今回はスキマにボッシュートになった後のお話です
それではどうぞー!
ドサッ!
「つっ…どこだよここっ!?」
「あ…ごめんね」
「いいから早くどいてくれっ!?」
「…ごめんね」
「…」チーン
上条達が紫の策略で落とされたのは大きな都の入り口の前だった。妹紅と出会った都と負けず劣らずといった大きさだった
「…妹紅はどこ行った?」
「そういえば…」
すると上条の頭に紙切れが一つ落ちてきた。それを読んでみると紫からの手紙だった
『今回の旅はちょっと危ないことになるかもしれないから、不老不死とはいえ、戦う術のない妹紅は私が預かっておくわ。無事に式を見つけたら返してあげるから頑張りなさい』
(脅迫状かよ!つーか危ないって…不幸だ…)
どうやらスキマを通る際に妹紅は紫に誘拐されたらしい
(つーか俺の右手のせいでスキマは通れないはずじゃ…)
右手を見てみると手袋がつけられていた。恐らく一度接近してきた時につけられたのだろう
(ちくしょう、抜け目ねぇなあいつ…)
思わず上条は苦笑いした
「…確か式を探せって言ってたよな?」
「うん」
「ったく、いい迷惑だっつーの。仕方ねぇ…探してやるとしますか…」
「でも嫌だって言わないんだね」
「まぁ、行く宛もなかったし、途方にくれるより目的があった方が行動しやすいだろ?」
「…お人好し」ボソッ
「なんか言ったか?」
「…なんでもない」
上条のお人好し加減に呆れつつ、三人は都へ入っていった
「ねぇ当麻君、なんか変じゃない?」
「あぁ、空気がピリピリしてるっつーか…」
「…嫌な予感」
都に入ってすぐの感想がこれだった。何故か周りの人々が殺気立って何かを探すようにキョロキョロしていたり、上条達を怪しむような視線で睨み付けてきたりと、あまり居心地の良い所ではなかった
「これはとっとと目的を達成して出ていくのが一番だな」
「だね、早くしないと…」
「そこの者ら、止まれ!」
「…面倒事に巻き込まれる」
「…もう巻き込まれてるっつーの」
上条達に声を掛けてきたのは、陰陽玉の紋がついた和服を着ている中性的な顔立ちをしている男性だった
(この格好…俗に言う陰陽師ってやつか?)
「見ない顔だな、旅人か?」
「あぁ、俺は上条当麻、こいつらはカスミとユリ、あんたは?」
「おっと申し遅れたな、私は安倍晴明と申す者だ」
「安倍晴明!?」
安倍 晴明とは、平安時代の陰陽師である。平安時代では、最先端の学問(呪術・科学)であった天文道や占いなどを、体系としてまとめた思想としての陰陽道に関して、卓越した知識を持った陰陽師ともいわれ、当時の朝廷や貴族たちの信頼を受け、その事跡は神秘化されて数多くの伝説的逸話を生んでいったとされている。いくらバカな上条でもこれだけの有名人なら知っていたので、驚くのも無理はない
「どうかされたか?」
「…有名人だったから驚いちまった」
「んん?私の噂は都の外へも広まっているのか?」
「あぁ、まぁな」
実際のところは知らないが、こう言っておかないと面倒なことになると踏んだ上条は適当に誤魔化した
「ところで何でこんなに殺気立ってるんだ?」
「実はここ最近、この都に妖怪が現れるようになったのだ」
(妖怪?もしかすると紫が探している奴かも…)
「名は鵺、顔は猿、胴は狸、足は虎、尻尾が蛇という奇怪な姿をしている。そして夜な夜な不気味な鳴き声をあげることで都の人々はいつ襲われるのかと恐れる余りに夜も寝られん。早急にこの問題を解決するべく、上皇殿の兵が調査をしている。だが中々尻尾を出さなくてな、そのせいで皆殺気立っているのだろう」
「…なぁ、その調査に俺達も参加させてくれないか?」
「まぁ構わんが、その娘達も同行するのか?」
清明は心配そうにカスミとユリを見た。口調からは察しにくいが、人を心配するほどの優しい心を持っているようなので上条はホッとした
「こう見えてこいつらは強いぞ?」
上条は二人の頭を撫でながら言った。しかし何の躊躇いもなく女の子の頭を撫で、何も思わないのは悪い意味で流石と言うべきか
「えへへ…」///
「…んぅ」///
「ん?顔が赤いけどどうした?」
「「…はぁ」」
「え…なんで溜め息つくんだよ…」
「ほぉ、上条は中々やるようだな」ニヤリ
「何がだ?」
「…大変だな、娘達よ」
「まぁ…ね…」
「…うん」
「なんかよくわからねぇけど…不幸だ…」
「「…こっちのセリフだよ」」
今回はここまでです
次回は鵺と接触させる予定です
それではまた次回!