宇宙海賊キャプテン茉莉香 -銀河帝国編-   作:gonzakato

45 / 55
 茉莉香は、帝国女学院でも人気者になっていきます。
 そして、チアキは、茉莉香達に、銀河帝国の秘密をすこしずつ明らかにしていきます。
 マリア王女の秘密、ブラック・マターの秘密・・・・。銀河帝国が隠していた、人類の起源に関わるたくさんの秘密が、少しづつ明らかになっていきます。
 その後、弁天丸は船長加藤茉莉香の試験休みを利用して、実験航海に出港します。
 しかし、出発直前に新しいお仕事が舞い込んできます。それも茉莉香の即断即決で引き受けて、弁天丸Ⅱは、銀河系の外宇宙(そとうみ)に出航します。



第三十九章 未踏宇宙の先駆け・弁天丸

1 試験休み

 

 弁天丸は、サンタ・マリア星の調査を終えて、帝都に帰還した。

 茉莉香、チアキ、グリューエルは、再び静かな大学生としての生活を取り戻した。

といっても、サンタ・マリア星での出来事について、ゆっくり話す時間は無かった。三人は、大学の単位認定のための試験を受けるため、大忙しだったからだ。

帝国女学院大学特別コースの試験は、ペーパーテストではなく、教官たちによる口頭試問の形で行われる。これは、元来は、お勉強にあまり熱心でない王女様やお嬢様たちを救済する方法でもあった。

それでも試験は試験。恥をかきたくなければ、勉強するしかない。特に、茉莉香は、試験では、自分はチアキやグリューエルと比較されると思うと、勉強せざるを得なかったが・・・。

 

「あ、あ~! 今日で、やっと終わったナア。明日から試験休みかあ。

私、口頭試問って初めて受けたけれど、結構、厳しかったねえ。」

 茉莉香は、軍の制服姿のままで、腕を上げて背中を伸ばしながら、言った。

 三人は、久しぶりに大学のカフェテリアでお茶の時間を楽しんでいる。

「そうよねえ。なかなか鋭く突っ込んだ質問が飛んで来たよねえ。」

 茉莉香の話にチアキが応じた。

「でも、楽しかったですわ。

わたくしも、久しぶりに学生らしい暮らしができましたわ。」

 グリューエルが微笑んだ。

「いや~~あ。グリューエルにはお世話になったナア。

ありがとうね。

 もう、本を始めから読んでいる時間がなくなって、要点だけ教えてもらって、さあ~。

 あれがなかったら、落第だったよ~。」

 茉莉香が、そう言ってお茶を飲み干した。

「お役にたててうれしいです。」

 グリューエルは、そう言って微笑んだ。

 

「ごきげんよう、チアキ様」

「ごきげんよう、茉莉香様」

「ごきげんよう、グリューエル様」・・・・

 そう言って、三人がカフェテリアでくつろいでいるところへ、帝国女学院の女子大生たちが、次々と集まってきた。 

 たちまち、おしゃべりの花が咲いてゆく。

 会話の中心は、やっぱり茉莉香だった。

 

「茉莉香様。今日も軍の制服をお召しになっていらっしゃいますね。

私、以前から申し上げたかったのですが、茉莉香様の制服、とてもよくお似合いですわ。」

「そうですわ。その御姿、なんというか、凛々しいと言うか、端正と言うか、華麗と言うか・・・」

「やっぱり、『カッコイイ』としか言えませんわ。」

「あら、あら、それは街のワカモノ言葉ですわ。お控えなさって・・・。」

「いやあ、私のこと、お誉め頂いてありがとうございます。

でも、みなさん、そんなに私の方を見つめないでくださいよ。

私、軍人と言うより、海賊ですから、皆さんにそんなに見つめられるは慣れてないんですよ・・・。」

茉莉香は少し顔を赤くして、答えた。

「まあ、茉莉香様・・・・。」

「フフフ・・・・」

茉莉香の恥かしげなしぐさを見て、茉莉香を囲むお嬢様たちは、ますます茉莉香の魅力のとりこになっていく。 

 茉莉香は、誰に対しても丁寧に話を聞いて、気配りの行き届いた言葉を返している。

特に勇気を振り絞って茉莉香に話しかけてきた子には、必ず、こう言う。

「私のことを、茉莉香って呼んでください。」

もちろん、そう言われた子は、『茉莉香様とお友達になれたなんて、夢のようですわ・・・』

と大喜びだ。

だから、茉莉香と言葉を交わした女の子は、一瞬で茉莉香のことが大好きになり、ますます茉莉香と話したがる。

 茉莉香はここでも大勢のお嬢様に囲まれるようになってきた。

 そんな茉莉香の様子を、グリューエルとチアキは、微笑んで眺めていた。

「結局、茉莉香さんの周りは、白鳳女学院と同じような雰囲気になってきましたわね。」

「そうよね。

そのうち『マリカサマ~~ァ!』っていう、例の掛け声がでるようになるわよ~。」

「きっとそうですわね。うふふふ・・・・」

 

 

 その後、茉莉香、チアキ、グリューエルの三人は、帝国女学院を出るとそのままチアキに同行して、王宮のチアキの部屋に入った。

 試験も終わったので、約束していたサンタ・マリア星の話をしたいから一緒に来てほしいと、チアキが言ったからだ。

「それで、何から話そうかな。」

 チアキが言った。

「許されることなら、マリア様ってどんな方なのか、教えてほしいなあ。どうだろうか?」

 茉莉香が即答した。

『さすが、茉莉香さん。銀河聖王家の秘密にズバリ、切りこんできましたわ。

 それはたぶん、グランマやサーシャさんにつながる秘密のはずですわ。あの星で、マリア様の名前が出てきたとき、私は、最初は、グランマご本人かと思いましたもの。』

 グリューエルは心の中でそう思った。

 

「さすが、茉莉香。核心に切り込んできたわね。

 いいわよ。母上の許可はもらっているから。

でも、あらかじめ言っておくけど、それは第一級の王室機密。命がけの秘密よ。

茉莉香、もちろんその覚悟があるわよね。」

「ナハハハ・・・・。改めて聞かれると恥ずかしいけど・・・。

 私、チアキちゃんの側にずっといるって約束しているでしょう・・・・。」

「そうね。グリューエルももちろん、良いわね。」

「はい。」

 

 二人の意志を確かめると、チアキは、銀河聖王家のマリア王女の話を語り始めた。女王や姉から聞いたことだけでなく、自分で調べたことなども含めて、すべて話した。

(エピローグ2「マリア王女の伝説」参照)

 

「ええ・・・。それじゃあ、サーシャは、宇宙マフィアの大ボスの実の娘だから、銀河聖王家の血も引いているってことになるのかぁ。

 なるほどなぁ・・・。

でも、これで、いままで不思議だったことがはっきり理解できるよね。

やっぱり、サーシャは、本物のお姫様だったのかぁ。」

茉莉香が言った。

「それにしても、マリア王女様って、すごいオテンバさんですね。

 これが王家の伝統でしょうか・・・・フフフ」

 グリューエルは、マリア王女の話にはあまり驚いたようすは示さなかった。

「そうよね。母上や姉上のさらに上を行く、オテンバ娘がいたのよね。」

 

そして、グリューエルは、自分の聞きたかったことを聞いた。

「それで、チアキ様。

 私も一つお伺いしてよろしいでしょうか?」

「そうぞ。」

「サンタ・マリア星の『神殿』と言われる例の洞窟で見たあの黒い岩、あれはなんですの?

 ご存じなのでしょう、あの岩の正体を」

「グリューエルは、なんだと思う?」

「一種の人工知能だと思いました。

 チアキ様が、あれに触りながら、何かなさっているように思いましたもの。

ただ、きっと洞窟の奥に本体の装置があるはずと思ったのですが・・・」

「そうね。どこまで行っても、あの黒い岩が続いていたものね。」

「ああ、そうかぁ。それで思い出したよ~。

 あれって、大きさは違うけれど、軍艦の認証装置についている黒い球形のデバイスに似ているよねえ。

 新しい弁天丸にも装備されていて、チアキちゃんがあれを触りながら封印を解除したでしょう。(第三十一章「セレニティ王国占領作戦」参照)

 まさか、あれと同じモノってことは、アリかなあ・・・・。」

 茉莉香が、目を輝かせながら言った。

「茉莉香、あなたって、やっぱり鋭いわね。

 その通りよ。軍艦の認証装置にも同じような材料から作られたものがセットされているわ。」

「それで、あの岩の正体は、いったい何なの?」

「正確に調べた訳じゃないけど、私の見た限りでは、『ブラック・マター』に間違いないと思うわ。」

「『マター』と呼ぶのですか。『ロック』や『ストーン』と呼ばずに・・・・。」

 グリューエルが、少し驚いて言った。

「グリューエル、あなた、鋭いわね。言葉使いひとつで、正解にたどり着くのね。」

「ええ!? どういう意味?

 あれは、やっぱり岩と言うか、小さいのは石というか…そんなものでしょう?」

 茉莉香が不思議そうにつぶやいた。

「あれは、銀河帝国の科学力で作られたものではないのよ。

そう言う意味では正体不明の「物体」よ。ただの黒い自然石のように見えるけどね。

更に言うと、どこかの星の科学文明が作った人工物かどうかも、わからないのよ。

だから、これもひとつの生命の形ではないかと極論を言う軍の研究者もいるくらいよ。」

「では、ブラック・マターは、独自の意思を持っているのですか?」

 グリューエルが真剣な表情で聞いた。 

「それは、『意思』と言う言葉の定義にもよるわね。

だけど、人間と情報のやり取りが出来ることは分かっているの。それから、膨大な情報を記録していることもわかっているそうよ。その情報を利用するために、軍艦にセットされているのよ。

それから、一番大事なだけど、銀河聖王家に忠実に仕えてくれることも、長年の経験で信じていいそうよ。」

 

「それじゃあ、あの洞窟の岩壁に書かれていた碑文が、その正体を探る手掛かりになるのかしら? だったら、私達、大発見だよねえ。」

 茉莉香が目を輝かせて言った。

「そうねえ、研究者に資料を渡すよ。」

「その必要はありませんわ。」

 グリューエルがきっぱりと言った。

「ええ?どうしてなの?」

 茉莉香が驚いて聞いた。

「あの碑文は、サトシさんがお書きになったものです。

 私、あの方に直接お聞きして確かめましたわ。」

「ええ! なぜ、サトシの仕業だとわかったの?」

「あの晩の祝宴の際に、サトシさんに、あの碑文は貴方たち一族の誰かがお書きになったのかとお聞きしたら、あの方、あっさり自分が書いたとお認めになりましたから。」

「ええ~!? でも古代ルーン語で書かれていたんでしょう?」

 チアキが聞いた。

「古代ルーン語の本を読んで、勉強されたそうですわ。本物らしい碑文を作るために。

 ウフフフ・・・・」

 少し嬉しそうに、グリューエルが答えた。

「どうして、そんなことがわかったの?」

「それはもう、あの碑文には、古代ルーン語の文法や単語の綴りが間違っている箇所がたくさんありましたから。

 特に、『星』つまり恒星を男性名詞と勘違いして碑文を書いていらっしゃいましたから。

星は女性名詞です。この感覚は現代にも引き継がれています。

だって、私たちは、星系の恒星を『母星』と呼んでいますでしょう。」

「なるほどねえ、現在の銀河標準語では名詞の『性』なんてあまり意識していないけどね。」

 チアキがうなずいた。

「それに、ご存じのように、古代ルーン語では、男性名詞と女性名詞では、名詞の複数形の綴りとか、動詞の活用形が違います。

本物の古代ルーン人なら、そんな間違いをするはずはありませんもの。」

「ナハハハ・・・。『ご存じ』じゃないんだけどねぇ・・・。」

 茉莉香が苦笑いした。

「それにしても、グリューエルは、やっぱりすごいなあ。

 一緒に来てもらって良かったよ~。」

 茉莉香は、グリューエルの方を向いて、満面の笑顔で感謝の気持ちを表した。

「そうよね。さすが、語学の得意なグリューエル。本領発揮ね。」

 チアキも感心した。

「私も、少し茉莉香さんのお役にたてて、うれしいです。」

 グリューエルが、少し恥ずかしそうに微笑んだ。

 

「それでさあ、チアキちゃん。

洞窟の奥で私たちが見た、アンドロメダ航路にある星々の美しい姿とか、その銀河間の大航海をしている銀河帝国の大船団の映像は、いったいどういうことなの?

 あの石は、未来の映像も見せるのかなあ。」

 茉莉香が言った。

「ええ!? 銀河帝国の大船団、ですってぇ? 

茉莉香さんは、本当にその姿を見られたのですか?」

 グリューエルが驚いて、聞き返した。

「そうだよ。だって、女王陛下の船だけでなく、私の弁天丸もいたから、間違いようがないよ。」

 茉莉香は、自信を持って言った。

「ふう・・・・む。」

「どうしたの? グリューエル?」

 茉莉香が聞いた。

「私たちは、同じ夢というか、同じ映像を見たのでしょうか?」

「ええ? もしかして、グリューエルの見たものは、私と違うものだったの?」

「ええ。違います。

私が見たものもアンドロメダ航路の星の海を往く大船団なのですが、それは、太古にこの銀河に渡ってきた『神々』の船とも言うべき、ものすごい数の移民船団でした。

それが太古の移民船であることは、なぜか、はっきりわかりました。」

グリューエルが、アゴに手を当てて考えながら、言った。

「ねえ、チアキちゃん。これって、どういうことなの?」

「なるほどねえ。やっぱり教えられたとおりだね。

 私ね、ブラック・マターの取り扱いを教えられた時に注意されたことがあるのよ。

つまり、アイツから情報を取り出すときに、自分の感情や願望をアイツに読まれてしまうと、自分の感情や願望に沿って加工された情報をアイツが送ってくるそうよ。

だから、気をつけなさいってね。」

 チアキが言った。

「なるほどねえ。だから、私の願いやグリューエルの興味に沿ったお話になったわけなんだ。なるほどねえ。」

 茉莉香が言った。

「そうならば、洞窟の探検に行って、怪物を見たとか言って逃げてきた人がいた訳が分かりましたわ。

これは、ブラック・マターから見れば、一種の自己防衛とも考えられますわね。」

 グリューエルが言った。

「それなら、行方不明になった人たちはどうなったのかなあ?

 洞窟には、海賊の骸骨さんとか、何もなかったよね。 

 自分の行きたいところへ飛んで行っちゃったのかなあ・・・・。」

 茉莉香が言った。

「茉莉香。あなたが見た洞窟の姿が、本当の姿ならそうでしょう。」

 チアキが言った。

「でも、本当でしょ。

だって、明るくなったのも、チアキちゃんが願ったからでしょう?」

「あの明るくなった洞窟内の様子自体が、私たちがアイツから送られてきた映像を見ていただけのことかもしれないでしょう。」

 チアキが言った。

「ええ!? それじゃあ、本当は・・・・。」

「茉莉香さん、本当は洞窟の両脇には骸骨とか死体がずらりと並んでいたのですよ。

 私には、それが見えていましたよ。

 気が付きませんでしたか?」

 グリューエルが、深刻な表情で言った。

「ええ~~! 本当!?」

 茉莉香がそう言うと、チアキとグリューエルは堅い微笑を浮かべた。

「・・・・・」

 茉莉香はごくりと生唾を飲み込みながら、二人を無言で見つめた。

 

そして、次の瞬間、叫んだ。

「ああ~~! また~~、私が怖い話が苦手なのを知っていて、遊んだでしょ。

 もう、やめてよね。」

 

「ウフフフ・・・」

「予想より早く、気が付いたわね。茉莉香。

もちろん行方不明は、行方不明のままよ。何もわからないわ。」

 しかし、茉莉香は逆襲に出た。

「ねえ、チアキちゃんの場合は、どんな映像を見たの?

 自分だけ言わないなんて、ずるいよぉ~、教えてよ。」

「私は別に、アイツの正体は何者かって、聞いただけよ。

だから、アンドロメダ銀河から来たって、返事をしてきたわ。」

「それだけなの? なにかチアキちゃんの願いが叶う夢を見ていたのじゃないの?」

 茉莉香は、いたずらっ子のような笑顔で、チアキを見た。

「見てない。何も見てないよ。」

 チアキは、少し顔を赤らめて否定した。

「ああ、やっぱり、何か見たんだ。ねえねえ、教えてよ。」

 茉莉香は、チアキの否定にもかかわらず、追求を緩めない。

「見てない。何も見てない。・・・とか、そんなチャラチャラした夢なんか見てない!」

「ええ!? 今、チアキちゃんなんて言ったの? 聞こえなかったよ?」

「何も言ってないわよ。」

「ウフフフ・・・・。何も教えてくれなくとも、私、だいたい分かるなあ。

 星の海を旅する大船団と一緒の航海でしょ。

だから旅行に関係のあることよねえ。

 旅行で、チアキちゃんの大好きなロマンチックなヤツ、というと・・・」

「私も、答えが分かりました。」

 グリューエルが微笑んでいった。

「予め言っておくけど、私、新婚旅行とかそんなチャラチャラしたこと、考えてないからね。もう、よしてよね、茉莉香。」

「ああ~。 チアキちゃん、答えを自分で言ったよ。」

 茉莉香が笑った。

「言ってない! それは違うって言っているでしょう!」

チアキは、顔を真っ赤にして強く否定した。

「ウフフフ・・・・。」

 

 

2 実験航海

 

 翌日、茉莉香は弁天丸に乗船した。

 弁天丸は、帝都クリスタルスターの衛星軌道上まで、茉莉香を迎えにやってきていたので、茉莉香はシャトルから直接に弁天丸に乗船できた。

「やあ、みんな。ちょっと久しぶりだね。」

「船長。試験、どうでしたか?」

 乗務員たちから声がかかる。

「まあ、ぼちぼちというかぁ。赤点で追試はないだろうと言うか・・・。」

 

 茉莉香は、ブリッジのクルーと各々の近況報告を兼ねたあいさつを交わしていた。

それが一段落したところを見計らって、ギルバート、シュニッツアー、ミーサが今後のスケジュールについて相談があると言ってきた。

茉莉香は船長室で話を聞くことにした。

 

「それで、いよいよ帝国軍から依頼された『実験航海』を始めるのですね。」

 茉莉香が言った。

「そうです。実験航海の最初は、やはりアンドロメダ航路に関連するものです。」

 ギルバートが言った。

「ええ!? アンドロメダ航路の先駆けをするの?

私、ヒガン星団のその先、ずっと遠くまで行ってみたかったのよね。」

「いえ、それは、まだまだ時期尚早です。

弁天丸の出番、つまり有人船でアンドロメダ航路における航海の安全性を実証する段階になるには、まだまだ準備不足です。」

「そうなのか。新航路を拓く準備は大変なのね。」

「そうです。銀河間の宇宙(うみ)は、人類にとって未踏どころか、未知の宇宙です。」

 ギルバートが答えた。

「それで、話を元に戻すと、弁天丸が行う最初の実験航海は、有人船として初めてダーク・マターの宇宙(うみ)を飛んでみることだそうだ。

 もちろん、航海は、推進剤を使う通常航海、ワープによる超高速跳躍。そして時空トンネルの三種類の方法で飛んで、その結果を分析するためのデータを集めることだそうだ。」

 シュニッツアーが言った。

「ダーク・マターの宇宙(うみ)、ですか? 

 う~~ん・・・・

 わたしだって、銀河系の星々の円盤の外側には、ダーク・マターが取り巻いていることは知っていますよ。それが巨大な重力源になっていることも知っていますよ。

 それに、アンドロメダ航路は、実際は銀河間をつなぐダーク・マターの細長く伸びた腕に沿って点在する星の間を渡っていくルートであることも知っていますよ。」

「船長も、勉強しましたね。」

 シュニッツアーがにやりと笑った。

「私だってもう大人ですから、勉強は人に言われなくとも、ちゃんとやるんです・・・・

 でも、実際には、ダーク・マターは、素粒子状になって宇宙を漂っているだけで、星の形になっているわけではないんでしょ。

 だから、そこには何も無いはず。そうでしょう?」

「その通りです、茉莉香さん。」

 ギルバートが言った。

「じゃあ、そんな何も無いところを弁天丸が飛ぶことに、なにか意味があるのですか?」

「茉莉香さんは、ダーク・マターを構成する素粒子は、物質を構成する原子とぶつからない、つまり、われわれの体を通り抜けても、何の害も無いはずということはご存じでしょう。」

「そうですね。重力波エンジンの船長用テキストにもそう書いてありました。」

「でも、ごくまれに原子とぶつかって、ガンマ線を放って発光するのではないかという説も御存じですよね。」

「知っています。確率が低すぎて、実際に観測に成功した例がない現象のようですが・・・。

  ・・・・

 ええ! まさか? 弁天丸で飛んでみて、それを観測というか、体験しようと言うのですか?」

「いやいや、無人機のテスト航海や、実験動物を乗せたテスト航海では、すでに何回も安全な航海に成功しています。その際にも、有害なガンマ線の発光現象は観測されず、生物にも無害という結果が出ています。」

「じゃあ、なぜ、弁天丸が真っ先にダーク・マターの宇宙を飛ぶのですか・・・。」

「それは、海賊だからです。」

 ギルバートは、微笑みを浮かべてそう言った。

「ああ、そうか~。

 それは、誰かが最初に実際に飛んで見せなければならないからですね。

 だったら、それは、『未踏の宇宙の先駆け』である、海賊の出番ですね。」

「そうです。」

「わかりました。弁天丸、いきましょう。」

 茉莉香は、楽しくて仕方がないと言う笑顔で、そう言った。

 

「それで、茉莉香。

 二人で仲良く話が盛り上がったところで、悪いのだけど・・・・」

 ミーサが、話し始めた。

「ええ!? ミーサ、どうしたの?」

「言いにくいんだけどねえ、私、今回の航海は遠慮させてもらうわ。

 船医の方は、スージーとトムが代わってくれるから大丈夫よ。」

 ミーサは、用意周到なところを見せた。

「ええ? ミーサ、どうしたの? 理由を聞いてもいいかしら。」

「茉莉香、私は、なんのために結婚したと思っているの・・・・。」

 そう言って、ミーサは、自分のお腹をやさしくなでた。

「ええ! 赤ちゃんができたの?」

「前から言っているでしょう、茉莉香みたいな可愛い女の子が欲しいって・・・。」

「ナハハハ・・・・とにかく、ミーサ、本当におめでとう。」

「ありがとう。ウフフフ・・・こういう御祝を言われるのって、やっぱり嬉しいものねえ。」

 ミーサは、とてもうれしそうだった。

「ところで、ミーサ。ひとつ聞いて良い?」

 

 もちろん、茉莉香は、絶対に聞いてはいけないことを十分承知していた。

 ミーサは、外見は三十歳を少し過ぎたように若々しく見えるが実際は何歳かということ、そして、そのような実際の年齢で子供が生めるのはどういう訳かという、一番の謎は絶対に聞いてはいけないことを・・・・。

 

「なに?」

「弁天丸の就業規則に、産休ってあったのかなぁ?」

「失礼ねえ。ちゃんとあるわよ、百年前から。

 あなたのお父さんとお母さんも、産休を取ったそれぞれのおばあさんが弁天丸で生んで育てたのよ。」

「ナハハハ・・・・・」

 茉莉香は顔を赤くした。

「もっとも、梨理香は、産休を取らずに弁天丸を辞めて、船を降りたけどね。

 あなたを地上で生むためにね。

 それで、私も梨理香のように地上で子供を産もうと思って・・・。」

「え~~!

 でも、ミーサ、産休が終わったら、弁天丸に戻って来てくれるんでしょう?」

「分からないわ~、そんな先のこと。」

「・・・・・」

 ミーサもミーサの航路(みち)を往く。 

 

 

3 グランドウッド医科大学

 

 リリイは、弁天丸での『修行』を終えてから、グランドウッド医科大学の看護学科に入学するために、帝都の同大学を訪れ、その女子寮に入居した。

 

 翌日の入学式を終えると、リリイは、パジャマ姿で女子寮の自室のベッドに寝転んで、くつろぎながら、電子ブックで、もらったばかりの大学案内を眺めていた。

「うわ~、すごく広いキャンパス。施設も充実しているわぁ。

 大学の中に湖があって、ヨットも乗れるのかぁ、もちろん宇宙ヨット部もあるわ。

 やっぱり帝都の大学は、海明星の白鳳女学院大学とは、ひとケタ違うわねえ。

 ここにしてよかったわ。・・・」

 そう言いながら、リリイは上機嫌で、更にページをめくっていった。

「大学の歴史かぁ・・・・あんまり関心ないけど・・・」

 リリイはページを飛ばしていったが、ふと一枚の写真が目に留まった。

「あれえ、こんなところに、ミーサ先生が写っている・・

 ・・そんな訳ないかぁ。

 この写真の人はよく似ているけど、え~と、三百年くらい前の大昔の人かぁ。

 なになに・・・この人は、大学教授、もちろん医学博士。偉い人だねえ。」

 リリイは写真のタイトルだけを読んでそう言った。 

「でも、私たちのミーサ先生は、グランドウッド医科大学とは関係ないよねえ・・・

 なんたって、宇宙海賊船弁天丸の船医なのだから・・・。

 そもそも、そんな話は聞いていないし・・・。」

 リリイはそう思って、ミーサ先生によく似た人が写っているページの詳しい記事を読み飛ばした。

 

「・・・・そう言えば、トムとスージー先生のファミリーネームは、『グランドウッド』だったわねえ。

 もしかして、この大学の創建者である、グランドウッド一族となにか関係あるのかしら。

 そうならば、これは他人事ではないわねえ・・・。」

 リリイは、トム・グランドウッド医師のことを、親しみを込めて『トム』と呼んでいた。

 トム医師に個人的な関心があるリリイは、携帯型タブレット端末で『グランドウッド家』を検索して、調べ始めた。

「やっぱりねぇ。トムのお父様だけでなく、お母様、お祖父様、お祖母様も、有名なお医者様かぁ。

 トムは、正真正銘のグランドウッド一族という訳ね。

 すごいわねえ・・・。」

 リリイは、タブレットで調べる手を止めて、大学案内を表示した電子ブックに目を移した。

「ふーん。グランドウッド一族は、研究業績もすごいのね。

 ・・・・

 この大昔のミーサ・グランドウッドっていう人の名前も、大学の業績リストに論文がいくつも出てくるわ。主な研究業績は、銀河系の生物毒の研究かぁ・・・。なんか怖そうねえ。

 ・・・・

 そう言えば、ミーサ先生のファミリーネームは、何だっけ?

 確か、聞いたような気がするんだけど、思い出せないなあ・・・。そうだ、白鳳女学院 ヨット部の卒業記念アルバムに乗っているはずよねえ・・・。」

 リリイはアルバムの記録編を表示させて、ミーサのフルネームやプロフィールを探した。

 

「あった。やっぱり『グランドウッド』だ。

 それと、年齢は学校の先生紹介のプロフィールでは、32歳だったよね。

  それで、ヨット部の練習航海の乗員名簿では・・・・う、う、う~、なんと29歳。

 そうだ、思い出したわ~。

 ハラマキが、ミーサ先生の年齢を32歳と書いた乗員名簿を見せたら、29歳に直されたと言っていたのよね。

『いくら、先生の年齢は自己申告が原則と言ってもねえ・・・』

と言って、ハラマキも笑っていたよね。

 ウフフ・・・まあ、ウチラの学校はこんな調子だったよねえ。

 なんか楽しい思い出だねぇ。

 そう言えば、練習航海では・・・」

 リリイは、楽しい思い出に浸り始めて、それ以上、ミーサについて調べるのをやめてしまった。

 

 

4 褐色矮星からの通信

 

「有意通信を受信しました。

 超高速通信による『救難信号』のようです。

 発進場所は、M-19003球状星団のT-3と呼ばれる褐色矮星の付近と推定されます。」

 辺境を管轄する銀河帝国第七艦隊司令部の管制官が、一通の通信を受け取った。

 

「ええ!? 『救難信号』だってえ?

 そもそも、M-19003って何処にあるんだ? そんな星団、聞いたことがないぞ。

 場所はどこだ?」

 第七艦隊司令部の管制室長が驚きの声を上げた。

「銀河系と大マゼラン雲の、だいたい中間地点のあたりです。」

「たとえ海賊のような命知らずでも、そんな遠いところまで、行った船は無いはずだろう。

 そもそも、その星団には人類は住んでいないのだろう?」

「そうですね。

 あの星団は、観測の結果、明るく輝くスペクトルG型の恒星が少なく、大半は質量不足で自力での核融合反応が維持できず、T型の褐色矮星となった恒星ばかりだと、観測されていますから。

 発信場所と推測されるT-3も、褐色矮星の一つです。」

「だから、人類からすれば、わざわざ開拓に行く魅力が乏しい星団という訳だなあ。

 それで、通信は、だれが発信しているのか?

 その内容はなんだ」

「今、解析中で、まだわかりません。

 かなり微弱で雑音が混じった通信ですので、通信内容の解析に時間がかかっています。

 ・・・

 今、解析が終わりました。通信の音声が出ます。」

 

「緊急通信、緊急通信。

 救援を乞う、救援を乞う。

 われら、マンチュリア軍、新天地移住船団、第212船団から305船団です。

 M-19003星団内に停泊中に、正体不明の海賊船団に襲われています。

 彼らは、銀河標準語で降伏を呼び掛けてきましたが、交戦中です。

 銀河帝国軍に、救援を乞う。救援を乞う。

 ビー・・・・・。」

 

「これ以後の内容は、通信妨害により判別できません。」

「う~ん、どうやら、救難信号の発信者は、マンチュリア軍の残党かぁ。

 帝国との戦闘の前に逃げ出したヤツラが、そんなところに隠れていたのか・・・。」

「そのようですね。」

「しかし、救難信号を受信したとなれば、必ず助けに行くのは船乗りのオキテ。

 問題は、誰があそこまで行くのか…ということかぁ。

 司令官、どうされますか?」

 管制室長は、話を聞きつけてやってきた第七艦隊司令官、アイゼンハワー将軍に聞いた。

「う~ん・・・まさかワナではないだろうが・・・

 そこまで考えて、今、すぐにあそこまで航海できる準備が整っている船と言えば、

 ・・・

 ハハハ、考えてみれば、これは、簡単なことだった」

 将軍は、そうつぶやいて、微笑んだ。

 

 

5 新しい依頼

 

 弁天丸のブリッジでは、ブラウン中尉が資料の説明をしていた。

「それで・・・、帝国軍がダーク・マターの宇宙(うみ)で行った、無人機による実験航海のデータがこれです。

 データによれば、人間の健康に有害な事象は発見されていません。」

「それは良かったわね。当然と言えば当然だけど・・・。」

 ルカが言った

「しかし、超高速飛行の場合、エンジンの精密な制御が支障なく出来るかという点では、いくつかの問題も発見されています。」

「ええ!? どういうこと? 問題ないって話だったじゃないの?」

 クーリエが言った。

「弁天丸の皆さんには、『問題ない』という程度ですが・・・・。

 それで、まず、時空トンネル航法の場合ですが、トンネルにユガミが生じて、タッチダウン空域の制御にかなりの誤差が生じます。ダーク・マターの強い重力が、エンジンの重力波に干渉している可能性があります。」

「それは、要するに出口の位置が高重力源の方に引っ張られてズレる現象が起こると言うことか。ブラックホールの時みたいに・・・。」

 シュニッツアーが言った。

「原理的には、同じ現象と考えられます。

 ただし、ダーク・マターの宇宙(うみ)の方が、質量が大きく重力は強いのですが、ブラックホールのように狭い範囲の空間に急激な重力の傾斜がある訳でなく、広大な空間に緩やかな傾斜があるわけでして・・・現象はかなり違うと考えられます。」

 ブラウン中尉が言った。

「ふーん。あんまり怖がる必要はないというの?」

 クーリエが言った。

「そう思いたいです。」

「そこは、わからないわけね。」

 ルカが言った。

「はい。実際に飛んでみないと・・・・。」

「でも、無人機は遭難して行方不明になったわけではないでしょう。」

「はい。無事に戻ってきました。

 ただ、帰還予定日から大幅に遅れました。

 それで航跡を確認すると、かなりジグザグに飛んで方向を修正しながら、なんとか帰ってきたようです。」

「苦労したのね。機械は機械なりに・・・。」

「そうですね。」

 また、時空震を利用する従来型の超高速跳躍飛行でも、タッチダウン地点に、かなりのずれが生じています。」

「それは困ったわね。

 でも、そのたびに航路を修正していけば、大丈夫よね。」

 クーリエが言った。

「はあ・・・。正しく航路の修正ができれば、問題はありません。」

「その言い方だと、何か問題がありそうね。」

 ルカが言った。

「はあ・・・、実は、ダーク・マターの宇宙(うみ)の中は、時空ナビがうまく動かないようです。あれは銀河系内の航海用として開発されましたから、その外ではまだうまく動かないようです。

 ダーク・マター全域の重力分布と言うか、重力地図がまだできていませんので・・・。」

 ブラウン中尉が、すこし言いにくそうに言った。

「つまり、ダーク・マター自体は全体としてみれば銀河の星々より質量が多く、重力源としても大きい訳だよな。」

「そうです。」

「・・・ということは、ダーク・マターの宇宙の中では、銀河内の高重力源からの重力波が把握しづらく、時空ナビでは現在位置がつかみにくいと言うのか・・・。」

 シュニッツアーが言った。

「そういうことです。ダーク・マターの宇宙内で正確に動く時空ナビのソフトウエアを作るためには、ダーク・マター宙域内の正確な重力分布図が必要です。

 これを作るには、無人機のデータだけでは、まだ足りません。

 今回の弁天丸の航海で、データをもっと集めてほしいというのが、帝国軍からのお願いです。」

 

「じゃあ、弁天丸の航海の安全は、どうやって保障されるの?

 時空ナビに頼れないなら、目隠しで航海するようなものでしょう?」

 それまで黙って話を聞いていた百目が、たまらず、口を挟んだ。

 

「いや・・・そうではなくて・・・。

 ダーク・マターの宇宙の中でも、光は問題なく透過するので・・・。」

 ブラウン中尉が、百目の気迫に押されて少し額(ひたい)に汗を浮かべながら、言った。

「それじゃあ、結局、最後に頼るのは自分の目と言うわけかぁ。」

 百目が言った。

「正確に言うと、弁天丸は、昔ながらの『天測航法』で、ダーク・マターの宇宙(うみ)を飛ぶことになるのね。」

 ルカが少し辛辣な語調で言った。

「はあ・・・、そうとも言えます。

 でも、星座観測ソフトは、ダーク・マターの宇宙(うみ)を飛ぶために、改良されていますから・・・・。」

 ブランウン中尉が、苦しそうに説明した。

「今回の航海は10万光年にもなるのよ。こんな長距離を『目測』で飛べというの~」

 ルカが呆れて言った。

「やれやれ・・・」

 三代目がため息を漏らした。

 

 クルー達が、そういうため息を漏らしているところへ、茉莉香とギルバートが、ブリッジにやってきた。

「ねえ、みんな。聞いて、聞いて。 追加で、お仕事の依頼が来たわよ。」

 茉莉香が、ブリッジの船長席から話し始めた。

「帝国軍の総司令部経由の依頼なんだけど、もともとの依頼主は第七艦隊よ。」

「また、演習のお相手?

 第七艦隊からの依頼なんて、今度の航海に関係があるの?」

 クーリエが聞いた

「オオアリよ。

 予定航路を少し変更して、M-19003星団にまず寄って、遭難者を救助してほしいっていうのよ。

 そこから救難信号が発せられたそうよ。」

「そんな遠いところに、なぜ遭難者がいるのか?

 M-19003なんて、そもそも誰も言ったことが無いはずの、遠い星団だろう。」

 シュニッツアーが茉莉香船長に聞いた。

「そうね。

 でも、救難信号を発したのは、マンチュリア軍の新天地移住船団の一部だそうよ。

 彼らから、正体不明の海賊船団に襲われているって、帝国に救難要請が来たらしいわ。」

「マンチュリア軍のヤツラは、そんなところに隠れていたのか。

 でも、それは、罠じゃないか、復讐をたくらんでいるとか・・・・。」

 シュニッツアーが聞いた。

「その可能性は、全く無いとは言えません。

 でも、救難信号が出た以上、救助は船乗りの義務。

 そして、辺境宇宙の担当は、銀河帝国の第七艦隊です。

 そこで、第七艦隊から、その付近の宇宙を航海する予定の弁天丸に依頼が来たんです。」

 ギルバートが答えた。

「まあ、弁天丸Ⅱ号が行くのが一番早いし、武器も試作品とはいえ並みの帝国軍の艦隊よりスゴイものが装備されているからねえ・・・」

 クーリエが言った。

「まあ、こんな遠くの宇宙(うみ)への航海は帝国軍の艦隊でも嫌がるから、私達、海賊船に依頼が回ってくるんでしょう。

 でも、頼まれたのだから、私、このお仕事、受けます。」

「船長は相変わらず、決断が早いねえ。」

 百目が、嬉しそうに言った。

「だって、頼まれたお仕事は絶対に断らないのが弁天丸のモットー、それが一流の海賊の証(あかし)でしょう。

 それに儲けなくちゃ。」

「ナハハハ・・・」

 百目が、茉莉香のような苦笑いをした。

「さあ、宇宙海賊は、未踏宇宙の先駆け。

 弁天丸、行きましょう。」

 茉莉香が言った。

 

 準備を整えた弁天丸は、M-19003星団にむかって出発した。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。