家庭教師ヒットマンREBORN-another   作:金剛石Mk2

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標的26 キチの襲撃?②

「はー、あっつー。ていうか、マジでどうしよう……あのビアンキ2号みたいな感じの奴」

 

 あいも変わらずじりじりと照りつける太陽のせいで吹き出る汗をぬぐいながら、登校中の土屋は呟く。それは当然、土屋がいうビアンキ2号――三浦ハルに関することだった。

 

 関わったのは5分も満たないような気がするが、それでも思わずため息をつきたくなるような濃い人物だ。

 

「あー、やばい。思い出したせいか知らんけど、なんか変な音が聞こえる……」

 

 だから、土屋は自分の後ろから聞こえてくる何やら重々しい音を幻聴か何かにして歩みを速めた。

 

「おはよーございます…………」

 

「あー、マジで今年の夏やばいわー。なんか幻聴みたいなモンが聞こえるわー」

 

「人の存在を幻として処分しないでください!?」

 

「くそっ、誤魔化せなかったか……っ」

 

 後ろから聞こえてきた声をどうにか幻聴ということにして誤魔化そうとした土屋だったが、その努力は襟をつかまれながらのツッコミによって無に帰った。

 

「あー、はいはい。おはよーございま……っ!?」

 

 そのまま、面倒くささを隠す気もないままだらけた返事を返しながら振り返った土屋はフリーズした。

 

「……?どうかしましたか」

 

 そこにいたのは、やはり三浦ハルであった。どういうわけか立派な武士として通用しそうな甲冑をジャージの上から纏い、右手にホッケーのスティック、左の小脇にはフルフェイスのヘルメットを抱えた姿であった。

 

「えーと、これから合戦へ出向く武士の方ですか?がんばってください」

 

「何を言ってるんですかあなたは!?ハルですよ!!昨夜頭がぐるぐるしちゃって眠れなかったハルですよ!!」

 

「ははは、寝ぼけて甲冑着ちゃうなんてドジっ子ですね。それじゃ、これで」

 

「ちょっと!!なんでそんなかしこまった口調なんですか!?なんですか、その生暖かい目は!?話は終わるどころか始まってもいませんよ!?」

 

 そのあんまりな格好に、土屋はザザッと距離を離しなるべく刺激をしないように丁寧な口調を心がけ、自然な形での離脱を図った。当然、成功などするはずもない。ハルはスティックを落とさないよう器用に土屋の襟を右手でつかみ、離脱を阻止した。

 

「こっちは話すことなんかないよ!!」

 

「あれは昨日の夜のことでした……」

 

「もう完全に会話する気ないじゃねーか!おい、嘘だろ……マジで回想する気かよ!?」

 

 土屋の叫びもむなしく、ハルは土屋を拘束したまま昨日の出来事を語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 時はさかのぼり、昨夜。リボーンに恋(?)する二人の乙女(?)は、おでんの屋台でリボーンの良さの話で意気投合していた。

 

「……なのに土屋って人はリボーンさんを無理やり殺し屋ごっこにかりたててるんですよ」

 

「リボーンは最高の殺し屋よ」

 

 この瞬間までは、であったが。

 

「んもー、お姉さんまで何言っちゃてるんですかー」

 

「ああ、リボーンと組んだスリリングな殺しの日々が忘れられない……」

 

「はひ?」

 

 ことここにいたって、ようやくハルはなにか様子がおかしいことに気づいた。

 

「いやいや、またまたそんな…………ッ」

 

 ビアンキの言葉を冗談だと受け止めたハルは視線をビアンキに向け、息を呑んだ。

 

――――な、涙が……。

 

「お、お姉さんの言ってることは本当なんですか……?」

 

「どうして嘘をつく必要があるのかしら?」

 

 そういったビアンキの顔は、真剣そのものだった。ハルには嘘をついているようには見えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「これが昨日あったことです」

 

「いや、その、言いたいことはいろいろあるけどとりあえず……その話と今の状況との関係性は!?」

 

 ハルの回想のあまりにも多いツッコミどころをどうにか飲み下して、土屋は今最も知りたいことをハルへとたずねた。

 

「ビアンキさんが嘘をついてたとは思えませんが、そんな簡単には信じられません。そこでハルは考えたんです」

 

 ハルは、土屋の質問に抱えていたヘルメットをかぶりながら答え始めた。

 

「リボーンちゃんが本物の殺し屋なら、本物のマフィアのボスになる土屋さんは、とーってもストロングだと思うんです」

 

「そ、そう……それで?」

 

 すでにいやな予感をびしびしと感じている土屋だが、一縷の望みをかけてハルに続きを促した。

 

「あなたが強かったらリボーンちゃんやビアンキさんの言ったことを信じますし、そのことに文句を言いません。だから……」

 

 スッと、ハルはスティックを両手で持った。そうして、そのまま振り上げながら最後の一言を発した。

 

「お手合わせお願いします!!」

 

「こんなこったろーと思ってたよ、チクショー!!」

 

 こうして、昨日の土屋の予感は的中したのだった。

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