家庭教師ヒットマンREBORN-another   作:金剛石Mk2

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標的3 復活

 

 土屋皆守の体が地面へと倒れ伏す。当然だ、眉間に銃弾が直撃したのだから。

 

 そうなった原因であるリボーンの顔には特にこれといった変化はない。マフィアのボスへと土屋皆守を育て上げる依頼を受けているはずにも関わらず、である。

 

 あるいは、相応しくないようならば……という依頼もあったのだろうか。

 

 ただひとつ言えることは、リボーンが手にしている拳銃から放たれた銃弾が土屋皆守の眉間へと吸い込まれるように直撃し、そのまま倒れ伏したことだ。

 

 動かない。撃たれた土屋皆守はもちろん撃った側であるリボーンもまた、まるで何かを待つように動かない。リボーンの手にした拳銃の銃口から立ち上る硝煙だけが、風に吹かれてゆらめく。

 

 ピクリと、土屋皆守がーー正確にはうつ伏せに倒れた土屋皆守の胸の部分が不自然に蠢く。その動きは止まらず、むしろ激しさを増す。

 

 ボコリボコリと形容すべきほどに激しい動きは、すぐに止まった。

 

復活(リ・ボーン)!!」

 

 叫び声を上げ、トランクスのみを身に着けた状態の土屋皆守が服を突き破って飛び出すことによって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 通りを歩く、だらしなく並盛中の制服を着崩した金髪のいかにもな不良男子は機嫌良さそうに口笛を吹いていた。思わぬ臨時収入があったからだ。

 

 この不良男子とは、もちろん先ほど土屋皆守から金を巻き上げたーー本人曰わく、借りた人物その人である。

 

 ふと、あたりがなにやらざわめいていることに気づく。

 

「えっ、なにあれ」

 

「ママー、なにあれー」

 

「しっ、見ちゃいけません」

 

 そのざわめきは遠くから、こちらの方へと近づいてきていた。何なのだろうと振り返った瞬間。

 

「オゥーイ、金返せオゥーイ」

 

 目に入ったのは不審人物の姿だった。

 

 いや、それだけでは正確な表現ではないだろう。

 

 より正確に表現するのであらば、トランクス一丁で額になにやら炎のようなものをくっつけているという明らかに危ない格好をした男の姿だった。

 

「アァン?」

 

 ワケの分からない姿に、思わず眉間にシワがより声が漏れる。だが目の前の不審人物ーー土屋皆守は意に介さない。

 

「オゥーイ、聞いてんのか金返せって言ってんだオゥーイ」

 

「ぷっ、はははははははははははは!?」

 

 そのことを認識した瞬間、不良男子は腹を抱えて笑い出した。

 

「なに笑ってんだ、オゥーイ?」

 

「はははははは!! マジか!? マジでやってんのかそれ!? オモシれーにもほどがあんだろお前!!」

 

 ある意味当然だろう。さっきまでビビり丸出しだった奴が、裸丸出しオマケに変な口癖みたいなものまでつけて金を返せと迫ってきたのだ。

 

「そんな事はどうでもいい、さっきから金返せって言ってるだろオゥーイ」

 

「ひゃははははははは! あー、オモシれー。こんなに笑ったことなんか人生初だぜマジで。で、金だっけ? 良いぜ、最高に笑かしてもらえたからな」

 

 そういう不良男子だが、財布を出すどころかポケットに手を近づけることさえしない。

 

「オゥーイ?」

 

「あぁ、返してやるぜ? 俺から財布ぶんどれたらな!」

 

 そう言って不良男子は両手を広げて土屋皆守に向かい合った。

 

「なーんて「わかったぜ、オゥーイ!!」なっ!?」

 

 ーーーーそんな事する訳ないだろ?

 

 そう続けるつもりの言葉は、土屋皆守の言葉と行動によって、驚きの言葉へと変えられた。

 

 ビビって退散すると思っていた土屋皆守が、叫びながら向かってきたのだ。

 

 予想外の行動に一瞬固まってしまった不良男子だったが、すぐさま気を取り戻した。だが、時既に遅し。

 

「%@&#*§※!?」

 

 予想をはるかに超える速さで迫ってきた土屋皆守に反応出来ず、腰を落とし頭を前に突き出した土屋皆守のタックルをモロに食らってしまった。

 

 不幸にも男の勲章、男最大の弱点であろう股関節部分へと。いわゆる、金的である。

 

 それゆえ言語として成り立っていない悲鳴を上げて仰向けに倒れ伏した不良男子に、土屋皆守は一切の容赦なく馬乗りになると財布を抜き取り!更にそこからカツアゲされた分を抜き取ると空に掲げて叫んだ。

 

「確かに返してもらったぜ、オゥーイ!…………あれ、俺なにしてんだああぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 叫び声を上げると額のあたりの炎のようなものが消え、土屋皆守は先ほどまでとは雰囲気が変わる。そして、自身の現状ーートランクス一丁で不良男子に馬乗りになっていることに気づくと更に大きな叫び声を上げた。

 

 周りのひそひそ声が重なり土屋皆守の鼓膜を大きくふるわせる。

 

「う、うわああああああああああああ!?」

 

 次の瞬間、土屋皆守は羞恥のあまり叫びながら脱兎のごとく駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その背に聞こえるサイレンが幻聴であって欲しいと思いながら。

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