家庭教師ヒットマンREBORN-another   作:金剛石Mk2

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標的17 ポイズンクッキング

「うわあああああ!?」

 

 ガスマスクをかぶった女性がピザの箱を開けた瞬間、土屋は飛びのいた。ブシュウと、つい先ほどの缶ジュースを髣髴とさせる音が響く。

 

 思わず息をとめた土屋皆守だったが、その行為に意味は無かった。その瞬間に銃声が響き、音と共に煙を上げていたピザの箱が女性の手からはじかれて外へと飛び出したからだ。そして、やはり先ほどのようにカラスが音を立てて地面へと落ちた。

 

「ちゃおっス、ビアンキ」

 

「……リボーン」

 

―――――やっぱり、こいつがリボーンの昔の殺し屋仲間だった、ビアンキ……。

 

 そのやり取りに、土屋はビアンキが自分を殺す仕事を請けてきたという自分の考えが合っていたと思った。

 

「どうした、何でここにいる?」

 

「むかえにきたんだよ。また一緒に大きい仕事をしようよ、リボーン」

 

「……あれ?」

 

 その確信も、あっさりと否定されてしまったが。そのままビアンキは頬を染めながら言葉を続けた。

 

「やっぱりあなたに平和は似合わないわ。あなたがいるべきなのは、もっと危険でスリリングな闇の世界よ」

 

「言ったはずだぞ、ビアンキ。おれにはこいつを育てる仕事があるからムリだって」

 

 いまいち話が良く分からない土屋をよそに、リボーンとビアンキの会話は進んでいった。そして、ビアンキは目に涙をにじませ土屋を見た。

 

「かわいそうなリボーン……」

 

「……ん?」

 

「このⅹ代目が不慮の事故か何かで死なない限り、リボーンは自由の身になれないってことね」

 

「なんかとんでもない理屈言い出してきたーーー!?」

 

 そのまま紡がれた言葉に土屋は思わず叫び声を上げた。

 

「ちょ、まっ、リボーン!!そんなわけないよな!?なっ、なっ?」

 

「…………」

 

「頼むから否定してくれぇーー!?」

 

 しかもまさかのリボーンからの追い討ちに土屋の喉への負担は高まるばかりだった。

 

「とりあえず帰るね。ⅹ代目をころ……ⅹ代目が死んじゃったらむかえにくるから……」

 

「待ってごまかせてないから!!ちょっ、えぇ!?」

 

 そんな土屋のことなど路傍の石のごとくスルーして、ビアンキは去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「い、いったいなんだったんだよあの女は……」

 

 しばらくして――――土屋が喉を潤してから、自分の部屋でリボーンへと問いかけていた。

 

「あいつは毒さそり・ビアンキって言うフリーの殺し屋だ。あいつの得意技は毒入りの食い物を食わすポイズンクッキングってもんだ」

 

「へ、へぇー。いやいや、そうじゃなくてだな」

 

 なんだか殺し屋という職業についてのイメージが崩されていくような情報がもたらされたが、土屋が知りたいことはそこではない。

 

「なんで俺は殺されかけたんだよ。なんか頼まれたわけでもなさそうだったし。お前を自由の身とか何とか言ってたけど、どういう関係なんだ?」

 

「ビアンキはおれにゾッコンだぞ。つきあってたこともある」

 

「……はぁ!?」

 

 突っ込んだ質問をした土屋に、リボーンが返した言葉はツッコミ所しかなかった。もう何度目になるか分からないが、土屋は開いた口がふさがらない気分だった。

 

「つ、つきあってたって、お前があの女と?ていうか元カノってことかよ」

 

「おれはモテモテなんだぞ。ビアンキは愛人だ」

 

「へ、へー。ソウナノカー」

 

 もはや反応を返すことすら困難な衝撃だった。リボーンはさりげなく指を4本立てて4番目だとアピールしているが、それを拾う気力はもはや土屋には無かった。

 

「そ、それはともかく!!なんとかしてくれよ!!あいつ明らかにおれのこと殺す気だぞ!!」

 

「土屋……人はな、いずれ死ぬ生き物なんだぞ」

 

「急になんか深そうなこと言ってごまかそうとすんなよ!?ていうか、お前の仕事を1回いってみろーーー!!」

 

 リボーンをきっかけとしたあからさまな非日常に、慣れたと思った矢先の騒動に土屋皆守はもう頭を抱えるほか無かった。

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