まずい、ネタなんて浮かんでなかった…
それではどうぞー!
「………」ブツブツ
「朝からあんな感じだけど姉ちゃんなんか知ってる?」
「いえ…幽々子さんは心当たりありますか?」
「私も無いわね~」
早朝の一件以来、一方通行は妖忌が自分に向かって言ってきたあの言葉の意味を理解しようとしていたがまったく理解することができなかった
(クソっ、どォいうことだ?まるでわからねェ…あのジジィの思い過ごし…てことはねェだろうな、だとすると何か俺の力の本質に触れてきているということだろォが…想像、記憶、蓄積、能力、強化…それを踏まえての正しい力の使い方…)ブツブツ
「…そっとしておきましょう、触らぬ神に祟り無しです」
「だね」
「はぁ~お茶が美味しいわ~」
(…待てよ?記憶の蓄積、即ち知識の事を指しているのか?確かに武器の知識があれば想像もしやすいが…なにせ元が影でできているからいくらバリエーションがあったところで脆い耐久力はどうしようもねェ…いやできる、『増幅する程度の能力』で耐久力を増幅させて想像…いや『創造』といったところか?ともかくそれで武器を作れということか?だがそれだと『記憶の蓄積』と結び付かない…)
一方通行が一人で悶々としていると妖忌がやって来た
「幽々子様、武器庫と倉の鍵を知りませんか?」
「ん~見てないわね~」
「そうですか、失礼しました」
その言葉を聞いて一方通行は妖忌の言っていたことについての答えに辿り着いた、今の会話は妖忌にとってはなんのことはないただの会話なのだろうが一方通行にとっては重要なヒントとなった
「ク…ククク…」
「どうかしましたか?お兄様」
「いや、大丈夫だ…ただ自分がアホだと気がついただけだ」
(答えは簡単だった、俺にはその閃きが無かったということか…)
「悪いが少し出てくる、後を頼むぞ」
「は、はい…ですがどちらへ?」
「別に、見聞を広げに行くだけだ。紫が目覚めたらすぐ戻ると伝えておけ」
そう言うと一方通行は縁側から外に出て跳び去っていった
「見聞を広めるとはどういうことでしょう…」
「…」
(あやつ、もしやこの短時間で気付きおったか…)
「…」ボー
「幽々子様、いかがされました?」
「え?何でもないわよ、ちょっと誰かに呼ばれた気がして…」
「はて、儂は何も聞こえませんでしたが…」
「そう…よね、気のせいよね…」
「…気のせい…よね」ボソッ
~夜~
「う、う~ん…頭痛い…」
「あ、起きましたか?」
紫が丸々1日費やして目覚めた
「大丈夫?」
「…なんか凄く酷いことをされた気がするけど思い出せない」
「…思い出さないほうが身のためだと思いますよ」
何をされたかは言わないが、少なくともユキの視点で見た限りでは常人なら発狂しかねない拷問であった
「はい、お茶」
「ありがとう、そういえば一方通行は?」
「少し用事ができたみたいです。すぐ戻るとは言っていましたが…」
「戻ってこない…と」
「はい、朝の早い時間帯に出ていっているのでもう随分たちます」
「そう…まぁいいんじゃない?いないほうが気が楽だわ」フンッ
「まぁまぁそう言わずに…あれでも兄ちゃんのいいところもあるんだよ」
「例えばどんな?」
「んー…ご飯を食べさせてくれるし、服とかも買ってくれるし、いざというときは庇ってくれるし♪」
「え…一方通行のイメージに合わないわね…」
紫の脳裏に浮かぶのは残虐、冷酷、無慈悲、鬼畜etc…という一方通行のイメージばかり
「実際、クロの言う通りです。そのせいで中々私達の出番が無いというか…」
「ここぞというときにあまり出してもらえないからね~」
「…それは心から貴女達の事を大切に思ってるからよ、大切に思っている人を無闇に武器として振り回すことなんてできないでしょ?」
一方通行がいたら半殺しにされそうな台詞をいないことを良いことにベラベラと喋る
「そう…でしょうか?」
「えぇ、きっとそうよ」
「今度聞いてみようよ、姉ちゃん!」
「わ、私は恥ずかしいから…」
「良いではないか~」アハハッ
(平和ね、このまま何事も起こらなければ良いのだけれど…)
友人や好敵手、子供達と過ごす日々も悪くない。こんな平和がいつまでも続けばいいと思っていた所にやや慌てた様子の妖忌が部屋に入ってきた
「紫様、幽々子様を見かけませんでしたか?」
「見てないわね、どうしたの?」
「実は、夕方辺りから幽々子様の姿が見えないのです。この時間帯なら居間で夕飯のことで騒いでいる頃合いなのですが…それも聞こえてきません」
確かに静か、静か過ぎる。物音ひとつしない
「…嫌な予感がするわ、手分けして幽々子を探しましょう。ユキとクロも手伝ってくれないかしら?」
「はい」
「わかった!」
「じゃあ妖忌は屋敷の西側を探してきて、貴女達は東と西を、私は北とその他の所を探してみるわ」
「妖忌、見つかった?」
「面目ない、見つかりませんでした」
「こっちもいません!」
「どこにもいないよ~!」
全員で手分けして探しても幽々子は見つからなかった。もう真夜中になる時間帯であり、普段ならもう寝ている
「困ったわね、どこに行ったのかしら…」
「…あれ?」
クロが何かを見つけたらしい
「何か見つかったのかしら?」
「うん、あれ…」
クロが指を指したのは『桜の花弁』だった
「おかしい、今は春ではないのになぜ桜の花弁が…」
紫がその花弁を手にした瞬間、痛いくらいの妖気が指先を走るのを感じた。触った途端に花弁は消えてしまったが指先はまだ痙攣していた
「くっ…」
「大丈夫ですか?」
「えぇ、平気よこれくらい。でも…」
紫が再び口を開こうとしたとき、息が詰まるような妖気が波紋のように大気を伝って4人を襲った
「あ…あぐっ」
「ぐっ…」
「く…苦しいよ…姉ちゃん…」
「ク…ロ…」
紫は咄嗟に術を使い、全員に防護膜を張った。これにより突然の酸欠状態を切り抜けた
「皆大丈夫みたいね」
「なんとか…でもクロが…」
クロは気を失ってぐったりとしていた
「心配いらないわ、ただ気を失っているだけよ。そのうち目を覚ますわ」
「…紫様、外が」
「え…?」
障子越しでもわかる、外は真夜中ということにも関わらず輝いていた。それも桃色に
「まさか!」
バンッ!
紫が障子を開けてみると目の前に広がっていたのは満開に咲き誇った『西行妖』だった。恐ろしい量の妖力を垂れ流しながらザワザワと揺れていた
「なんてこと…覚醒する前に封印しようとしていたのに…」
「紫様!あそこに幽々子様が!」
妖忌が指した場所を見ると西行妖に項垂れるように寄りかかっている幽々子の姿があった
「良かった、幽々子!…幽々子?」
幽々子に駆け寄って声を掛けてもピクリとも動かない。そのかわり、幽々子の周りにはおびただしい量の血が飛び散っていた。それも、首から
「いやぁぁぁぁぁ!!」
「幽々子様!!」
「うっ…」
クロを除く全員が西行妖に近づくと桜が一際輝きだした
「な、なに?」
「っ!紫様!」
ビュオッ!
「きゃあ!」
紫の頭すれすれを西行妖の枝が通りすぎていった。地面に刺さった枝は周りの土を腐敗させていった
「生命の…物質の力を吸いとっているのか?これでは刀も使えん…!」
「とにかく離れましょう!」
「でも…幽々子が…!」
「二撃目来ますぞ!」
ブンッ!
今度は横凪ぎ、よく見ると無数の鋭利な枝が此方を狙って構えていた
「紫様!」
「あ…」
そしてその全ての枝が紫に襲いかかる。とても結界なんかで防ぎきれるものではない、もう駄目だと幽々子を抱き締めて目を瞑ったその時、何かが砕けるような音と共に
ザザザザザザザシュッ!!
何かが切られる音と突き刺さる音が聞こえてきた。恐る恐る目を開けてみると紫の周りには無数の漆黒の武器が突き刺さっていた。剣、刀、槍、短剣、斧、大剣、大鎌などの武器が数えきれないほど
「よォ」
無数の漆黒の武器を従えた一方通行が紫を庇うように立っていた
今回はここまでです
次回は一方通行が大暴れしますよ~
それではまた次回!