家庭教師ヒットマンREBORN-another 作:金剛石Mk2
土屋皆守は、紆余曲折を経て矢島隼人をファミリーの部下にした。
自分よりも遥かに強いであろう存在に、敬われるのはやはり気分は良いものでその日その時の土屋皆守は有頂天であった。あの後、いつかの不良男子とその仲間らしい一団と遭遇したのだが矢島隼人が一睨みするとさすがマフィアの関係者と言うべきか、蜘蛛の子を散らすようにいなくなったこともそれに拍車をかけた。
その後家に帰った後、思わずリボーンにノリノリでマフィアのボスになるための話をしたくらいだ。
その気分も比較的早くに、なんとも言えない気分になってしまったのだった。
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「ボス、俺がカバン持ちます!」
「い、いや。持たなくて大丈夫だから。てか近い」
「そんなこと言わずに!ボス!」
「だから近い、近いって!わかった持たせるからちょっと離れろ!」
翌朝のことだ。土屋皆守が自宅の玄関を開けた瞬間に、かなりの音量で挨拶をかまされた後に上記のやりとりをしたのは。
この矢島隼人、どうにもこうにも世話を焼きたがる。そのこと自体には問題はない。ないのだが、非常に暑苦しい。
ガッシリとした体格に厳つい顔つきの頭が乗っかった人間が、やたらと近い距離で接してくるのは気分が良いものではない。むしろキツい。
この段階で土屋皆守はかなり面倒に感じていたが、それはまだまだ序の口だった。
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ひそひそ、ひそひそと辺りからささやきが聞こえる。土屋皆守の耳が特別良いわけではない。
ただ単にひそひそ話の量が多いだけだ。こうなるのも有る意味当然だろうな、と土屋皆守は視線を隣に向けた。
「?どうかしましたか、ボス?」
すでに学校近くなのに距離感の変わらないゴリラ、もとい矢島隼人のせいである。
ただでさえそのガタイの良い身体で目立つ矢島隼人が、土屋皆守のことをボスなどと呼んでいるからだ。
更にたちの悪いことに、不良らしい生徒に対しては威嚇するような視線を向けるのだ。昨日絡まれかけたことが原因なのだろう、そのこと自体はありがたい。ありがたいのだが、不良としてある程度有名な生徒を、一睨みで黙らせる見慣れない生徒にボスと呼ばれている奴……として注目されてしまっているのはありがたくなかった。
どれもこれも迷惑であるのに、およそ悪意がないと分かるがゆえに注意がしづらい……というかむしろ迫力がありすぎて強く言えない土屋皆守は、おそらく自分の教室で降りかかるだろう視線を想像して一つ大きくため息をついた。
「ボス!どうかしましたか!」
「いや、何もないから!大丈夫だから静かにしてくれ!」