ちょっと忙しくて書く暇がありませんでした…
すみません
それではどうぞー!
「さ、寒いです…」
「うぅ~…」
「ハァ…」
数百年前の寒い冬、一方通行達は体を休めることのできる村や里を探して吹雪の中を移動していた
「さっさとしろォ、日暮れ前にはこの山道を抜けるぞ」
「兄ちゃんは能力があるからいいけど…」
「私達はそんな便利な能力ないですよ~…」
確かに、一方通行にはベクトル変換という便利能力のおかげで寒さを感じることはない。だが一方通行は寒くないから早くこの山道を抜けようとしているのではなく、気になることがあったからだ
ガァァァァァァ!
「ひゃあ!」
「わぁ!」
「邪魔だ」
ギェェェェェェ!?
ユキとクロは突然飛び出てきた熊のような妖怪に驚いたが、一方通行は全く動じずに妖怪に触れると、その妖怪は遥か彼方に吹っ飛んで行った
「妙だな…」
「何がですか?」
「前の村に向かうときの山道で、これだけ頻繁に妖怪に襲われたか?」
「いえ…」
「もしかしてそれ?」
「普通ならここまで襲われることはねェ」
「…ということは、この付近には村や里を守護する者がいない、もしくは何らかの事情でいなくなったということですか?」
「村や里自体がねェって可能性もあるがなァ、多分オマエの言ったことで正解だろォな」
本来、人里へ向かうための道や山道には地蔵や守護神を祀るための祠があるはずなのだが、さっきから一度も見ていない。人里が無いという可能性もあるが、整備された山道を見る限り、近くに人里があるのはまず確定だろう。にも関わらず、妖怪がこれだけ出てくるということを考えると
「やっぱりか…」
「うわ…」
「…」
一方通行の予想通り、里は滅びていた。民家に残された深い爪痕のようなものは妖怪の物であろうことが解った。恐らく襲われてからそう時間は経っていないだろう
「抑えが効かなくなった妖怪にやられたか」
「そのようですね」
「…あれ?なんだろう」
クロが見つけたのは道端にあった倒壊している祠だった。近くには横倒しになった地蔵が地面に無造作に転がっていて、吹雪のせいで上に雪も積もっていた
「コイツがこの里の守護神だったみてェだな」
「このままにしておくのも何ですし…」
「直していってあげようか!いいよね兄ちゃん?」
「…勝手にしろォ」
ユキとクロは周りに積もった雪を片付けて地蔵を立て直した。何だかんだ言っていたが、一方通行も祠を建て直すのを手伝ってくれた
「珍しいね、兄ちゃんがこんなことするなんて」
「…何となくだが、此処で直すのを手伝わねェと後々面倒な事になりそうだからなァ」
「そうでしょうか?」
「よし!後は笠を被せてっと…これで完璧!」
クロは自分の被っていた笠を地蔵に被せると、両手を合わせて御参りした
「今更やったって加護なンかねェぞ」
「神様っていうのは信仰されることで初めて力を得られるんだよ。だから私がこうすることで、ひょっとしたらこのお地蔵様に宿っていた御神体が戻ってくるかもしれないでしょ?」
「じゃあ私も」ナムナム
「チッ…下らねェ、とっとと行くぞォ」
「待ってよ~!」
「待ってくださーい!」
心なしか、その地蔵は笑っていたように見えた
「此処なら風を凌げるか…」
一方通行達はそこまで被害が出ていない民家を見つけ、そこで一晩を過ごすことにした
「さ、寒かった…」
「外は随分荒れてきましたね…」
更に風が強くなり、外は猛吹雪となっていた
「この風の流れでいくと、明日の朝には晴れている筈だ。さっさと休ンで体力戻しとけ」
一方通行は影から毛布を引っ張り出してユキとクロに渡した
「兄ちゃんも入る?」
「随分と調子のってンじゃねェか、あァ?」
「ごめんなさい」ガタガタ
「もう…そうなるって解っているのに…」
「さっさと寝ろクソガキ…」ピクッ
急に一方通行が言葉を発するのを止め、外に通ずる引き戸を睨み付けた。僅かながらに殺気も放っている
「お兄様?」
「…俺と張り合うなら死は覚悟しろ、とっとと出てこねェならここら一帯ぶち壊すぞ」
『…夜分に申し訳ありません、四季映姫と申す者です』
「何しに此処に来た」
『先程の祠や笠等のお礼に参りました』
「ハァ?」
「え、まさかあのお地蔵様なの?」
『えぇ、紛れもなくそれは私です』
「じゃあ入って入って!」
「オイ!」
「大丈夫だよ、私に任せて!」
「…チッ」
『では失礼します』
外から入ってきたのは、先程のクロが被せた笠を被った、ユキとクロと同じぐらいの身長の少女だった
「先程は本当にありがとうございました。あなた達のおかげで、消えかけていた私は、再びこの世に戻ってくることができました」
「へへへー、どういたしまして!私はクロ!此方が姉ちゃんのユキで、私達の兄ちゃんの一方通行だよ!」
ユキは紹介されると軽く頭を下げたが、一方通行は…頭を下げるわけがない。というかあり得ない
「ご丁寧にありがとうございます、四季映姫です」ペコリ
「お兄様、せめて挨拶ぐらいはしっかりしましょう」
「何で俺がこンなクソガキの相手なンざしなくちゃならねェンだよ」
「…」ピキッ
「に、兄ちゃん…」
「神のわりに沸点低いンじゃねェかァ?あァ、ガキだから仕方ねェか…ギィヤハハハ!」
「ほ、ほー…寛大な私でも、そこまで言われては許容できません…これは、お説教が必要なようですねぇ…」ピキピキ
「あァ?説教だァ?」
「そこに直りなさい!私がみっちり仏とは何なのかを教えて差し上げます!!」バシバシ
映姫は床を錫杖で叩きながら一方通行に物怖じせずに怒鳴り付けた
「知るか、俺は寝る」ゴロン
「待ちなさい!まだ話は…」
「あ、待って!今兄ちゃんに触ったら「きゃぁぁぁ!」遅かった…」
一方通行が反射を適応させていたのだろう、映姫は一方通行に触ると同時に弾き飛ばされた
「なんなのですか今のは!?」
「お兄様の能力ですよ、任意であらゆるものを反射して無効化します。恐らく音も反射しているので声は届きませんね…」
「ど…どこまで人を馬鹿にすれば…!」プルプル
「ははは…まぁ、兄ちゃんのこれは今に始まったことじゃ無いし」
「くっ…仕方ありません、お説教は明日にしましょう」
「じゃあ一緒に寝る?」
「いえ、私は一人で…くちゅんっ」
流石にこの時代の家はそこまで性能が良いわけではないので、家の中は吹雪のせいで冷えきってしまっていた
「我慢しないで此方の毛布に入ってください」
「暖かいよ~」
「で、ではお言葉に甘えて」///
「起きましたね、では早速…」
「出発するぞォ」
「聞いてください!」
「うるせェな…」
「どの口が!…もういいです!貴方にお説教するまで何処までも着いていきますからね!」
そこから暫く旅を続けて、面倒になった一方通行は適当に映姫の説教を聞くと、全力で逃げた。映姫は何か言っていたが聞こえなかった
今回はここまでです
次回は回想を終了して、話を続けていきたいと思います
それではまた次回!