家庭教師ヒットマンREBORN-another 作:金剛石Mk2
三浦ハルは混乱していた。もう目の前の出来事がすべて夢で、実は自分はまだ自分の部屋のベッドの上で寝ているんじゃないかと考えていた。
リボーンを誑かしていると思っていた相手の苦しい言い訳としか思えないマフィアがどうこう、殺し屋どうこうの話を裏付けるかのようにボスと呼ぶ男の人が現れたりその男の人に投げ飛ばされたり、そのまま川に落ちおぼれているなんて現実だとは思いたくなかった。
だが、残念なことに身体のほぼすべてを包む水の感触は否定しようがなかった。なので、つまり。つい先程の大きな音も、今目の前で落下してきている土屋の姿も現実だということだった。
「ええええええっ!?」
もはや叫び声を上げざるをえないほどの光景に、ハルは自分がおぼれかけていることも思わず忘れかけてしまった。だが、それだけでは終わらない。
落下している土屋の体がボコボコと蠢いた。次の瞬間。
「死ぬ気でハルを救うぜぇ!!オォ~ウィ!!」
「はひぃ!?」
脱皮するかのごとく服を突き破り、トランクス一丁になった土屋が奇声を上げながら飛び出てきた。そのあまりのインパクトに、なにやら額の辺りで燃えている炎のようなものに疑問すら覚えることなくハルは叫ぶしかなかった。
そのまま着水した土屋は、まるでモーターボートのごとく水しぶきを上げながらあっという間にハルの元へとたどり着いた。
「オレにつかまれ!!オォ~ウィ!!」
その勢いのままハルを抱えると、凄まじい勢いで向こう岸まで泳ぎ始めたのだった。
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「ありがとーございました……」
そこには全身ずぶぬれになったために頭にタオルをかぶせられた体育座りのハルの姿があった。
「お前反省してんのか?」
そしてその周りにいる土屋、リボーン、矢島の3人の中で真っ先に矢島が口を開いた。
「ったく、ⅹ代目が寛大だからよかったもののふつーだったらあんたこの世に存在できなくなってたんだからな」
その物騒な響きに、土屋が内心ビビッていることなど気付いていない矢島は腕を組みながらハルに呆れた視線を向けていた。
「…………ぷ」
「……ん?」
「へ?」
そのハルの口から洩れた音に、矢島と土屋は同時に疑問を感じた。その直後、ガバリとハルは体を起こした。
「死ぬ気でハルを救う!!オォ~ウィ!!オレにつかまれ!!オォ~ウィ!!」
急に身振り手振りを交えながら先ほどの土屋のセリフを再現しだしたハルに、思わず二人はぎょっとする。
「そんなクサイセリフ、テレビの中だけだと思ってましたよ。しかも変な口癖付きで」
――――こいつ、全然反省してねェ!!
目の前の出来事に固まる土屋と矢島だったが、さらなる衝撃が二人を襲う。
「……すごく素敵でしたよ。リボーンちゃんのかわりに飛び込んだ、ⅹ・代・目」
顔を赤らめるハルに土屋は思わず呟いた。
「チェンジで」
「ちょっ、ひどい!!」