とある英雄達と幻想郷   作:accelerate

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今回は…まぁタイトルどおりですかねw
それではどうぞー!


白き英雄と亡霊姫

深い深い闇の中、ずっとそこで迷走している。守ろうと心に決めた者を守れず、目指そうと思った理想にも届かない。守るために使いたかった能力は結局何かを殺すための物でしかない。上条のような能力だったら良かったと思った。いや、自らの力を制御しきれていないから不測の事態が起きるのだろう、上条のことを出すのは間違っている。だがこの心の奥底にある漆黒の影はどうしたらいい?答えは単純、吐き出せばいい。だがトリガーとなるものが無い、と思ったがあった。感情を怒りに染め、殺意と憎しみと狂気で満たされた心で暴れ続ける。人としてではなく化物として。例え誰からも認められず、迫害され、罵られようとも、『兄』として『妹』ぐらいは守ってやらなければならない

 

いつのまにか問題だった西行妖は封印されたみたいだ。怒りに身を任せて暴れたせいか、体は大量の返り血を浴びて真っ赤に染まり上がっていた。それが人ではないのが唯一の救いだった。西行妖が動かなくなった、恐らく紫が上手くやったのだろう。全て終わった、あとは元に戻るだけなのに、戻れない。人の心が戻ってこなかった。纏わりつく得たいの知れない物を振り払うように暴れるが、振り払うことはできない。仕方ないことなのかと思った時、目の前に光が見えた気がした

 

そこからの記憶はない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう…殺したくない

 

…チガウ、モット…モット…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロシタイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チッ…胸糞悪ィ…」

 

目を覚ますと和室に敷かれた布団の中だった。隣にはユキとクロが丸まって仲良く寝ている

 

(全部…終わったンだな…)

 

記憶が無いわけではない、自分が何をしたのかはわかっている

 

(後で世話になった礼でもするか…?)

 

庭の方で何かを振るうような聞こえたような気がした。まだ朝日は登り始めた頃なので外は薄明かるくなっている、こんな時間から起きているといったら妖忌ぐらいしかいない。剣の稽古でもしているのだろうか

 

「…」

 

一方通行が布団から出て障子を開けてみると、見たことのない白髪の少女が木刀を振り回していた。だがその太刀筋は素人同然の動き、すなわち危なっかしい

 

「オマエ、誰だ?」

 

「ふぇ?」

 

「誰だっつってンだよガキ」

 

「く、曲者!」ブンッ

 

「ざけンな」ヒョイッ

 

どうにも会話が成り立っていない。理由もろくに聞かずに襲いかかってくるという辻斬りめいたことを仕出かしてくる奴はどこかにもいたような気がする

 

「せーい!」ヘロヘロ

 

「話聞けクソガキ」ヒョイッ

 

「とりゃー!」ヘロヘロ

 

「うぜェ」ペシッ

 

「あうっ」

 

一方通行に軽く手を叩かれて簡単に木刀を落としてしまった。ここまでくると素人というよりただの子供である

 

「おぉ妖夢、こんなところにいたのか、探したぞ」

 

「師匠!」

 

「師匠だァ?オイ妖忌、何だソイツ」

 

「この娘は魂魄妖夢、儂の孫であり2代目庭師兼御庭番になる予定だ」

 

「あっそォ」

 

「ところで一方通「断る」まだなにも言っておらん」

 

「面倒ごとなら引き受けねェぞ」

 

「いや、武器庫と倉が壊れているのだが知らぬか?」

 

「…」

 

実は出掛けると言っておいて一方通行が一番最初に向かったのは屋敷の武器庫と倉だった。鍵は見つからなかったので屋根を破壊して浸入し、あらゆる武器や知識を頭に叩き込んできた。その際に西行妖を封印する書物を見つけたのだ。その後で屋敷を出たのだが帰ってくると結界が張られていて近づくことができなかったということが事実であるのだが、一方通行がそんな素直に『すいませんでした』と言うはずが無い

 

「知らねェ、戦闘中にでも壊れたンじゃねェのか」

 

「む、そうか…早々に直さないといかんな…一方通行、暫く妖夢を預かってくれないか?」

 

「何でだよ」

 

「幼い我が孫を危険な所には近づけさせたくはないだろう」

 

「知らねェっつーの、適当に紫にでも預けとけ」

 

「紫様は…朝に弱いお方なのだ、今預けに行くのは…」

 

「…」ジーッ

 

「ハァ…わかったわかった、引き受けてやる」

 

「すまない」

 

「…これで貸し借り無しだからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

「…」ジーッ

 

「…」

 

「…」ジーッ

 

「…ンだよ」

 

「…はっ!なななんでもありません!」

 

「…なンか用か?」

 

「よ、用って訳じゃないんですけど、師匠が一方通行さんのことを凄く誉めていたのでどんな人なのかなと思ってました」

 

「ハァ?」

 

あの妖忌が一方通行のことを誉めていたと妖夢は言う、馬鹿にするような言葉が出てきた方がすんなり納得できる所を誉めていたと言う

 

「…天地がひっくり返るンじゃねェか?」

 

「なんのことですか?」

 

「…なンでもねェ」

 

ぼんやりと一方通行と妖夢は妖忌の手入れが行き届いた庭を見つめていた。いつもならここで幽々子の茶々が入るのだがそれが無いことを考えると少しつまらなく感じた

 

「知ってっかァ?桜の木の下には死体が埋まってるって話」

 

「や、やめてくださいよ!そういう話苦手なんですよ!」

 

「この屋敷に夜な夜な埋められた死体の亡霊が現れるンだが、悪さをするンだ」

 

「ど…どんなことですか?」

 

「そォだな、背後から脅かしてきたりつまみ食いしたり…」

 

「な、なんだ…そんなたいしたことじゃ…」

 

「…人を死に誘ったり…なァ…」

 

「…」

 

「…オイどォした?」

 

「うわーん!師匠ー!」ダダダダダ

 

妖夢はガチ泣きして妖忌の元に走り去っていった。妖忌のいる倉へ向かうには屋敷をぶち壊すか飛び越えるかしない限り西行妖の近くを通らなければならない。あのスピード、時間にしておおよそ15秒で西行妖の横を通り、30秒ほどで戻ってくると予想した

 

(…そろそろかァ?)

 

「ァァァあああああ!!」ダダダダダ

 

きっちり30秒後、今にも泣きそうな…というよりも既に号泣している妖夢が戻ってきた

 

「お、おおお化けぇ…」グスグス

 

「お化けだァ?」

 

「み…見たことのない女の人が桜の木の下にぃぃ…」グスグス

 

「…思ったより早かったな、仕事が早ェこって」

 

一方通行は立ち上がって屋敷の中に戻ろうとするが妖夢が足を掴んでいるせいで身動きがとれない

 

「離せ」

 

「置いていかないで下さい~…」グスグス

 

「チッ」

 

仕方ないので無理矢理足を動かして妖夢を引きずりながら屋敷に戻り、紫が寝ている部屋の襖を開けて布団に近づくと掛けられている毛布で全身が隠れてしまっている状態で紫は眠っていた。だがそんなことは関係ない、一刻も早く起きてもらわないと困る用件ができたので、手っ取り早く起きてもらう。しかし一方通行が毛布を捲ったり大声を出すという真似はしない。影を操り、紫の胴体(であろう場所)を掴むと同時にそのまま上へ放り投げる。すると紫の首から上は天井に突き刺さり、突き刺さっている紫本人は痙攣している。一方通行は気にもしないが、妖夢は目の前で起きた惨状に顔を青くしている

 

「起きろ」

 

少しすると紫が天井から落ちてきて、濃密な殺気と妖力を発してきた

 

「…朝からやってくれるわね…上等よ…その首と体をさよならさせてあげるわ!覚悟なさい!!」

 

「その話は後回しだ、西行妖の所に行ってみろ、面白ェもンが見れるぞ」

 

「…なんの話よ」

 

「いいから行け、あと妖夢、妖忌呼ンでこい」

 

「うぅ~…」フルフル

 

「さっさと行け」

 

「はい…」トボトボ

 

「どういうこと?説明してくれないかしら」

 

「…とにかく今は西行妖の所に行くぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで何も無かったら本気で殺すわよ、私の安眠を妨げた罪は重いということを覚えておきなさい」

 

「ンなこと一々覚えるかっつーの」

 

「こ…この…!」ブルブル

 

(協力してくれたときは良い妖怪に見えたのに今じゃ生意気にしか見えないわ…!)

 

しかし、その際に一方通行の力の片鱗を目の当たりにして『敵にまわしてはいけない』と実感したばかりである

 

(落ち着きなさい、何がきっかけでこいつの力が暴走するかわからない。もしものことがあったら私の『あの計画』が台無しにされる可能性もあるのだから)

 

「…まぁいいわ、それで?」

 

「あそこ見てみろ」

 

「え?」

 

一方通行が指を差したのは西行妖、正確にはその根元、封印の際に使用した幽々子の死体が埋まっている場所、そこに誰かが立っていた

 

「嘘…でしょ…」

 

幽々子?

 

「あら?」

 

紫の問い掛けに反応したのは死んだはずの幽々子だった。三角巾のようなものがついた帽子を被っていて長かった髪が短くなっていること以外は何も変わっていない幽々子が立っていた

 

「ど…どうして…」

 

「どちら様かしら~?」

 

「え…?」

 

(…そのまま魂を戻すわけにはいかないってことか)

 

「私、気がついたらここに立っていたのよね~」

 

「そうなの…」

 

「…」

 

「貴女、名前は何て言うの~?」

 

「フフッ…変わらないわね、私は八雲紫よ」

 

「貴方は?」

 

「…一方通行だ」

 

「一方通行、何の用…幽々子様!?」

 

「あら?貴方は…」

 

紫が妖忌に目を合わせると目線だけで状況を把握させた

 

「…なるほど、そういうことですか…失礼しました、儂は魂魄妖忌、この娘は儂の孫にあたる魂魄妖夢、共に幽々子様にお仕えする身です」

 

「あら、そうなの?ん~この子可愛い~♪」

 

「ふぇぇ!?」

 

幽々子は小さい妖夢を抱いて頬擦りしている。妖夢は驚いて暴れているが満更でもなさそうなので以外と良い主従関係になるかもしれない

 

「記憶は無いみたいだが…どうする?」

 

「いいのよこのままで、例え記憶が無くなったとしても私が幽々子の友達なのは変わらないし、楽しい思い出はこれからも作っていけるしね」

 

「…そォかよ」

 

「少し宜しいですか?」

 

後ろから声を掛けられたので振り返ってみると、何か文字の書かれた板をもった緑色の髪をした少女と大きな鎌を持った赤色の髪をした女性が怠そうな顔をして立っていた

 

「閻魔…四季映姫か…遅かったなァ」

 

「あなた達が再開するまで待っていたのですよ、だいたいこのようなことを直接頼みに来るなんて…」

 

「うるせェ説教は後回しにしてくれ」

 

「ちょっと!なんで閻魔がここにいるのよ!…というかなんで閻魔と知り合いなのよ!」

 

「一方通行、事の顛末を説明するようにあれほど…」

 

「あァー、うるせェ…今説明すりゃいいだろォが。ユキとクロも起こしてきて全員に話をするぞ」

 

一方通行は全員を集めて映姫と知り合った時の事となぜここに閻魔が現れたのかを説明することにした




今回はここまでです
次回は番外編ということで映姫と初めて会った時のことを書くつもりです
それではまた次回!
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