家庭教師ヒットマンREBORN-another 作:金剛石Mk2
「れ、
リボーンの言葉に、土屋皆守は視線を矢島隼人に向ける。
パッと一目見て分かるほどに、筋肉質な身体に厳つい顔つき……。
「なるほど……確かに」
「なにが…………なるほどだぁ!!」
思わず呟いたそれをしっかりと聞いていたらしい矢島隼人は、凄まじい勢いで殴りかかってくる。
「のわぁっ!!」
その迫力に、土屋皆守は思わずその場を飛び退いた。だが同時にホッとしていた。
リボーンのように銃を使うとばかり思っていたが、自分でも十分避けられる程度に殴りかかってくるだけだと思ったからだ。
つい先ほどまで土屋皆守の身体があった空間を素通りした矢島隼人の拳は、その勢いのまま校舎の壁へと迫った。
ーーーーあれ、やっちまったんじゃね?試合終了じゃね?
自分の後ろにあるものを思い出した土屋皆守は、自分の目では見れないが、思わずそう思った。だがそれが実に甘い考えだったということは、すぐに聞こえてきた音ーー例えるなら氷を噛み砕いたような、そのぐらいのことでしか日常の経験では表現しようがない音、破砕音で打ち砕かれた。
初めは耳を疑った。すぐに振り返った時には目を疑った。なぜならば、矢島隼人の素手の拳が校舎のコンクリートを僅かとはいえ砕いていたからだ。
「ふぁっ?」
「あー、くそいてぇ」
そうつぶやく矢島隼人の拳は僅かに赤くなっていた。それだけだった。
「…………こんなん勝てるかーーー!!」
目の前の非現実にいち早く立ち直れたのは、すでにリボーンという前例があったからか。
土屋皆守はすぐさま矢島隼人がいる方向の真逆に向かって駆け出そうとした。少なくとも足の速さには自信があった。
「逃がすか!!」
「ぎゃあ!?」
だが、伊達にマフィアの関係者ではないのか
矢島隼人はそれに素早く反応し、タックルの形で土屋皆守の腰を押さえ込んだ。
たまらず倒れ込んでしまった土屋皆守は、情けない悲鳴を上げた。そして後ろを向けばすでに腕を振り上げた矢島隼人の姿が目に入った。
ーーーーああ、もう無理だ。こんなことなら。
その時、土屋皆守の頭は一つの事柄で埋め尽くされた。
ーーーーもっと死ぬ気で良ければ良かった。
それは、後悔だった。
瞬間、辺りに轟音。それとほぼ同時に土屋皆守の脳天に衝撃が走った。
その轟音は、リボーンの手にある拳銃の発砲音だった。それに気を取られて視線が土屋皆守からリボーンへと向いた矢島隼人、その身体が押さえ込んでいる土屋皆守の体に変化が生じる。
ボコボコと背中が蠢く。それに気づいた矢島隼人が視線を戻した瞬間、それは起きた。
「
まるで脱皮するように、トランクス一丁の土屋皆守が現れたのだ。
すぐに下がった矢島隼人に対して、死ぬ気の土屋皆守は宣言した。
「オォ~ウィ、矢島隼人。俺は今から死ぬ気で生き延びてやるぜ、オォ~ウィ」
ある意味、真の意味での戦いが始まろうとしていた。