Zestiria×Wizard 〜瞳にうつる希望〜 作:フジ
バトライド・ウォー創生のpvで早く動かせるようになったドラゴンスタイルが見たい今日この頃です
今回のサブタイトルは響鬼ネタ
では、最新話をどうぞ
「ん……私は……どうなったんだ?」
目を覚ました少女、アリーシャ・ディフダは、突然の展開に困惑していた。
「サインド様を救う事に成功して……その後は……?」
自身の記憶を辿り、憑魔ドラゴニュートとなった天族、サインドを救う為に晴人やザビーダと力を合わせて浄化に成功した後、記憶が途切れた所にまで行き着いた彼女は、状況を確認しようと地面に倒れていた身体を起こした。
「ここ……は!?」
あたりを見回した彼女は混乱した。それは、自身がいる場所を理解したからだ。
意識を失ったティンダジェル遺跡でもなければ最後に訪れた町であるラストンベルでもない。
彼女がいるその場所は……
「レディレイク!?」
自身の故郷である湖上の街だった。
「な、何故私がレディレイクに……私はさっきまで確かに……」
戦争を止める為にローランス領を訪れていた筈の自分が何故、出発地点であるレディレイクへと逆戻りしているのか。理解が追いつかないアリーシャは辺りを見回す。
「ここは、レディレイクの大通りか……ハルトもザビーダ様もいない。一体どうなって……ん?」
そこでアリーシャはある事に気が付いた。
「おかしい……こんな大通りで倒れていて、何故誰も気に留めないんだ?」
自惚れるつもりはないが、王族の1人として知られている自分が人の往来する大通りで倒れていて誰1人気に留めないというのは流石におかしい。
現に周りを見ても人々はアリーシャが存在しないかの様に気にも止めず通り過ぎていく。
「私の事を認識していないのか?」
そう考えながらも、更に辺りを観察しアリーシャはある事に気づく。
「大勢の民が集まっている。何かの祭典でもあるのか?」
大通りの両端には街の門から貴族街までの道に延々と民の列が成されている。まるで何かを待ち望んでいるかのように……
そして……
ギィ……!
重々しい門の開く音が響く。
「え……あれは!?」
開かれた門へと視線を移したアリーシャは驚きに目を見開く。
『ハイランド軍の帰還だぁ!!』
『見ろ! 蒼き
『ローランスを退けた英雄!』
『蒼き戦乙女!』
『蒼き戦乙女!』
『蒼き戦乙女!』
開かれた門から現れたのはアリーシャもよく知るハイランドの騎士団達だ。そして、馬に跨り、その先頭を行く女性。
ハイランドの民は口々に彼女の帰還を讃える様に、彼女の持つ2つ名を叫ぶ。
「マルトラン師匠? 待て……この光景……私は何処かで……」
レディレイクへ凱旋する騎士団。それを見るアリーシャはその光景が自身の記憶にある光景と重なる。
「これは……10年前の……」
忘れもしない。尊敬する師がローランスとの大規模な戦いに出陣し、見事に武勲を立てて帰還した日の光景だ。
「……ん?」
凱旋するマルトランを見つめるアリーシャ。その時、彼女は気づいた。師の視線が民ではない一点に向かった事に。その視線を追った彼女の瞳の先に……
「10年前の……私?」
白と黒を基調とした服を纏う、幼き日の自分自身がいた。
幼き日のアリーシャは、マルトランを見つめ満面の笑みを浮かべている。
その表情には、喜び、安堵、憧れ。様々な感情が込められていた。
「……そうだ。私はこの日、師匠の姿を見て、騎士の道を志したんだ」
国の為にその身を捧げる在り方。1人の少女がその道を歩む事を決意した光景をアリーシャは静かに見つめている。
「この光景は、私の記憶なのか?」
だが、突如その光景が切り替わった。
「な、なんだ……!? いや、ここは……」
アリーシャの立つ場所は突如、レディレイクの大通りから遺跡の内部へと切り替わる。
だが、その光景もまた彼女の記憶にあるものだ。
アリーシャの視線の先には倒れている自分とそれに手を差し伸べる青年の姿がある。
「今度はスレイと出会った時の光景か……思えば、これが始まりだったな。そして……」
災厄の時代を終わらせる為に、導師の手掛かりを追い求めて訪れたマビノギオ山岳遺跡での出会い。それが、彼女の物語のスタート地点だった。
そして光景が更に切り替わる。
レディレイクのラウドテブル王宮の一室。
そこにいるのはやはり過去の自分。そして……
『約束する。俺がお前の……最後の希望だ』
彼女にとっての恩人、操真晴人だ。
「一度は無力さに足を止めてしまった私の背を今度はハルトが押してくれた」
打ちひしがれ夢を諦めそうになった時。支えてくれた晴人の言葉で彼女は再び歩み出す事ができた。
「……しかし、こうやって改めて見てみると、少しばかり恥ずかしいな……」
第三者の視点で嘗ての自分を見てアリーシャは何とも言えない気恥ずかしさを覚えた。
気障ったらしい言葉なのに、優しさを込め真剣に言い切る晴人と、その言葉を受け潤む瞳で彼と見つめ合う自分。
そんな光景を見ていると、アリーシャはモヤモヤとした喉に何かが引っかかっているような感覚に襲われる。
「わ、私はあの時、あんな表情をしていたのか……な、なんだろうか、酷く落ち着かない気分になる」
気恥ずかしいという感情が胸の内からせり上がり、思わずアリーシャは視線を逸らす。
そんな彼女の気持ちを汲んだかの様に光景が再び切り替わった。その事にアリーシャは少し安堵の息を零しつつ、辺りを見回した。
「む、まだ切り替わるのか、次は何時の記憶だ?」
状況は掴めないが、自分は今、自身の大切な記憶を見ている。アリーシャは、これまでの流れから、この状況にそう結論付けていた。
だが……
「ここは……どこだ」
今度の景色は、アリーシャの記憶には全く存在しないものだった。
「……海辺?」
青空が広がり、地平線まで見渡せる、海辺の岩場。アリーシャは、そこに立っていた。
「どうなっているんだ? こんな場所、私の記憶には……」
先ほどまでとは異なり、完全に自身の記憶には存在しない光景にアリーシャは戸惑う。
「私の記憶を見ているというのは間違いだったのだろうか?」
アリーシャは周囲を散策しながら言葉を零す。しかし、散策を続ける先で彼女の瞳にある光景が飛び込んできた。
「……なんだ? こんな何もない海辺に人が……」
明らかに人が寄り付く様には見えない海辺に大勢の人々がいたのだ。
「彼らはこんな場所で何を?」
違和感を覚えたアリーシャは人々に歩み寄っていく。そして、海辺に集まる人々を見て彼女はある事に気が付いた。
「……妙だ。ここにいる人々も戸惑っている」
海辺に集まった人々もまた、アリーシャと同様、事態が飲み込めていないのか、混乱し辺りを見回していたのだ。
そんな中、アリーシャは人々の中に見知った顔を見つける。
「あれは……ハルト!!」
見間違える筈もない、彼女の恩人、操真晴人だ。その姿に安堵しつつアリーシャは晴人に駆け寄る。
しかし……
「私を認識していない……という事は、このハルトはこの光景の一部ということか……」
他の人々と同様、アリーシャの目の前にいる晴人はアリーシャに反応しない。
「私が知らない光景……本当にここは何なのだろう?」
事態が飲み込めず、困惑するアリーシャ。だが、次の瞬間、辺りに変化が生じた。
「ッ! なんだ……あたりが暗くなって……」
日が沈む様な時間帯ではなかった筈にも関わらず、唐突に夜が訪れたかの様に、周囲が薄暗くなっていく。
突然の事態にアリーシャは思わず空を見上げた。そこには……
「あれは……」
月と太陽が重なる、日食が存在した。
「(なんだ……何か嫌な予感がする)」
光が遮られ生まれる暗闇と共に辺りを包み始めた不穏な空気。アリーシャの直感が、これから起こる事態への警鐘を鳴らす。
そして……
悲劇の儀式が幕を開けた。
『ぐぅッ!?』
『がァッ!?』
『い、いやぁっ!?』
「っ!? これは!?」
突如地面に疾る亀裂。その亀裂は紫色の不気味な光を放ちながら人々がいる岩場全域へと広がっていく。
そして、それと同時に人々が苦悶の叫びをあげはじめたのだ。
『ああああぁぁぁぁぁあ!』
『うわぁぁぉぉぁぁぁ!!』
『イヤァァァァァァ!』
苦しみ絶叫する人々。
その体には紫色の光を放つ亀裂が生じている。
「な、なんだこれは……」
憑魔化とは異なる謎の現象にアリーシャは困惑する。だが、アリーシャは、この光景に干渉する術を持たない。
「そ、そうだ! ハルトなら!」
きっと彼ならばこんな状況だって変えてくれる。そんな無意識の期待を込め、アリーシャは晴人に視線を向ける。
そう……彼女の知る『魔法使い、操真晴人』なら、確かにそうだったかも知れない……
だが……
『ぐあぁ……』
「…………え?」
アリーシャの視線の先には周囲の人々と同様に体に亀裂を生じさせ苦しむ晴人の姿があった。
「ハ、ハルトッ!?」
アリーシャは驚愕に目を見開き、晴人の名を呼ぶ。そして、彼女はある事実に気がついた。
「魔法の指輪が……ない?」
アリーシャにとって、『指輪の魔法使い』である操真晴人の象徴ともいえる、ウィザードリングが彼の指に存在しなかったのだ。
そして、悪夢は続く。
『がぁぁぁぁぉああ!!』
バキ!バキ!
全身を埋め尽くすほど亀裂が進行した1人の男が絶叫し、まるで内側から成虫が孵化する蛹の様に引き裂かれる。
「うっ!?」
その光景にアリーシャは思わず声を詰まらせる。
そして、蛹を食い破るかのように男から1人の怪物が誕生した。
「あ、あぁ……」
そして最早、言葉が出ない彼女を他所に……
『ああああァァァァア!!』
1人……
『グゥゥゥゥゥゥうううう!!』
また、1人と人々の体を引き裂き怪物が誕生していく。
そして、それは、この光景の一部である操真晴人も例外ではない。
『ぐぁぁぁぁぁぁあ!!』
バキィ!
苦痛に跪き、四つん這いで苦悶する彼の背を疾る亀裂の一部がガラスのように砕け、そこから人ならざるナニカの翼が現れる。
「ハルト!? だ、ダメだ!! 」
このままでは、他の人々同様、晴人の体も引き裂かれる。そう思い、聞こえていないとわかっていながらもアリーシャは必死に叫ぶ。
だが、晴人の体の亀裂は止まらない。
「い、いや……」
その光景を受け入れられず、アリーシャは駄々をこねる子供の様に首をふる。
その時……
『俺は……』
絶望の叫びとは違う、意志の篭る声が晴人の口から零れる。
そして、片膝を付きながら晴人は日食を見上げ、何かを求める様に手を伸ばし……
そこで、アリーシャが見る光景は途切れた。
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「いやぁぁあ!!」
絹を割く様な悲鳴をあげアリーシャはオイシと話し合いをした遺跡入り口付近の部屋のベッドの上で目を覚ました。
「アリーシャ!? どうした!?」
普段の男言葉とは違う少女の叫びに、傍のベッドで彼女を見守っていた晴人は驚いて立ち上がる。
「は、ハルト!! ハルトが!?」
混乱し叫ぶアリーシャ。
そんな彼女を、落ち着かせようと晴人は彼女の両肩を掴み視線を合わせて語りかける。
「アリーシャ!! 落ち着け! 俺なら大丈夫だ! 」
「いやぁあ! ……え、ハ…ルト?」
「そうだ。俺だ、アリーシャ」
晴人の声にアリーシャは少しばかり、落ち着きを取り戻す。
「ハルト……そうだ! さっきの! 身体は大丈夫なのか!?」
「ちょっ!? アリーシャ!?」
まだ、混乱を引きずるアリーシャは晴人の体の無事を確かめるように両の手でペタペタと彼に触れる。
アリーシャの突然の行動に、驚いた晴人は、素っ頓狂な声を上げた。
「そうだ! 背中! 背中の亀裂は!!」
「ちょっと待てアリーシャ! 落ち着けって! マズイ! この体勢はマズイから!」
晴人は焦った声でアリーシャを止めようとする。
それもそうだ。何故なら今のアリーシャは晴人の正面から彼の背中を確かめるように両手をまわしている。ともなれば端からみればベッドの上で男女2人が抱き合っている様に見える訳で……
「うわぁ……騎士のおねぇちゃん……大胆だね」
「いやいや、マーガレットのお嬢ちゃん、あの程度は序の口だって」
「ザビーダ。マーガレットに変な事を吹き込まないでくださいよ」
「ふむ、して……誰が声をかける?」
2人以外の声が次々と聞こえ、アリーシャは漸く落ち着きを取り戻した。
「……へ?」
自分自身でも間抜けに聞こえる声がアリーシャの口から零れる。
「あー……アリーシャ? 中々に役得ではあるんだけど、とりあえず離れた方がいいぜ? …………なんか、マーリンドでもこんなことあったな」
できるだけ冷静に優しく声をかける晴人。
アリーシャは、抱きついた様な状態のまま、晴人、自分の体勢、そして、離れた位置に立つ4人に順番に視線を移していく。
そして……
ボフン!!
トマトの様に顔を赤くすると物凄い勢いで手を離しベッド上をばたばたと後ずさった。
「すすすす、済まないハルト!! ち、違うんだ! これはその……悪い夢を見て混乱してしまってだな! 決して、やましい感情は一切無くて!!」
アリーシャは珍しくマシンガントークで弁解する。そんな彼女の姿に、晴人は苦笑いしながらも、安堵の息を吐いた。
「わかったから落ち着けってアリーシャ。 取り敢えず、元気そうだな……良かった」
真剣に倒れたアリーシャの安否を心配していたのだろう。晴人の言葉にはからかいの色は無い。
「ぁ……うん、大丈夫だ。心配を掛けて済まなかった。そ、そうだ!私は一体どうして……」
晴人達に謝りつつアリーシャは何故自身が倒れたのか問う。
「おそらくは初めて天族を体に宿した反動だろうな……初めての事で体が着いてこなかったんだ。どこかまだ調子の悪い所はあるかいアリーシャ?」
「え、そうですね……いえ、特には」
ザビーダの言葉を受けアリーシャは体の状態を確かめる様に動かすがこれといった違和感は無い。
「そうか……器にした俺が言うのもなんだが、なにが起こるかわからない以上、無理は禁物だぜ?」
「わかりました。ご心配をお掛けし申し訳ありませんザビーダ様」
「気にすんなって、レディには優しくってのが俺の基本方針なのさ」
アリーシャの言葉受けザビーダは軽く笑う。
そこに、今度はサインドとマーガレットから声がかかる。
「アリーシャ、ハルト……改めてお礼を言わせて欲しいの。マーガレットを助けてくれてありがとう」
「私からも! サインドを助けてくれてありがとう! おねぇちゃんに魔法使いさん!」
「あ……いえ、私達は……」
「アリーシャ殿、そういう言葉は素直に受け取っておくものじゃ……相手が人か天族かなど関係無くの」
「オイシ殿……そうですね。では……その……どういたしまして」
遠慮しながらもアリーシャは2人の感謝の言葉を受け取る。
戸惑いながらも、その言葉は彼女の心を暖かくした。
「(この事件に関わって良かった)」
仲良く並び立つ人間と天族の2人を救えた事に、アリーシャの胸には言い知れぬ達成感が芽生えた。
「(なにはともあれ、これでラストンベルの事件は一件落着だな)」
思えば長い夜になったと今回の事件を振り返る。そんな中、アリーシャの脳裏に1つの光景が蘇る。
「(あの夢の中で見た光景……アレは一体何だったのだろう……)」
日食の中で起こった惨劇。その光景が彼女の頭から離れない。
「(ただの夢だったのか? だが、最後の光景を除けば、それまでの光景は、私の過去の記憶が元になっていた……なら……それなら……あの光景は……)」
心の中で引っかかりを覚えながら、アリーシャは晴人へと視線を向ける。
「ん? どうかしたのかアリーシャ」
その視線に気づき、晴人はアリーシャへと問いかける。
「い、いや何でも無い! ただ、今回の事件も漸く解決だなと思って気が抜けただけなんだ」
晴人に対して何と答えればいいのかわからず、アリーシャは咄嗟に答えを誤魔化す。
しかし……それを受けた晴人は何とも言えない表情を浮かべた。
「あー……それなんだけどなアリーシャ」
「ん? どうしたんだハルト?」
「アリーシャが倒れてる内に、実はもう1つ解決しなくちゃいけない事が出来てな」
「え?」
そう言って晴人は部屋の別のベッドを指差す。
アリーシャがそちらに視線を向けると。
「……子供?」
ボロボロの服を着た、数名の子供達がそこにいた。
つーわけで、ラストンベル編もそろそろ終わりますが、最後に敗残兵狩りの子供イベントの回収です。ラストンベルは改変しなくちゃいけないサブイベ多すぎんよ!
そーいや、ゴーストでは遂にネクロムが出ましたね。なんかアラン君のヤンホモ感が跳ね上がってきたんだけど大丈夫かこれ?
そして、マコト兄ちゃんが眼魔界の謎を引っ張るだけ引っ張って、来週あたりでアランに体乗っ取られてまた敵に回ってなんやかんや2クール終わりまで謎を引っ張る気配がするのは俺だけなのだろうか?
ぶっちゃけ、マコト兄ちゃん不安定過ぎて、寿命が迫るタケルの方が安心して見ていられる謎