「誰だ」
「私は霍青蛾、太子様に薬を渡した張本人ですわ」
今回はここまでです
次回辺りでこのお話は終わりにする予定です
それではまた次回!