インフィニットストラトス バトル短編集   作:sinononns

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はい、とりあえず第一弾というわけです。
セシリアだからと言ってクラス代表決定戦というわけではありませんので、間違えないように注意してくださいね。
どちらかというと、ゼクスがセシリアにいきなり模擬戦を申し込んだと考えたほうがいいかな。一夏とは戦った後ですよ。これらの注意点の他にも突っ込みどころが多いかもしれませんが、そこは無視してください。あるいは感想で言ってくれると修正するかも。

それでは、本編をどうぞ。


トールギスVSブルーティアーズ

アリーナに二つのISが対峙していた。青い装甲に、自らの身の丈ほどもあるライフルを持つブルーティアーズと、全身を白い装甲に覆われ、背部には大型のスラスターが二基取り付けられている重装甲の機体、トールギス。

ブルーティアーズのパイロットであるセシリア・オルコットが語りかける。

 

「よろしいので?代表候補生である私に、初心者のあなたが試合を挑むなど。いくら専用機とはいえ、たかだか第二世代ごときが第三世代のブルーティアーズに勝てるわけなどないでしょう。今謝るなら、少しは手加減してもいいですよ?」

 

それに反論するのは一人の男の声だった。その者の名をゼクス・マーキスという。

 

「私が貴様に戦いを挑んだのは戦士だからだ。戦士としての血が騒ぐのだよ。目の前のいる相手は強い奴だ、とな。

そんな貴様と私は正々堂々と戦い、自らの欲求を満たしたいのだ。さあ、遠慮はいらんぞ、貴様のすべての力を、私に見せてくれ!」

 

ゼクスの顔はまさに戦士の顔だった。それに加え戦いを楽しみながらも騎士道精神を忘れない誠実な心も持っていた。セシリアはその鋭く尖った顔に、こいつは只者ではないと直感した。彼もまた織斑一夏と同じ、熱い思いを持った男だと。

 

「…………分かりましたわ。手加減いたしませんわよ」

 

ゼクスはその言葉に返さず、ビームサーベルを抜き放ち、殺気を放つ。セシリアも手持ちのスナイパーライフル『スターライトmk-Ⅱ』をゼクスに向ける。

 

カウントダウンが始まる。ゼクスはトールギス背部の大型スラスターにエネルギーを送りスタートダッシュに備え、対するセシリアもスターライトmk-Ⅱに大量のエネルギーを送る。アリーナ全体に重い緊張感が満ちる。

 

試合開始のブザーが鳴る。

 

ドールギスのスラスターに火が灯り爆発的な加速を数回にわたり生み出す。

 

リボルバー・イグニッション・ブースト

 

世界でも使える者は数人しかいないと呼ばれる高度な技術を難なく使い、恐るべき速度でセシリアに迫る。対するセシリアは砲身に蓄えた膨大なエネルギーを解き放ち、レーザーを照射する。

ゼクスは自らに向かってくるレーザーを正確に捉えていた。回避は不可能と一瞬で判断し、腕部に持っている円形の盾で受け止める。

 

「くっ!」

 

着弾の衝撃の強さに機体速度が一気に減速し、腕に痛みが奔る。だがそれでもゼクスはスラスターを止めない。全力で加速しようと推力をあげる。シールドが溶解を始めるが程なくしてレーザーの奔流が止まる。受け切られるとは思っていなかったセシリアは思わず動きを止めてしまう。これを好機と見たゼクスは焼けただれたシールドを拡張領域に格納し、イグニッション・ブーストを使いセシリアに急接近し、ビームサーベルを振り上げる。いつものセシリアなら、この攻撃を避けることができなかっただろう。だが今のセシリアは極限の精神状況と集中力で、自らの限界を超えた。自らに向かってくるビームの刃を身をひねりながら躱し、それと同時にBT兵器のブルーティアーズ(以下ビット)を一機射出し、トールギスに照準を合わせる。

ゼクスは持ち前の反射神経でビットを視認し、放たれたレーザーをすれすれで避ける。このままではゼロ距離で蜂の巣にされると判断したゼクスは上空に離脱する。

 

「これを避けられるか?セシリアオルコット‼︎」

 

そういったゼクスの手に展開せれているのは最大チャージされたドーバーガン。地上で自分を見上げているセシリアにその銃口を向けてトリガーを引く。ドーバーガンから高出力のビームが放たれ、セシリアに迫る。

 

「そんなものは当たりませんわ‼︎」

 

セシリアは射線から身を引くと同時に上昇。ビームが地面に当たり起こった爆発の爆風を利用し、一気にゼクスと高度を合わせる。ビットを全機展開し、スターライトmk-Ⅱも含めた五つの銃口をゼクスに向け、絶え間ないレーザーの弾幕を張る。

 

「その程度、どうということはない」

 

ゼクスは機体を右へ左へと動かしながらセシリアに接近していく。だかセシリアもそれに合わせて機体を後方へ下がらせるため容易には近づけない。

しばらくはセシリアが弾幕を張り、ゼクスが避ける戦いが続いた。ゼクスがシールドを展開しても二発程当たってしまえばすぐに限界がきてしまうため、展開しても意味はない。

 

「このままではジリ貧か。ならば‼︎」

 

そういったゼクスの機体が、突如セシリアの視界から消えた。

 

「なっ‼︎一体どこへ……」

 

その瞬間下から飛んできたビームがスターライトmk-Ⅱを貫き、爆散させる。その後も立て続け飛んできたビームが正確にビットを貫き4機全てを撃墜する。

セシリアが慌てて下を見ると、高速で接近してくるトールギスが目に入った。

ゼクスは下に向けてイグニッション・ブーストを使い急降下、セシリアの視界から逃れた後無理やり上空へ通常加速を行った。その際に掛かるGは普通の人間が耐えられるものではないが、ゼクスはそれを根性で成し遂げた。

セシリアがビットに命令を送る前にビームサーベルの範囲にセシリアを捉え、ビームサーベルを振り上げる。ここで勝負が決まったかと思えたが、ここでもセシリアは自らの殻を破った。いつもは名前は呼ばなければ展開できなかった近接用ナイフ、インターセプターを一瞬で呼び出し、ビームサーベルを受け止めた。

そこからは高度な近接戦闘となった。ゼクスもセシリアも、己の獲物で相手を切ることのみを考え、切りつけ、受け止める。

 

「うおおおおおおおおお‼︎」

 

「はあああああああああ‼︎」

 

雄叫びを上げ、恥も外聞も捨てて、斬り合う二人。そのやりとりは、永遠に続くかのように思えた。だが、ここでセシリアに限界がきた。もとより苦手な接近戦をナイフ一本で戦っていたのだ。それはむしろ当然とも言えた。

ゼクスのビームサーベルをセシリアがギリギリで受け止める。だが、その体制は不安定で、一気に地面すれすれまで押されてしまう。ギリギリで耐えてはいるが、スラスタの推力はブルーティアーズよりトールギスの方が上であり、このままでは地面に叩きつけられてしまう。

 

「くっ。ならば‼︎」

 

セシリアは決死の覚悟でBT兵器最後の2つをゼクスに向ける。そこからは放たれるのは今までのレーザーではなく弾頭型、つまりはミサイルである。

 

ゼクスが何か言う間もなくミサイルは爆発し、爆煙が二人をつつみ込む。2人がいた場所には煙が立ち込め、何も見えなかった。どちらも撃墜されてしまったかと思えたが、煙の中からボロボロのブルーティアーズが出てきて、着地する。

 

「はぁ、はあ、はぁ。なんとか持ち堪えましたわね。あの殿方は直撃しましたし、もう動けはしないでしょう。」

 

「それはどうかな?」

 

その声とともに煙が切り裂かれる。中から現れたのは装甲をボロボロにしながらも未だ空中に浮かびながらビームサーベルを振り切った体制のトールギスの姿があった。

 

「そんな………一体どうやって………」

 

姿勢を戻しながらゼクスは自らが無事な理由を述べる。

 

「簡単なことだ 。ミサイルが着弾する直前にシールドを展開し直撃を防いだ。それでも無傷とはいかなかったが、貴様よりダメージは少ない」

 

ゼクスは簡単そうに言っているが、実際にミサイルが放たれ、着弾するまでの時間は一秒もなかった。その一瞬でシールドを展開し、ミサイルを防ぐなど、到底人間業ではない。それをゼクスはやはり気合と執念だけで成し遂げてしまった。

 

「とどめだ、セシリアオルコット‼︎」

 

そう言ったゼクスが機体をセシリアに向けて加速させる。

対するセシリアは辛うじて浮かべるくらいの機動力しか残っておらず、武器もインターセプターしか残っていなかった。ゼクスは自らの勝利を確信し、機体をさらに加速させる。

だがそこで、誰もが予想できなかった事態が起きた。

突如、トールギスの背部の大型スラスター二基共が火を噴き、推力がなくなってしまう。そのせいでトールギスは一気に高度を落とし、地面に墜落。仰向けに倒れてしまう。その衝撃で内部回路に異常が出たのか機体が動かなくなり、ビームサーベルも、出力できなくなった。

無理な加速と急停止にミサイルの衝撃が合わさり、トールギスは限界だった。むしろ、よくここまで動いたもんだとというレベルのめちゃくちゃな動きをしていた。

 

「……………ここまでか」

 

セシリアはゆっくりとトールギスの元に歩いていく。やがてトールギスの元にたどり着くと、インターセプターをゼクスの首元に突きつける。

 

「わたくしの勝ちですわ。ゼクスさん」

 

「あぁ。見事な勝利だ、セシリアオルコット」

 

試合終了のブザーが鳴り響く。

セシリアはブルーティアーズを解除し、無理をしたせいか、トールギスを解除しても動けないゼクスに手を差し伸べ、立ち上がらせる。

その光景を見たギャラリーたちはしばらく呆然としていたが、やがて一人、また一人と拍手を送り、しばらくした後にはアリーナにいる全員が惜しみない拍手と声援を送っていた。

 

そのアリーナの中央でゼクスとセシリアは互いに握手し、言葉にせずとも感じ取っていた。

 

目の前の相手が、自らの最大のライバルになるだろうと。

 

END

 

 

 




はい、いかがでしたでしょうか?
気付いた人はいらっしゃいますかね。実はこの作品、あるガンダムゲームのOPを元に作った戦いなんですよ。分かった人はすごいガンダム好きですね。答えは言いません。分かった人は感想に書いてみてください。もしかするとあっているかもしれませんよ?
次回の更新は全く決まっていません。こちらは手が空いた時に書いていく予定ですので、完全不定期更新です。

感想もらうと、もれなく私が発狂します。意見、感想、批判、リクエストなども待っています。
それではまた次回。
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