今回は一方通行の家庭教師編です
それではどうぞー!
「かしこまりました」
「こちらへどうぞ」
(チッ、面倒くせェな)
実は一方通行、この家庭教師という仕事はあまり乗り気じゃなかった。理由は2つある
1つ目は何で子供なんかに戦術なんて教えなきゃいけないんだという考え
2つ目は
(俺、教えるの下手なンだよなァ…)
実は一方通行、勉強を教えるような仲のいい友達などほとんどいなかったのだ。
(一度だけ上条に教えた事あったンだっけか)
そこで一方通行は思い出す
「違ェ!何でンな基本的な問題も解けねェンだ!高校入試まで1ヶ月切ってるンだぞォ!オマエの頭の中には八丁味噌でも詰まってンのかァ!?」
「んな濃厚そうな物、入っていません!上条さんの頭の中には脳みそがありますよ!?」
「そこも違ェし解くのも遅ェ!ンな問題10秒で解け!」
「無茶言うな!10行以上書かなきゃいけない証明問題をどうやって10秒で解いたらいいんだよ!?」
「次間違ったら壁のシミにするからなァ?」
「不幸だー!」
(こンなことがあってそれっきり勉強を教えなくなったンだっけか?)
「一方通行様、こちらです」
「あァ」
考え事してるうちについたみたいだな。部屋のドアの上には『学習室』と書かれてる
「では、お昼になりましたらもう一度お伺いしますので」
「わかった」
そういってメイドは去っていった
(…恐らくこの向こうにはあのクソガキがいるンだろォなァ)
一方通行は深い溜め息をひとつしてから
コンコン
「入ってもいいか?」
中から声が聞こえてきた
「はい、いいですよ」
「入るぞ」
扉を開けると思った通りあの時助けて泣きついてきたクソガキがいた
「あー、知ってるとは思うが一応自己紹介だ。俺は一方通行だ」
「ご丁寧にありがとうございます。私は綿月豊姫です。これからご教授、よろしくお願いいたします」
「早速始めるぞ、と言いたい所だが一つ聞きたいことがある」
「はい、なんですか?」
「…何で戦術なンて物を学びたいと言い出したンだ?」
「…なんのことですか?」
「とぼけんなよ、仕事の内容を説明していた時のオッサンの顔を見りゃわかる。ありゃ悩みと自責の念が混ざった表情だ。多分だが、オマエらは将来人々の上に立つ存在なンだろォ?そして、オマエに戦術を学びたいなンて言わせてしまったのはオッサンがそう思わせてしまったと考え、今更になって後悔している為にあの表情になった…違うか?」
「…はい、その通りです。確かに私は戦術を学びたいと言いましたし、お父様がそのように考えていることも知っています」
「そこまでわかってるオマエに質問だ」
『…何故、戦術を学びたいと言い出した?』
突然、空気が変わった
一方通行は殺気と霊力を出しながら質問した
「人々を力でねじ伏せて自分が頂点に立つためかァ?それとも、私利私欲の為に動かせる便利な駒が欲しいからかァ?」
「違います!!」
「!」
(ほォ…)
一方通行は少し殺気を強くして
「私は、そんな邪な考えで戦術を学びたいと思ったことはありません!」
「なら、理由はなンだ?」
「…以前、この町の外で妖怪に襲われて亡くなられた人達がいた事を知っていますか?」
「あァ、聞いたことはある」
「その時、町の護衛にあたっている軍人も同行していたんです。それも、軍の中では1・2を争う程の実力者でした。何故、その方が妖怪に襲われても勝利することが出来なかったのか、知っていますか?」
「知らねェな」
「…妖怪に司令官がいたからです」
一方通行は更に殺気を強くして、ただ黙って豊姫の事を見ていた
「っ一人で戦っても、勝てる戦いにも勝てません!」
「…」
「私が!私が戦術を学びたいと言ったことは!決して邪な考えの元ではなく!」
「……」
「大切な人を!この町を!皆の力をあわせて守っていきたいという事が私の望みです!!その考えをバカにする人は、いくら貴方でも許すことはできません!!!」
「………」
「ハァハァ…」
「…図に乗ってンじゃねェぞクソガキが」
「な、まだ言いますか!?」
「合格だァ」
「…え?」
「オマエは本当に戦術を学ぶ価値があるかどうか抜き打ち試験をしていたんだよ」
「ええっ!?」
「結果は合格だァ、オマエなら悪用することもねェだろォしな」
「じ、じゃあ…」
「あァ、俺がきっちり学問と戦術を教えてやる」
「やったぁー!」
(このクソガキ、俺の殺気をも押し返してあれだけ言ってきたんだ。その心に嘘偽りはねェだろ)
「じゃあさっさと始めるぞ、勉強ってなァ1秒も無駄に出来ねェ物なンだ」
「はい!よろしくお願いします、先生!」
「あァ?先生だァ?」
「はい、一方通行さんは私の先生なんですからこれから先生と呼ばせていただきますね」
「チッ、勝手にしろォ」
「えへへ~[ゴチン!]痛い!?」
「オラ、集中しろォ」
「むー、いきなり酷いですよ~」
「悪ィが俺の授業はスパルタだからなァ」
「いいですよ、私はどんなことでも弱音を吐きませんから!」フンス!
「…今日は少し早いがこれで終わりだァ」
「ありがとうございました」
「…」
(しっかしコイツ、一体何者なンだァ?)
「ファ~…」アクビ
(俺が言ったことを説明もしてねェのに理解していき、吸収していく。それも、町の奴らだけじゃあなく、軍の奴らもなるべく傷つかない戦術を重点的に)
「…」コクリコクリ
(コイツは将来大物になるかもなァ。人々を気遣い、人々から信頼され続ける、そんな司令官に)
「じゃあ豊姫…豊姫?」
「すー、すー…」
ソファーで横になって豊姫は寝ていた
「ったく、少し目を離した隙に寝てやがる。叩き起こしてやろォか?」
そう思ったが、一方通行は直前で起こすのを止めた。あまりにも豊姫が幸せそうにして眠っているので今日ぐらいは見逃しといてやるかと思ったのだ
「無理もねェか、俺の殺気に耐えながらあれだけ騒いだンだからなァ」
「う、ううん…」モゾモゾ
「…チッ」
パサッ
一方通行は部屋に置いてあった毛布を豊姫にかけた
「風邪引くぞォ?…俺には関係ねェことだがなァ」
「うにゅ、えへへ…」
「さて、俺は隣の部屋に………………ァ?」
そこには一方通行に『行かないで』と言ってるかのように服の裾を掴む小さな手があった
「…チッ、本当に世話のやけるクソガキだ」
(あったけェ、ガキの体温ってやつか。……なンだか俺も眠くなってきたなァ)
「んう?あれ、私、寝ちゃって……?」
目を覚ました豊姫がふと横を見るとそこには一方通行の顔が目の前にあった。それも、鼻先が触れあいそうなぐらい近くに
(え、ええっ!?どういう状況なのこれ!?)
「スー、スー…」
(あ、でも…)
あったかい…♪
「本当に良かったのか?昼休み放り出して俺達の所に来ても」
「いいのよ、私も貴方達の働きっぷりを見たかったから」
「お姉様、居眠りしていないでしょうか…」
私こと上条当麻は今、永琳と依姫の三人で行動している。何故かというと、永琳がどうしても俺達の働きを一度見てみたいと言うので依姫との鍛練を見せたあと、永琳に案内してもらいつつ一方通行を迎えに来たのだ
「えーと、ここね」
ガララ!
「一方通行、入るわよ」
「…そォいうのは入る前に言うもンじゃないンですかァ?」
「あら、寝ていたのかしら?」
「珍しいこともあるもんだな」
「うるせェ」
すると依姫がキョロキョロしだした
「どうした?依姫」
「えと、お姉様はどこにいるのかと思いまして…」
「あァ?」
一方通行が被っていた毛布が足元でモゾモゾしだした
「ぷぁっ」
出てきたのはスカートは捲れ上がり、衣服も随分乱れた寝ぼけ眼の豊姫だった
「あ、おはようございます先生。さっきは楽しかったですね(授業や他愛もない世間話が)初めはちょっと怖かったですけど(一方通行の印象が)優しくしていただいて嬉しかったです(先生と呼ぶことを許してくれた事が)」
「なっ、一方通行」
「まさか、お姉様に先を越された…?」
「け、警察に、通報するからね?」プルプル
「待て、オマエらは何勘違いしてるんだァ!?俺は服掴まれてて身動きとれないから諦めてここで寝てただけだァ!」
「本当ですか?お姉様」
豊姫は一方通行に抱きつきながら
「私は一方通行さんの事、好きですよ~」ポケー
(ダメだなァこりゃ)
「おとなしくお縄につきなさい」
「オーケー、そんなにスクラップにして欲しいんだな…?」
「…当麻、後は任せたわよ」
「何で!?」
「ぶち殺す」
「ぎゃー!不幸だー!」
「ところで豊姫、本当の所は?」
「一緒に寝ただけですよ~」ポケー
「よ、よかった~」ホッ
…豊姫は寝起きに弱いらしいです
はい!一方通行の家庭教師編でした
次回は…まだ未定ですw
それではまた次回!