家庭教師ヒットマンREBORN-another   作:金剛石Mk2

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標的10 決着

「オゥ~ウィ、かかってこいよ。ゴリラオゥ~ウィ」

 

「死ぬ気弾の効果か、そのふざけた言葉遣いは……なめんじゃねーぞ!!」

 

 そのまま殴りかかってくる矢島の拳は空を切った。

 

「なっ……」

 

「どこ見てんだ、オゥ~ウィ?」

 

 思わず息を呑んだ矢島の後ろから、そんな声が聞こえた。

 

「っ、この野郎っ!!」

 

 矢島はその声に反応して、一気に体を捻りながら拳を振るったが再び空を切った。

 

「おいおいどうした?かすってもいないぜ、オゥ~ウィ?」

 

「う、うおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 そうして、先ほどと同じように余裕に満ちた声が響く。やはり背後からだ。その表情はつい先ほどまで泣き言をわめいていたとは思えない。

 

 土屋皆守の口角がついと上がる。そこから伝わってくるのは余裕だ。

 

「う、ぬおおおおおおおお!!」

 

「オゥ~ウィ、オゥ~ウィ。どこ狙ってんだオゥ~ウィ?」

 

 その余裕にイラついたのか、矢島は声を上げラッシュをかける。轟々と音を立てるその両の拳を、トランクス一丁姿の土屋皆守は軽々と避けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ハァ、ハァ、ゼェ、ゼェ…………」

 

「ゼェ、ゼェ、お、オゥ~……ウィ。もうおしまいか?オゥ~ウィ?」

 

 そこには手を突いて息を切らし這い蹲る矢島と、それを見下ろす息を切らせた土屋皆守の姿があった。

 

「オゥ~ウィ、なら……あれ?」

 

 そのまま足を進めようとした土屋皆守の額の炎が消え、死ぬ気状態が覚めた。それはつまり、もはや高い能力はないということであり、それを理解した瞬間血の気が引く。

 

――――あ、終わった。

 

 そう確信した土屋皆守は、血の気が引いて青くなった顔を矢島隼人へと向けた。その様子は俯いていて窺い知れない。その様子に、土屋皆守はわずかな希望を見出した。

 

――――今なら倒せるかもしれない。

 

 頭をよぎったその考えに、土屋皆守はその体を動かした。瞬間、矢島隼人が身じろぎする。

 

 途端、土屋皆守の体は硬直してしまった。もはやこれまでかと完全に諦観が頭の中を占拠する。そして矢島は顔を上げた。

 

「御見それしました!!」

 

「…………は?」

 

 開口一番飛び出したその言葉は、完全に土屋皆守の想定の斜め上であった。思わず間の抜けた言葉が口を飛び出す程度に。

 

「あなたがボスにふさわしい!!」

 

「きゅ、急にどうしたんだいったい!?」

 

 その態度のあまりの変貌ぶりに、思わず大きな声でつっこんでしまう。

 

「俺はあなたに攻撃をかすらせることが一度たりともかなわなかった。それどころか何度も背中をとられた。なの二あなたはそこに何もせずに避け続けた。その余裕、その実力、まさにボスの器だ!!俺はあなたについていきます!!」

 

「やったな、そいつは今からおまえのファミリーだ」

 

「いや、え、はぁ!?」

 

 矢島の口から語られる言葉、それに続くリボーンの言葉は土屋皆守の疑問を氷解させることはなかった。むしろ肥大化した。

 

「負けたやつが勝ったやつの下につくのがファミリーの掟だ」

 

 そんな土屋皆守にようやく理解できる言葉をリボーンが口にした。そして理解した後の土屋皆守の行動は早かった。

 

「は、ハハハ!!その通り!!おれについてこーい!!」

 

「はい!!Ⅹ代目!!」

 

 そのまま調子よく肯定した。こうして土屋皆守に初めてのファミリーが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、土屋皆守が死ぬ気弾によって死ぬ気でしようとしていたことはあくまで生き抜くことであり、攻撃などを加えなかったことはまったく眼中になかっただけであるということは矢島隼人には幸運なことに知られていなかった。

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