こちらは、『ダンガンロンパQQ』の解説になります。
本編を読了していることを前提に執筆しているため、本編についてのネタバレが多分に含まれています。
まだ本編を読まれていない方はご注意ください。
「ぎゃはは!!よーーーぅ画面の前のアリ共!!“超高校級の爆弾魔”もぐらこと屋良井照矢様が解説を担当してやるぜ!!目ん玉ほじくってよぉく見ときな!!そんで、オレの相方を担当するのはこい──」
「うあああああああんっ!!!」\\( `д´)//
「どはーーーっ!!?なんだなんだ!!?いてて!!物投げんな暴れんな!!なんだテメエ自己紹介ぐらいやれよ!!」
「やってられっか!!なんでアタシがみこっちゃんとじゃなくてアンタなんかと組んで解説なんかしなくちゃいけないんだ!!みこっちゃんを出せみこっちゃん!!みこっちゃんとがいい!!」
「わがまま言ってんじゃねえよ!!オレなんか前回の解説編で古部来と一緒だったんだぞ!!よっぽど殺されるかと思ったわ!!ずっとテンション低いしよ!!二度目の解説編くらい大人しくやらしてくれよ!!」
「大人しくやるつもりなんかねえだろアンタ!!冒頭から爆弾魔とか言ってんじゃねーか!!」
「そりゃアレだ。景気づけだよ。別にこのスタジオ爆破するつもりとかじゃねえし」
「ったり前だ!!てか物騒なんだよアンタ!!本編でもドエラい事件起こしてるし、前回の解説編だってちょいちょい爆弾魔の顔出してんだろ!!」
「そりゃしょうがねえだろ。オレは“超高校級の爆弾魔”なんだからよ。ここ読んでるヤツらに隠したってしょうがねえし?やりたいようにやるよ」
「それくらいしかアイデンティティがないからでしょ」
「ひでえぞおい!!他にもアイデンティティあるわ!!そうやって犯罪歴を良くも悪くも過大評価するから犯罪者の社会復帰が遅れて再犯率が高まるんだろうが!!」
「だからそれどういう気持ちで言ってんの?アンタ、社会復帰とかしたいわけ?」
「まあよく目立つんなら戻ってやってもいい」
「何様だ!」
「オレに気付かねえ社会が悪い!自分じゃどうしようもねえ孤独に苛まれながら生きたことあんのかお前!」
「何でキレられてんだアタシは!あーん!やっぱりこんなヤツとじゃなくてみこっちゃんとがいい!なんでみこっちゃんじゃないんだ!千恵とみこっちゃんがやったんならアタシとみこっちゃんの組み合わせもあるだろ!せめて千恵とやらせろー!おらー!」
「オレに言うんじゃねえよそんなもん!っていうか、袴田を二回も呼ぶわけねえだろ。ちび助はもう相方決まってるしよ」
「どうせあいつだろ!?例のアイツだろ!?覚えとけよあの野郎!」
「知らねーけどさ、とにかく今回の解説編はオレが相方なんだし、取りあえずやることやろうぜ。まだお前の自己紹介もしてねえんだぞ」
「アンタがまともな感じでイニシアチブ取るのなんか癪だわ。アタシがやる」
「なんでだ!!」
「画面の前のみんなやっはろー“超高校級の裁縫師”こと有栖川薔薇だよあげぽよー」
「やっつけ感がすげえ!!句読点くらい入れろ!!あげぽよとか古いんだよ!!女子高生感出すのヘタクソか!!」
「ツッコミが渋滞してる」
「自己紹介するだけでどんだけ紙幅使ってんだよ。オレだってこんな気が立ってるお前と一緒に解説編やんのしんどいんだよ。さっさと終わらせてえんだよ」
「だってしょうがないじゃん。気も立つよ」
「ああ、せい──あぶねえっ!!?なんで目ェ狙ったコラァ!!」
「デリカシーがねえのかアンタは!!ってかちげえよ!!みこっちゃんがいねえからだよ!!」
「針しまえよ!!ったく、暗器みてえに裁縫針仕込んでんじゃねえよ。曽根崎みてえなリアクションしちまったじゃねえか」
「曽根崎なら避けさせてない」
「特に何も失言してねえ曽根崎へのヘイトが強い。いいからお前がイニシアチブ取るんだろ?さっさと進行しろよ」
「ったりーなもう。えーっと、今回の解説編は『ダンガンロンパQQ』の第五章『傀儡の炎に罪を拾う』の前編を解説していくよ。もう五章まで来たんだね」
「六章構成の五章だから、もういよいよ佳境って感じだな」
「佳境も佳境。っていうかここで終わってみんな希望ヶ峰学園に戻るって結末でよかったじゃん。もうこれ以上犠牲出さなくてよかったじゃん」
「いやまだ早えだろそれは。けど確かに、ここから先は誰が死ぬかってのもかなり重要な要素だよな。ほとんどの場合が真相に深く関わってくる事件になるし。まあウチはそうじゃねえんだけど」
「なんでこんなタイミングでこんな事件挟まなくちゃいけないんだこのやろー!!抗議だ!!ストだ!!」
「私怨だろうるせえな!抗議はともかくストすんな!オレまで帰れなくなるだろうが!」
「やだ!帰りたい!今すぐ!」
「無理だぞ。ここの部屋のドア、解説編が終わるまで絶対開かないようになってっから」
「でも前回の解説編で穂谷ちゃんが好き放題色んなもの創造してたでしょ。通り抜けフープ創造すれば余裕でしょ」
「よしんば抜け出せても部屋の外がどうなってるかなんて分からねえぞ。なぞのばしょバグみてえになっても知らねえぞ」
「微妙に通じるか分からないネタを・・・」
「投げ出さねえでちゃんと最後までやり切れってこった」
「んなああああ!!テロリストに真っ当なこと言われるとすっげえ腹立つ!!お前が言うな感がすごい!!」
「だからテロリストだからって常識ねえと思ったら大間違いだからな!!テロリストってこと以外は普通の人間なんだからな!!」
「テロリストってことが何よりのマイナスだろうがバーカ!」
「前回も相当だったけど今回もオレ最後までやり切れるか不安だわ。とにかく一旦落ち着いてくれって」
「お茶飲んで甘い物食べたらちょっと落ち着いたよ。有栖川薔薇だよ」
「頼むから今回は無事で終えたい」
「前回何があったのよ」
「見てねえのかよ!」
「アタシはみこっちゃんが出てる回以外は斜め読みしてるんで」
「まだ一回しかまともに読んでねえじゃねえか!」
「早くみこっちゃんに会いたい・・・。こんなところにクソダセえのと監禁されるなんて何の罰ゲームだし」
「ぜってえ言い過ぎだ!オレだってこんな危険な女と閉じ込められたら気が気じゃねえよ!」
「でも解説すれば出られるんだよね。ヘンなミッション課してくる例の部屋とは違うんだよね」
「冗談でも女がそういうこと言うな。ぞわっとすんだろ」
「ドーテーが」
「ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!!」
「そんなヤツ童貞だよ」
「うるせえやめろ!!生々しい話すんな!!苦手なヤツだっているだろ!!」
「一応全年齢向けだけど、原作的にもうちょっと高い年齢層想定しててもおかしくなくない?」
「なんでシモの話したいスタンスなのお前」
「そういうわけじゃないけど、そこまで過剰反応されるとヒくっていうか・・・」
「ガチトーンのドン引きやめろ!!ってかオレのことはいいから解説すっぞ解説!解説すりゃ出られるんだよ!」
「はいはい分かりましたよ。えーっと、どっから解説してく?」
「各章の最初は章タイトルの解説から始まるのがお決まりだな。五章のタイトルは『傀儡の炎に罪を拾う』だ」
「最初のとこなんて読むの?」
「カイライかクグツだな。どっちも操り人形って意味だ」
「可愛くねー言い方」
「そりゃまあ、可愛くねー意味だからな。炎はそのまんま炎で、罪を拾うってのは元ネタの諺にかかってる部分だ」
「炎・・・!罪・・・!あのクソ【自 主 規 制】野郎が・・・!!」
「やめろっつってんだろうが!お前さっきっから自分の感情に素直過ぎんぞ!まともに解説させてくれ!」
「いいよ。やれよ」
「んな言い方あるか!お前もやるんだよ!」
「だってアタシことわざなんか知らねーもん」
「火中の栗を拾うって聞いたことねーか?」
「ないよ。使ってるヤツ見たことない」
「栗焼いたことあるか」
「ないよ。剥いちゃってあるヤツ買ったことはあるけど」
「話の前提が全然整ってねえ・・・。クソが。栗ってのは焼いたら殻がクソ熱くなるんだよ」
「栗に殻なんかあんの?あのイガイガのこと?」
「マジかよ。本当に同世代かお前」
「世代関係ねーし」
「栗の実を包んでる茶色くて固い殻があるんだよ!焼き栗作るときは殻はそのままにして焼く、ここまでいいか」
「うん」
「食うには殻を剥かなきゃならねえんだけど、焼きたてだとむちゃくちゃ熱いだろ」
「そうだね」
「火の中にある栗を拾うってのは、そうやって火傷の危険を冒すってことなんだよ。しかもそれを、他人に食わすためにやるわけだ」
「へー」
「だから火中の栗を拾うってのは、自分の得にならねえのに他人のために危険を冒すってことだ。分かったか」
「まあなんとなく」
「で、五章はそういう構造になってんだろ。自分を犠牲にして他人のために命を落とすっていう。罪を拾うってのは、他人に罪を被せてその罪で卒業させようとしたってことだ」
「あーなるほど・・・納得。いや、よく考えたらクソムカつく」
「まあオレにしてみりゃなんてバカなことしたんだって感じだな。自分でそれ使って証拠隠滅までしっかりやってりゃ、もしかしたらガチで勝てたかも知れねえのに」
「人に罪を被せたからこそ負けた部分もあるしね。っていうかみこっちゃんは人を騙したり出し抜いたりとか絶対できない子だから!みこっちゃんは天使!みこっちゃんは聖母!」
「確かに決め手はあいつの失言だったしな。って、これは後の解説のヤツに任せときゃいい話だろ。章タイトルの解説が終わったんだから、次は日常編の解説だ」
「日常編っつったって、この辺になってくると全部が非日常編みたいな感じじゃん」
「さすがに4回もコロシアイしてりゃ疑心暗鬼にもなるし、真相に近付いてくりゃ緊迫もしてくるよな。しかも四章のラストで『裏切り者』の正体まで明かされたんだぜ。そりゃギスつく」
「ここからなんとか持ち直そうとするドールんの覚悟も大したもんだわ。アタシだったら完全に引きこもる」
「いや、う〜ん、まあ・・・」
「なんだよ。なんか言いたいのかよ」
「言ってみりゃ、オレもお前もこの空気作るのに手ェ貸してんだよな、と思ってさ」
「何も聞こえない」
「聞け!!現実逃避すんな!!」
「アタシのときはまさかこんなことになるなんて思ってなかったし!っていうかそんな余裕なかったし!アンタとは違うんです!」
「オレだって死活問題だったんだよ!世の中にオレのこと思い出させなきゃオレは死んだも同然なんだから、生きるか死ぬかで選択の余地なんかねえだろ!」
「でも4章以降でアンタの話全然出て来てなくない?忘れられてんじゃねえの?」
「ハゥン」
「急所にあたったっぽい」
「話の流れ上で必要なかっただけでこいつらの脳裏にはオレのことが絶対忘れられねえ記憶として刻み込まれてるはずだから大丈夫だし(一息)(震え声)」
「目に見えて強がってる。アンタの気持ちには共感できないけど、アンタにとってそれが重要な問題だってことはなんとなく分かった」
「モノクマが上手いことそういうところを突いてきたってだけの話だろ。でなきゃコロシアイなんかそうそうしねえんだから」
「コロシアイじゃない命のやり取りを日常的にしてるヤツが言うと説得力半減なんだけど」
「自分で言ってても思った。コロシアイはしてねえけどテロはしてたわ」
「テロリストの言うことなんかあてにしちゃダメってことだね。さ、本編の解説行こ」
「癪だけどめんどくせえから流す」
「本編は清水の回想からスタートだよ。回想っていうか夢?これ」
「夢なんかなあ。どうも希望ヶ峰学園での記憶っぽいけど、なんだこれ」
「清水の前の部屋から出て来たいかつい顔の和服の男って、どう考えても古部来だよね」
「学園内でなんで和服なんだっつってるけど、清水だって制服なんかろくに着てねえだろ」
「QQの中では希望ヶ峰学園での生活って制服って規則なのかな。その辺が曖昧だったけど」
「特に決めてねえだけだろ。まあ制服の設定がある以上は制服着るのがスタンダードだとは思うけどな。改造制服とか着崩しどころの問題じゃねえやこりゃ」
「ってことは、アタシたちにも制服の設定が生まれる可能性が・・・?」
「お前は改造しまくるだろうな。それこそ自由自在じゃねえか」
「アンタだって改造は・・・あ、しないか」
「なんでだよ!するわ!」
「そんな度胸もないでしょ。下手に中途半端な改造したら逆にそれが目立ってダサいんだから。アンタのファッションセンス見てたら分かる。目立ちたいけど奇抜なことはしたくないから、結果ハンパになってダサいだけの悪目立ちになる」
「服の専門家に言われるとなんかそんな気がしてくるじゃねえか。やめろよ」
「なんなのそのバンダナ。今時バンダナなんて小学校の調理実習でもしないよ」
「いやするだろバンダナ!てかそれ三角巾じゃねえか!誰が給食のおばちゃんだ!」
「給食と言えば、希望ヶ峰学園は学食があるよね。人気メニューとかあんのかな。辛すぎて誰も頼まない麻婆豆腐とか、ヅッキーが頼んでそうだけど」
「学園のそんな細かいところの設定なんか、ウチの作者が考えてるわけねえだろ?本編に関係ないことはもちろん、本編に絡む重要な設定だって、書いてる途中で作っていったような作者だぞ」
「今後出て来ることはあるんじゃない?ドールんが主役のスピンオフも考えてるんでしょ?舞台が学園なんだから、少しはさ」
「そっちはもう1年以上止まってるけどな。ま、その手でこれとかハワイ旅行の話とか書いてるわけだし、オレ的にはどっちでもいいが」
「ホントあいつ、書きたいもんだけ積み重ねてって、全然消化できてないじゃんね。積ん読みたいに、積ん書き多いんだよ」
「なんだ積ん書きって。何にもかかってねえじゃねえか」
「ま、この解説編だって何年かかってんだって話だけどね。さっさと終わらせて書きたいもん書くのが一番でしょ」
「嫌なことみたいに言うなよ。さくさく書けてんだからいいじゃねえか」
「本編よりはね。この清水の回想だって、結構な回数書いては消し書いては消しを繰り返したって話じゃん」
「要するに、清水が学園生活の時点で『裏切り者』ってヤツに会ってたって記憶だからな。どういう形で会うかとか、どの辺まで書くかとか、書きたい気持ちと読んだ時の塩梅とか、結構悩んだらしいぜ」
「これ『裏切り者』に会ってたの?」
「そうそう。『裏切り者』が合宿生活の前にメンバーと面接するっていうシーンな。学園の細かいところは考えてねえけど、合宿については割と色々考えてるんだぜ」
「へー。メンバー全員に面接ってことは、アタシらもやってたんだ」
「一応監視役だからな。事前の面通しとどういうヤツか簡単に知っておくとか必要だろ」
「問題の内容が分かった上で会うって、アタシもかなりキツいけど、アンタなんかもうマジでヤバいんじゃないの」
「別に」
「別になの?テロリストとか知られたら終わりじゃん」
「学園にはもう知られてるし、問題視されてることも知ってるしな。いずれこういうことになるだろうなとは思ってたぜ。面接の相手が会長様じゃねえってのは意外だったけどな」
「ウチらのときの生徒会長って・・・あの人だよね。あの眠たそうな人」
「まだあんまり表に出てねえけどな。一応公表はしてるけど」
「いつになったら台詞もらって動けるんだろうね」
「マウント取ってやがる。一章までしか動いてねえくせに」
「うるせえ!!」
「この時のことは清水たちは誰一人覚えてねえみたいだが、脳のどっかにその片鱗は残ってるって感じだな。記憶の操作はダンガンロンパシリーズには付きものだけど、完全な操作は難しいだろってことで、こういうのがちょいちょい挟まるぜ」
「記憶操作の話があるときってだいたいそういうシーン挟まるけど、実際どうなんだろ。普通に生活してても完全に忘れることなんてあるし、案外フツーに受け入れて何にも思い出せなかったりするかもよ?」
「完全に忘れてたら、それを忘れてることすら忘れてるからなあ。何かを忘れてるけど何を忘れてるか分からねえってことはたまにあるけどな。っていうかオレのことを忘れるんじゃねえぞ!!」
「急にどうした」
「忘れることについての話をしてたら急に忘れられることが怖くなった」
「発作の症状が独特」
「まあ忘れる忘れないはともかく、清水たちは覚えてねえけど、『裏切り者』は『裏切り者』なりにやることやってたってわけだ。コロシアイが始まってからはそのことも忘れてたわけだけどな」
「要するに回収するか分からないけど、取りあえず張っとくだけの伏線ね」
「QQはホントそういうの多いからな。幸いなことに今までその辺のツッコミは来てねえから事なきを得てるが」
「ここで言ったらヤバくない?」
「大丈夫だ。こんなとこまで細かく読んでるヤツなんかいねえ」
「頑張って書いてんのにずいぶん自信ねーな」
「いいんだよ、そんくらいで。感想ひとつ、お気に入りひとつもらえたら万々歳ぐらいの気持ちでねーと趣味でこんなにやってられねーよ」
「今誰が喋ってんの?」
「まだ本編の最初の部分だってのにどんだけ喋ってんだオレら」
「脇道に逸れるのがお決まりだけど、案外話って弾むもんだね。こんなにテキトーなのに」
「だがまあ、さすがにテキトーで全編通すわけにゃいかねえから、きちっとやるときゃやるぞ」
「はいはい」
「清水が目覚めて食堂に行ったら、六浜と穂谷が組んず解れつになってるっつうわけだ」
「なにやってんの朝から」
「まあ簡単に言やあ、穂谷がヒステリー起こして包丁持ち出したのを六浜が止めたってところだな。鳥木が死んで、後追いでもしようとしたんだろ」
「やっぱそれだけまどっちにとってトリッキーって大事な存在だったんだ」
「死んだら終わりだっつうのに、後追いだの心中だのよくやるよな。お前だって他人のための復讐だろ?オレにゃあよく分からん」
「誰かのために命懸けになるってのはすごいことなんだよ。アンタだって自分自身のために命懸けでしょ。それと同じようなもんだ」
「そうかなあ」
「ところで、モノクマがこの時点で『裏切り者』の正体を明かしたのって、モノクマ的にどういう意図があるんだろ。『裏切り者』が分からないで疑心暗鬼にしといた方がいいんじゃないの?」
「それもいいが、残り人数が少なくなってくるとひとりひとりの結束が固くなってくるからな。逆にひとり、明確なイレギュラーを投入した方が不和を生み出しやすいんだよ。亀裂が入るのは六浜と誰かじゃなくて、六浜以外の誰かと誰かだけどな」
「なにそれ?どういうこと?ドールんが憎まれ役になるんじゃないの?」
「朝食のシーンみたら分かるけど、晴柳院みてえに六浜を信じてるヤツもいれば、清水たちみてえにどっちつかずの様子見のヤツらもいれば、笹戸みてえにハッキリ敵意を剥き出しにするヤツもいるだろ。六浜と他のヤツらだけじゃなく、六浜とどう接するかでその3グループに分けたんだ」
「ほうほう」
「誰が『裏切り者』か分からねえ状況だったら、ひとりがいくつかのグループ作って協定結べば、少なくとも孤立することはなくなるけど、このときの笹戸は完全に孤立パターンだろ。孤立するヤツがいれば、そいつが何かするか、それとも他のヤツらが何かするか。いずれにせよコロシアイが期待できるっつー寸法だ」
「アンタどっかで黒幕やってた?」
「やってるか!!」
「なんか未経験の割にはやたら詳しいなって思って」
「未経験とか言うな」
「未経験にデリケートになるな」
「実際にこれを書いたときに作者がどこまで考えてたか分からねえが、つまりはそういう風に期待できるわけだ。ま、後からだったらいくらでも言いように言えるけどな」
「そしたらこの解説編って、解説という名の言い訳ってことになるんじゃ・・・?」
「それを言っちゃあおしまいだ」
「さて、場面は植物園に変わるよ。創作論破で植物園はろくな思い出がないね」
「原作共々な。その前に部屋に引っ込んだ笹戸を引きずり出すシーンだ」
「ここに来て結構清水が主人公してるよね。感想とかでもこの辺りはすごい言われてた。しょっぱなが全然主人公らしくなかった反動でそう見えるだけだし」
「確かにムーブは主人公だよな。相変わらず無愛想でぶっきらぼうだが」
「これアレじゃん。『お前を倒すのはオレだからこんなヤツに負けるな』パターンじゃん」
「ファンからツンデレ属性を押しつけられるライバルキャラパターンな。清水のツンデレとか誰得だよ」
「植物園に向かう山登りの最中、笹戸が清水のこと褒めてるけど、それに対して逐一自分を卑下するようなこと言ってるよね。清水ってなんなの?バカにされると怒るくせに、褒めるとこうじゃん。結局どうしてほしいの?」
「どうもして欲しくねえんだろ。他人と自分は無関係でいてえんだよ。バカにされたら小せえプライドが傷つくから怒るし、褒められたら自己嫌悪で胸が痛えから否定するし。要するにめんどくせえヤツだ。絡まねえ方がお互いにとっていいんだよ」
「・・・曽根崎ってさ、そういうの分かってるはずだよね?」
「だろうな」
「なんでアイツ、そんな丸見えで危険注意の看板まで立ってる地雷にドロップキックしに行くようなことしてんの?」
「それが楽しいんだろ。それかアホだ」
「曽根崎はともかく、このときの笹戸はあんまりそういうこと鈍そうだから分かってないだろうね。でもこんなに褒めて寄ってくのって、やっぱりこいつ、ちょっと本性見えてるよね?」
「だな。これは次の解説編にかかる部分だが、あの映像の中でも清水のことは一目置いてたみたいだし。清水ハーレムに笹戸も追加か?」
「ハーレムになってない!キモいこと言うな!」
「なんでお前がそんなに焦るんだよ」
「創作論破のハーレムっつったら女性全員が入るだろ基本。アタシはゴメンだよ!お日様が西から昇ってまた西に沈んでもゴメンだよ!」
「自意識過剰だろそれは・・・。四章まではともかく、五章まで生き残ってるヤツはさすがにだいたい清水と何らかの関わりを持ってるぞ。ハーレムになるとしたらこのメンバー・・・」
「だとしてもみこっちゃんがハーレムなんて淫猥なグループに入るなんて許さねえから!!みこっちゃんはエッチなこと考えないしトイレにも行かねえから!!」
「昔のアイドル幻想かよ。トイレは行くだろ」
「行かねえし!行ってるとこ見たことねえし!」
「書いてねえだけだろ。また晴柳院発作だよめんどくせえったらねえ。本編もまだ清水と笹戸しかいねえし」
「まだそんなところかよ」
「笹戸がさらに本性出して、清水とライン作ろうとしてるシーンだな」
「ボクを裏切らないよね?って質問、この状況だとめちゃくちゃ怖いね。っていうかキモいね」
「今更だろ。笹戸はキモいぞ」
「誰だ。笹戸の顔面が良いなんて言ってたヤツは」
「設定上な。童顔で中性的とかなんとか言ってたこともあったわ」
「それでもこの質問は気色悪い」
「この章は本当に笹戸がメインだよな。今までザ・脇役みたいな立ち回りだったから、いざスポットライトが当たると笹戸の悪い部分が出て来てマジでやべえ」
「ここまでは影ながら人気あったんだけどね。読み終わった人の感想読むと、笹戸許さない的なコメントがあるのが9割だよね」
「やったことがやったことだし、道連れにしたヤツが道連れにしたヤツだしなあ」
「笹戸マジ許さない!!アタシも!!」
「やっと場面は植物園だ。ここまでが長えわ」
「植物園って、いわゆるガーデニングされたところじゃないの?入っていきなり亜熱帯林とか、誰が喜ぶんだよ」
「ちゃんとそういうところもあるぞ。っていうかモノクマにそういう常識を求める方が間違ってるだろ。日本庭園と西洋風庭園とジャングルと得体の知れねえ巨花をまとめて展示するようなヤツだぞ」
「でも害虫がいないのはいいね。今の時期とか蚊がすごいでしょ。マジうっざい」
「ゴキブリはいるけどな」
「アタシ別にゴキブリとか平気なんだ。キモいとは思うけど、飛び上がるほどじゃない」
「あんなもんは意外と平気だぞ。カブトムシとかクワガタと似たようなもんで、イモムシ系に比べたらよっぽどマシだ」
「庭園内はグループに分かれて探索だね。いまの男子の中で一番体が大きいのが曽根崎っていうのが、なんかもう絶望的だよね」
「っていうか清水と笹戸がチビなんだろ。ところでよ、さっきから見てたら笹戸が二十歳とは思えねえんだが、そこんとこどうなんだ」
「え!?笹戸って二十歳なの!?あれで!?っていうか年齢設定あったの!?」
「知らなかったのかよ。オレらちゃんと年齢設定あるぞ。希望ヶ峰学園での学年も決まってる」
「マジで!?知らねえよ!!本編でそんなこと言われたことねえだろ!!」
「確かにねえな。年なんて気にしてる場合じゃなかったしな」
「普通に年上にタメ口利いてた可能性が・・・」
「全然あるぞ。ちなみに笹戸とアニーが二十歳で最年長な」
「アニーは確かに最年長の風格っていうか雰囲気あるから分かるけど、笹戸なんか逆に年下なイメージすらあった・・・」
「っていうか年齢はお前が大好きな晴柳院が解説編やってた時も話題になってただろ。晴柳院がQQメンバーの中じゃ最年少で悔しがってたって話あったろ」
「あのみこっちゃんマジ可愛かったよね。やっぱりみこっちゃんってみんなの妹なんだってのが証明されたよね」
「そんなことばっか考えてっから聞き逃すんだよ。晴柳院は最年少だからアレだけど、年で言ったらオレもお前も晴柳院も、あと清水と滝山と袴田もタメだからな」
「そうなの!?アンタなにタメだったの!?」
「なんだ、年上だと思ってたのかよ」
「うん。このこじらせ方はアタシと同じ年数じゃ完成しないと思ってた」
「一言多いんだよお前は!」
「っていうかアタシたちって学年一緒なの?原作とかだと同じクラスっていう括りだったじゃん」
「いーや。年もクラスも入学のタイミングもバラバラだ。マジで学園の中から問題児16人を選んだって感じ」
「そうなんだ・・・。じゃあさ、同じ学年で年が違ったり、同い年で上級生とか下級生とかあるってこと?」
「少なくともウチんとこの希望ヶ峰学園じゃ普通にあり得る。設定上の話だから別に本編読む上で気にする必要はねえんだけどな」
「同い年で学年が違ったり、同学年で年が違うってなんでそんなことになるのさ?毎年選んでるんでしょ」
「そりゃあ、オレみてえに中学生のときから超一流の“才能”発揮しまくって名を轟かせるタイプのヤツもいれば、アニーみてえに“才能”が開花して超一流として名が知れるまで時間がかかるヤツもいるだろ。だから入学のタイミングは、一番早くて高1の秋、一番遅くて高3の秋だ。ちなみに学園は秋入学な」
「ってことは3学年制だから、え〜っと・・・一番上で20歳で、一番下が16歳か」
「だから“才能”の開花やスカウトが遅かった笹戸やアニーは20歳で、早い段階から“才能”を発揮してたオレらは16歳なんだ」
「アタシ16歳だったんだ・・・はじめて自分の年をはっきり認識した」
「オレと清水は中坊んときのことが“才能”として認められたからだし、晴柳院はコネ入学だろ。滝山は“才能”的に特例入学だから早いとして、なんでお前もストレート組なんだよ」
「ストレート組ってなに」
「高校入学した年の秋に希望ヶ峰学園に入学したヤツらのことだよ。要するに最速で入学したヤツらのことを学園内じゃそう呼ぶんだよ」
「それ公式設定じゃないよね」
「おう。じゃん論式設定」
「別にこの中だけだからいいけど、あんまりそういうの細かく言うと痛いよ」
「痛いって言うな!っていうか解説編の趣旨全否定すんな!そういうの細かく言うコーナーだろ!」
「本編でも出て来てない設定って言う必要ある?ま、もしかしたらドールんのスピンオフで使う設定かも知れないけどね」
「ガンガンに使ってんぞ!六浜の同期で年上もいるし、年上の後輩もいるし。ちなみに六浜もストレート組な」
「まあそうだろうね」
「植物園内に色々あるけど、これも全部コロシアイのために用意されたもののわけ?」
「コロシアイのための部分もあるけど、なるべく植物園にあってもおかしくないもので統一されてるな。それでも毒物倉庫とかあからさまなヤツがある。これはしょうがねえな」
「でもここが今回の事件現場になるわけじゃん?そのための用意もあったんじゃないの?」
「そうだな。和風庭園の鯉が泳いでる池とか、音楽流す用のスピーカーとか、事件と裁判を成立させるためだけに用意されたものだ。さすがに溶け込ませるのにも限界があったから、ちょっと不自然になっちまったな。それらしい理由は付けたけども」
「植物に音楽聴かせたらどうこうって、マジでそんなのあんの?」
「一部で言ってるヤツはいるけど、耳のねえ植物に音楽聴かせたところで何の意味があるのやらな。ああいうのはだいたい植物の世話をするモチベ維持するためのデマカセだ。やるヤツが納得してりゃあそれでいいんじゃねえの」
「やるヤツが納得してても受け手が全く納得してないことだってある!っていうかやるヤツ以外全員納得してないことだってある!」
「まーたぶりかえしやがった!うるっせえなもう!次の解説編でやるところだからお前はあんま言及すんなっつってんだろ!」
「言わらいでか!定期的に挟み込んでやるからな!読んでるんだろ笹戸!」
「笹戸何次元の存在なんだよ。自分から劇中劇に入って行くな。笹戸が憎たらしいのは分かるけどな。オレには関係ねえことだけども、あいつはどうも信用できなかったんだよな。ああいう誰にでもにこにこしてるヤツほど、腹の中にどんな爆弾抱えてるか分かったもんじゃねえ」
「っていうかあいつはそうでなくてもみこっちゃんとイチャイチャしてやがったからその辺含めても許さねえから!」
「根が深え。植物園だけに」
「うっさい!アンタ解説しとけ!」
「遂にオレ一人に放り投げやがったなこのあばずれが!」
「誰がだ!あばずれじゃねえわ!貞操守るくらいの節操あるわい!」
「二人も女友達侍らせといて節操も何もあったもんじゃねえや。他のヤツらがやべえから霞んでるけども、お前の晴柳院に対する態度も十分おかしいからな」
「あれは健全な友達のお付き合いです(棒)」
「棒って付いてんじゃねえか」
「あっ、言ってたら出て来たよ。張るだけ張ってなんでもなかった伏線」
「どこだよ」
「モノクマフラワーの食事のとこ。結局食事どころか、モノクマフラワーのことなんかこの後なんにも言ってなかったでしょ」
「モノクマフラワーじゃなくてモノクマフラワー改二な」
「細かいしどうでもいい!」
「でも確かに、モノクマが食事の時は気を付けろっつってるし、草食系植物ってのも気になるよな。いかにも何かありそうな含みのある言い方だけど、たぶんこの後、モノクマフラワーって言葉自体出て来てねえなじゃねえかな」
「ホント適当だねウチの作者・・・そもそもこの伏線、使うつもりで張ったのかな?」
「いや、ただ単に、せっかくだから張れるだけ張っとこ、くらいの気持ちだったと思うぜ」
「質悪ぃ・・・」
「でもせっかく伏線張ったんだから、何かしらこれを回収する展開を考えてやらねえとな。伏線供養だ」
「聞いたこと無い儀式だ」
「草食系植物ってのはどういうことだ?草食うってことか?」
「そこまで深い意味はないと思うけど、気を付けろって言われてるってことは、うっかりしたらケガでもするってことだよね。なんだろ」
「草を食うなら植物園に置いてちゃダメだろ。こいつしか残らねえじゃねえか」
「もういいや。別にどうでもいいし」
「飽きるのもはえー」
「さて、次の話はまどっちとヅッキーのシーンだね。まどっちが壊れちゃってから、なんかヅッキーが面倒見てるところをよく見るよね。もしかしてヅッキーって意外と面倒見良かったり?」
「普通に興味深い、とか言って付き添ってるだけだと思うけどな。六浜じゃ近くにいたって逆効果だろうし、笹戸も今はろくに他人を信用できねえ状態だから、望月くらいしか一緒にいてやれねえんだろ」
「仲良く一緒に湖に落ちてるし、これは新たな組み合わせの予感・・・!?アタシ的にはめっちゃおいしいです」
「お前やっぱりソッチか!」
「ソッチじゃないよコッチだよ!」
「同じじゃねーか!古いんだよネタが!だいたい文字だけで伝わるヤツじゃねえだろ!今時こんなネタやったらおもっくそ顰蹙買うわ!」
「ツッコミが細かくて多くて長い」
「うるせえ!」
「この後二人は仲良く大浴場に入っていったとさ。ヅッキーが入浴介護しなくちゃいけない的なことを言ってたし、これは本当に二人は裸の付き合いまでいっちゃったのかも・・・!?」
「そう言われるとなんだか悶々としてきそうな気がしないでもねえな。穂谷はともかく望月で興奮するのはなんか癪だが」
「脳みそピンク色のくせに妙なプライドだけは高いな。これだから童貞は」
「ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!!あと脳みそはみんなピンク色だろ!!」
「こいつホントうるさい」
「お前がうるさくさせてんだろうがい!」
「ああああああ!!!うるさい黙れ!!静かにしろ!!正座!!」
「な、なんだよ急に」
「こっから超大事なシーンだから!五章の核心!!」
「それもう裁判とかじゃねえのか」
「みこっちゃんが植物園に仏壇作ってるところ!ここめっちゃ尊いから見て!マジ全人類ここ見て!」
「オレしかいねえよ」
「あああああマジみこっちゃんぐう聖!!勝手なことしちゃったアタシだけじゃなくて、自分勝手な犯行でみんなを騙そうとしたかなかなとか、とことん害悪だった屋良井とか、まどっちとのいざこざで事件を起こしちゃったなみみんとか、飯出とか古部来とか嫌なヤツまでちゃんと祀ってあげるとか!!なんなのこの子!!無理なんですけど!!」
「マジでうるせえ。そりゃやるだろあいつは。そういうヤツなんだから」
「みこっちゃんはこの章でもそんなこと言ってたけど、本当に家の事情に雁字搦めになって、陰陽師としての生き方しか選べなかったんだよ。だけどみこっちゃんは家のしきたりとかルールとかに従ってこういうことしてるんじゃなくて、自分なりに考えて、自分の気持ちに従って、こういうことしてんの。だからみこっちゃんは自由な育ち方はできなかったけど、自由な生き方をするだけの意思はちゃんと持ってたんだ!でもみこっちゃんの周りがみこっちゃんを大事に思うばっかりにその可能性を潰すことをしちゃってて、みこっちゃんは自分らしく生きられないままだったんだ!このシーンでそういうところまで読み取れるんだよ!!マジこれだけで宇宙生まれる!!みこっちゃん尊い!!」
「急によく喋るなお前!!ばっちり晴柳院の解説してんじゃねえか!!」
「この、葬式は生きてる人のための儀式っていうのがマジでそうなんだよね。コロシアイ生活の中で死んだ人にどう思いを馳せるかってかなり大事なことで、原作では主人公やキャラたちが死んだ人たちを忘れないっていうことで手向けとしてたけど、みこっちゃんはこうやって自分にできる最大限のことをして、死んだ人たちに敬意を払って、死んだ人たちのことを忘れないようにしてたんだよ。ホント良い子だよね」
「実際は笹戸みてえな考えのヤツが大多数だよな。でもあいつって命の価値は平等的なこと言ってなかったか?」
「命自体の重さは平等だけど、罪深い命とそうじゃない命との扱いに区別はあるってだけの話でしょ。アタシらはギルティなんだから」
「ギルティって言うとなんか軽く感じるけども。まあオレは罪の意識っていうの?犯罪犯してる実感も込みで楽しいんだけどな!」
「ギルティっていうかクレイジーがいやがるぞここに」
「因みにだけど、ここにも事件の伏線張ってあるんだぜ」
「お供えの花のこと?」
「いいや。その前の、笹戸が仏壇作るのを手伝った後で、晴柳院が礼にモノクマメダルあげてるだろ」
「うん」
「笹戸が事件に使った小道具は、ここでモノクマメダルを大量に稼いだから準備できたんだぜ」
「あーーーーあーーーー聞こえなーーーーーい!!そんなことはなーーーーーい!!」
「現実逃避すんな!」
「現実じゃねえだろ!」
「フランクに第四の壁突破すんな!ややこしくなるわ!」
「あいつマジで・・・みこっちゃんの好意を利用してみこっちゃんを陥れるとかマジ最低だな。全身縫い付けてやる・・・!!」
「まあ要するに、どんなシーンでも油断しちゃならねえってことだな」
「なんでアンタが誇らしげにニヤニヤしてんだよ」
「作者の代理だ」
「それにしてもさあ、みこっちゃん視点のときの地の文で出て来る京言葉マジヤバくない?エモエモエモっぴじゃない?」
「エモいかどうか知らねえよ。ていうか京言葉っつってもイントネーションがねえんだし分からねえよ」
「本当はそういう部分も考慮して文字にしてるらしいけど、実際に読む人次第なんだよねこれ。でもみこっちゃんの可愛さって訛りにもあるよね。あの訛りのおかげでみこっちゃんの魅力が30割増しだよね」
「4倍!?」
「さて、次のシーンは?誰だこれ?」
「曽根崎だろ」
「が、どこにいんの?」
「資料館だよ。お前ホント晴柳院が関係なかったら興味0な」
「なにしてんの?」
「それが曖昧にぼかされてるから意味のあるシーンなんだろうがよ。資料館にある希望ヶ峰学園のシンボルが描かれた壁を調べてんだよ」
「なんであんなところに目星を付けたのやら。アタシにしてみりゃそこから分かんないよ」
「学園のシンボルを掲げるだけの、何の意味もねえ壁なんか用意しねえだろってことだよ。だいたい、コロシアイの舞台にはこういう仕掛けが付きものだろ」
「ふーん。でもモノクマが用意した罠の可能性だってあるのに、曽根崎も根性あるね」
「けどちゃっかりしてるっつうか、抜け目ないところもあるぜ」
「どこに」
「Enter the name、て名前入れるシーンがあるだろ」
「ああ。あのわけ分からないヤツね。結局あそこで誰の名前入れたのか、本編じゃ分からず終いだし」
「一応ちゃんと決まってるぜ。一発目が六浜なのは書いてあったけどな」
「そこで自分の名前を入れないあたり、抜け目ないっていうか狡猾っていうか。もしドールんの身に何かあったらどう説明するつもりなんだろ」
「単純に六浜が『裏切り者』で希望ヶ峰学園の関係者だから入れたんだろ。まさかここに名前入れただけで死ぬわけじゃあるまいし」
「分かんないじゃんそんなの。だったら自分の名前入れればいいのに」
「そうしねえのが曽根崎だろ」
「で、二度目はちゃんと自分の名前入れてるんだよね。覚悟したとかなんとか言ってるけど」
「黒幕がこの状況を見てるなら、そこにいるヤツの名前を入れたら開くってのもひとつの推理だしな。六浜を実験台にして安全確認もある程度できたことだし」
「三度目でちゃんと開けてんだよね。あれこれ悩んでたけど、結局誰の名前入れたんだろ」
「これは、希望ヶ峰学園が隠してることってことと、曽根崎がどんなネタを追ってたか考えれば分かりそうなもんだけどな」
「なんだっけ」
「マジで興味ねえんだな。カムクライズルだよ」
「あー・・・はいはい。それのあれね」
「興味どころか前提知識もねえじゃねえか!希望ヶ峰の!“才能”研究!人体実験!」
「ああ。そんな話あったね。そんなヤツの名前がなんでここのパスワードになってるわけ?」
「ここに隠してあったファイルは、希望ヶ峰学園の真っ黒な歴史だろ。それもこれもカムクライズルってヤツが絡んでくるから、中のファイルを見て理解できるヤツなら、カムクライズルの名前も知ってるってことだ」
「でもカムクライズルって、元は希望ヶ峰学園の創始者の名前でしょ。誰かが間違って入力しちゃうってことない?」
「細けえこと言うな。今んところ、曽根崎が学園の裏事情に詳しいらしいことを示す伏線がようやく出始めたってところなんだからさ」
「そういえば、ここまでの曽根崎って、なんか胡散臭いけど何が目的か分からない、怪しげなヤツって感じだよね」
「この辺りで、希望ヶ峰学園について調べてるっていうことが分かってくるわけだ。最終章への伏線にもなってるんだ。三章で『もぐら』のことを調べてるときから、学園の裏事情に触れてるような感じは言ってたけどな」
「でもカムクライズル以外のことについてはあんまり調べてないよね。“超高校級の絶望”についても、ファイルを見て初めて知ったみたいなリアクションしてるし」
「そこは、今の希望ヶ峰学園の情報操作が上手く行ってるってことだよな。むしろカムクライズルって名前くらいは流れ出てもいいけど、“超高校級の絶望”の情報が漏れたらそれこそ一大事だろ」
「そもそも今の時代設定っていつなの?原作との時系列が分からないとその情報操作が上手くいってるのかどうかもよく分からないよ」
「一応、一通り絶望関係の事件が収束して、平和が戻ってから数十年って設定だな。オレらにとっての“人類史上最大最悪の絶望的事件”は、画面の前のヤツらに分かりやすく言えば第二次世界大戦みたいなもんだ。そのときの資料は残ってるし歴史として勉強もするが、詳しいことや正確なことまでは常識ってほどには広まってねえし、徐々にその歴史も風化してるって感じだ」
「そこに情報操作も加わってるってことは、本当に大昔の戦争くらいのイメージなんだ」
「だからもし、その戦争の全ての引き金となって、世界を滅ぼそうとした集団がいたってなったら、しかもその集団が日本のある学園を拠点にしてたなんてことになったら、一大事どころじゃねえだろ」
「想像できないくらいとんでもない事態だね」
「そういうこった。だから曽根崎もそこまでは調べられてねえ。っていうか、あいつの目的自体がそことはちょっとズレるからな」
「黒幕はこのことを自力で調べられてかなり焦ったんだね。緊急放送で動機を前倒しするくらいだもん」
「そりゃ黒幕の正体にも関わってくる話だ。焦るだろ。ここで曽根崎が誰かに言うより先に自分ひとりで見てるだけだったからまだしも、全員連れ立って行ってたら、今後の展開丸ごと直さなきゃいけないくらい黒幕にとっては予定外だっただろうな」
「いまいちそこで黒幕の想定内にギリギリ収まるのが、曽根崎の詰めの甘いところだよね」
「想定内どころか黒幕にまんまと踊らされたオレらが言えたことじゃねえけどな」
「うぅん・・・」
「この辺から、曽根崎は黒幕と水面下で駆け引きをするような立ち位置になっていったな。清水と望月の関係性とか、六浜が穂谷や黒幕との対決に苦心するとか、最終章に向けてそれぞれの立ち位置と目的が明確になってきた感じだ」
「まどっちだけは、まだトリッキーが死んだことを引きずってて、前に進めてない状況だね」
「今回はそれが逆によく働いたっつうか、それだけが六浜の計算外だったっつうか。まあこのときの穂谷もまさかそんなことになるとは思ってなかっただろうし、演技と本心は半分半分だったしな」
「まどっちだけは最後まで分からなかったね・・・。そういえば、今回モノクマが急遽用意した動機っていうのも、希望ヶ峰学園でのみんなの記憶でしょ?まどっちだけは記憶取り戻したシーンがなかったような気がするけど」
「事件に直接絡んでもねえし、取り戻してようが取り戻してなかろうが関係なかったから書いてねえ・・・どころか考えてねえだけだ」
「考えてもないんかい!テキトーもいい加減にしろ!」
「学園で一番の記憶ったって、穂谷にとってあんな学園生活の何が一番なんだかって感じだろ」
「別にいい記憶だけじゃないでしょうに」
「五章にもなってきたし、そろそろ希望ヶ峰学園の記憶を一部だけでも取り戻して、真相に近付いていくように仕向けたってだけだからな。もう一回言うけど、穂谷に関してはマジでどっちでもいい」
「普通に言ってるけど、原作からして記憶を書き換えたり奪ったり元に戻したり、超スーパーオーバーテクノロジーだからね」
「一応原作は小説版でその補足はされてるぞ。オレは読んでねえけど」
「QQではどうなってんの、その辺」
「黒幕のスタンスとしては、過去の江ノ島盾子がやったコロシアイの模倣っつうことだから、その辺りの技術とかも模倣してんじゃねーの?希望ヶ峰のどっかに記録くらい残ってんだろ。事実、オレらは記憶奪われてるし」
「記憶にパスワードかけてロックするとか、マジでこんなことまでできたらもっと色んなことできそうな感じがするけど・・・」
「そりゃお前、“超高校級の希望”だろ。それくらいできなくっちゃあな」
「希望の概念がぶっ壊れてる気がする。関係ないし」
「とまあ、記憶を取り戻せるチャンスが訪れたわけだが、モノクマが動機として発表してる以上、怪しいことこの上ねえよな。罠かも知れねえし敢えてそれに従うのも危険なんだが・・・」
「まあ動機貰いに行くよね。展開的に」
「そこばっかりは従わねえと話が先に進まねえからな。バラで取り戻しに行ったら、誰がいつ取り戻してそれを誰が把握してて、ていうのがややこしすぎる」
「でも、二作目ではやってるでしょ。一部だけ動機を受け取らないっていうの」
「そりゃできるだけ簡潔にしてるしな。ぶっちゃけこういう状況で、ひとりだけ周りより情報が少ないっていうのは、それだけで致命的なんだぜ?わざわざ手に入る情報を捨てるって方がバカだと思うがな」
「バカって言うな」
「誰だ今の」
「なんだかんだで結局行く流れになるけど、ここで清水が曽根崎に真っ先に賛同するんだよな。ますます主人公ムーブが目立ってきたぜ」
「一章とか二章のときは、みんなが探索や捜査に行こうとするのを清水が面倒くさがって、それを曽根崎が引っ張って連れ出したって感じだったんだけどね。今回は曽根崎が行こうとするのに二の足を踏むみんなを、清水が引っ張って行くって。なんかエモくない?」
「お、有栖川が珍しく晴柳院以外に興味を示した。いいぞいいぞ」
「なんか自分のキャラ守ろうと言い訳してるけど、単純に曽根崎以外の背中押してるだけなんだよな。あの清水がこんな風になるなんてな。なんか感慨深いぜ」
「かと思ったら、資料館に移動してファイルを見てすぐ、なんかの記憶を取り戻してるんだよね」
「まあ主人公だし最初に取り戻してもいいんじゃね?」
「まーた回収する気のない伏線張ってるよこの作者。“超高校級の絶望”ってフレーズで清水が何かを思いだしておけば次話まで引っ張れるっていう浅い考えが透けて見える終わり方だね」
「容赦ねー。実際そうなんだけどな。“超高校級の絶望”と清水になんらかの関係があるっていうのは元々決まってたことなんだけど、そこまでずっぷり絡んでたらそれはそれで困るから、どの塩梅にしようか困った状態で迎えたこのシーンだからな」
「ちなみに手元のカンペだと」
「急にリアルなラジオ感出すなよ」
「本編中で清水が笑ったのはここが初めてなんだって」
「嫌な笑い方しやがったな最初に。大悪人の笑い方じゃねえか」
「アンタが言うな」
「普段からツンケンしてて面倒くさがりだから、笑うシーンなんかなかったんだな。ヒロインは常に無表情だし、感情出したら死ぬゲームかよ」
「原作からして若干その気はある」
「ここの終わり方は引きはあるんだけど、次話読んだらすぐにさっき言った浅ましい考えがバレるから解説もすぐ次に行くぞ」
「ガンガンいこうぜ!」
「次話の頭で、清水が自分が出会った“超高校級の絶望”について話すわけだ。清水からこんな情報が出るのも珍しいな」
「あんまり自分からべらべら喋るタイプじゃないもんね。でも、QQの希望ヶ峰学園じゃ“超高校級の絶望”なんて大した集団じゃないんでしょ?」
「ああ。学園で異質だってだけで清水をこっそり勧誘するような集団だからな。ただの同好会レベルにまで落ちぶれちまった」
「とんでもなく厄介な思想を持った同好会ね」
「だから、むしろこのとき警戒すべきだったのは、この五章でメインになってくるもう一つの集団なんだ。名前こそ最後まで出て来ねえが、そっちに対するカムフラージュでもあったわけだな」
「なってんのかなあ・・・カムフラージュに」
「知らん。カムフラージュったらカムフラージュなんだ」
「実際、QQの話の根幹に“超高校級の絶望”は関わってこないわけだし、むしろ“超高校級の希望”の方がよっぽど厄介だったわけだしね」
「デケえ絶望はもちろん害悪だが、デカ過ぎる希望も人類にゃ付き合いきれねえってことだ。ま、その辺はもっと先の解説役に投げちまおうぜ」
「そだね。この後も立て続けにみんなが記憶を取り戻していくから、そっちの方解説しよう。えっと、“超高校級の絶望”のファイルを読むだけでドールんも記憶を取り戻したね」
「一応ここは、原作の流れをおさらいするところだから、わざわざ二次創作探して読んできてるような読者にとっちゃ、そこまで注意して読むところでもねえんだ」
「でもものによっては、明らかに改竄されてたり嘘が混じってたりする場合もあるじゃん」
「だから注意して読む必要はねえけど、そこに書かれてることが事実かどうかは見ておく必要がある。その創作論破の根幹に関わってくることだからな」
「注意すりゃいいんだかしなくていいんだか」
「で、おさらい中に関係ねえところで笹戸も記憶を取り戻す。これが決定打だな」
「マジで今までもそうだけど、こういう、この後の運命が決まった瞬間とか、知った上で見るとかなり辛い・・・」
「自分のことでもあるしな。分かるぜ。ま、オレは満足して散ったから辛くもねえけど」
「散ったって良いように言ってるけど、アンタは物理的に散らばっただろ。全然美しくない」
「うっせ!うっせ!」
「あっ。ドールんが希望ヶ峰学園の生徒会役員だって言った。今までただの学園側としか言われてなかったのに」
「六浜にとっちゃ、記憶を取り戻したことでようやく『裏切り者』だってことの自覚を得られたわけだ。今まではぼんやりそんな気がしてただけだけどな」
「だからモノクマはドールんから、希望ヶ峰学園の生徒会の記憶も抜いたんだね。自分が役員だってバレるから」
「そのおかげっていうかそのせいでっていうか、六浜は自分が『裏切り者』だってことを黙ってたってことになっちまうから、笹戸みたいに六浜にブチ切れるヤツも出て来らあな。そこも黒幕の計算のうちってこった」
「ナチュラルにトチ狂ってるまどっちが怖い」
「望月の言う通り、希望ヶ峰学園と“超高校級の絶望”は敵対関係にあるから、絶望だなんだっつってる黒幕と学園の差し金の六浜が繋がるわけはねえんだけど、そこら辺がわけ分からなくなってんな」
「でもこのときの笹戸ってもう記憶取り戻してんでしょ?単純にあいつって学園の中の異分子なんだから、それだけで敵視する理由になるでしょ」
「そうだな」
「だからこのときの笹戸って、パニクってるふりしてドールんから離れたかっただけなんじゃないの?もともと持ってた敵意を、絶望と学園がごっちゃになってるふりして処理したっていうか」
「それもあるかもな。どちらにしても、もう笹戸の中でこれから何をするかは決まってたんだから、六浜はここで放っとくべきじゃなかったな」
「ドールんだって自分が『裏切り者』だって気付いて辛いのにさ。っていうかホント、このコロシアイ、ドールんだけめちゃくちゃハードモードじゃない?」
「確かに六浜は最初っからコロシアイを防ごうとあくせくしてたけど止められなかったし、三章でマジで病みかけてたし、後半になってさらに追い討ちかかってるな。でも、コロシアイが誰かにとってイージーモードだったことあるか?」
「それもそっか」
「笹戸がフェードアウトして、今度は原作ゲームじゃなくてアニメ版の復習だな。翼をくださいが聞こえてくるぜ」
「やめろし」
「にしても、ゲームやアニメを知ってる読者なら分かると思うけど、実際に生徒会同士のコロシアイを煽ったのは江ノ島で、カムクライズルはほぼ何もしてねえんだけど、六浜の口からはカムクライズルがやったことになってんな」
「そこは情報操作が生きてるっていう証拠だね。カムクライズル研究を止めさせたいって人たちにとっては、そっちの方が都合がいいもんね」
「六浜からだいたいそんなことが話されたところで、今度は穂谷や晴柳院が失せてったな。穂谷が言ってるアルモニカってなんだ?」
「そういう楽器。ガラスを濡れた指で触って音を出すんだ」
「なんでそんなもんをこのタイミングで欲しがるんだ?」
「聞きたい?呪いの楽器、アルモニカの伝説」
「タイトルだけで腹一杯だわ。なんか穂谷がどんどん破滅的になってってんな。なんで呪いの楽器弾きたくなったんだよ」
「ただ単に作者がネタにしたかっただけでしょ」
「すーぐ知識ひけらかしたがるんだからよ。トリックやらなんやらにもややこしい現象の名前とか心理学効果とか入れたがるだろ。間口が狭まるだろうが」
「それがメインになったらなんかくどいけどね。っていうかアンタのやったことこそまさにそれじゃん。なんだっけ?マリリン・モンロー効果?」
「ねえわそんなもん!あるかも知れねえけど!モンロー・ノイマン効果な!?」
「なんでもいいよ。っていうかアンタがそういうのに詳しいのってなんか意外なんだけど」
「そりゃオレはバリバリ理系だからな!裁判じゃ明尾が解説してたけど、あいつは文系だからあいつが知ってた方がオレには意外だぜ!」
「なみみんは発掘でダイナマイトも使うからね。でもそうか、なみみんは文系でアンタは理系か・・・なんか、そういう分類されるとしっくりこないというか、違和感があるっていうか」
「“才能”だけで言ってっからな。別にどうでもいい」
「おっと。珍しく清水がヅッキーを殴ろうとしてる。女子に手を挙げようとするなんてマジサイテー」
「いや、これは望月が悪いだろ。人殺す可能性があるっつってんだぞ、この状況で」
「ヅッキーの言うことなんだから冗談半分で聞いとけばいいのに」
「冗談に聞こえねえから厄介なんだろうが・・・。ていうか望月は冗談のつもりで言ってねえし」
「結局ここでも殴られたのは曽根崎なんだけど、清水って女子には手を出してないよね」
「まあな。さすがに女子に手をあげるようなヤツだと、味方が誰一人いなくなりそうだからな。一応暴力じゃねえが、ちょっとだけ手を出してるっぽいときはあるぞ」
「なにっ!?やっぱりあいつ見境なく・・・!」
「黙らせるときに顔面を手で覆ったり、手の平で頭を押さえつけたり、ほっぺを引っ張ったり」
「・・・それ、いちゃついてるだけじゃないの?」
「傍目には完全にそうだよな。あいつにしてみりゃ、手を出してるようには見られない程度に加減してるつもりなんだろうが」
「アホだねー」
「爆発しろって感じだよな」
「アンタが言うとシャレにならない」
「そりゃ本編でも言ったことあるけど、シャレのつもりで言ってねえもんな。マジで爆発させてやろうかあいつら」
「闇が深い童貞だ」
「オレもそうだけど、望月も冗談で清水を殺すかも知れないなんて言ってねえんだよな。あいつは自分で必要だと判断したらやるヤツだ。目が違う」
「あんなジト目が?」
「イっちまってる目ってのはイっちまってるヤツにしか分からねえんだよ」
「イっちまってるって自分で言うか。ま、おしおきのリスク考えたらヅッキーがそんなことするわけないってのは思うけど、するわけない、をぶち破って今があるわけだからね。清水がああなるのも分かる」
「その清水だけど、ここで珍しく曽根崎を引っ張って行ってるんだよね。資料館に行く前も言ったけど、前までとは立場が逆転してんの。エモくない?」
「お前、清水と曽根崎のこと好きなんじゃねえの?」
「キモいこと言うんじゃねーよ!アタシそっちじゃないからね!?そんな趣味ないからね!?」
「晴柳院に対する態度見てたら、お前が言うとどっちのことか分からん」
「解説編だからこう言ってるだけであって、本編のアタシだったら絶対そんなこと言わねーし。キモくて喉痒くなってきた。ムヒ塗っとこ」
「悪かったよ。悪かったからムヒ大量錬成すんな。穂谷みたいにこの空間に馴染んできてんじゃねえか」
「便利だねこれ」
「違う作品の二次創作みたいになるだろ。濫用すんなって」
「はい!!次ここ!!みこっちゃんが出て来るシーン!!」
「急だなオイ」
「ドールんとみこっちゃんが植物園で話すシーン!みこっちゃんが毎朝お花を替えてるっていうことと、毎朝同じ時間に来るっていうことと、池に鯉がいるっていうことの3つの伏線をいっぺんに張るシーン!」
「まあ、この時点で事件にどう関係するか分かるヤツはいねえけど、毎日同じ時間に同じことをするって、コロシアイとかミステリではかなりリスキーな行動か、何かの証拠やアリバイになったりすることだよな」
「ルーティンはね。みこっちゃんは素直だからそういうことしちゃうんだよ。それを利用するなんて・・・子供の純真を利用して犯罪するなんて、外道も外道、クソ外道だと思わない!?」
「女子がクソとか言うな。晴柳院お前と同い年だぞ。あと外道に外道かどうか聞くな」
「一応、アンタ外道の自覚はあるんだ」
「ったりめえだ!『もぐら』はクソくだらねえ世の中を闇の底からぶっ壊す!正道、王道、お天道様の下なんか眩しくって歩けっかよ!」
「何言ってんだか」
「スルー止めろ!!口上キメてんだから何かあるだろ!!」
「あとこのシーンでは、後から出て来る笹戸が所属してるヤバ団体の伏線も張ってるんだよね。みこっちゃんのおじいちゃんがやってる宗教団体の下部組織って扱いらしいよ」
「学園に入ったのもコネ、学園にいる間も信者に監視されて、卒業したら家督を継ぐ。晴柳院の人生は雁字搦めだなあ。よくぶっ壊したくならねえな」
「アンタとみこっちゃんを一緒にすんな!その中でも自分なりの自由を見出そうとしてるのが愛くるしいんだろうが!」
「なんでもいいけどよ。四章の途中から晴柳院の家のことについての話がすげえ増えてきたけど、もっと前半にばらつかせられなかったのかね。例えば早すぎる気もするけど、お前にだけは詳しいこと話してるとか、そんなのでもいいじゃねえか」
「しょうがないでしょ。後から生えてきた設定なんだから」
「おいおいおいおい。マジかよ。五章まるごとこの設定ありきなんだぞ」
「笹戸がみこっちゃん狂いのマジキチなのは元々あった設定だし、みこっちゃんの家と希望ヶ峰学園の関係も最初っからあったよ。でも細かい設定は後から生えてきたもんで、『希望の徒』なんて四章書いてる途中に作った設定だよ」
「マジかよ!?急拵えが過ぎる!!」
「ホントだよね。よくこんなんで走りきれたよね。ていうかよくそんな見切り発車で書き始めようと思ったよね、うちの作者」
「大まかな設定だけじゃ事件も裁判も書けねえだろ・・・なんちゅう危ない橋を渡ってたんだ」
「そもそもプロローグを書き始めた時点で三章の途中までしかプロットできてなかったし、もっと前の段階から二作目のこと考え始めてたから、ながら執筆も甚だしい状況で書いてたんだよ」
「集中力0か!」
「まあ、ひとつの話に集中してるところだけは評価してやってもいいんじゃない?」
「いまこの解説編と二作目の方の番外編を平行して書いてんだろうが・・・全然ひとつの話に集中してねえじゃねえか」
「そりゃ、番外編と番外編だから」
「ナメてるよな?番外編ナメてるよな!?いくらキャラ崩壊もネタバレも何でもありっつったって節操は守れよ!」
「人としての節操を踏みにじってるヤツに言われたくないでしょ」
「そりゃお前もだろ!多かれ少なかれオレらが道徳説く立場だと思うなよ!」
「それどんな気持ちで言ってんの?」
「望月と曽根崎ってのはどっちも清水とよく絡んでっけど、この二人だけってのはあんまりなかったな。五章になって初めてじゃねーか?なんか新鮮だな」
「どっちもいまいち何考えてるか分からない感じだから、ちょっと怖いよね。しかもヅッキーから清水以外に用事を持って訪ねるなんて、考えられなかった」
「5冊目のファイルっていきなり言ってんぞ。なんで分かったんだ?」
「ヅッキーが説明してるでしょ。4冊のファイルを読んでも記憶が戻らなかったのと、全部戻したときに隙間が出来てたから、もう1冊あるはずだって。それを持ち出した可能性が一番高いのが曽根崎だって」
「六浜のヤツもたいがい勘が良い上に頭がキレるから追い詰められてたときはマジで焦ったけどよ、望月もマジになったらこれくらいのことはできるってことだな」
「普通ミステリって頭良い人そんなに後半まで残らないんだけどね。曽根崎にドールんにヅッキー・・・すごいのが3人もいるや」
「普通そこに清水が入って然るべきなんだけどな。一応主人公だぜ。あんなんでも」
「あんなんだから入れないんだろうが」
「納得」
「それにしても、曽根崎は案外すんなり認めたよね。もっとあれこれ言い訳したり煙に巻いたりするもんだと思ってたけど」
「ただの可能性とはいえ、ここまで確信持って来られちゃ、曽根崎だってお手上げだろうよ。だったらいっそ認めちまって、その上で明確に拒絶するって方が望月には効果的なんだろ。見せないなら見せないなりの理由を提示する。それを納得させれば追及も止まる。望月はそういう人間だろ」
「まあね。普段清水といるときはおちゃらけたりボケボケしたりしてる二人だけど、ガチトーンでこんなやり取りしてるところ見ると、あ、やっぱりアタシたちとは違う世界の人間なんだ、って思うよ」
「だよな。曽根崎は学園の闇の部分を調べてまだ他のヤツらを遠ざけて守ろうとしてるし、望月は望月で・・・ここは六章に関わってくる部分か」
「そうだね」
「まあ隠してもしょうがねえか。望月は望月で学園の闇の部分に自分の記憶があるってことは分かってるわけだから、自分がそれと無関係じゃねえってことも理解してんだろ」
「だから実際このシーンは、曽根崎がヅッキーを学園の暗部に戻ろうとするのを必死に引き留めてるシーンとも見えるわけだ」
「ちょっと前のやり取りだけど、望月もこの言い合いに不毛さを感じてうんざりしてきてる頃合いだからな。曽根崎の意思が固いと分かったら食い下がらずに諦めた。そこに時間を費やすのも無駄だと思ったんだな」
「でも最後にとびきりの爆弾投げて終わってるよ」
「爆弾?オレの?」
「爆弾に反応してんじゃねーよ!ちげーよ!爆弾発言ってことだよ!」
「ああ。“曽根崎弥一郎、お前の記憶はどこにあった?”ってヤツか」
「えっ!?モノマネうめーなアンタ!もっかいやって!」
「“曽根崎弥一郎、お前の記憶はどこにあった?”」
「似てるううう!!(草)何それめっちゃウケる!!アンタそんな特技あったの!?(爆)」
「オレは元来器用な方だからな。声真似くらいどうってことねえよ」
「もっとやってもっとやって!」
「“感情とはヒトという種になくてはならないものなのか?感情が欠如しているとされる私はヒトとして不完全な存在となるのか?”」
「あ、それもうちょっと後のシーンのだからカットで」
「やらせといて急に冷めんな!!!テンションの落差で耳キーンなるわ!!!」
「そこ良いシーンだからアンタのモノマネなんかで先に聞きたくなかったなあ。真似るシーンくらい空気読んで選べよ」
「お前清水の次ぐらいにオレに対して辛辣じゃね?」
「清水は特別。アンタが一番」
「女に一番って言われてこんなに嬉しくねえことがあんのか!!」
「ま、後半の清水と比べたらアンタの方が嫌かもね・・・」
「しみじみ言うなそんなこと!テメエ、オレの心の弱さ知らねえな!?テメエの暴言でまた弾けたらどう責任取るつもりだコラ!!」
「強気なんだか弱気なんだか分からない脅迫してきた!だからアンタがそういうこと言うとシャレになってねえっつってんだろうが!」
「シャレのつもりで言ってねえっつってんだろうが!!」
「だからダメなんだろうが!!」
「まーた笹戸と清水が何か話してんぞ」
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ふーっ!」←ツッコミ疲れた
「相変わらず無愛想だし言葉がキツいけど、要するに笹戸に過ぎたこと気にするより目の前のことにブチ当たれ。そのために六浜と仲直りしてこいって言ってんだよな。主人公かよ」
「主人公だろ・・・」
「あと辛いときに我慢すんなとも言ってんな。清水は我慢がなさ過ぎるけど、確かに笹戸は今の生き残りメンバーの中じゃそういう感情を抑え込む方だよな。あとは六浜と晴柳院か」
「みこっちゃんは我慢してるんじゃなくて受け取った感情を自分の中でポジティブに昇華しようと頑張ってるから違いますー。はいお前みこっちゃんにわかー!分かってねー!」
「うぜえ・・・晴柳院クラスタになったつもりはねえよ」
「クラスタで思ったけど、今ここ密室でしょ。アンタとアタシこうやって向かい合って話してるけど大丈夫なの?」
「お前、現実と空想の区別付くだろ?」
「うん」
「そういうことだ」
「めんどくさくなりそうな気配を察して手短に切り上げた!」
「なんなら濃厚接触も辞さない構えだが」
「触ろうとすんな痴漢魔!!」
「あぶねえ!!テメエいま手に針ブッ刺そうとしただろ!!冗談だろうが!!」
「そういう冗談はもう時代に合わないんだよ。痴漢魔は精神的傷害罪なんだからこれは正当防衛」
「痴漢魔じゃねえ爆・弾・魔!!」
「“才能”とはいえ、なんでそこにプライド持てるのかが分からない・・・」
「そりゃお前三章で一通り書いてあった・・・ああ、お前は晴柳院に関係ねえところは読んでなかったんだっけ」
「そうなんだよね」
「そうなんだよね、じゃねー!!読めよ!!逆にだったら五章の話の流れとか分かってんのか!?」
「みこっちゃんの台詞だけ読めばQQの流れ把握できる説」
「できるわきゃねーだろ!どんな作りだ!それもう影の主人公じゃねえか!」
「違うわ!正主人公だろ!」
「それも違うわ!主人公はあの主人公っぽくないバカだろうが!」
「そうだった!!」
「その主人公っぽくないバカが主人公らしくしてるところだってのに、なんで解説せんと漫才やってんだオレらは」
「解説もなにも書いてあることが全てだからでしょ。敢えて付け足すとすれば、作者はこのとき清水を主人公っぽくしてやろうと思って書いてたわけじゃないんだってよ」
「そうなのかよ!?めっちゃ主人公っぽいぞ!?」
「単純に笹戸目線でみこっちゃん以外に可能性があったのが清水だから、絡みが多かっただけ。この章は笹戸が主役のひとりだから、必然的に清水の出番も多くなるでしょ」
「まあな」
「その中で、最終的に笹戸が清水に対して希望の可能性を確信しかけるけど、清水自身にそのつもりがないから惜しみつつもみこっちゃんをクロにする計画を決心する、っていうような流れにしたかったわけ。だから主人公っぽく見えるんだって」
「やけに清水がまともな趣旨のことを言ってると思ったら、笹戸に期待させるためだったのか」
「その前の時点から笹戸は清水に一目置いてたからね。けどこの会話の中で、ドールんと仲直りしろとか死んだ人のことを引きずるなとか、笹戸の考えと決定的に食い違うところもある。だから生かすべきか迷ってたんだ」
「それで最後の質問か。キミは希望を信じる?って」
「また似てる!不意打ちで食らうとびっくりする!思わず刺しそうになった!」
「声だけで!?どんだけ憎いんだよ!あとお前飯出刺したこと全然反省してねえだろ!」
「アタシの前で笹戸の声真似をするな・・・自分でも何するか分からないんだ・・・!」
「やべえヤツじゃねえか。オレが言うのもなんだけど」
「笹戸が最後に清水に質問したのは、その答えで決めようと考えてたからね。希望を信じるって言えばまた違った形になってたかもね」
「でも晴柳院も清水も生かす方法なんてあんのか?クロはひとりだけだろ」
「ないよそんなもん。だって話の流れは決まってるんだから考える必要がないんだもん」
「身も蓋もねえ!ま、清水が希望を信じるなんて言うわけねえしな。自分に失望したとかちょっと上手いこと言おうとしてるし」
「ここの清水、絶対ちょっと主人公っぽい自分に酔ってたよね。普段こんな文学的な言い回ししないもん」
「なー。後からこうやって解説されるとも知らずに。恥ずかしいなwww」
「すんごい尖ったブーメランがブッ刺さった」
「オレは別に自分の発言恥ずかしいとは思ってねえぞ。あれがオレの全部だ!」
「それはそれでヒくけど」
「うるせえやい」
「アタシは自分のところ恥ずかしかったけど・・・」
「まあそれでも、シェイクスピアも知らねえ清水よりは恥ずかしくねえだろ。あいつ中学時代は真面目に勉強してたんじゃねえのか」
「日常生活で触れる機会とか全然ないからね。名前くらいは知ってるけどさ。なんだっけ?メロス?」
「ここにもひでえヤツがいた。一番有名なのっつったらロミオとジュリエットか?」
「あ〜、それも聞いたことある。恋愛映画とかか」
「劇だよ劇!知らなさすぎるだろ!」
「知らねーよ。知識マウント取ってくる男とかウザすぎだし」
「マウント取れる程の知識でもねーわ!ちなみに穂谷が食堂で読み上げてんのはハムレットな」
「ハム?なんか美味しそう」
「あのアホ毛と同レベルじゃねえか!ハムレット!」
「ハムでもベーコンでもいいけど、なんでまどっちは食堂でそんなもん読み上げてんの?」
「一応これも伏線なんだけどな。ハムレットってのは復讐劇だから、穂谷が復讐に駆られてるっていうことの暗示だ。イカレたふりもしてるから分かりづらいが」
「ふーん。他のヤツだと復讐じゃないんだ」
「いやまあ、色々あるだろうけど、オレだって詳しくは知らねえし・・・」
「でも復讐に駆られてるっていうけど、その後仲良くお昼ご飯食べてるじゃん」
「だからイカレてるふりもしてるから、行動が支離滅裂なんだよ。あとここにも伏線張ってあるぞ」
「鯉こく。鯉を使った味噌汁ね。美味しいのかな?」
「どうだろうな。昔は食えるもんならなんでも食ってるイメージあるから、味はそこまで重要じゃねえんじゃねえか?鯉って泥臭いって聞くし」
「湖にはピラルクがいたけど、それ以外の魚がいるなんて言ってたっけ?」
「この鯉は湖じゃなくて植物園の池にいた鯉だよ。笹戸が釣り上げて食っちまった」
「なんでそんなことすんの?」
「あいつ、池にも仕掛け作ってただろ。鯉なんかいたら仕掛けがズレちまうかも知れねえじゃねえか。そういう不確定要素はできるだけ排除するのが、計画的犯行の基本だぜ」
「そんな基本知らねーままでよかったわ」
「ま、逆に鯉を全部釣って食ったせいで、晴柳院が失言することにもなっちまったんだけどな」
「テメーでみこっちゃんハメといてテメーで墓穴掘ってんじゃ世話ねーな」
「マジで何がどう転ぶか分からねえから恐ろしいぜ・・・」
「うわっ。まどっちがジュースを手につけてなめて手につけてなめて・・・見てらんないもう」
「思い付く限りの気が触れた行動をしてんな。手を汚しますって、はっきりと殺人宣言してんのにまともに取り合われてねえあたり、もう既に穂谷の作戦は半分成功してるようなもんだよな」
「生き残るためになんでもするってこういうことなんだろうね。アタシにはできないわ・・・」
「オレももっと念入りに準備するべきだったか・・・。数年も経ってるって気付くのが遅すぎた。ちっ」
「ちっ、じゃねえ」
「そんなドタバタのやり取りの後で、晴柳院が一言。これも後々笹戸が回収する伏線だな」
「この昼ご飯の間にいくつ伏線張るんだよ。それ用のシーンじゃん」
「当たり前だ。全部のシーンにこういう伏線かなんかが仕込まれてんぞ。意味のねえシーンなんかねえからな」
「意味のない件はあるけどな」
「そりゃ意味がないからカムフラージュになるんだろうって。意味があるものばっかじゃ息が詰まるだろ。詰まったら抜かなきゃしょうがねえから、息抜きが必要なんだよ」
「確かにそうだけど・・・この企画自体がめちゃくちゃ息抜いてるんじゃないの?」
「それな」
「清水が独白部分で考えてることも、初期とはだいぶ変わってきたね。本格的にここから出ることとか、黒幕とのこととか考えてるね」
「相変わらずモノクマには弄ばれてるけどな」
「ここから先はヅッキーが清水と話す大事なシーンだよ。今まで正体が分からなくてどんな秘密があるのか、その兆しも見えてなかったヅッキーの秘密に一気に迫るシーンでもあるから大事だよ」
「そうだよな。オレらはオチまで知ってっから、振り返りながら見ててもなんとなく納得するけど、それも知らずに見てたら、こういう人間なんだなってしか思わねえよな。別に人間味が出て来てるわけでもなく、なんでそんなヤツがヒロイン枠に収まってんのか分からねえよな」
「自分から清水の部屋を訪ねて、多目的ホールに誘う。今までのヅッキーだったら、誰かに言われてそうすることはあっても、自分から相談なんてしなかったよね。自分ひとりで結論出して、勝手に行動するタイプだったから」
「その辺もちょっと変化が起きてんのかなあ。清水ほどじゃねえけど、望月も少しずつ真人間に戻っていってるのかも知れねえな」
「そんなヅッキーの気持ち、というか思いというか考えも知らねえで、あのアホ毛はアーミーナイフなんか持って行ってやがるんだ!何考えてんだ!」
「いや、普通は護身具ぐらい持ってくだろ。この状況で」
「どうせ本当にヅッキーが何か仕掛けてても、清水がこれを使い熟せるわけねえじゃん!」
「だろうな。脅しくらいにしかならねえだろうけど、望月にそれが通じるかも分からねえし」
「ていうか、そんなにビビってんなら行かなきゃいいのにね。ホールに近付くほどビビりまくって、あれやこれやありもしないことを想像するくらいだったら、部屋で寝てればいいじゃん。それが清水じゃん」
「一章とか二章だったらそうしてたかもな。でももう五章で、清水はそうしなかった」
「ホールに近付けば近付くほど不安なこと考えてるし、ヅッキーが裏切るってことをほぼ確信してるのに、なんで清水は戻らなかったんだろ」
「んー、どう説明しても清水自身は否定するだろうけど、清水は望月を裏切れなかったんだろうな」
「へ?そうなの?」
「望月が罠を仕掛けてるかも知れねえってことにビビってはいるけど、清水が一番ビビってんのは、望月に裏切られるかも知れねえって部分だな。それは単純に騙されるってことだけじゃなくて、望月だからビビってんだと思うぜ」
「なにそれどういうこと?」
「地の文で否定こそしてっけど、清水は望月が心配だったんだろうな。マジで相談したいことがあるってんならもちろん心配だろうし、そうじゃなくて清水をハメようとしてるってんなら、あの合理的な望月が殺人を実行しようとするくらい追い詰められてるってことまで考えて、心配してんじゃねえかな」
「なんじゃそれ!それさ!清水ヅッキーのこと超好きじゃん!」
「いや、う〜ん、どうかな。主人公力上がってるこのときだからこその判断かも知れねえな。ついぞ清水自身もこの判断の理由を分かりかねてたし」
「ふーん。ま、なんでもいいけど、アタシはこの後のヅッキーの嬉しそうな顔見られるなら」
「いや、無表情だろ」
「はぁ〜〜〜」
「なんだよそのクソ深えため息は」
「これだもんな。女の子の気持ちが分からねえからアンタはいつまで経ってもクソ童貞のままなんだよ」
「あいつの表情読み取るとかハードル高えわ!」
「自分でも言ってるけど、夜中に呼び出されてのこのこ行くなんて判断、非合理的なんだよ。だからヅッキーだって来るとは思ってなかった。でも清水はちゃんと来た。それがヅッキーは嬉しかったんだよ。自分が嬉しいっていうことは分かってないけどね」
「なんじゃそりゃ」
「そもそもヅッキーだって、相談するなら清水って言ってたでしょ。単純に悩みを解決することだけを考えたら、清水だけじゃなくてドールんや曽根崎にも、なんならみんなに話した方が効率良いでしょ。なのに清水だけを呼び出して打ち明けたって時点で、この自分以外全てを疑わなきゃいけない状況の中で、清水のことを信用してるって証拠なんだよ」
「急に語り出すなよ。まあ確かに結構前のっつっても動機だからな。自分の動機はさすがに他人にゃ見せられねえよな」
「全世界に公開されたアタシの身になれ」
「そう言えばそうだった」
「ちなみにアンタのはどんな秘密だったのさ」
「今言いたくねえって話をしたところなんですけど!?」
「ヅッキーもアタシも公開してんだから、アンタも言え。いいから言え。ちょっとは場が持つだろ」
「人の秘密を繋ぎ程度に使ってんじゃねえよ!」
「どうせアレだろ?実はテロリストでした的なことだろ?もうだいたいみんな分かってんだから言えよ」
「別に大したことじゃねえよ。『もぐら』のことをニュースで見てケラケラ笑ってるヤツらとか、『もぐら』を崇めて勝手な活動してるようなヤツらの映像しかなかったよ。そんなヤツらがどうなろうが、オレには関係ねえことだ」
「『もぐら』にもファンがいたんだ。テロリストなのに」
「ハンパなヤツらは全世界を敵に回すがな、どこまでも突き抜けて狂ったヤツってのは妙なカリスマ性を持つもんなんだよ。だからってあいつらを殺されたところで、オレはなんとも思わねえ。オレの目的は手下を増やすことじゃなくて、『もぐら』という恐怖を全人類に植え付けることだからな」
「うわー。じゃああいつらアレじゃん。いざというときにアンタに捨て駒にされて、喜びながら死んでくヤツらじゃん」
「うん、そうだけどオレそんなことしないからな?っていうか、捨て駒にもならねえよ。オレは利用できるヤツは利用するが、自分に従うヤツを信じる気にはならねえ」
「なにそれ?」
「人に従うヤツってのは基本的になんかの見返りを求めてるんだ。オレは誰にも何も与えるつもりはねえから、そんなヤツらについて来られても困る。だから信じてたって意味がねえから信じねえんだよ」
「でも滝山のことは信じてたじゃん。だからドールんや曽根崎を殺し損ねたとき、あんな怒ってたんじゃないの?」
「お前、新品で買ってきた包丁がトマトも切れねえなまくらだったら怒るだろ?」
「うーん、そだね。はあ?って思う」
「そういうこった」
「分かった。あんたが人間のクズだってことが」
「オレこんな暴言吐かれるほどひでえことしたかな!?解説しかしてなくねえかな!?」
「自分の胸に手ェ当ててみれば?」
「あ゛っ!!またイチャついてやがるぞあの二人!!」
「この流れのどこでイチャつくチャンスがあったんだよ」
「ここだよ見ろよ!イヤホン!二人で片方ずつ付けて!!青春の模範例かよ!!ちくしょー!!」
「マジでアンタ、こんなシチュエーションでそんなこと気にしてられる?これからヅッキーに動機見せられるってのに」
「いいよなあ。有線のイヤホンだからお互いに距離つめなくちゃいけなくて、同じ音楽を共有して密着するっていう、もうビンビンの状態!ワイヤレスイヤホンが普及してきた今じゃ、そんな光景も様変わりしてきてんだろうなあ」
「アンタ、童貞のくせにオッサン臭えこと言うなよ。きっしょ」
「きもいって言われるよりきしょいって言われる方がなんか精神にくる。なんだろうこれ」
「ていうかイヤホン共有で青春感じてるんだったら、その前に夜中に二人きりで密会してる方がよっぽど青春っぽくない?」
「それはいきすぎだ!それはもう甘酸っぱいじゃなくてなんかもう、エロい!そこの塩梅間違えると下世話になる!」
「なんなんだよアンタ・・・マジでさっきからきしょいんだけど」
「この繊細な感覚が分からねえから一章退場するんだよテメエは!」
「繊細な感覚が分かるから飯出にムカついたんだろうが!アンタの方が暴言質悪いぞ!」
「甘酸っぱい青春を過ごしたいって気持ちが分からねえのか!?分かるだろ!?男子だけじゃなくてそりゃ女子にもある気持ちだろ!?あるって言ってくれよ!!」
「・・・そりゃまああるけど」
「勝った!」
「勝ってない!」
「はあ・・・できたらいいなあ。あんな青春、こんな青春、恋愛だの部活だの友情だのといっぱいあるけど・・・オレだって爆弾とテロリズムに青春を注いでなけりゃ、もうちょっとマシな高校生活を送れてたんだろうが」
「ちょっとそこからの軌道修正は前例がなさ過ぎて無理だわ。引きこもりが可愛く見える」
「天体観測っつったら青春の王道の1つって感じだよな。やなぎなぎもそんなようなこと言ってたぞ」
「それボーカルの人の別名義な。あの人の言葉ってわけじゃねえから。むしろ作詞家の言葉だから」
「望月のこの天体観測は、時期とか時間帯とか、実際に観測できるようなものに合わせてあるらしいぞ。あんまよく知らねえけど」
「この光文ってなに?平成の次を勝手に予想してたの?」
「まだこの時は代替わりの話固まってねえよ。光文ってのは昭和の次の元号の候補だった没元号だ」
「なんでそんなもん知ってんだ・・・」
「わざわざ調べたらしいぜ?平成っつっちまうとなんか現実感が出て来て嫌だったらしい」
「よく分からん・・・」
「さ!ここはものすごい重要なシーンだよ!ヅッキーの動機ビデオ!今までのコロシアイ生活の中で見てきたヅッキーからは想像できないようなきゃぴきゃぴしたヅッキー!アリ!!」
「ありなのか」
「普段とテンション違う友達を見ると、なんかにやにやしちゃうよね。学校と家とでキャラ違う人とかよくいるじゃん」
「そういうの恥ずかしいところなんだから放っといてやれよ。っていうか望月のこれはそれとは全然レベルが違えだろうよ」
「もはや別人だよね。見終わった後の清水だって、顔を見ても本当に同一人物か疑ってたもん。捏造も」
「まあ衝撃だわな。ちなみにこれは最初っから決まってた流れだ。望月は過去にいろいろあって、普通の女子からこういう感じになった」
「ヅッキーは自分と動画の中のヅッキーの違いで、“才能”が全然成熟してないっていうところを挙げてたけど、もっと根本的なところだよね」
「清水も、やけにあっさりその結論に辿り着いた。この状況だからそんな発想がすぐ出て来たのか、普通“才能”と感情を交換したなんて発想思い付かねえだろ」
「なんか清水もそれっぽいもんね。清水も昔はまともなヤツだったんでしょ」
「そうだな。努力家っていう“才能”は中学時代のあいつに対してつけられた称号で、そのときの清水は真面目に勉強頑張る、まあ可愛らしいガキだったらしいぜ」
「想像できねえ・・・」
「挫折の経験を経て性格が捻くれて、努力も止めたから結果的に“才能”を捨てたことにもなった。望月のそれとは全然形は違えが、“才能”を捨てて性格が捻くれた清水と、感情を捨てて“才能”を伸ばした望月は確かに対照的だな」
「さっきの序盤の曽根崎と清水の対比とか、今のヅッキーと清水の過去の対比とか、清水の周りには逆の人間が集まってくるの?」
「単純に主人公だからだと思うけどな。そもそも対比を前提としてキャラ作りとか話作りしてねえし。解釈次第だろ」
「その後ヅッキーは感情とは何かっていうことについて語ってるけど、やっぱりそうやって論理で割り切れるものでもないよね。アタシもアンタも、かなかなもトリッキーも、感情が抑えきれなくてコロシアイなんかしちゃったんだもんね」
「人間らしい方がいいのか?って、これ論理的な質問なのか?望月に感情があるのとないのと、清水がどっちを好きかってのは望月にとって合理的に必要な情報だったのか?」
「どうだろう。ちょっとからかってるような感じもするけど、純粋に知りたがってるようにも見える。どっちにしても、最初の頃のヅッキーよりはちょっと感情的な質問に見えるな。それって、ヅッキーが清水たちに感化されて感情を取り戻しつつあるってことなんじゃないかな」
「清水だってだいぶ丸くなったんだし、そうかも知れねえな。望月自身もそれに気付いてねえようだが」
「はーーー!ヅッキーと清水マジでなんなの?てか清水がなんなの?なんであのクソムカつくチビアホ毛がこんなアタシに刺さんの?無理」
「どうしたどうした急に」
「人間としては徹底的に嫌いだけど人生が性癖」
「解説の相方がぶっ壊れた!どうなっちまうんだァ〜!」
「アタシこのときだけはモノクマに共感しちゃいそうだわ。モノクマは同時に植物園の方の映像を観てるわけだけど」
「あ、そっか。笹戸が色んな下準備をしてんのって、この時間帯だったのか」
「多目的ホールで清水とヅッキーがこんないちゃこらしてる裏で、笹戸は笹戸で自分のイカレた使命のために植物園に罠を仕掛けてたんだよ。それと、裁判の最後に流れるあのクソ映像も、このときに録ったもの」
「もしここで、寄宿舎を出る清水とか、寄宿舎に戻る二人と鉢合わせてたら、笹戸の思惑が外れてもうちょっと違う展開になってたかも知れねえんだがな」
「そういうたらればの話をしても意味ないんだよ。現実だけがたったひとつの・・・あれ、現実」
「上手いこと言えねえんだったらかっこつけんなよ。そもそも二次創作のスタートってたらればだろ」
「そうなんだけどね」
「そして次の日の朝。話のスタートはいきなり不穏なモノローグからだ」
「言葉遣いからみこっちゃんだって気付いた人はたくさんいたんじゃないかな。たまにこういう、誰が喋ってるか分からないモノローグを挟むことはあるけど、すぐに誰かバレちゃうことって結構あるよね」
「晴柳院なんかは関西弁出たら一発でバレるもんな。だからここのモノローグは、普段と違って関西弁を使わないような言い回しに替えたり苦労したんだぜ」
「ギリギリまどっちかドールんにも見えるか・・・?笹戸もなくもなくないか?ぐらいだね」
「笹戸は死亡フラグがビンビンに立ってたから、ここでの死が予想通りって人も多かったそうだ。ぶっちゃけここまで話が進んで人数も減ってたら、誰が死んでもおかしくねえが」
「モーニングコールが死体発見アナウンスって最悪だね」
「おまけに穂谷のフライパンシンバル付きだぜ。なぜだかこのフライパンはウケたな」
「ちなみにここのまどっちのモデルは、魔法省でシリウスを殺した後のベラトリックスだよ。というかあの世界観イメージ」
「細けえ。確かにあそこはファンにとったら印象的なシーンだけど、観てねえヤツからしたらなんのこっちゃだろ」
「ウケたんだからいいじゃん。一応このとき、寄宿舎には清水とヅッキーとまどっちがいて、ドールんとみこっちゃんと曽根崎と笹戸がいない。死体発見アナウンスは三人が死体を見つけたら鳴るから、その中のひとりが死んだってことが分かるんだね」
「いや、清水と望月と穂谷の誰かが発見してたらそうとも限らねえぞ。五章にもなってそんな単純な見落としをするようじゃまだまだだな」
「そんな悪いことアタシには考えつかない。だって死体発見して黙ってる必要がないじゃん」
「色んな状況があるんだよ」
「まどっちはフライパン叩いて訳分かんないこと言ってるけど、植物園から煙が立ってるのを見て事件現場を冷静に判断してんだよね」
「それも、半分は正気っていうことの表れだな。穂谷は元来賢くねえわけじゃねえから、それくらいの推理はすぐにできる。狡猾とも言うが」
「最初に泣き崩れてるみこっちゃん。次に無力感に苛まれてるドールん。最後に死体を前にして追悼する曽根崎。敢えてひとりひとりを出して、誰が死んだか最後の瞬間まで分かりづらくするやり方だね。五章にもなったら曽根崎が死んでてもおかしくないし」
「さすがに笹戸の死亡フラグもあからさまだったからな。せめてギリギリまで引っ張って読者をハラハラさせようっていうささやかな抵抗だ」
「ささやかすぎない?」
「イイ感じの演出になったんだから結果的にはいいんだよ。今回の非日常編は死体発見直前から裁判直前まで一気に行く必要があるから、シーンもぽんぽん進んで行くぜ」
「でも今回の事件は、証拠品も少なくしようっていうコンセプトだったんでしょ」
「事件の構造的に、クロが証拠隠滅をしたり嘘を吐いたりできなかったもんな。被害者が死ぬのと同時に証拠品も一気に隠滅、もしくは見つかっても何がなんだか分からねえ状態にしちまうしかなかったんだ」
「それで火か。考えたくもないけど、焼死ってどんな感じなんだろうね」
「まずは煙や一酸化炭素で窒息して頭が痛くなったり眩暈がしたりしてその場から動けなくなる。意識がもうろうとしながらも、熱で全身が燻されるような感覚がして」
「なんでそんな事細かに説明できんだよ!焼死経験者か!」
「ねえよ!想像だ!」
「想像かい!」
「コロシアイなんてだいたい想像で書いてんだから焼死の体験くらい想像で書けなくてどうするってんだ。ある程度知識をベースにしたり、調べて書くこともあるけど、結局は自分が経験したわけじゃねえから、想像するしかねえよな。殺し方とかおしおきのシーンとかは100%想像だぞ」
「物書きは自分が経験したことしか書けないなんて言ってる人いたけど、んなわけないじゃんね」
「そういうこと言うのは、そいつが想像してものを書くこともできねえ乏しいヤツだからだよ。経験したことしか書けなかったらウチの作者は命何個持ってんだよって話になるだろ。何人入ってるんだよ」
「ま、言うヤツがバカだってことよ」
「その後はいつものように、モノクマが出て来てファイルをもらって捜査を始めて・・・すっかりこの一連の流れにも慣れたもんだ」
「そりゃもう5回もやってるからね」
「こういう現場に慣れてる“才能”のヤツがいるわけでもねえしな。死体に慣れるってのも嫌な気分だろうが、まあ慣れちまえばどうってことねえ。たまに道端でどら猫が死んでるのと大差なくなる」
「アンタの場合は訳が違うだろ。自分で殺してんだろ」
「お前だって殺しただろうが」
「ウッ」
「アリバイ確認は早朝ってこともあって随分とスムーズだ。捜査の人手が足りてねえから、そんなことに時間食ってる場合でもねえんだが」
「みこっちゃんの気持ちを考えたら胸が痛いよ。いつものようにお花を交換しに行ったら、いきなり大音量の音楽が流れて火事になって、死体発見だもん・・・。もうコロシアイをしないために慰霊壇を植物園に造ったのに、その植物園でコロシアイが起きるなんて・・・」
「大音量の音楽とか火事とか、原作の五章とそっくりだな」
「その辺は裁判編の解説で言う予定だけど、先に言うと共通項がこんなに多くなったのは偶然なんだってよ」
「嘘だろ」
「本当だよ。火事はクロの考え的に外せなかったし、音楽も使えそうだったから使っただけだし、毒もちょっとは意識したけどもともと植物園なんだから毒性植物の栽培室も予定としてあったし」
「う〜ん、なんか気持ち悪いな。原作の五章と似てて、しかも笹戸は白ワカメを尊敬してんだろ。偶然にしてはできすぎてるような・・・」
「逆に寄せてるんだとしたら、一番大事な槍がないでしょ。あれがあったら確信犯かも知れないけど」
「槍・・・釣り竿って槍っぽいよな」
「無理矢理だな!なんでアンタがそっちに寄せてくんだよ!」
「その方がなんか物書きとして上手っぽくね?その方がいいじゃんか」
「そりゃそうだけど、こじつけ過ぎると逆に白い目で見られるよ」
「うぬん」
「みこっちゃんの後はまどっちに話を聞くシーンだね。フライパンはここで磁石に気付かせるために持たせたんだけど、シンバルとして使ってた方がウケが良かったのは意外だったって」
「よく朝起こすときにフライパンをお玉で叩くヤツあるけど、あれ実際やるとめちゃくちゃうるせえからな。普通に近所迷惑だから止めた方がいい。両方傷つくし」
「家でコソコソ爆弾作ってるヤツの方がよっぽど近所迷惑だけど」
「いちいちうるせえな!お前オレになんの恨みがあるんだよ!爆弾魔にだって人権はあるんだからな!」
「他人の人権を侵害してまで守る爆弾魔はいねえよ!」
「正論で殴られた」
「ドールんも言ってるけど、火を使うと証拠品が全部燃えちゃって、手掛かりが何も残らなくなっちゃう可能性があるんだよね。そこまで考えて焼死を選ぶっていうのは、合理的かも知れないけど、普通の思考回路じゃないよね」
「焼け死ぬのはしんどいだろうからな。しかも毒キノコで動けなくするおまけつきだろ?」
「ホント、今回の事件の犯人はヤバいよ。いくら自分の信条のためとはいえ、そこまでできる?」
「ん?この事件のクロはハメられただけだろ?むしろ笹戸の方が・・・」
「みこっちゃんはただハメられただけで全ては笹戸が企んだことなんだから事件の犯人はみこっちゃんじゃなくて笹戸って言うのが正しいだろうがよ!!(一息)」
「見え透いた地雷を踏み抜いてしまった・・・わりいわりい。確かにまあ、お前の言うことも分かるけど、モノクマはそうは考えてくれねえみたいだったぜ」
「それがこのコロシアイの理不尽なところだよ・・・。というか、この手法もスーダンのパクリでしょ」
「パクリだけど実際やろうとすると大変なんだぜ。どうやったら自覚の無いままクロに仕立て上げて、なおかつ自白に近しい発言を控えさせるかとか。だってクロ自身も事件を解決するつもりでいるんだからな」
「みこっちゃんはピュアだから全部自分の覚えてることは言っちゃったからね・・・それが裏目に出るんだけど・・・アタシそこの解説じゃなくてよかった。たぶん耐えられない」
「今も全然耐えてるようには見えねえんだが。でも次の解説編の担当はまさに」
「ぎゃーーーーっ!!!うるせーーーーー!!アタシは現実を見たくねえんだ!!逃避してんだから邪魔すんな!!」
「なんちゅう開き直り方だ。現実逃避って自分で言ってんじゃねえか」
「受け入れたくない現実からは逃げるに限る。どうしたって現実は変えられないんだから」
「完全に闇落ちしたヤツの台詞だ。現実は変えられねえが、現実に生きる人間は変えられるぜ。主に暴力によって」
「アンタの暴力はクソ陰湿だから余計に質が悪い」
「陰湿じゃねーよ!この上なくド派手だわ!!」
「こそこそしてんのが陰湿なんだよ。だいたい『もぐら』って名前も陰湿の表れだろ」
「お祭り時空だからって堂々と人の裏を名指しで詰ってきやがってェ・・・!!」
「裏とか言うな。薄っぺらくなるぞ」
「おいそんなこと言ってたらもう裁判直前だぞ。証拠が少なくなってる中で、どろどろに溶けたプラスチックとか、黒焦げになった缶とか、もうそんなしょうもない証拠しか手に入らない状況なのに!」
「証拠がない中での裁判だからどうなることかね。どうやって答えまで辿り着いたのか忘れちゃった」
「近いうちにまた解説編が上がるはずだから待っとけ。その前にハワイ旅行を挟むけどな」
「ハワイ旅行の方の筆が重いんだよ。解説編も1年くらい間あけてさ。計画性がないよ」
「やめたれ。少なくとも毎日ちょっとずつ頑張ってんだからよ」
「最後の場面は、曽根崎と清水がエレベーターに乗るところで終わりだね」
「何がどう転ぶか分からねえ上に、隣にいるヤツが犯人かも知れねえのに、この二人はずいぶんと互いを信用してんだな」
「信用というか、清水はある意味裏表がないから疑う余地がないってだけだけどね。曽根崎にかかればカマかけも余裕でできるし」
「そうか。曽根崎の方は最初から胡散臭いムーヴ全開で、疑ってかかってもどうせ煙に巻かれるだろうから、論理的に追い詰めるしかねえのか」
「まだこれまでを振り返るには早いけど、この二人の関係性も最初の頃と比べたらだいぶ変わったよね。このまま最後まで良いコンビで終わればいいんだけど(フラグ)」
「そのフラグは止めろ!」
「さ。解説編の仕事も終わったし、早いところ帰ってみこっちゃんと遊ぼ。こんなヤツといつまでも密でいられないし」
「こいつマジブレねーな・・・」
「まあでも、どうなることかと思ってたけど、思ったより楽しかったよ。また機会があったらちょっと考えてやってもいい」
「そりゃありがてーこって」
「考えるだけだからな!次こそはみこっちゃんと解説編がやれなかったらアタシは絶対に受けないからな!」
「受ける受けないの意思はお前次第じゃないんだよなあ」
「うるせー!だったらアタシは民意を味方に付ける!次はアタシとみこっちゃんの解説編が見たいと思ったらいいねを──」
「最悪BANされそうな発言はやめろ!!お前オレより過激なことしてんじゃねーか!!」
「うるせー!!結局あの一章の後からみこっちゃんと会ってねーんだよ!!何年越しだ!!」
「別時空だっつってんだから時間の話するんじゃねーよ!!ややこしくなるだろうが!!」
「みこっちゃんに会いたいよー!!抱きしめてなでなでしてストレス癒したいよー!!」
「まあこんなことになってるが、なんだかんだで2回も解説編をやり抜いたわけだ。そろそろ晴柳院に会わせてやってもいいんじゃねえかとオレは思うけどな」
「急になんでデレた」
「デレてねえ!!まあいいじゃねえか。どうせ次の晴柳院の解説編は相方じゃねえんだから。でも、何らかの形で関われるかも知れねえぜ?」
「あんまテキトーなこと言うと縫うぞ」
「いやいやいや!望月と滝山の解説編のときに六浜が一応出てただろ!ああいう感じで一緒にやれるかも知れねえぞ!」
「ガラス一枚隔ててんじゃ嫌だ!嫌だああッ!!」
「注文が多いな」
「みんな覚えておいてよ!みこっちゃんが次解説編やるときにアタシが出て来なかったらもう出るとこ出るから!訴訟モンだから!」
「出るのか出ねえのかややこしいな。っていうか一ヶ月は先になるだろ。覚えてねえよ」
「覚えてろよ・・・!地べたを這いドロ水すすってでも解説編にもどってきてやる・・・!」
「かつてない勢いで殺意が強い。なんちゅう顔してんだ」
「とっととこの回を終わらせろ・・・!アタシの理性が残ってるうちに・・・!」
「乗っ取られるヤツみたいなこと言いだした!そろそろオレも身の危険を感じるから終わらせるぜ!なんだかんだ長いこと読んでくれてありがとうなアリ共!」
「ありがとうね!こんなヤツとの解説でなんかゴメンね!」
「うるせえよ!つうわけでここまでは、史上最悪の爆弾魔、屋良井照矢様とォ!!」
「みこっちゃんをすこ!れよ!有栖川薔薇でお送りしたよ!!」
「あばよ!!!(迫真)」
「じゃあね!!!(激昂)」
解説編ももう五章に突入してしまいました。本編も長かったですが、解説編も長くかかりますね(1年間完全に停止してましたし)
こうなってくると感慨深いものがあります。やっぱりひとつのことをやり切る、書ききる、イキキルってすごいことですね。