インフィニットストラトス バトル短編集 作:sinononns
投稿が遅くなってすみません。完全に忘れてました。
今回はタイトル通り。サイクロプス隊の話です。
またしても、とあるゲームのムービーが元になっています。
今回はIS要素が少ないかな。
「各機、聞こえるか?」
「おうよ」
「良好です」
「だ、大丈夫です。聞こえてます。」
「落ち着けバーニィ。初の実戦とは言え肩に力が入りすぎだ。それでは、いざという時動けなくなるぞ」
「はい。すみません」
亡国機業の秘密施設付近の岩の陰に4機のISがいた。その全てが篠ノ之束が作り上げた無人機である。
隊長機であり、水陸両用ISの「ズゴックE」
パーソナルネームはシュタイナー
同じく、水陸両用の「ハイゴッグ」
パーソナルネームはガルシア
強襲用ISの「ケンプファー」
パーソナルネームはミーシャ
量産機の改修型「ザクⅡFZ改」
パーソナルネームはバーニィ
この4機のISで編成された束の実働部隊「サイクロプス隊」は束から、一つの任務を請けて行動している。
「では改めて任務を確認するぞ」
そういったシュタイナーはメンバー全員に作戦エリアのデータを送る。そこは周りが山に囲まれ、一般人はまず到達できない場所にある中規模の軍事施設のような場所だった。
「これが今回の目標だ。目的は施設内部の爆破とデータ抹消、及び開発建造中の新型ISの破壊だ。実際の作業はクロエが潜入して、内部から行う。我々の目的はクロエの侵入と脱出の援護。つまりは囮だ。東、西、北の三方向から進軍する。東はミーシャ、西はガリエル、北は俺とバーニィだ。何か質問はあるか?」
「あの、敵は抵抗してくるのでしょうか。生身の人間では我々ISには太刀打ちできないのでは」
「生身ならな。だが残念なことに、基地内部に数十機のEOSが確認された。EOSなら物量があればISを倒せる。他に質問は」
「「「……………」」」
「無いようだな。では各機持ち場につけ。30分後に作戦開始だ」
「「「了解(です)‼︎」」」
30分後
「バーニィ、やれ」
合図と共に、バーニィは両手に二つずつ持ったシュツルムファウストを一斉に発射し、基地施設を爆撃する。その爆音を合図に4機のISが動き始める。
ミーシャside
東から前傾姿勢で進軍しているミーシャはすでに基地を射程に捉えていた。
「さーて、狩りを始めるぜ」
そう言うや否や、いきなりシュツルムファウストを発射し、迎撃に出ていた二機の砲撃型EOS「量産型ガンキャノン」のうち一気を粉々に砕く。
こちらを見つけたもう一機の量産型ガンキャノンが両肩のキャノン砲をミーシャに向けて発砲する。
だが遠距離からの砲撃など、ハイパーセンサーを持つISにとっては脅威ではない。難なくすり抜け、ショットガンの銃口を向け、立て続けに3発発砲する。
一発目は左の肩を。二発目は頭部を擦り、最後の三発目は右のキャノンを吹き飛ばす。動かなくなった量産型ガンキャノンの脇をすり抜けると同時にショットガンをもう一射。量産型ガンキャノンの真ん中に大穴を開け、トドメを刺す。ケンプファーが着地すると同時に、その背後で起こる大爆発。
ミーシャは次の獲物を探しに基地内に入っていく。
ミーシャside out
ガルシアside
発見されないよう、外付けのブースターを使い、西側の上空から進軍するガリエル。突然の奇襲に戸惑っている三機の量産型EOS「ジムコマンド」のうちの、真ん中の一機に上空から飛びかかり、アイアンクローで頭部を吹き飛ばし、そのまま蹴飛ばし着地する。
突然の出来事に思考が追いつかないのか、硬直する左右のジムコマンド。やっと思考が追いつき、慌てて手に持っているマシンガンの銃口を向けようとするが、すでに遅かった。
ハイゴッグが両腕を広げ、掌をジムコマンドな頭に向ける。掌に内蔵されているビーム砲を撃ち、両方の機体の頭を吹き飛ばす。
両腕を下げたガルシアは心の中で呟く。
「(バーニィの奴、大丈夫か?)」
北へ向ける目線。そのアイレンズには、見えないはずの優しさがこもっているような気がした。
ガリエルside out
バーニィside
ヒートホークとビームサーベルがぶつかり合う。ジムコマンドを無理やり押しのけ、ビルに埋め込む。瓦礫に挟まれ動けなくなったジムコマンドにヒートホークを振りかぶるバーニィ。
だがその背後には、同じくビームサーベルを振りかぶるもう一機のジムコマンドの姿が………。
「バーニィ‼︎後ろだ‼︎」
後ろのジムコマンドの横顔にズゴックEのアイアンクローがめり込み、そのまま吹き飛ばす。
「す、すみません隊長。油断しました」
「気をつけろよ。初陣で戦死など笑い話にもならん。だがまずいな。予測より敵の動きが早い。このままでは持たんぞ」
シュタイナーの言った通り、多数の熱源がこちらを包囲するように点在している。このままでは退路を断たれ、袋叩きにされてしまう。
「クロエは、クロエはまだか。このままでは………「申し訳ありません」っ!きたか」
隊員全員にクロエから通信が入る。それはシュタイナーが待ち望んだものではあったが、作戦成功を意味するものではなかった。
「基地に爆弾を仕掛けることには成功し、データの処理も終わりましたが、新型ISの破壊には失敗してしまいました。基地の爆破だけでは、新型ISを破壊することはできず、何か手を打たなければいけません」
シュタイナーは即断即決だった。
「ならこちらで破壊するしかあるまい。幸い、ミーシャのチェーンマインがある。撃破する事は可能だろう。ミーシャ、行けるな?」
「もちろんですよ。どんなISだろうが、こいつを使えばイチコロだぜっと、噂をすればなんとやらですぜ。新型機のお出ましだ」
「待てミーシャ合流してからーーー」
シュタイナーが慌てて呼びかけるが、すでに通信は切れていた。
side out
ミーシャside in
ミーシャの目の前には頭部以外を灰色の装甲で覆われたIS「アレックス」がゆっくりと起き上がっていた。
アレックスは背中からビームサーベルを抜き放つと、ミーシャに向かって走り出す。
「一撃でバラバラにしてやるぜ」
ミーシャは即座にチェーンマインを展開し、接近してきたアレックスに巻きつかせる。アレックスはチェーンマインを外そうと抵抗するが、うさぎマークの特殊磁石には勝てなかった。
炸裂するチェーンマイン。アレックスの体に張り付いた十数個の爆弾が一斉に爆発する。爆発でシールドエネルギーを削り、衝撃で搭乗者の意識を刈り取るという、一撃必殺の兵器。それが直撃した。普通ならばすでに、パイロットは気絶し、エネルギーは空のはずだ。だがーーー
「ば、バカな………。立っていやがる」
アレックスはまだ動いていた。灰色の装甲をパージし、その下から少し焦げた白い装甲を覗かせながら。
チョバムアーマー
アレックス用に開発された、外付け型の増加装甲だ。貫通切断、打撃、などに加え、炎熱や電撃などにも体制を誇る強固な装甲。その重さゆえに機動性を大きく損ねるが、その防御力は第二世代最強と言われたグレースケールすら、ほとんど無傷で防ぎきるほどだ。この強固な装甲は、チェーンマインすらも防ぎきって見せた。だが、それが限界だったのか、チョバムアーマーはアレックスから離れ、地面に落ちていった。
その下から少し煤けた白い装甲が顔を出す。
「お、おのれぇぇ‼︎」
予想外の事態に混乱したミーシャはビームサーベルを抜き放ち、正面から向かっていく。それに対しアレックスは、右腕を向け、腕からせり出したガトリングの銃口を合わせて斉射する。放たれた弾丸は、ケンプファーの装甲に風穴を開け、破壊していく。数十秒後、銃声がやんだ頃には、全身ボロボロにされ、原型をとどめていないケンプファーがあった。
ミーシャside out
ガルシアside in
「チクショウ。数か多すぎるぞ‼︎」
ミーシャが撃墜された頃、ガルシアもまた、窮地に立たされていた。ガルシアを取り囲むように展開する数10機のEOS。ハイゴッグのエネルギーは既に切れかけ、武装も腕部のクローしか残っていなかった。
「せめて、一機だけでもぉぉぉぉ‼︎」
周囲を取り囲むジムコマンドの持つマシンガンの銃口が火を吹いた。
「たい……ちょう。あと……たのみ………ますよ………」
それが、ガルシアの最後の言葉だった。
ガルシアはその身を自爆させ、周囲を取り囲んでいたEOSを全て吹き飛ばした。
ガルシアside out
シュタイナーside in
「ミーシャ、ガルシア‼︎応答しろ‼︎おい‼︎今の爆発はなんだ‼︎」
ミーシャとガルシアの反応が消えたのは、シュタイナーとバーニィも確認していた。その意味が分からない2人ではなかったが、ただ信じたくない一心で呼びかける。だが、通信機の向こうから聞こえてくるのは、無機質なノイズ音だけだった。
「嘘だ、ミーシャにガルシアまで、やられた?」
自失呆然とするバーニィ。だがここは戦場。一瞬の油断が命取りになる。
バーニィに向けられる銃口。それに気づかないバーニィ。いち早く気づいたシュタイナーは銃口とバーニィの間に割り込む。
「バーニィ‼︎」
響き渡る銃声。その一撃は不幸にも、シュタイナーのコアを貫いた。
「隊長⁉︎クッソォォ‼︎」
バーニィは慌てて脱出用の煙幕を使い、シュタイナーを連れて物陰に隠れる。
「隊長‼︎しっかりしてください隊長‼︎」
「バー、ニィ。いいか………よく聞け。アレックスを……撃て。基地の爆破だけでは……あいつは倒せん。頼むぞ、バーニィ。ミーシャの無念を…ぐッ……は、払ってやれ」
そのまま、シュタイナーは何も喋らず、機能を停止した。
「ーーーーーーッ‼︎分かりました。俺が、あいつを撃ちます。撃ってみせます。だから、安らかにお休みください」
バーニィはシュタイナーをそっと地面に横たわらせ、アレックスの反応の元へむかう。バーニィの目には、決意の炎が強く燃え上がっていた。
side out
道中の敵を全て撃破し、アレックスの元に辿り着いたバーニィ。だが、その手に残った武装はヒートホークと一発のグレネードだけだった。その他の武装は全て弾が切れたりなどしている。
アレックスもビームサーベルを抜いて構える。
そして、互いに飛びかかる。
ぶつかり合うヒートホークとビームサーベル。火花を散らしてぶつかり合う互いの刃。だが、改良型とはいえ所詮は量産型。最新鋭のアレックスの出力に勝つ術はなかった。
パワーに押し負け、そのまま左腕を切り落とされる。
「クッソォォォ‼︎」
だが、バーニィもただでやられたわけではなかった。咄嗟にグレネードを爆破し、アレックスの左腕を吹き飛ばす。
互いに同じ部位を破壊され、無理矢理距離を取らされる二機。体勢を立て直し、また同時に走り出す。
「うわぁぁぁぁぁ‼︎」
「くぅっ‼︎」
バーニィのヒートホークは、アレックスの頭部からそのまま左脇部まで切り落とし、アレックスのビームサーベルは、ザクⅡFZ改の腹部に突き刺さり、コアを破壊した。
直後、ザクⅡFZ改が爆発し、アレックスは吹き飛ばされる。アレックスもまた、機体が大破し、パイロットもすでに絶命していた。
ここに、誰も知らない戦いが幕を閉じた。
END
「あーあ。まぁ捨て駒にしてはよくやってくれたかな。クーちゃんは怪我はない?」
「………はい。問題ありません」
「ならよし‼︎ミッションコンプリート‼︎」
どこかにあるラボで、クロエの報告を聞いた束は何も感じてない顔で、そう締めくくった。
そんな束を、クロエが寂しそうな顔で見つめていることは、本人以外誰も知らなかった。
いかがでしたでしょうか?
ここで補足が幾つか。
1.アレックスのパイロットは精神操作された強化人間
2.IS以外の主戦力はEOSとなっている
3.ザクⅡが第二世代量産機として完成している
4.束と亡国機業は敵対している
以上のことをふまえてくださいね?sinononnsとの約束ですよ?
それでは、また次回。