家庭教師ヒットマンREBORN-another   作:金剛石Mk2

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標的22 豹変

「よりにもよってこんな面倒なときに……」

 

 屋根の上で高笑いをしている侵入者――ランボの姿に土屋は深いため息をつく。

 

「ハーハッハッハ!!ランボさんはここから華麗にそのプールに着水して、華麗にこのボスからもらったスタンガンでお前を倒すのだリボーン!!」

 

「ボス、あれってなんすか?」

 

「えぇと、だな……あれだよあれ。うん、あれあれ」

 

 初めてランボと遭遇した矢島は、普段であれば警戒心むき出しなのだがランボの様子になんともいえない顔をして土屋へと声をかけた。それに対して、土屋はあいまいに誤魔化すほか無かった。

 

「というわけで、死ねッ!!リボーン!!」

 

 そうこうしている内に、ランボはバチバチとスタンガンを作動させながら飛び降りた。

 

「って、おいバカ!!」

 

「ビビッたってやめないもん……あばばばばばばばばば!?」

 

 その様子に声を上げた土屋に対して啖呵を切るランボの声は途中から悲鳴へと変わった。それは別に地面にたたきつけられたからとういわけではない。ランボの体は寸分の狂いなくプールに着水はした。バチバチと電気を流していたスタンガンと共に。

 

「あーあ、だから言ったのに……大丈夫か?ってうお!?」

 

 プスプスと煙を上げるランボに土屋は声をかける。ザバリと起き上がったランボはその手にどこから取り出したのか、引き金のついた筒――バズーカを持っていた。

 

「そ、それって確か……10年バズーカ!?」

 

 撃たれたものを10分間、10年後の自分と入れ替える……そんな事を確か言っていたはずだと思い出す土屋をよそに、ランボはその銃口を自分へと向けた。

 

「……へ?」

 

 そして、自分の手では届かないのか引き金の部分にかけられたロープを思い切りよく引っ張った。

 

「おわああああ!?」

 

 腹の底を震わせるような爆音と共に、ランボの姿が煙に包まれる。

 

「……やれやれ、なんでこんなびしょびしょになってるんだ」

 

 その煙がはれた先には、童顔の男の姿があった。

 

「だ、誰だあんたぁ!?」

 

「あんたは若いころのボンゴレⅹ代目……ってことは、10年バズーカで10年前に飛ばされたってことか」

 

 突然現れた男に土屋は驚きの声を上げるが、その様子を気にせず男は一人で納得していた。

 

「……あああぁぁぁ!!」

 

「うわっ、ちょ、耳元で叫ぶなよ」

 

「す、すみませんボス。で、でもこの男!!」

 

「なんだよ、どうした?」

 

 すぐにそれが10年後のランボの姿だと理解した土屋の耳に、矢島の絶叫が突き刺さった。思わず文句を言えば、矢島はすぐに謝ったが同時に懐から写真を取り出しつつ言った。

 

「こいつ、姉さんの元彼そっくりなんすよ!!」

 

「え、マジかよ!うわ、ホントだ!!」

 

 

 その写真、ビアンキの元彼と10年後のランボは瓜二つだった。

 

「それじゃあ、俺はビアンキを呼んでくるからお前は早く逃げ……」

 

「なんかやたら騒がしいけれど、そろそろ家庭教師始めるわよ…………」

 

「ほ、ほごゎぁぁぁぁっ……!!」

 

 いざ作戦を始めようとした矢先に、あまりにも庭が騒がしいからか煙を上げるポイズンクッキングⅡを片手に持ったビアンキが庭に訪れた。哀れ矢島は退避が遅れてしまい、襲い掛かってきた腹痛に悲鳴を上げながら崩れ落ち、ビアンキはずぶぬれの元彼――に瓜二つのランボに視線が固定されていた。

 

「ロ、ロメオ!!」

 

「え、ん?」

 

 そのビアンキの様子に土屋は作戦の成功した手ごたえを感じていた。

 

「ロメオ!!生きていたのね!!」

 

 土屋は勝利を確信し小さくガッツポーズを決めた。そしてビアンキはランボの元へと駆け出した。

 

「ロメオ~~!!」

 

「おっし、これでもうビアンキはリボーンの事を……」

 

「往生せいやぁーー!!」

 

「はいいいぃぃぃ!?」

 

 そのまま勢いに任せビアンキは手に持ったポイズンクッキングⅡをランボの顔面へと叩きつけた。その急展開に、土屋は目と口を限界まで開けて叫んだ。

 

「そういえば、ビアンキと元彼は別れる直前とても険悪だったらしいぞ」

 

「へっ?」

 

「よく元彼を思い出しては腹立ててたからな」

 

「えーーーーッ!!」

 

 つい先ほどまでの大騒ぎを目の当たりにしてもなおほとんど反応を示していなかったリボーンが、ポツリと呟いた一言はすさまじい破壊力を持った爆弾であった。

 

「そ、そんな…………鈴木ぃーーーー!!」

 

 そうして、ランボこと鈴木はわけも分からぬまま無駄な犠牲となったのだった。

 

「お、俺はランボ……だ」

 

「あ、生きてた」

 

「10年後の医者になら治せるかもな」

 

 

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