家庭教師ヒットマンREBORN-another   作:金剛石Mk2

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標的16 過去からの刺客?

「あ~、あつい……ん」

 

 リボーンが転がり込みマフィアのボスになるだの急な転校生が部下になったり変な子供の殺し屋との関係を持ったりと、やたらと濃い日常に慣れたのか感覚が麻痺したのかはともかく土屋皆守はどうにかこうにか日々を過ごしていた。

 

 そんなセミの鳴き声があたりに響く週末の昼間、土屋皆守がコンビニへと出かけた帰り道のことだった。後ろから聞こえた自転車のベルに思わず振り返り、ぎょっとした。

 

――――ま、ママチャリでヘルメットとゴーグルかよ。

 

 かなり失礼ではあると自覚はしていたから、思ったことを口にはしていなかったが視線は釘付けになってしまっていた。そのせいかそのママチャリに乗った人物はその場で止まった。

 

 あっ、と思った土屋だったがその人物はそのままヘルメットとゴーグルを脱いだ。

 

――――うわっ、すっげー美人だな……。

 

 その顔はハーフなのだろうか、どこか外国人を感じさせた。ふと、気づくとその視線は土屋へと向いていた。

 

「よかったらこれどーぞ」

 

「わっと、あ、ありがとうございます」

 

 そのまま投げ渡された缶ジュースを、土屋は危なげなく受け取った。投げ渡した本人はそれを見届けることもお礼の言葉を受けることも無く、チリンチリンとママチャリを漕いでその場を去っていた。

 

「なんだったんだあの人。というか、これは…………」

 

 その背を見送りながら、土屋は呟いた。そして手元の缶ジュースへと視線を向けた。

 

「……………………」

 

 おもむろに手を真直ぐに伸ばして顔からなるべく離した所で、プルタブを開けた。ブショアアアアアアアアアアと炭酸飲料だったらしい缶ジュースは音を立てる。

 

「ガッ!」

 

「わっ!?」

 

 短い鳴き声と共に、土屋のそばの電柱の上からカラスが落下してきた。思わず土屋は情けない声を上げ驚く。

 

「…………やっぱこんなこったろうと思ったよちくしょー!!」

 

 そして叫んだ。美人との出会いかと思ったらまたしても命の危機で、これまでの経験から危機回避が出来たことがこれまでの経験がどんなものだったかを如実に示していたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「リボーン!!またなんか殺し屋っぽい奴が…………ぎゃああああああああああ!?」

 

 急いで自宅へと駆け込みリボーンへと詰め寄った土屋の目の入ったのは顔中にカブトムシが這い回っているリボーンの惨状だった。

 

「おまえ大丈夫か!?ていうかなんかでてんじゃねぇのか、樹液とかさぁ!!」

 

「これはおれの子分たちだぞ。情報を収集してくれる優秀な」

 

 そんな土屋に対して、特にうろたえもせずにリボーンは返事を返した。同時にカブトムシたちが羽音を立てて飛び立っていく。

 

「虫の言葉話せるのおまえ!?いや、それどころじゃなくてだな……」

 

「ところでその優秀な部下からの情報でな、ビアンキがこの町に来てる」

 

 さらりと判明したとんでもない技能に思わず食いついてしまった土屋だがすぐさま話題を修正した。残念なことにほとんど恒例となったスルーで流されてしまったが。

 

「……ビアンキって誰なんだ?」

 

 そんな仕打ちにもどうにか文句を飲み込んで。土屋は話を促した。

 

「おれの昔の殺し屋仲間だ」

 

「な、なんだってー!!それじゃあ、あの時のあいつはやっぱり……」

 

 そしてリボーンの言葉に先ほどからの自分の考えに確信を持った。その時、玄関のチャイムが鳴った。

 

「ピザでーす、配達に参りましたー」

 

「ピザ、母さんが頼んだのか?ていうかいないのかよ、しょうがないな……」

 

 今がちょうど昼時であることもあって、土屋はそのまま玄関へと向かい扉を開けた。

 

「お待たせしました。あさり(ボンゴレ)ピザのお届けでーす」

 

「なっ、おまえはさっきの!!」

 

 そこにいたのは、さきほど缶ジュースを渡してきた女だった。その女はよどみなくスッとガスマスクをはめる。

 

「それでは、めしあがれ!!」

 

 そして、その手に持ったピザの箱を開けた。

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