家庭教師ヒットマンREBORN-another 作:金剛石Mk2
「ほあちゃー!!」
まさか、見ず知らずの相手に対しても突っ込んでくるとは想定外だった土屋は固まってしまったが拳を固める矢島が視界に入り我に返った。脳裏によぎるのは、砕けた校舎の外壁。
「や、矢島ぁ!!」
「大丈夫、ちゃんとわかってます!!」
思わず叫んだ土屋に、矢島は問題ないといわんばかりに笑みを浮かべて言葉を返した。
「どっせーい!!」
「は、はひぃっ!?」
勢いよく突っ込んできたハルが振り下ろしたスティックを、危なげなく回避した矢島はそのまま腕をつかみ投げ飛ばした。ハルは勢いはそのままに、橋の手すりを越えていった。
「大丈夫だけど、大丈夫じゃねー!!!!」
予想していた展開の斜め上を行く矢島の対処に、土屋は頭を抱えて叫んだ。
「なんか私、空を飛んでますぅーー!?……はひぃ!!」
そしてそのままハルは大きな音を立てて着水した。
「これでもう大丈夫ですぜ、ボス」
「なんでそんなやりきった顔できるんだおまえは……」
どちらにしろ褒められた方法ではない手段を選んだ矢島に呆れ顔だが、一応は土屋の想定した事態よりはマシとはいえる結果に内心土屋は安堵していた。
「ぶっはぁ!!一体なんなんですかあの人……ゴボッ!?」
橋の下、川の中のハルの様子に気がつくまでは。
「や、やばい!!おぼれてる!!」
「へ?」
ただでさえ服を着た状態では服が水を吸って重くなってしまいおぼれやすくなってしまうのに、鎧を着込んだハルがおぼれてしまうのは火を見るより明らかであった。
そのことに気づいた土屋の頭の中を様々なことが駆け巡った。この状況ではまず間違いなくハルがおぼれた原因として見られるだろうことが、いくら未成年とはいえ噂が広まるかもしれないことが、もしかしたらハルの親に訴えられるかもしれないということが、今目の前で起きていることせいで起こるかもしれない様々なことが浮かんでは消えていく。
「た、たすけ……ごぼ……たすけてぇー!!」
ハルの叫びが、土屋の想像をより強固にしていく。
今、土屋は死ぬほどの後悔を感じていた。
「助けてやる」
その時、頭を抱えていた土屋のすぐ隣から声が上がった。その姿は、スーツを着たもみ上げが特徴的な二頭身。
「リボーン!!」
「ダメです!!この川はリボーンちゃんが泳げるような……えっ?」
その声に、必死の思いでリボーンのことを静止しようと声をあげたハルの視界には、不自然なものが飛び込んできた。
「なんでそれそっちに向けてんの!?そういうこと!?やっぱりあれやるつもりなの!?」
土屋に拳銃を向けるリボーンと、それに対してなにやらよく分からないことを叫んでいる土屋の姿だった。
――――リボーンちゃん?なにをやっているんですか?
ハルが疑問に浮かぶと同時、轟音がとどろいた。そしてリボーンの手にした拳銃の先からは煙が、その銃口の先にいた土屋は橋から落ちていた。
「ええええええっ!?」