以前、なろうさんで書いてた二次創作をこちらにほぼ書き直して移転しました。
原作を読んでいなくても話のわかるように作りたいと思っていますが、作者の技量上、うまくいかないかもしれません。
原作の雰囲気をあまり壊さず、良いものを作っていけるよう頑張ります。
女王として生まれた彼女は、その瞬間から孤独であった。
ヒークレア王国シトラス家の王であった父親は彼女が生まれる直前、大きな戦争に巻き込まれてしまい、自分の子の顔を見る前に亡くなった。元々身体の弱かった母親は、夫が亡くなった精神的疲労から体調を崩し、彼女を産んでから夫の後を追うように亡くなった。
その後、もし彼女が王位を継ぐことがなかったら、もし彼女の他に王位を継ぐ者が入れば、彼女の幼児期における人格形成はまだまともなものになっていたであろう。
だが、彼女の取り巻くあまりにも特殊すぎる環境はそれを許さないような、非常に残酷で生易しいものではなかった。
彼女の周りの人間は、一刻も早く彼女を優れた王にするために、物心つかぬうちから英才教育を施したのであった。筋力、知力、魔力……ありとあらゆる分野において、一国の王に相応しい王になるように、幼い彼女には過酷としか言いようがない特訓を強いたのであった。
彼女にこのような教育を強いた者たちも、決して微塵も悪意などはなかった。すべては彼女が先代の王、彼女の父親のような優れた王になってほしいと思う一心で、彼女に厳しく接してきたのである。むしろそれは、彼女に対する究極の愛情であり、彼女を、この国を、愛するが故の選択であった。
だが、彼女はまだ子供だった。自分に向けられた厳しさが愛情であると理解できるほど大人ではなかった。彼女は自分が厳しい教育を強いられているのは、みんなに憎まれていると誤解してしまったのだった。どれだけ勉強が、運動が、魔術の修行が嫌と訴えても、まだやれる、まだいけるとしか答えてくれず、その成果が芳しくない結果であれば、やり直せと返されてしまう。
そして、過酷な教育を受け続けてしまったことにより、遂に彼女の心は摩耗し切ってしまった。彼女は自らの部屋に閉じこもり、外界との関わりをすべて遮断してした。周りの者たちは彼女にひどいことをしてしまったと悔い、壊れた心を癒やそうと努力したが、決して彼女は誰にも心を開こうとしなかった。
彼女の周りの人々は困り果てた。このままでは彼女は部屋から出てくることなく、それと同時にこの国も衰退してしまうのではと。だが、この国にはもう。親も親戚も、友達もいない彼女の心を癒すことのできるものなどいなかった。多くのものがこのまま王家は衰退し、この国は隣国に飲み込まれてしまうだろう。
誰もがそう思い始めた時、ある一団が国へ訪れた。一団は、父親の代から同盟を結んでいたシュトゥラ王国の王子と友人、その取り巻きで、二日後に行われる祭典のためにやってきたという。
「今回はヒークレア王国建国記念祭にお招きいただき、誠にありがとうございます」
城の中の一室で、シュトゥラ王国の王子、クラウス・G・S・イングヴァルトとその護衛が頭を下げる。二人の目の前にいる中肉中背の男は、この国の大臣であるポスト・ノーデラだ。歳は四五歳、独身だ。
「い、いえいえ! こちらこそシュトゥラ王国のクラウス王子に来ていただけるとは思っておらず、身に余る幸福でございます!」
ノーデラはあわてて二人に対し頭を下げる。今目の前にいるのは自分たちの住む国よりもはるかに大きく、あの聖王家とも浅くない関係を持つシュトゥラの王子なのだ。そんな王子に、しがない大臣が頭を下げられるなど、下手をすれば二つの首が飛んでしまうだろう。
ノーデラは自らの手でお茶を用意し、二人に差し出す。部屋の中にメイドはいない。ヒークレア王国の他の国に比べて国土も狭く、国王不在における混乱で、国の財力は底を尽きかけており、メイド一人雇うのにも躊躇する厳しい状況だった。
「ほ、他に何か食べたいものなどはございますか! 言っていただければすぐにご用意いたしますので!」
「い、いえ。これで十分ですよ。エレミア、君も大丈夫だよな?」
「はい、もちろんです。むしろ、殿下の食客でしかない僕にお茶を出してくれたことだけでも十分すぎるくらいです。ありがとうございます、ノーデラ様」
そう笑顔で答えたのは、黒一色のローブを身にまとうクラウスの友人兼護衛、ヴィルフリッド・エレミアだ。エレミアの名を聞けば、多くの者は彼女が、武力において最高峰に位置する格闘一族、エレミア一族の末裔であると理解するだろう。そんな一族の末裔である彼女に、あまり気の強いほうではないノーデラが威圧的になれるわけがなかった。
クラウスは出されたお茶を一口飲み、ふぅと息をついた。その後、この建国祭の詳しい説明、この先の予定について幾分か話し合い、一息ついた後に、クラウスはずっと気になっていたことを切り出した。
「……ところでノーデラ殿。やはり、女王陛下はお会いになれない状況なのでしょうか」
クラウスがそう言うとノーデラの表情が少し暗くなる。クラウスはやはり聞くのはまずかったかと思ったが、ノーデラは重くなったその口を開く。
「……ただ今、女王陛下は人前に出れる状況ではございません。心を閉ざし、誰が話しかけても何も答えてくれません。……すべて、女王陛下に使える我々に責任がございます。なにとぞ、この場所に顔を出さないことをお許しください」
そう言ってノーデラは、深々とクラウスに頭を下げた。クラウスは目の前で頭を下げるノーデラの評価を見直していた。ヒークレア王国に入るに流れていた噂だと、ヒークレアの王女は大臣やその部下の反逆によって精神的に深い傷を負ったというものが通説であり、クラウス自身もあまり良い印象を抱いていなかった。
しかし国に入り、大臣や王の側近たちにあったのは、王に対する深い敬愛の思いのみであった。誰もが王女のことを愛し、誰もが自分たちの手で王を支えようと必死に努力している。そしてクラウスの目の前にいる男がその最たる例であり、王女を守ろうとする心意気は感服するのに値するものだとクラウスは感じていた。
「ノーデラ殿、頭を上げてください。別に私は、あなた方が陛下に与えた愛情をどうこう言うつもりはありません。それが間違っていたか、正しいものだったのか、それを判断することも私にはできないでしょう」
クラウスは思う。もし王女の両親のどちらかが生きていたら、もし王女の気持ちを理解するものがいたら、この国の混乱や財政難はなかったのではないだろうかと考えた。だが、それは所詮意味のないことで、すでに王女は心を閉ざしてしまった。
「けど陛下は結果として、心に深い傷を負ってしまった。部屋の中に閉じこもり、ほぼすべてのことを拒絶しています。王不在の現状では他国との貿易、国の経済が成り立たなくなる。私の父も、それを危惧しております」
なにもクラウスはヒークリア王国の祭りに参加するためだけに、この国に訪れたわけではない。彼の父、シュトゥラ王の頼みによりヒークリア王国の詳しい現状を探るという役割を担っていた。ヒークリアがいくら小さな国といっても、シュトゥラのれっきとした貿易相手であり、国が破綻してしまえば少なからずシュトゥラにも良くないことが起こるのは明らかなのである。
「父は、私にこの問題を解決してほしいと言われました。……正直、私もかなりおせっかいな話だと思っていますが」
クラウスは苦笑した。当り前だろう、いきなり現れて他国の問題を解決するなんて、かなり馬鹿げた話だと思う。クラウス自身も、父親からある提案をされていなかったら、こんな話を引き受けていなかったであろう。
「……あなた方には、何か知っているのですか。我が国の……女王陛下の傷を癒す術を……」
ノーデラは、縋るように涙を貯めた目でクラウスを見つめる。そんなノーデラにクラウスはこう答えた。
「……引き会わせてみたい人がいるのです」
長らくの間開かれていないであろうカーテンが、外からの日差しを部屋の中に侵入させることを拒んでいる。当然、それによって部屋の中は薄暗く、まるで夜のような冷たい空気が部屋の中を包み込んでいる。この部屋が普通であるならば、このような部屋の中に人の気配を感じることはまずないだろう。
しかし、この部屋の中には一人の人間がいた。それは一人の子供だった。幼く、まだ身体が育っていない小さな女の子だった。彼女は、部屋の隅で膝に顔を隠す形で存在していた。時々、彼女からは小さな息遣いが聞こえ、身体を震わせている。まぎれもなく一つの命があることを証明していた。
だが、そんな彼女の様子は、あまりにも儚げであった。美しかったであろう錆色の頭髪は無造作に伸び切り、彼女の整った顔を覆ってしまっていた。右は橙色、左は紫色の虹彩異色の瞳からは光が消え、じっと部屋の暗闇を見つめている。
「……寝てた」
彼女はそう独り言をつぶやいた。彼女の声を聴く人は部屋の中にはいない。
彼女は壊れていた。彼女が生まれたと同時に生涯孤独の身となり、物心つかぬうちから頼るはずの家臣たちに厳しくされて、彼女の心は膨大な量のストレスを受け止めることはできずパンクしてしまった。
だが、心が壊れ、曖昧な意識の中で彼女は、ずっとこのままでもいいのではないかと思っていた。このまま壊れたままでいれば、誰にも干渉されることもなく、怖い目に合うことはない。これ以上傷つくこともなく、もう二度と胸の中を抉るような痛みを味わうことはない。
このまま自分の部屋に引きこもっていればいい。寝てしまえばいい。そうすれば痛い思いをせずに済む。そう考えをまとめ、また寝てしまおうと瞼を閉じようとした。
「……あのー、すいません。女王陛下はいらっしゃいますかー……?」
ドアの外から、一人の女性の声が聞こえてくる。今まで聞いたことのない声で、城の中で働く者ではないだろうと彼女は推測をつける。ドアノブを回しているぶん、この部屋の中に入ることが目的なのだろう。
(来客か、何かじゃろうか)
部屋の主はその声に答えようとはしなかった。彼女がこの部屋に引きこもってから、敵的に部屋を訪れる人物は、決まった時間に食事を運びに来る配膳係だけ。その配膳係すら部屋の中に入ることはなく、部屋の前に食事を置いて去っていくのみで声をかけることはなかった。他に訪れるものといえば、彼女の治療のために国に雇われたであろうカウンセラーや精神科医だけである。
そして、彼女は部屋に訪れに来た者を部屋の中に入れることはなかった。これから先、おそらくずっとこの部屋に中に人を入れることはないだろう。それは自分を守るために仕方のないこと。そう割り切ってしまっていた。
(……帰ってもらおう)
彼女はそう思い、部屋の外にいる人物に対し、拒絶の言葉をいつものように投げかけようとした。
「……帰ってくだ」
「あ、開いてしまいました」
「……は?」
彼女は言葉を失った。失ったといっても本当に失ったわけではなく、俗にいう『絶句した』ということである。当り前だ。彼女がいくら引き籠っているからと言って、彼女は一国のお姫様であり、王女様なのだ。彼女が誰も入れるなと言ったからには家臣はそれに従い、彼女の命令を聞くことになるだろう。
だからこそ、彼女は言葉を失った。それほどまでに驚いた。今、彼女の部屋の中に、自分以外の人間が入ってきてしまったのだから。しかもその手には、彼女の部屋のドアノブが握られていた。
「あらら、今回の義手、ちょっと力加減がうまくいかなかったかな? ごめんね、ヴィヴィ様、お城に帰ったら調整しておくから」
「いえいえ~、エレミア、まだ新しいものになれてないだけですから、気にしなくても大丈夫ですよ。一週間くらいすれば、前の義手と同じくらい扱えるようになるはずです」
「……オリヴィエ、あなたは一週間もの間、君が握るドアノブをすべて破壊する気なのですか? すぐにでも、エレミアに見てもらってください。……後でノーデラ殿に謝らなければ」
そんな女性に話しかけるものが二人、部屋の外にいるのを彼女はわかった。オリヴィエと呼ばれた女性は、笑顔で外にいる二人に話しかけている。そしてオリヴィエは、腕を後で調整すると約束し、外にいる二人に話した後、オリヴィエは再び部屋の中に目を向けた。
「ええと……あっ!」
「……あ」
彼女とオリヴィエの目が合った。オリヴィエの紅と翠の鮮やかな瞳と彼女の橙と紫の光無き瞳に、お互いの顔がその瞳に映る。可愛らしいドレスを着て身を整えているオリヴィエ、長らく部屋に閉じこもっていたせいか薄汚れている彼女。対照的な二人、まるで鏡写しのような二人は、しばらくの間じっと見つめあった。
だが、それも長くは続かない。彼女は、気付いてしまった。自分の部屋に、人が入ってきたことを。自分を傷つけてしまうかもしれない人がこの部屋のいることを。
「……ひっ!」
彼女の身体から汗が噴き出す。心臓の動機は早まり、焦点が定まらない。身体はガタガタと震え始め、寒気が止まらない。彼女の中の嫌な記憶が蘇る。自分の身の周りの人が自分を痛めつけようとする悪夢、自分を期待する過度な期待の目、それに答えられない自分の愚かさ、心の底から湧きあがってきた。
「え、ええと、あなたがシトラス様でよろしいでしょうか? それとも名前で呼んだほうが」
「……出て行って、ください」
「え?」
「……出て行って、言ってるんです!」
部屋の中に彼女の悲痛な声が響く。彼女はオリヴィエに、今自分が出せる最大限の憎しみの視線を向けて威嚇する。
「あなたは、いったいなんなんですか! 人の部屋に勝手に入り込んできて……もう、これ以上、童に、近づかないで!」
彼女は告げる。これ以上近寄るなと。もうこれ以上、自分の心を傷つけないでと。
彼女がそう叫んだ後、部屋の中を静寂が支配する。言葉は失われ、聞こえてくるのは外にいる鳥の鳴き声と、風の吹く音のみ。しばらくし、静寂が支配した後、最初に動いたのは、オリヴィエだった。
「……いやです」
「……え」
「そんなの、いやです!」
オリヴィエはきっぱりと、堂々と、目の前に座る彼女に向かって宣言した。そして、オリヴィエは一気に彼女に近付き、二人の距離を詰めようとする。
「こ、来ないで……来ないでぇ!」
彼女は、オリヴィエを近付けさせないため、自分の近くにあったものを投げつける。しかし、オリヴィエは華麗な身のこなしで物を避け、叩き落としながら、彼女の傍へ近付いていく。そして、あっという間に二人の距離は縮まり、彼女の手元には投げるものがなくなってしまう。それを好機と見たのか、オリヴィエはさらにスピードを速め、彼女に近付いた。
「くそっ! くそっ! くそぉっ!!!」
しかし、彼女の手元には投げるものはなくとも、武器ならあった。彼女の家に伝わる番いの短剣。彼女の母がお守り代わりに与えたというその短剣を、彼女は大事に持っていた。彼女は二本の短剣を近付いてくるオリヴィエに不意打ちのような形で思いっきり振り回した。
「っ! オリヴィエ!」
喧騒を聞いて、部屋の中に入ってきたクラウスが叫ぶ。このままではオリヴィエが怪我をしてしまう。エレミアとクラウスが二人の間に割って入ろうとする。
「……大丈夫ですよ」
それは、後ろにいるクラウスとエレミアに向けた声なのか、目の前にいる彼女に向けた言葉なのかは、もしくは三人に対して向けた言葉のかわからない。ただその一つ言えることとして、その言葉はすべてを諭すような優しい声をしていた。
オリヴィエは、向けられた殺意の塊を、自分の腕で受け止めた。
「……え?」
彼女は呆然とする。まず一つに、一本の短刀の不意打ち同然のような攻撃を完璧に止められたこと。二つに、オリヴィエが彼女を優しく抱きしめていたこと。そしてもう一つに、もう一本の短刀が、彼女の肩に深々と刺さっていたことだ。
「……え、えへへ。やっぱり、本物の刃は、木刀とは、比べものになりませんね。とっても、痛いです」
オリヴィエは苦笑いを浮かべながら、彼女の耳元でささやく。必死に肩の痛みを堪え、優しく彼女に語りかけるその姿は、とても少女のもつ精神力とは思えない強さを感じさせる。
「……なん、で」
「うん? どうかしましたか?」
彼女は肩から血を流す彼女を見ながら、顔を真っ青にしていた。自分が目の前の人に剣を刺したというショックから、そしてもう一つは。
「……避けれ、たのに。……なんで」
彼女は、オリヴィエに剣を突き刺す気などなかったのだ。ただオリヴィエを自分の前に来させないため、それだけのはずだった。
だが、目の前に広がるのは自分が他人に剣を突き刺して、相手に怪我をさせたという一つの現実のみ。その事実に、彼女はひたすら混乱していた。
「これくらいの傷ならすぐに治りますよ。私の腕は見ての通り義手ですが、身体のほうは他の人よりずっと丈夫なのですから。……それに、ですね、どんな怪我でも、いつかは治るんです」
「……えっ?」
そんな彼女を察したのか、オリヴィエは彼女に語りかける。いったんお互いの身体を離し、オリヴィエは肩に刺さっている剣を引き抜いた。
「もちろん、怪我の度合いによっては、一生、何らかの障害、重荷を背負いながら、生きていくかもしれません。私の腕のように、誰かを温かい手で抱きしめることはできないのかもしれません」
オリヴィエは、自身に着く義手を見ながらそう語る。
「……ですが、自身に纏いつくその重荷を、重圧を、いっしょに背負ってくれる人は、この世界にたくさんいるんです。……抱き締めることができなくても、抱きしめてくれる人は、この世界にたくさんいるんです」
オリヴィエは、彼女の手を握る。一瞬、彼女は自分の手が先ほどのドアノブのように壊されてしまうのではないかと思ったが、そんなことはなかった。オリヴィエは、優しく、まるで鳥の雛を包みこむように彼女の手に触れていた。
「心の傷も、一緒なのですよ。適切な治療をすれば、小さい傷ならすぐに元通り、大きな傷でも、周りの人々が傷の手当てを手伝ってくれます」
「……でも、童の傍には、誰もいない、のじゃ。優しい人も、何も……」
彼女は、消えそうな声で呟く。彼女は信じ込んでいた。自分の周りに、もう優しい人なんていない。もう、自分を支えてくれるような人はいない。もう、自分の傷はいえることはない、そう思い込んでいた。
彼女の瞳から涙がこぼれる。ボトボトと、オリヴィエのドレスへと。その涙は、これから先、自分はもう孤独であるしかないという絶望の涙か、自分が目の前の女性を傷つけてしまったことからきた後悔の涙か、知る者は誰もいない。
「……そんなことないですよ」
オリヴィエは、彼女の頬をつたう涙を自分の腕で拭う。オリヴィエの義手は、本来の腕の温かさを持ちはしていない。
だが、彼女は確かに感じていた。オリヴィエの心にある確かな暖かみが、自分の心に流れてくる。心の温もりが、自分の冷え切った感情を溶かしていくのを、確かに感じていた。オリヴィエは、彼女の手を取って、こう告げた。
「私と、お友達になってくれませんか?」
彼女の運命は回り始めた。
2015年4月『魔法少女リリカルなのはvivid』放送スタート!(宣伝)
―修正報告所―
2015/4/07:修正しました。JAM様、ご指摘ありがとうございました!